じぇねれーしょんせくしゃるぎゃっぷ   作:sugarstar

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第十話 初日⑧

 不意に時計を見るといつの間にか午後5時くらいになっていた。

 やる事がある時は本当に時間が進むのが速くていいものだ。

 俺は、いままで瞑想で時間を潰してきて本当に辛い日々だった。

 今日は、色々な事があって大変でもあったのだが、とても充実した、と言える日になるだろう。

 というわけだが、まだまだ今日の晩飯の予定は決まっていないし、食材も充実したものは無い。

 市販の物を買って食べることにした。何せ、楽だからだ。

 まだ腹の方は減っておらず、このまま減りそうな気もしない。いや、減りそうか減らなさそうかは、予測できない。減りそうだと思ってたら減らなかったり、減らなさそうと思ってたら、逆に減ってきたりなど、空腹の予測はしにくいことだと考えている。

 ということで、コンビニにでも行って何か買ってこようと思う。

 服は着替えるものも無い為、今のままで良いかと思う。というわけで、お金を1500円程持ってコンビニに行くことにしようか。

 玄関にて、見かけぬ靴が置いてあったが、数瞬を浪費し、今使っている靴だと理解する。

 やっぱり、慣れてないものというのは安心感が無い。とはいえ、何とかして慣れていかなければならない。

 それはさておいて、ドアを開けて、外にでると、だいぶ辺りは黒みを取り戻し始めていた。

 まだ青い空ではあるのだが、直に日も落ちてしまうだろうと瞬時に読み取れるくらいであった。

 この姿で、外に出歩くだけなら慣れて来たような気がする。とはいえ、皆から視線を向けられるのはさすがに怖くて逃げてしまいそうだ。

 関係ないことを考えていると、いつも利用しているコンビニに着いた。

 中に入って、少し奥の方へ行って、おにぎりが置いてある場所へと来た。何があるかを見ていると、鮭とツナマヨのおにぎりを見つけた。

 取り敢えずこれらを買うことにした。

 その二つのおにぎりを手にとって、レジの方へ持っていく。

 嗜好品などは買わない。簡潔に言うと、お金に余裕が無いからだ。

 人は並んでおらず、すぐに会計を終わらせる。

 お金を払い、お釣りを貰って、家に帰る。

 いつの間にか値上がりしていたなぁと何の取り止めもないような考えを起こす。

 いや、それ程でも無かったけれども。

 そう言えば、だいぶ歩き回って足が疲労していることに気付いた。女の子になったからかと考えたのだが、引篭もっていたからじゃないかという考えを新しく考えると、そちらの方が合っている気がしてきた。

 まあ、どうだっていいか。今、この体力であることは事実であるのだ。それの理由などどうでも良かった。とはいえ、そろそろ家でゆっくりしたいと思い始めた。それ程家は遠くないので、すぐに着くとは思うのだが、一人で歩いていると、さすがに時間が過ぎるのが遅く感じる。とはいったものの家に着くとあっという間だったなぁと感じることは、とても頻繁に起こることである。

 何とか疲れながらも歩いていたら、家に着いた。

 家に入って、すぐにダイニングまで行くことにした。

 椅子に座る際に視界の端に映る時計が気になり、時間を見ると先程から30分程度経っているようだった。まあ、それはそんなにも気にせず、椅子に座ったのだが。

 袋からおにぎりを取り出し、少ないかなぁとも一瞬よぎるのだが、昼食があんなに少なくても大丈夫だったことからすると、この程度でも何とかなるような気がする。

 さて、おにぎりを食べ始めた。やっぱり市販されているものは美味しかった。一個目は鮭のおにぎりだ。

 米粒はあまり口周りには付かなかった。これも最近の改良によるものだろうかと思った。ただ、自分にはあまり関係ないことだ。食べやすくなったのなら何だっていいのだ。

 途中で具の鮭が見えてくる。パクリ付くと、口内に旨味と塩味が広がる。それらは絶妙に混じりあっている。非常に旨い。

 どんどん食べて、もう無くなった。

 だが、もう一個味の違うものがある。パクパクと食べていって、ツナマヨの部分が出てくる。正直俺はあまり食べてないのだが、マヨの味がして、うん、美味い。といった程度の感想しか出てこない。

 いや、明らかに食べる量が減っていることを再確認した。

 たったこれだけで、満腹中枢が刺激されて、だいぶ満足感を得た。

 今まではおにぎり二個じゃ何の腹の足しにもならん、という感じだったのだが、凄い変わりようだなと感じた。

 レジ袋やおにぎりの包装類等をゴミ箱へ捨てて、一言「ごちそうさま」とだけ呟き部屋に戻ることにした。


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