東方欲望録   作:アンダーソンキャッスル

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異邦の巫女と風都探偵編
25話 タイプライターと探偵とWの協力/超越地球


「……やぁ、どうだい? 進捗は…」

「! はい! メダルとガイアメモリの技術を駆使すれば以前言っていた計画もより速く始められるでしょう!」

 

死の商人。財団X。

 

「いいや、それでは遅いのだよ。やはり君に任せたのが間違いだった…もういい君は今日からクビだ」

「なっ!? 待ってくださいそれだけは…!」

「なんだね?」

「い、いえ……」

 

とんでもない財力と技術を持った彼らも、一枚岩ではないらしい。

 

「それでは早急に出て行きたまえ」

「……はい」

 

 

今宵もまた、彼らは良からぬ事を企んでいる。

 

「……大丈夫だ。必ず私が…助けるからな…!」

 

波の様な連続した足音が、静かな研究室を慌ただしくさせる。

「上からの命令だ。メモリもメダルも全てここに置いて行け」

 

「……私がいなければ研究データもろくに再現できん間抜けどもが…」

「なに?」

 

 

──《INBISIBLE》!

 

「──死ね」

 

 

 

いきなりだが、今日は少し変わった依頼者の話をしようと思う。

その人達は事務所に訪ねてくるなり突然俺達の元へと頼みこんできた。()()()()()()と。

 

なんでも? その少女は奇跡を起こせる力を持っているらしい。最初は疑ってかかったがまぁ今までそういう奇跡のような事は散々体験してきたし信頼して依頼を受けた。

 

調べてみるとどうやら本当に不思議な力を持っている様で何者かがこの子の力に目をつけたと言う。

俺達はそれらが財団Xだと推測した。奴等はそういう不思議な力に目敏いしそれに、

 

 

 

タイプライターに打ち込まれた文字は、ここで止まっている。

 

「……!」

 

彼は、異変に気付いてタイプライターに掛けていた手を離す。

 

 ドアを開けて、彼は外に出た。

 

「なっ何!? 仮面ライダーダブル……の左側!?」

「その白服……おいフィリップ……っと、いや」

 

 そういえば今回は一人で闘うのだった。

 

「ったく……もう嗅ぎつけてきやがったのか? 財団X!」

 

──《JOKER》!

 

「くっ…や、やれ──!」

「はっ、如何にも、小物集団って感じか?」

 

彼はメモリをロストドライバーに装填する。

 

「変身」

 

 

──《JOKER》!

 

「さぁてと、ちょっとだけ暴れるか」

 

まず、視界に入った先頭の奴をぶん殴った。

続いて後ろの二人が飛び掛かってきたので、ひらりと避け、態勢を崩したところに蹴りを入れる。

 

「一気に決めるぜ」

 

 

 ──《MAXIMUM DRIVE》!

 

「……ライダーパンチ!」

 

 一撃、二撃、三撃。そして最後にもう一撃。

 全てドーパントにクリティカルヒットした。

 

「……ふぅ」

 

 メモリをベルトから外し、変身を解除する。

 

「嵐の前の静けさって…感じだな」

 

 

 ひと段落つき、また鳴海探偵事務所へ戻ろうかとした時。彼の背後に光が降り注いだ。

 

「罠かっ!? くそっ直撃しちまった……」

「……あ?」

 

 景色が晴れた、と同時に尻餅をつく。

 

「……って! くそっ、俺だけを狙いやがって、霊夢!? 魔理沙!?」

「は!? なんだ、ドーパントか!?」

「っくしょうが! 姿を見せやがれ!」

 

「「……あん?」」

 

 なんだ、光がいきなり消えたかと思えば、目の前に人をドーパント扱いする奴がいる。

 その単語に反応して、振り返る。

 

「そっその帽子にその服…もしや、あ、あなたは……」

「お、知ってんのか? いやー俺も有名人だからなぁ、そっかそっか……」

「探偵ごっこの厨二病? それとも有名なコスプレイヤー?」

「誰がだ!! てめぇ!」

 

 現代チックな服を着た男に、柊の頭がスパコンと叩かれる。

 

「痛いっ!? ……じゃ、じゃあ誰なんだよ!?」

「開口一番失礼な奴だな…俺の名は左 翔太郎。探偵だ」

「探偵ってそんないかにもな服で……マジか、失礼しました」

「お、おう、聞き分けいいなお前」

 

 翔太郎は柊の差し出す手を見て、快く握手を承諾した。

 

「んで、お前は 一体誰なんだ? 今急に現れなかったか?」

「えっと、俺も分からないんです、知り合いと色々やってたらなんか俺だけここに来ちゃったみたいで」

「あー、お前がそうか」

 

「?」

 

「俺の依頼人が話してたやつの特徴にそっくりなんだよお前」

「へぇ、その依頼人ってどんな人です?」

「いやぁ、それが教えちゃくれねぇんだ」

「? 一つもですか?」

「ああ、名前は紫っていうらしいが。それ以外はなんっにもわかんねぇ」

「紫? あの、それってもしかして金髪で紫の服着た」

「ああ、やっぱり知ってるんだな。そんじゃ話は早い。そらついて来いよ」

 

 コクッと頷く。

 

「行くぜ、しっかり捕まってろよ」

「あ、はい!」

 

(紫さん…なんなんだ? 貴方がここに呼んだのか?)

 

「んじゃまぁ…… え〜っと確か名前…は。夢知月 柊だったか」

 

「はい! 夢知月 柊です! 好きな呼び方で!」

「そうか、よろしくな柊」

 

「はい!」

 

 

 ♢

 

 

そして柊太郎の事務所へ着いた。

 

「ただいま〜」

「お邪魔しま〜す!」

「は〜い、柊、ようこそこっちの地球へ」

 

 そこには当然のように紫が座っていた。

 

「あっ!? 紫さん! 俺になんか言うことないんですか!?」

 

 ん〜? と少し考えた素振りを見せてすぐに気付いたようで。

 

「おかえりなさい」

「違うでしょ!?」

「冗談よ〜、何でここにいるかの説明よね。任せなさい!」

 

 言われるがまま、地下へ行き、ホワイトボードに絵を描きながらの説明をされた。

 

「一応検討しては見たけど貴方がここにいる理由はハッキリは分かんない、 けど……正直、来てくれて助かったわ」

 

「というと?」

「左 翔太郎くんから大体の話は聞いたでしょうからそこまで詳しく説明はしないけどとにかく今は守って欲しい子がいるの」

「勿論それは良いんですが」

「ありがとね、柊……あ、それと」

 

 紫は柊に近づき小声で耳打ちした。

 

「柊用の力を貯めておいたの。こっちでも上手く力が使えるのは貴方くらいだろうと思ってね、存分に使って頂戴」

「俺用?」

「その話はまた後でね」

 

 正直ここに柊が来てくれるかは賭けだったけど来てくれるとこんなに頼もしい助っ人もいない。

 

「……ふーん、まぁ俺は難しいことは分かんないから紫さんに指示を貰いながら支援するよ、石投げとか」

「何言ってるの? 貴方も闘うのよ? 見なさいその右腕にはめられてるのそれが貴方用の力よ」

 

 右腕? と思いながら右手を見る柊。

 

「どわ!? と、時計? 紫さんが?」

「ええ、貴方がここに来た時にね。それがあれば貴方も変身できる。感謝なさい、私だいぶ無理したんだから」

「ま、マジでか!!」

 

 驚くのも束の間、心の中に語りかけてきた。

 

(ただ、あまりこの事は知られたくないから、貴方にだけ話すわ。それはオーズウォッチ。3回分、それぞれタトバ、ラトラータ、タジャドルに変身できる様になってる)

 

言われてみればたしかに、顔が3つあってそれぞれの横にボタンが付いている。

 

 

(それを押せばそれだけで変身できる。けどそれは私の妖力を三等分したものだから、貴方が変身した時よりもちょい勝手が違うけどね、そこはなんとか慣れて頂戴)

 

(わ、分かりました。あの紫さん俺以外が来てたらどうする気だったんですか?)

(こっちでも問題なく力が使える奴なんて貴方以外には霊夢くらいしかいないって分かってたから、貴方と霊夢用に仕掛けを用意してただけよ)

(なるほど、なら俺が来たのは正解でしたか?)

(ええ! グッドよグッド! 本当ナイス!まぁ、そもそもここに来れる可能性があるのは貴方くらいなものと思っていたのだけれどね)

 

 念話していると、横から翔太郎が語りかけた。

 

「変身って俺達みたいな感じにか?」

「えっと、はい……ん?」

「そりゃ良かった頼りにしてるぜ」

「ちょ、ちょっと待った!!」

「ん?」

「俺達みたいに……って言いましたよね? もう1人いるんですか?」

「ああ、俺達は──二人で一人の仮面ライダーなんだ」

 

「──え?」

 

 

(ちょっと! 分かってると思うけど貴方の事はあまり知られたらまずいんだからね!?)

(だ、だって! 仮面ライダーって事はこの人……え!?)

 

「ま、マジか……マジの仮面ライダー……」

「お前だって仮面ライダーなんだろ? そんな驚くことか?」

「いやまぁ、うーん、そうなんですけどね」

「ははぁ〜ん? そうか、そういうことか」

 

何かに勘付いたような仕草の翔太郎を見て紫の肩が跳ねた。

 

「今まで仮面ライダーと会ったことがなかったんだな? 見た目若そうだしな」

「はい、いや、正直マジで驚いてます」

 

 目の前にいる探偵が、本当の本当に仮面ライダーであるのか。いやもしかしたら大ホラ吹きの可能性もあるが、紫が頼りにしている以上信じるのが普通だろう。

 

「仮面ライダー同士、助け合いだ。よろしく頼むぜ」

「はい! よろしくお願いします!!」

 

 紫達のいる地球。幻想郷が存在する地球、そこには仮面ライダーが実在していた。その事実に震えながら、翔太郎に返事をした。

 

「というわけで、はいこれ」

「? この写真……猫…? と犬?」

「迷子猫に迷子犬……お前が手伝ってくれるんだろ? 紫さんが言ってたぜ」

 

 紫の方に眼をやると、可愛くウィンクをしていた。

 

「は、い」

 

こうして──。

波乱万丈の体験が幕を開けた。

 

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