ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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予約投稿するのをすっかり忘れてたゴミ作者です。

さて、やる宣言してからはや七十話以上。皆さん、長らく御持たせしました。
今回より鞠莉さん回Startデース!

鞠莉「クオリティ低かったら覚えておきなさいよ」

俺「・・・・・・あんま自信ないっす・・・」

とにかくStartデース!


九十九話 衝撃は笑顔と共に

 

 

 

「ううぇ~~い・・・・・・・・・」

 

 とある夜中の内浦。

 今日も仕事と飲み会を終え、完全に酔っぱらっているサラリーマンが千鳥足で帰路を歩んでいた。

 

「・・・・・・んえぇぇ?」

 

 聞きなれない音楽が耳朶に触れ、サラリーマンは音の方へ視線を移した先にあったのは一台の屋台。

 坊主頭の中年の男性が一人で引いており、屋台が進むと、それと一緒にチャルメラの笛の音が鳴っている。

 

「・・・蕎麦かぁ~・・・・・・? おっちゃぁ~ん。蕎麦いっちょ~~・・・!」

 

 サラリーマンは酔っぱらった勢いのままに覚束ない足取りで屋台へと向かう。

 普通こんな客が着たら何らかの対応をするものだが、屋台の主は嫌な顔一つせずに彼を招き入れた。

 

「・・・・・・」

 

 言葉は一言も発さず、どこか不気味な動きで蓋を取った鍋の中からは――――――、

 

『・・・ふふふふふふふ・・・・・・・・・』

 

 黒い不定形の怪物が、その見た目に似合わない少年のような笑い声と共に這いあがってきたのだ。

 

「っ‼ わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ⁉」

 

 酔いがさめたサラリーマンが腰砕けになりながらも逃げようとするが、怪物は一瞬にして彼を飲み込み、鍋の中に戻ってしまう。

 

「・・・・・・・・・」

 

 何もなかったかのような静けさを取り戻した後、坊主はそっと蓋を閉め、再びチャルメラを吹き鳴らしながら屋台を引いて歩み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ワンツーワンツー!」

 

 ヒカルとショウ、そして浦女の皆の激励を受けて新たな目標を掲げたあの日から数日。

 優勝し、浦女の名前を永遠にラブライブの舞台へ刻み込むことを決めたAqoursは、より一層練習に精を出していた。

 

(・・・そういやさ、ガイさんとリクさんの時も思ってたんだけど、他の宇宙のウルトラマンってどうやってこの次元に来てんの?)

 

 そんな彼女達を眺めていた時、ポンと頭に浮かび上がった疑問をゼロに投げかけてみる。

 一応確認しておきたいのだが、次元移動できるゼロがイレギュラーなだけで、次元移動など普通は出来る事ではない。

 

〈あ? あぁ、まー、一応ギンガみたいに単体なら次元超えられる奴もいるし、光の国には俺のイージスを元に作った簡易型次元移動装置があるが・・・・・・、他のウルトラマンはスターゲートっつー宇宙同士を繋げている特異点を利用してる〉

 

(・・・んな便利なモンがあるのか)

 

 流石宇宙は広い。

 あまり深く聞くと長々と語られるので避けておく。以前イージスの事を聞いたらマルチバースが云々の話を三時間に渡って説明されたのであんな事はもう御免だ。

 

「じゃあ、一旦休憩ねー」

 

 リズムを刻んでいた果南の声が止まり、休憩に入った九人の少女がフォーメーションを崩す。

 

「陸ちゃーん! みずー!」

 

「あー、こっちもー!」

 

 千歌が水分を要求してきたのを皮切りに、彼女と同じく喉が渇いているらしい皆も続々と手を挙げる。

 

「へーへー」

 

この場で唯一動いていないのは陸だし、Aqoursのために出来る事がこれくらいしかないので素直に従った。

 

「ねー、りくっちー。ちょっと頼みごとがあるんだけど」

 

 水の入ったペットボトルを全員に配り終えた時、不意に鞠莉から声が掛かる。

 

「なんすか?」

 

 特に何の疑問も抱きもせずに振り向いた先にあったのは、いつも通りのにこやかな笑み。

 どうせ千歌のように何かのパシリにしてくるんだろうと思っていると、彼女は何気ない様子で一言。

 

 

「私の・・・・・・恋人になってくれない?」

 

 

 ぷふぅぅっ。

 

 

 鞠莉を除く八人の少女が口の中に含んだ水を盛大に吹き出した。

 虹がかかって見えるほど微細な噴霧は、運悪く八人の真正面にいた少年、つまりは陸の顔面に直撃する。

 

「・・・・・・おい・・・」

 

 ぽたぽたと顔から水を滴らせながら恨めし気に睨む。

 美少女八人からの顔射。多分オウガとかルイズとかなら大喜びだろうが、陸としては何も嬉しくない。

 

「オーウ、どうしたの皆ー。いきなりSprayingしてー」

 

 こうなった元凶の鞠莉が悪びれもせずに笑う。

 

「ちょっ・・・ちょぉ・・・! ちょっと鞠莉どういう事⁉」

 

 陸が非難の目を向けると同時に、果南が大いに取り乱しながら詰め寄っていく。

 他のメンバーも果南と考えている事は同じようで、疑問と、何か別の感情が混じった視線を爆弾発言の主に注いでいた。

 

「どうもこうもありまセーン。言葉の通りデース」

 

 そんな視線をのらりくらりと回避し、鞠莉は嗜虐的かつ悪戯っぽい笑みを作る。

 その時点で陸はからかうつもりだったのだろうと悟ったが、生憎ここにはそういうのを真に受けてしまう素直な少女が八人いるのだ。

 

「・・・じゃ、じゃあ何? 鞠莉ちゃんは陸の事・・・・・・」

 

 その手の話に弱い曜が自らそれを口にするとは珍しい。何で戦慄いているのかは理解不能だが。

それにしても誰も噴霧した事に関して謝ってこないのはどういうことなのだろうか。

 

「あー、多分皆が思ってるような事じゃないから安心して? 私はちょっとりくっちにお願いが・・・協力して欲しいだけよ」

 

「・・・お願い?」

 

「・・・・・・協力?」

 

 皆が眉を顰めたのを見て、鞠莉は少し困ったように頷いた。

 

「うん。実はね―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ギャハハハハハハハッ‼ 傑作だなオイ‼』

 

「・・・・・・うるさい・・・」

 

 後日。

 とある場所でとある衣服に着替えた陸は、殴りたくなる衝動を必死に抑えながらゼロの下品な笑いを受け止めていた。

 

「・・・こんなモン始めて着たぞ。窮屈だな・・・・・・」

 

『俺は何度か着たことあるぞ』

 

「どうせ前の地球で一体化してた人だろ? サラリーマンの」

 

 確か伊賀栗レイトとか言っていたか。こんな奴と一体化していたのだからさぞサラリーマンの業務に支障を来した事だろう。

 

「・・・つか、ホントに俺で大丈夫なのかよ・・・」

 

 先日鞠莉が陸にしてきたお願い。

 それに協力すると決めたはいいが、果たして自分に務まるのだろうかと非常に不安になっているところである。

 

『とりあえず、着替えたんなら行こうぜ。アイツ等も待ってるだろうしよ』

 

「・・・むしろ何で鞠莉さん以外が来てるのかが分かんねーんだけど」

 

 後頭部を掻きながらドアノブに手を駆け、恐らくこの向こうで待っているであろう八人の少女に顔を出す。

 そして案の定鞠莉以外のAqoursが揃っており、扉が開かれた瞬間、一斉にこちらへ目を向けてくる。

 

「「「あはははははははははははっ!」」」

 

 陸の格好を見た瞬間に腹を抱えて爆笑し出す千歌、曜、果南の幼馴染三人組。

 

「しっかし、似合わないわねアンタ・・・・・・」

 

「馬子にも衣裳とはまさにこの事ずら」

 

 歯に一切衣着せぬ物言いでシンプルに罵倒してくる善子と花丸。

 

「ま、まあ、衣装は人を選びますし、今回はたまたま・・・・・・ふふっ・・・!」

 

「・・・・・・先輩。ふんばルビィです」

 

 慰めようとして途中で吹き出すダイヤと本当に哀れんでくるルビィ。

 

「・・・・・・」

 

「せめてなんか言って」

 

 よほど酷いのか言葉すら発さない梨子。

 まーよくも全員揃って散々な反応である。陸だって着たくて着た訳ではないというのに。

 

「・・・俺は用意されたものを着ただけだ。俺じゃなくてこれを用意した鞠莉さんが悪い」

 

「まあ、そもそもスーツが似合う高校生なんてそうはいませんから安心なさい。・・・・・・・・・貴方は成長しても駄目そうですが」

 

「フォローする気ないだろポンコツ生徒会長」

 

 そう。陸が着用しているのは社交パーティーなどで金持ちが着ていそうな黒スーツ。

 普段なら絶対に身に着ける機会もなさそうなこれを身に着けているのには―――、

 

「あら、りくっち。意外と似合って・・・・・・無いわね」

 

 自分で頼んでおいて失礼すぎる言葉と共に登場した鞠莉。全ては彼女のお願いが始まりだった。

 

「わぁー! 鞠莉ちゃん可愛いー!」

 

「着物かぁ・・・・・・」

 

 陸の時とは打って変わり、紫を基調とした着物に身を包んだ鞠莉を褒め千切る一同。何だろうこの疎外感は。

 まあ、鞠莉は元々かなりの美人なので陸と違って何を着ても似合うのかもしれないが。

 

「ゴメンねりくっち。面倒なのに付き合わせちゃって」

 

「・・・それは別にいいんですけど・・・・・・、俺はこれからどんな金持ちのボンボンと顔合わせりゃいいんすか?」

 

 鞠莉が陸に頼んできた事。それは見合い話の回避。

 国内外を問わずかなりの影響力を持つ小原家の一人娘である鞠莉には、こうして縁談が持ち込まれる事もしばしばあるのだそうな。

 

『お嬢様も大変だよな~』

 

 齢十八、しかも在学中にも関わらず縁談の話が舞い込むとは。やはり彼女は陸達とは住んでいる世界が違う。

 言い換えれば面倒事が多い。お金持ちもいいこと尽くめではないという事だ。

 

「そういえばさ鞠莉。お見合いって普通お互いの家同士でやるものだよね? 何で陸が必要だったの?」

 

 気になっていた事を果南が問いかけてくれた。

 彼女の言う通り、通常見合いは一対一で行うもの。いたとしても双方の親族程度だろう。

 それが何故、部外者中の部外者である陸の協力が必要な事態になってしまったのか。

 

「あー、えっとね、これまでも何度かそういう話はあって、その度に適当な理由をつけて断ってたんだけど、今回の相手はしつこくてね~。そのような相手がいないならばやるべきだって。・・・だから」

 

「・・・・・・だから?」

 

「・・・断る口実になると思って恋人ぐらいいるって言い返したら、だったら自分とどっちが相応しいかこの目で見極めてやるとか言い出して・・・・・・それで・・・・・・」

 

 一気に場が静まり返る。

 要するに見合いを断るための口実に生み出した架空の恋人役として陸が抜擢されてしまったらしい。

 

「・・・・・・これ俺怒ってもいいやつ?」

 

 少なくともニセの恋人を演じているとバレたらただでは済まない気がする。

 

「お願い! そこをなんとか! こんな事頼めるのりくっちしかいないの! 私ずっと果南とダイヤしか話す相手いなかったから男の子の友達いないの!」

 

 頭の前で両掌を擦り合わせて懇願してくる鞠莉。最後とてつもなく悲しい事が聞こえた気がするが地雷っぽいのでスルーだ。

 

「バイト代は出すから・・・・・・ね?」

 

 遂にはそっちの話を持ち上げるほどギリギリの状況らしい。

 ともあれ、事情は知らされていなかったとはいえ一度引き受けたことを放棄するのも気が引ける。

 

「・・・・・・ま、今鞠莉さんになんかあったらAqoursとしても困るだろうし、別にいいですけど」

 

 大抵の面倒事は自分一人で処理してしまう鞠莉がこうして助けを求めてきているのだ。受け入れない訳にもいくまい。

 

「・・・りくっち・・・」

 

「あと別にバイト代はいいです。もらうまでもないんで」

 

 こんな事で報酬を受け取ることなんか無いし、そもそも陸はそんなもの無くても彼女の力になる。

 その返答を受けた鞠莉は、どこか納得した表情で自身を除くAqoursメンバーを見やった。

 

「・・・りくっちがモテる理由がちょっと分かった気がするわ」

 

「「「っ・・・・・・!」」」

 

『コイツは直接言われないと一生気付かないだろうがな』

 

 鞠莉の発言に対する反応は様々。首を傾げる陸。何故か硬直するAqoursの面々。呆れた様子のゼロ。意味が分からなくてますます疑念が深まる。

 

「・・・・・・どゆこと?」

 

「何でもないわ。そろそろいこっか。先方も多分待ってるし」

 

 そう言うと陸の手を取り、その先方とやらが待つロビー目指して歩み始めた。

 ちなみに今いるのは鞠莉の家が営業しているホテルオハラ。今日はここのロビーで面会の約束があるらしい。

 

「ああそうだ。ゼロは離れてて。暴れられたら困るから」

 

『・・・お前俺を何だと思ってんだよ・・・・・・』

 

 そう愚痴りつつもゼロは素直に陸の身体を抜け、複雑な面持ちをしている果南の中へ入って行く。

 

「・・・・・・ところでりくっち」

 

「はい?」

 

「社会の窓が・・・・・・・・・Full Openよ?」

 

「え・・・・・・? おわぁぁぁぁぁっ⁉」

 

「・・・・・・大丈夫かな・・・」

 

 いまいち決まらない陸に、一抹の不安を抱かずにはいられない一同だった。

 

 

 




個人回で全員にセリフ持たせたの初めてかもしれない。梨子は喋ってはないけれど。
まさかのお見合い回避のためにニセの恋人を演じる事になった陸。この先の展開を書くべく、作者は今ニセコイを読んで勉強してます。
で、冒頭でまた陸達とは一切関係ない人を被害に遭わせていくー。どんな奴が出てくるのか是非予想してみて下さいね(すぐにバレると予想)


俺「・・・・・・如何でしたか・・・?」gkgkbrbr

鞠莉「・・・・・・まあ、今までなかった展開でSurpriseにはなったから良しとするわ」

俺「ありがとうございます!」

鞠莉「でも前半の出来はまあまあで後半やらかした善子回みたいになったら・・・・・・分かってるわね?」

俺「・・・了解しました」

善子「・・・・・・アンタ等私を虐めるのがそんなに楽しい?」


それでは次回で!
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