BDの一次選考から三ヶ月、落選する事15連続。遂に長き戦いに終止符が打たれましたわ。
ちなみにDay1です。
個人的には十月中ずっと精神が荒れてたのでようやく収まった感じです。
本編どーぞ!
『大地。なんかおかしなところとかあったか?』
「うーん・・・今のところは何も・・・・・・」
こちらの世界に戻り、無事ウルトラマンエックスもAqoursメンバーの元に送らせた後。
何故か陸はエックスと一体化していた青年―――大空大地の持つ不思議な形をしたデバイスで身体を検査されていた。
「なあゼロ。俺は一体何を調べられてんの?」
『いいから大人しく調べられとけ』
理由を問うてもこの返答の一辺倒である。本当に何を調べられているのやら。
「デバイザーで調べてみたけど・・・・・・特におかしいところはなかったよ?」
やがて検査を終えたらしい大地がそう言い、そのデバイザーとやらに映し出された結果を見せてくる。
『・・・そうか・・・。やっぱタロウ教官からの報せを待つしかないか』
どうにもゼロの様子がおかしい。何か隠している事は明らかなのだが、それをどうしても陸に知られたくないらしい。
「ところでゼロ。俺はいつまでこっちの世界にいればいいの?」
前に見たヒカルやショウの物とはまた違った隊員服に身を包んだ大地が目を細める。
「ほら、俺よく分からないままこっちに連れてこられたし、やる事もあるからそこまで長居は出来ないんだけど・・・」
彼もエックスと共に無理矢理こっちの世界に連れてこられたゼロの被害者であるため、そう思うのはもっともだ。
だが、生憎ここにいるのは理屈が通じないで有名なウルトラマンゼロさんなのだ。
『さあ? アイツ等が帰って来るまでじゃねーの? いつかは知らないけどな』
「ええっ⁉ 俺Xioの皆に何も言ってきてないんだけど⁉」
『まあ、何とかなるんじゃね?』
「ちょっとぉ⁉」
「すみません大地さん・・・こんな奴で・・・・・・」
全グループのパフォーマンスが終了し、投票の集計に基づいた結果が会場の大スクリーンに映し出される。
一位Super Wing
二位あしも☆え~る
三位Kiss Bear
そこに、AqoursのライバルであるSaint Snowの名前はなかった。
「・・・・・・びっくりしたね」
「まさか、あんな事になるなんて・・・・・・」
「これが・・・・・ラブライブなんだね・・・」
『・・・・・・一度の失敗が全てのリズムを崩す。ミスすると立ち直ることは難しいという事だな・・・』
携帯のカメラ越しに決勝進出者たちの名前を眺めるエックスが零した言葉により、全員の脳裏にとある光景が蘇る。
パフォーマンス開始直後の事だったのだ。Saint Snowの二人が身体を衝突させ、大観衆の前で転倒してしまったのは。
その後の事は――――――言わずもがなだ。
彼女達の失敗が何に起因していたのかは分からない。多くの人々から押し寄せる期待が不安となってしまったのか。
だが、その期待が大きかったからこそ、今回の彼女達の敗退はより色濃く映る。
「一歩間違えれば、私たちもってこと?」
『・・・きっと誰でも、君達だって、その可能性は抱えているのだろうな・・・』
それはAqoursとて例外ではない。むしろより多くの人々の期待を受ける決勝となれば、より悲惨な失敗を犯してしまうかもしれないのだ。
「でもこれで、もう決勝に進めないんだよね・・・・・・・・・Saint Snowの二人・・・・・・」
何よりもその現実が刺さる。
互いに互いを刺激し合えたライバルの敗退は、やはりこたえるものがあった。
「・・・・・・Saint Snowの二人、先に帰られたみたいです」
再び控室に顔を出した千歌達だが、既にそこに二人の姿はなかった。
「この後、本選出場グループの壮行会があるんですけど・・・・・・」
「控室で待ってるって、聖良さん言ってくれたのに・・・・・・」
同室していた第三者の言葉と揺るがぬ事実から、Saint Snowの二人が抱いた感情が伺い知れる。
「今日は、いつもの感じじゃなかったから・・・・・・」
「ずっと・・・・・・理亞ちゃん黙ったままだったし・・・」
「・・・あんな二人、今まで見た事ない」
「あれじゃ動揺して歌えるわけないよ」
脳裏に、何度目かも分からない光景がフラッシュバックする。
あの時、転倒した彼女達が見せた、戸惑い、焦り、不安の表情。
忘れろと言われて忘れられるようなものではない。
「それにちょっと、喧嘩してたみたい」
不規則に揺れる路面電車の中を支配していたのは、夕陽の差した赤みと、圧倒的な静けさだった。
「まだ気になる?」
「・・・・・・うん」
その理由は言うまでもなく、Saint Snowの二人の事だ。
「ずっと二人でやってきたんだもんね・・・・・・」
「それが最後の大会でミスして、喧嘩までして・・・・・・」
『・・・・・・?』
曜が口にした「最後」という単語に、ルビィが軽く肩を揺らした事に気が付くエックス。
〈・・・ルビィ。どうかしたのか?〉
気を遣ってか、皆には聞こえないようテレパシーで直接脳内に声を掛けてきてくれる。
(・・・・・・。何でもないです)
一瞬何かを言いかけ、結局はそれを飲み込んだルビィにエックスの疑念は余計に深まる。
そして次の瞬間に彼女が視線を向けたのは、姉であるダイヤの横顔だった。
『・・・・・・』
以前デリカシーのなさでアスナという女隊員にボロクソ言われているので余計な口出しはしないが、ルビィはルビィで何か別の事で思い悩んでいるように捉えられた。
「やっぱり、会いに行かない方がいいのかな?」
「そうね! 気まずいだけかも!」
「私達が気に病んでも仕方のないことデース」
努めて明るく振舞おうとする善子と鞠莉を一瞥した後、エックスは再度ルビィに視線を戻す。
「そうかもね」
「あの二人なら大丈夫だよ」
「仲のいい姉妹だしね・・・・・」
少しずつ皆の表情に余裕が戻っていく中、やはりただ一人彼女だけが浮かない顔のままでいた。
「それじゃあこの後はホテルにチェックインしてー」
「明日は晴れるらしいから、函館観光だね」
「『・・・・・・・・・」』
ルビィの様子がどこかおかしい事に気が付いたのはエックスともう一人。
エックス同様先程からルビィを気に掛けるように見つめていた、彼女の姉である黒澤ダイヤだった。
「ルビィの様子が変?」
『ああ、何かこう、悩んでいるようにも思えてな。心当たりはないか?』
Aqoursメンバーが無事ホテルにチェックインしたという知らせを受けてから数十分、半ば強制的に向こうに向かわせたエックスからそんな知らせを受ける。
ちなみに今は電話越しに話している状態、サイバーウルトラマンという分類に入るらしいエックスは自分の入っている端末から他の端末に通信を入れる事も出来るらしい。
「・・・出発前にはそんな感じはしなかったけどな」
〈様子が変でもお前は気付かねーだろ〉
(どういう意味だ)
まあ実際、曜が思い詰めていた時に気付けなかった前科があるのでこれ以上は何も言えないのだが。
「心当たりっつってもな・・・・・、そっちはいつ頃気付いたんだ?」
『・・・・・・Saint Snowのライブが終わってからだな』
その名前が出た途端、本人たちはいないというのに幾分か空気が重くなったかのような感覚がのしかかってきた。
陸も、あの瞬間をネットの中継で見ていたから。
「・・・あれ見て自分達も不安になっちまったとかか?」
『さあな。それはルビィ本人にしか分からない。・・・・・・一つ気になるところがあるとすれば、ダイヤを見る視線に哀愁を感じたくらいだな』
「・・・哀愁?」
一体何を寂しがっていたのだろうかあのちんちくりんは・・・と思いかけ、前にルビィが言っていたとある事を記憶の底から弾き出す。
「・・・・・・エックス。確証がないからまだ何も言えないんだけど・・・・・・、とりあえず、また何かあったら教えてくれ」
『ん? ああ、分かった』
通話を終了させ、もう一度ルビィのある言葉を頭の中で反芻させる。
―――――お姉ちゃん達は、三年生はこれが最後のラブライブだから・・・・・・
三年生にとって最後のラブライブ。そして同じく最後のラブライブであったであろう聖良達の失敗。
「・・・・・・聖良さん達の件で変に悩んでるみたいだな」
『・・・・・・・・・ホント色恋沙汰以外の事は鋭いよな』
「・・・なんかよく分からんが悪かったな」
もう何度目だろうか、このやり取り。よくもまあ飽きないものだ。
『それはそうとお前』
「あぁ?」
『どうなんだよ。鞠莉に告られてからは』
「っ・・・・・・」
少し前に陸の人生五本の指に入るほどの大事件が起きた。
Aqoursメンバーの一人であり、陸の幼馴染である果南の親友でもある小原鞠莉。
そんな彼女が、先日大胆にもAqoursメンバーの面前で頬にキスからのロックオン宣言という中々にド派手な事をやってのけたのだ。
「・・・どうといわれても・・・・・・・・・そもそもこういう事自体初めてというか・・・、その、嬉しくない訳じゃないというか・・・・・・どう接したらいいか分からないというか・・・・・・」
『鈍感なくせに反応はウブなんだな・・・・・・』
呆れ気味に溜息をつくゼロ。
だがそれにはちょいとばかしの好奇も混ざっており、
〈・・・・・・これがあと八人分残ってると思うと面白くなってきたな・・・・・・〉
「「「わあぁぁぁ~~~♪」」」
Aqoursin五稜郭タワー。
展望台から見渡せる星形の城郭を真下に望み、千歌達は揃って声を上げていた。
「すごい! すごーい‼」
「なんだかおいしそうな形ずらね」
『食べながら言うセリフか・・・・・・?』
アイスクリームを味わいながらもまだ食のことを考える花丸にツッコんだ後、他のメンバーにも目を配るエックス。
「何という光景・・・間違いない。これこそわが夢にまで見た魔法陣! これで超巨大リトルデーモンを!」
「うぅ~・・・・・・カッコイイ!」
善子は堕天使魂を揺さぶる形だったらしい五稜郭、曜はかつてのこの地で起こった戊辰戦争の中心人物である土方歳三の銅像を見てそれぞれ目を輝かせている。
「全然平気平気!」
別所ではガラス張りの床の上に立った果南が声を上擦らせながら決して下は見まいとしているのが確認できた。
「・・・・・・・・・はぐぅ・・・」
「ワーオ!」
だが結局足が竦み、隣にいた鞠莉に抱き付いてしまう。
「ちょっと果南さん!」
「・・・・・・・・・」
三年生達の奥に、ルビィの姿はあった。
果南や鞠莉と戯れる自身の姉の姿を見て一瞬口元を綻ばせるものの、またすぐに思い悩んでいるような表情に戻ってしまう。
『・・・・・・・・・』
「ねえねえエックスちゃん!」
更に深まっていく違和感を胸に引っ掛けながら、エックスは千歌に頼まれ五稜郭と戊辰戦争の情報をネットから引っ張り出すのであった。
「なんか、落ち着くね。ここ」
「内浦と同じ空気を感じる」
続きやってきたのは八幡坂。
目の前の坂を見上げながら、千歌はほぅっと息をつく。
「そっかぁ・・・・・・海が目の前にあって、潮の香りがする街で、坂の上にある高校で・・・・・・」
上から下ってきた高校生と会釈を交わし、再度自分達の育った町との面影を重ねる。
「繋がってないようで、何故かどこかで繋がってるものね・・・・・・皆」
不意にポケットから取り出したペンダントを見つめ、そう呟く梨子。
ここにあの出来事の詳細を知る者はいないが、これは彼女が見えない力を信じたきっかけをくれた彼が残してくれた物だ。
「お待たせずらー」
しんみりとした梨子の感傷をぶち壊すように、機能どこかで聞いたようなのしのしという音が近づいてくる。
その正体は、やはり花丸の足音だった。
「ピギィ⁉」
「また⁉」
「何でまた着てくんのよ⁉」
昨日のあれをもう忘れてしまったのか、また大量の防寒具を着こんで暖かそうにしている。
そして案の定バランスを崩し、昨日同様ルビィ、曜、善子の三人を下敷きにして盛大に倒れ込むのであった。
『・・・・・・何をやっているんだ一体・・・』
「学習能力ゼロですわ・・・・・・」
「うぅ・・・‥寒い・・・・・・」
「Tea timeにでもしますか?」
「賛成!」
しばらく函館を観光し、身体も冷え始めてきた頃。
「もうだめずら・・・・・・限界ずら・・・・・・」
そろそろ怪我人が出そうだからと上着を引き剥がされた花丸が自身の身体を抱いて震えている。
「と、いう訳で!」
待ってましたと言わんばかりに善子が声を上げた場所はとある喫茶店の前。
くじら汁。と書かれたメニュー表が入り口前に掲げられている甘味処だ。
「くじら汁・・・・・・」
「渋い・・・・・・」
『ふむ・・・・・・、この地域の正月料理として有名なようだな・・・』
完全にナビゲーターと化したエックスの解説で多少の興味を抱き、ゆっくりと店の戸を開いて中の様子を伺う。
「すみませーん・・・」
店内に人の気配はなく、千歌が呼びかけてみるものの店員が出てくる様子もない。
「すみませーん! ・・・・・・あれ?」
『営業時間外なんじゃないのか?』
「でも、商い中って、ありマース」
入っていいのかダメなのか、現状では判断しかねる。
「うぅ・・・もう無理・・・中に入れて欲しいずら・・・・・・」
断りもなしに入るのは気が引けるが、もう限界らしい花丸を見ているのもなんだか忍びない。
「仕方ないね・・・・・・じゃあ失礼しまーす」
「ううぅ・・・・・やっと助かるずら・・・・・・」
店内に踏み入った瞬間、暖かな空気が千歌達を包んだ。暖房が効いていると言うことは、何かしらの理由で店員が出てこれないだけで営業自体はしているらしい。
「・・・・・・?」
適当な座席に座ってメニュー表に目を通しだす他のメンバーを尻目に、店の奥の方に灯っている灯りを目にしたルビィはそちらに向かって行く。
『・・・・・・ルビィ?』
昨夜陸に頼まれた手前、おかしな挙動から目を話すわけにはいくまい。
そう思いエックスが彼女の携帯端末の中に入り込むと、それと同時に灯りの出所であろう部屋の中からすすり泣くような音が聞こえた。
「『・・・・・・・・・」』
もしかしたら店員の人なのかと思い、覗き込むように部屋の中の様子を伺って音の正体を探る。
「っ・・・!」
そこには、何の変哲もない部屋の奥に置かれたベッドの上で俯せになって泣く少女が一人。
こちらの気配に気が付いたのか、涙で濡れた瞳でこちらを見た次の瞬間、互いに衝撃が走った。
〈・・・・・・彼女は・・・、Saint Snowの・・・・・・〉
そう。そこにいたのはSaint Snowの鹿角理亞。
ここは、この甘味処は彼女達の実家であったのだ。
原作パートすぎて書く事ねー・・・。
セイスノの敗退はすごいショックだったけど、それであのエモエモのSaint Aqours snowが爆誕したと思えばAll OK!
そんで大地君の扱いの悪さよ、大丈夫、後半は活躍するはず・・・・・・きっと。
つーかなんでアバンとAパートだけで三話使ってんだコイツ。
それでは次回で!