ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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ウルトラマンとラブライブ。双方に理解を持てる友人が欲しくて描いた物語。
サンシャインの話はアニメに従うけど、ウルトラマンの方はオリジナル展開。
まあ、暇つぶし程度に楽しんでください。



プロローグ 災厄の咆哮
崩壊の地球


 

 

 

 

 

 

 

 町が燃えていた。

 その中で人が逃げ惑う。ある者は泣き、ある者は慟哭を上げ、こんなにも脆く、世界は崩れ去るものなのかと絶望する者もいた。

 絶望と狂気が支配する混沌の世界の中、人々の視線は二人の巨人に向けられていた。

 人知を遥かに超越した。青と黒の、二人の巨人に。

 

「デェェェェヤァァァァ‼」

 

「アァァァァァァァァァ‼」

 

 二人がその拳をぶつける度に光が煌き、闇が迸る。

 方や、光と正義をその身に宿す光の戦士。

 方や、闇と邪悪をその身に宿す闇の帝王。

 崩れ行く世界の中、因縁深き二人の巨人が衝突する。

 その頭上には、二人の身長を遥かに凌駕する巨大な物体が。

 

「ベリアル! あれは一体何なんだ!」

 

 青き戦士が、腕に装着された鈍色の剣、ウルティメイトゼロソードを振るい、闇の巨人へと向かって行く。

 

「・・・今から死ぬ貴様には関係のない事だ。ゼロ」

 

 それに対し黒き巨人が自身の身の丈ほどある長い槍、ギガバトルナイザーを振るい、その剣を受け止める。

 

「何が目的だ!」

 

「ぐぉっ・・・」

 

 青い巨人が突き出した拳が黒き巨人の腹部を捉え、たまらず黒き巨人が悶える。

 

「デェヤァ!」

 

 その隙を見逃さずに、青い巨人が剣を振るう。

 そしてそれを遠くから見ていた人間が、呟きを漏らす。

 

「・・・・・・何なんだよこれ」

 

「何が何なの・・・・・・」

 

「・・・・・・終わりだ・・・」

 

 突如出現した黒き巨人によって町は破壊され、平和だった町を火が包んだ。

 その後、黒き巨人を追うようにあの青い巨人が現れた。すぐに彼は味方だと分かったが、その時にはもう、何もかもが時間遅れだった。

 生き残った人々が見つめる先で、二人の巨人の争いは更に過激さを増していく。

 

「ベェェェリィアァルゥゥゥゥッ‼」

 

 青い巨人の剣線が煌き、遂にその剣は黒き巨人の胴を貫く。

 

「ッ!?」

 

 が、その事に驚いているのは青い巨人であった。

 

「テメェ・・・、本当にベリアルか・・・?」

 

 戦いの中、彼は思っていたのだ。

 奴にしては、あまりに手ごたえがないと。

 そしてその違和感が今確信に変わる。

 

「クッ・・・クッ・・・」

 

 黒き巨人が、小さく呻きだす。

 だがそれは苦し気なものではなく、勝利への確信を含む笑いだった。

 

「フッ・・・、私の仕事はこれまでの様だな・・・。ウルトラマンゼロ。一応ありがとうと言っておこう・・・・・・。まんまと罠に引っ掛かってくれてぇっ!」

 

「何っ!?」

 

「アァ・・・はっはっはっはっ・・・・・・」

 

 黒き巨人が哄笑するとと共に、その身がみるみるうちに変化していく。

 槍は消え去り、ハッキリと人型をしていたその巨人は、やがて元の形を留めなくなった。

 一応は人型をしているのだが、肩と思しき部位がない。

 禍々しく歪んでいた目は影も形もない黒い点となり、大きく裂かれていた口も今は円の中に並ぶように三角形の襞が五つ付いているだけの小さな口に。

 鈍色に光る頭部と、それに似つかわない茶色の胴体。

 青い戦士―――――――――、ウルトラマンゼロと呼ばれたその巨人は、その姿に見覚えがあった。

 

「・・・ザラブ星人か・・・・・・」

 

「ご名答」

 

 短くそう答えたザラブ星人は、やがて小刻みにその身を震わせ出す。

 もうその命が長くないのは、傍から見ても明らかである。

 

「先ほども言った通り、私がこの星に来たのはただの陽動だ・・・。今頃ベリアル様は別宇宙で目的を達成している頃だろうな・・・」

 

 ザラブ星人が、最後の力と言わんばかりに咆哮を上げ、口から砲弾を放つ。

 その光弾は頭上の物体に吸収された。その途端、着火剤が点いたようにタービンが回転を始め、凄まじい光が解き放たれる。

 

「・・・この星もろとも滅ぶがいい・・・・・・。ウルトラマンゼロォォォォォォォォォォッ‼」

 

「ぐっ・・・」

 

 断末魔の叫びを上げたザラブ星人が爆散し、火花を上げて回転する物体――――――、

 

 ――――――超時空消滅爆弾が、遂に地上に降り立つ。

 

「オオオオォォォォォォォォォォォ‼」

 

 身にまとった鎧の装着を解除したゼロが、右手を腰に当て、左手を横に大きく伸ばす。

 ゼロの右手には、どこからともなく現れた光の粒子が集約していく。

 やがてその光が集まり、溢れんばかりの輝きを右手に宿したゼロが、腕をL字に組んだ。

 

「ワイドゼロショットォ‼」

 

 ゼロの腕から放たれた光線が超時空消滅爆弾を貫かんと衝突するが、全く効果を示さない。

 

「なっ・・・・・・」

 

 ゼロが悔しそうに呻くと、光を抑えられなくなった超時空消滅爆弾が膨張を始め出した。

 それは爆発が近い事を如実に物語っている。

 ゼロは感覚的に、もう止めるのは不可能だと悟ってしまった。

 

「・・・・・・くっ・・・」

 

 今まで、課された任務先の星の命を守れない事は何度もあった。

 だがやはり、この瞬間はいつまでたってもなれる気がしない。いや、慣れてはいけないの事なのだろう。

 

「クソッたれがァァァァァァッ‼」

 

 叫びを上げたゼロが再び煌く鎧をその身に宿すと、空に穴をあけてその中に飛んでいく。

 

(・・・・・・すまねぇ・・・)

 

 ゼロが突入してその穴が閉じるのと、超時空消滅爆弾が起爆するのは、同時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 地球を中心に生じた次元の断層はやがて宇宙全体に広がり、星々は消滅した。

 

 ――――かに思われた。

 

 これがウルトラマンジードがいる宇宙とは別の宇宙で起きたクライシスインパクト。

 後に、アナザークライシスと呼ばれる現象である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから時は流れ、内浦。

 

『グィンガァァァァヴゥゥゥゥゥ‼』

 

 あの時と同じ燃える町の中で、咆哮が轟く。

 空は炎で深紅に染まり、町中に響く人々の悲鳴が幼き少女の恐怖感を煽る。

 

「曜ちゃァァァァァァんッ! 果南ちゃァァァァァァんッ!」

 

 奴は突如現れた。全身から禍々しさが漂う、赤い、怪獣。

 何の前触れもなく出現し、その巨大な図体を行進させながら次々と町を破壊していった。

 駆け付けた自衛隊も奴の赤い角から放たれた雷で瞬時に壊滅させられ、余計に人々の不安を煽る結果になった。

 

「陸ちゃァァァァァァんッ!」

 

 喉が張り裂けそうになるほどの大声で幼馴染達の名前を呼ぶが、返事は帰ってこない。

 

「どこぉ・・・」

 

 自分の家で遊ぶ約束をしていた幼馴染を待っていたら、突如としてあの怪獣が現れた。

 心配で、居ても立っても居られなくなって、思わず家を飛び出してきてしまったが、当然子供の自分にできることは何もなくて。

 いくら涙を流そうと、助けてくれる者は誰一人としていない。

 

「千歌!」

 

 突然名前を呼ばれた気がしてその方向を見ると、探していた幼馴染達の姿が目に入った。

 

「みんなっ・・・・・・」

 

 喜んだのもつかの間、目に入った幼馴染三人の内一人の姿に、思わず血が凍る。

 

「よぉ・・・ちゃん・・・?」

 

 その存在が誰か認識するや否や、足が痛い事も忘れて駆け寄る。

 

「曜ちゃん・・・? 曜ちゃん!」

 

 頭から血を流したその少女は、いくら揺さぶっても目を瞑ったままピクリとも動かない。

 

「・・・・・・」

 

 例えようのない絶望感と嫌悪感に押しつぶされ、その場にくずおれる千歌を更なる絶望が襲った。

 

『ヴゥゥゥゥゥゥ・・・・・・』

 

 怪獣が突如進行を止め、その双眸に彼女たちを捉えたのだ。

 

「ッ! 逃げるよ!」

 

 一つ年上の幼馴染に手を引かれて走り出す。が、

 その怪獣がまた一歩踏み出して生じた強烈な地響きによって地面が裂け、アスファルトの道路が反り返り、その衝撃に抗う術もなく吹き飛ばされて地面を転がる。

 

「果南ちゃん!」

 

「果南姉ちゃん!」

 

 また一人気を失い、自分自身の視界もぐにゃりと歪む。

 

「千歌ぁっ!」

 

「陸・・・ちゃん・・・」

 

すぐそこで叫んでいるはずの少年の声すらも遠くに感じ、もう諦めて朦朧とする意識を手放そうとしたその刹那、

 

『ゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・』

 

 突如怪獣の身体が光包まれ、霧散するように消えていく。

 千歌の意識は、そこで途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 ――――さらに時は流れて六年後。静岡県、内浦。

 

「「スクールアイドル部でーす!」」

 

 桜舞う季節に、二人の少女の声が響いた。

 

 




プロローグ時点でラブライブ要素が皆無で草。
まあこれはあくまで序曲。メインストーリーは次回からです。
リアルが割と忙しいので不定期更新ですが、お付き合いいただけると幸いです。
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