雪乃「こんにちは比企谷君。」
八幡「おう、てか本当に来てくれたんだな。」
雪乃「ふふ、私は虚言は吐かないもの。」
八幡「そうか。」
比企谷君が目覚めて次の日、昨日宣言したとおり私は病室に来ていた。比企谷君は意識は戻ったが体中のけがが酷く、それを治すためにしばらくは入院するらしい。できればこの入院中に比企谷君たちの問題なんとかしたいけれども勝手にやるわけにはいかない。それに妹さんも目が覚めてからでないと…
八幡「雪ノ下どうかしたか?」
そう考えていると比企谷君が心配そうに見ていた。いけない、いけない。
雪乃「あ、いえ…なんでもないわ。ただ考え事していただけだから。それはそうと今日は比企谷君に提案があるの。」
八幡「提案?」
雪乃「ええ、比企谷君しばらく病院生活でしょ?でもそうしているうちに学校で授業は進んでしまう。だから…その、勉強を教えてあげようかなと思ったのだけれど…どうかしら?」
そう、比企谷君が入院しているとはいえ学校ではどんどん授業は進んでいく。1年生だから最初は中学の復習になるとは思うが何もしていないとかなりきついと思う。…おせっかいかしら?
八幡「そうだな…、ならお願いしてもいいか?たしかに何もしないのとは大違いだからな。」
雪乃「ええ、もちろん。それでなんだけれど…」
そこで私は鞄からあるものを取り出す。それを机の上に置く。
八幡「これは…?」
雪乃「小テストよ。国・数・英・社・理の5科目持ってきたわ。一応これで比企谷君がどんな感じか分かると思うから解いてみて。」
八幡「なるほどな…。」
そこで比企谷君はふと聞いてきた。
八幡「なあ、これって雪ノ下が書いたのか?」
雪乃「ええ、そうだけど…何か問題に間違いとかあった?」
八幡「いや、そうじゃなくて…、字がきれいだなと思っただけだ。」
雪乃「そ、そう///」
よ、容姿とかで言われることはあるけれどそんなこと言われたの初めてなのだけど///それも面と面に向かって///
雪乃「ん、ん!!で、制限時間は1時間ね。時計が12を指してからね。……始め!」
そして1時間後…
雪乃「…はい終了ね。ちょっと採点するから待っててもらえるかしら。」
すぐに採点し終わる。
八幡「でどうだ?」
雪乃「国・英は満点ね。社は8割、それで数・理が3割かしら。こうして見ると文系型ね。…それにしても国・英が満点なんてすごいわ。結構難しい問題を出したつもりだったけれど。」
八幡「そうだな、なんかあった時のために国語と英語は勉強してたかんじだな。言葉通じればなんとかなるしな。」
八幡「最悪海外に捨てられてもなんとかなるしな…」ボソッ
雪乃「そう…。」
比企谷君は聞こえていないと思っているようだが私には聞こえた。もし海外に捨てられたとしてもなんとかなるように必死になって勉強したのだろう…。でもあまり触れてはいけないことだと思ったから私は聞こえていないように装った。
雪乃「…では授業の復習と理系の勉強を主にするということにしましょう。」
八幡「おう、よろしく頼む。」
こうして私と比企谷君の勉強会が始まった。
・・・・・・・・
八幡「…ん?なあ雪ノ下ここはどうやるんだ?」
雪乃「ここは…これにxを代入してここをこうすると…こうなるわね。」
八幡「なるほどな。よしもう一回解いてみるわ。」
教えて分かったのだが比企谷君は飲み込みが早い。自分が分かるところは出来るまでやるし、分からないところは少し考えてから私に聞いてくる。そして聞いた後は同じ問題をもう一度解く。私も教えがいがあって嬉しいものだ。
ふと、時計を見るとそろそろ面会時間が終わるタイミングだった。
雪乃「そろそろ時間だから今日はここまでね。続きはまた明日ね。」
八幡「ああ、了解だ。」
あ、そういえば…
雪乃「比企谷君何か欲しいものはあるかしら?さすがに1日勉強ってことでもないでしょうし。そうね…何か趣味とかある?」
病院生活は思っているよりも暇だと思う。何かあれば時間潰しになる。それに比企谷君のことが少しでもわかる…って!私一体何考えてるの///
八幡「そうだな、本…かな。」
雪乃「本?何か種類とかはあるの?」
八幡「いや何でも読むぞ。だから種類とかは気にしなくても大丈夫だ。」
雪乃「ならいくつか持ってくるわね。じゃあ、また明日。」
八幡「ああ、また明日な。」
家に帰った後、何時間も何を持ってくか悩んでいたのは私だけの秘密。
・・・・
そして次の日。
雪乃「こんにちは比企谷君、これ昨日言っていた本よ。気にいるものがあればいいのだけれど。」
八幡「おう、サンキューな。」
比企谷君が袋のことをガサゴソしていたらある一冊の本を出した。…あ、それは!?
八幡「これはパンさん…?」
あー!昨日、間違えて入れてしまったわ!?何やっているの昨日の私!幼稚だと思われたのかしら…。
八幡「なんか可愛いな…。」
雪乃「え///」
八幡「いや、これを雪ノ下が持ってると思ったらな。パンさん好きなのか?」
雪乃「え、ええ///」
八幡「そうなのか。俺パンさんのことあまり知らないから教えて欲しいだが…」
雪乃「任せなさい!」
比企谷君は私が恥ずかしかったことに気づいたのか話題を変えてきた。それに私はうまくのったのだった。
その日は結局、面会時間いっぱいまで私はパンさんの話を永遠と話したのだった。