それはそうと今年の年末。今自分がお熱なルーブとグリッドマンが終わり、年が明けたらすぐアニメサンシャインの終着点となる劇場版。
どうしましょ、わたくし年末正気でいられるか分かりませんわ。
・・・・・・にしても今回のサブタイ・・・。
「ライブ?」
「ここで?」
「・・・うん・・・」
同じ一年生である花丸と善子に、昨夜自分が提案したライブの計画を伝えるルビィ。
『まあ、色々あってな。話だけでも聞いてやってくれないか?』
ルビィと理亞。二人の想いを知っているエックスも同調する。
「どうしてそう思ったずら?」
「理亞ちゃんと一緒にライブをやって・・・見せたいの。聖良さんと・・・・・・お姉ちゃんに・・・」
「出来るの?」
手に持っていた焼き鳥を口に運びながら問いを連ねてくる二人に、ちゃんと自分の意思を伝えるべく口を動かす。
「分からないけど・・・・・・でも、もしできたら、理亞ちゃん元気になってくれるかなって・・・・・・」
「準備は?」
「それは・・・・・・」
漠然としたやりたいという気持ちがあるだけで、それ以外は何一つ揃っていないので言い淀むしかない。
「あ~・・・・・・面白そうずら!」
「そうそ・・・・・・え?」
何か考えるような仕草の後にまさかの食いつきを見せた花丸に思わず驚く善子。
「まるも協力するずら」
「本当⁉ じゃあこの後、理亞ちゃんと会う事になってるんだけど、一緒に来てくれる?」
「うん!」
理亞を励ましてあげたい。その想いを汲み取り、協力を申し出てくれたのだろう。
思えばずっとルビィの背中を押してきてくれたのだ。こんな時に否を突き出す彼女ではない。
「善子ちゃんも勿論、行くずらね?」
「クックッ・・・・・・そんな時間、有るわけなかろう・・・・・・」
花丸とは反対に、善子は拒否の意思を表明する。
いい子だがいまいち素直になり切れない彼女の事だ。勿論協力の意思はあるのだが、それを堕天使の裏に隠してしまっているのだろう。
「リトルデーモンを探すという崇高な使命があるのだ。だがどうしてもというなら・・・・・・」
いつもならここらで花丸が「馬鹿な事やってないで行くずらよー」などと言って引き摺っていくところだが、今日の花丸はそこまで優しくなかった。
「さ、行くずらよー」
『おーい。善子―』
「本当はそんな遊戯に付き合っている暇などない。だが我と契約を交わせし、他ならぬ上級リトルデーモンの頼みだというのなら聞いてやらんことも・・・・・・」
『善子―、聞いてるかー?』
「ああもううっさいわね! 人がせっかく協力してあげようと―――」
『もう二人共行ってしまったぞ』
一応残ってあげたエックスの言葉で我に返り室内を見渡した善子の視界には、もうルビィと花丸の姿は映り込まない。
ここでようやく、善子は置いて行かれた事に気が付いた。
「・・・ああぁぁぁぁぁ~~~~! 待ってよぉぉぉ! てかヨハネェェェェェェェェ‼」
『おい待て善子! 携帯忘れてるぞ! ていうか私も連れていけぇぇぇぇ‼』
「・・・・・・・・・」
「「「・・・・・・・・・」」」
待ち合わせ場所である、昨日も訪れたハンバーガーショップ。
約束の時間は破っていないのに、ストローを加えた理亞は不機嫌そうに飲み物を泡立てていた。
「・・・・・・二人も来るなんて聞いてない」
〈・・・気の難しい奴だな・・・〉
気を損ねたせいか不貞腐れてしまった彼女を見て、善子のポケットからひょこっとカメラのレンズを覗かせて様子を伺うエックスも首を捻る。
「ああでも、花丸ちゃんもよしk・・・・・ヨハネちゃんもとても頼りになるから」
「関係ない! ・・・私、もともとみんなでワイワイとか好きじゃないし・・・」
どうやらルビィ以外にも人が来ている事が不満らしい。逆に言えば、ルビィにはある程度心を開いてくれているという事だ。
「それを言ったら、まるもそうずら。善子ちゃんに至っては、更に孤独ずら」
「ヨハネ! 何さらっと酷いこと言ってんのよ」
飄々とした顔で毒づく花丸に善子がツッコみ、理亞は訝し気に眉を顰める。
「ずら?」
「はっ・・・! これは・・・おらの口癖と言うか‥・・・」
「おら・・・?」
「違うずら・・・・・・まる・・・」
Aqoursメンバーが既に慣れてしまっているだけで、花丸の口癖というのは存外に珍しい。
聞き馴染みのない理亞ならば不思議に思っても無理はない。
「ずら丸はこれが口癖なの。だからルビィと一緒に図書室に籠ってたんだから」
先程の仕返しか、善子が説明をすると同時にあまり誇らしくない花丸の過去を晒す。
「そうなの?」
「ずら・・・・・・今年の春まではずっと、そんな感じだったけど・・・・・・」
出来れば封印しておきたかった黒歴史に食いつかれ、縮こまってそう答える花丸。
「私も・・・学校では、結構そうだから・・・・・・」
一転して理亞の態度が柔らかくなり、恥じらいながらもそんな事まで教えてくれる。
〈・・・・・・類は友を呼ぶというやつか・・・? 女子というのはよく分からないな・・・〉
互いに全く誇れない過去もしくは現在を晒しあったことで共感を覚えたのか、理亞の表情が朗らかになったのを見たエックスはそんな失礼な事を考えるのであった。
「私は負けない。何があっても・・・」
「愛する人とあの頂に立って、必ずや勝利の雄叫びを上げようぞ・・・・・・」
少女の声に乗って店内に溶け込む、言ってしまえば痛い詩の内容に、周りで聞いていた店員や他のお客さん達までもが恥ずかしそうな顔になっていく。
〈・・・・・・なんだ? これは・・・〉
音楽に関してはズブの素人であるエックスが聞いていても酷いと感じるその歌詞は、例のライブで披露する歌として理亞が考案したものだった。
「だから言ったでしょ⁉ 詞も曲もほとんど姉様が作ってるって!」
「まだ具体的な事は何も言ってないけど・・・」
決して頭が悪そうには見えない理亞でこうなのだ。日頃Aqoursの曲を作詞しているらしい千歌も馬鹿にできたものではない。
「しっかし、何の捻りもないわよね」
「何? 文句あるの?」
「善子ちゃんも前に似たような歌詞書いてたずらね?」
「う・・・・・・」
遠慮なく口にした一言に即座にツッコまれ、同じような作詞センスの善子も黙るしかなかった。
「でも、歌いたいイメージは大体分かったずら!」
「ルビィも手伝うから、一緒に作ってみよう?」
ルビィ達がやる気を見せる反面、何故か理亞は不安そうな顔を向けてくる。
「あなた達、ラブライブの決勝があるんでしょ? 歌作ってる暇なんてあるの?」
「それは・・・・・・」
「ルビィちゃんは、どうしても理亞ちゃんの手伝いをしたいずら!」
事実その通りなので言葉に詰まるルビィの隣で花丸が立ちあがり、柔和な笑みで代わりに返答をする。
「理亞ちゃんや、お姉ちゃんと話してて思ったの。私達だけでも、出来るってところを見せなくちゃいけないんじゃないかなって・・・・・・安心して卒業できないんじゃないかなって!」
そんな彼女に背中を押されたのか、ルビィも一変して強気な姿勢を見せた。
その時だった。
『連絡です』
「「ふあっ⁉」」
「げぇっ⁉ リリーだ!」
突如エックスが無機質な声を発し、彼の事が理亞にバレる事を危惧したルビィと花丸、その連絡の送り主を見た善子が短い悲鳴に似た何かをあげる。
「どこにいるの? もう帰る準備しなきゃダメよ・・・って」
『連絡です』
直後怒りマークと共に『リリーって言わないで』と届き、更に驚愕の表情でのけ反る善子。
「っ⁉ 思考を読んだだとっ・・・・・・⁉」
「もうそんな時間⁉」
「どうするの?」
今沼津に帰ってしまっては、作詞はおろかライブそのものが出来なくなってしまう。
諦めと落胆が舞い降りかけたその時、ふと花丸が何か思いついたような顔で提案する。
「今は冬休みずら」
「だから?」
「だから――――――」
「「はあぁっ⁉ 残るっ⁉」」
エックスからの連絡を受けて驚愕の声を上げたのは仙道陸と大空大地。
何でも一年生三人組が北海道に残ることになったため、付き添いでエックスも残ると言い出したのだ。
「ちょ・・・・・ちょっとエックス⁉ そっちが戻ってこないと俺帰れないんだけど⁉」
『ああ、大地か。別に無理に私と共に居る必要は無いのだし、君だけゼロに送ってもらったらどうなんだ?』
「もうこっちの世界に二日もいるんだよ? 一人で戻ったらじゃあもっと早く帰って来れただろって言われるし、もうそれで始末書を書かされるのは御免だからね」
「・・・・・・本当にウチの馬鹿が申し訳ない」
防衛隊というちゃんとした仕事に就いている大地だからこそ、ゼロの行動が迷惑を被りまくっている。
同じく防衛隊所属のヒカルとショウが来たときはちゃんと断ってからの行動らしいが、大地に関してはゼロが無理矢理連れてきているのだ。何も説明していないと言っていたし、恐らく彼の所属しているXioとやらもまだ状況が掴めていないだろう。
『まーとにかく、こっちの案件が終わるまでは私も戻れない。一応それを伝えておこうと思ってな』
「一応って・・・・・・俺にとっては結構重要な案件なんだけど・・・・・・」
『ああ、それともう一つ。私にも何なんだかよく分からない現象が起きてな』
声のトーンを下げ、エックスは次の話題を切り出してくる。
『・・・何があった?』
少なくとも普通ではないその雰囲気に、ゼロも聞き入る構えに移る。
『まだ私以外は気付いていないのだが、Saint Snowの妹の方・・・・・・鹿角理亞だったか。彼女の胸が赤い光の球のように輝いてな』
『何・・・・・・⁉』
胸に宿った光の球。心当たりがあり過ぎるその響きに陸もゼロも緊張感をその身に走らせた。
「・・・なあゼロ。それって・・・・・・」
『・・・ああ、間違いなくリトルスターだろうな・・・・・・』
かつてダークネスファイブがこの地球に散布したカレラン分子が、宇宙を循環する幼年期放射を集めて生成された光の塊。それがリトルスターだ。
リトルスターを発現する事で付与される能力は個人によるが、総じて共通する事は怪獣を呼び寄せるという事。
理亞がリトルスターを発現したとなると、彼女の姉である聖良や、向こうに残る一年生三人が危険だ。
『・・・・・・この状況においては、お前が向こうに残ってくれるのはありがたいな。リトルスターを狙う宇宙人が襲ってくる可能性もないとは言えないから、警戒は怠るなよ』
『ああ、分かった』
通話の切れた携帯をしまい、久々の発現となる理亞のリトルスターについて思考を巡らせる。
「・・・発言の理由、もしかしなくてもライブでの失敗が原因だよな・・・」
『だろうな。明確にアイツの気持ちが分かる訳じゃねーが・・・・・・あれが起因しているのは間違いない』
リトルスターは幼年期放射とエネルギーと宿主の強い想いがあって初めて輝く。
理亞にもなにか、ライブの失敗で抱いた何かがあるはずなのだ。
『こっちにいる限りは分からない事だらけだな・・・・・・とりあえず、エックスからの続報を待とう』
「ここが理亞ちゃんの部屋?」
上級生達にもきちんと許可をもらい(ダイヤは微妙だが)、無事北海道に残れることになったAqours一年生ズ。
今はこっちにいる間お世話になる鹿角家、その一室である理亞の部屋に招かれたところだ。
「好きに使っていいけど、勝手にあちこち――――――」
「うわぁ・・・・・・綺麗ずらぁ!」
言った直後から棚に飾ってあったスノードームを手に取る花丸。それを即座に奪い返した理亞は眉をキッと吊り上げながら荒げた口調で言い放った。
「勝手に触らないで!」
『それは雪の結晶か?』
「ええ。そ・・・・・・」
普通に返答しようとした理亞だが、明らかに声音がここにいる誰のものでもない事に気が付き固まる。
『ん? おーい。どうしたんだ君達』
ルビィ、花丸、善子の三人も硬直してしまった事で完全に場が凍り付き、こうなった犯人であるエックスの声だけが部屋の中で反響する。
何を思ったのかこのウルトラマン、身を顰めるどころか理亞の前で、しかも彼女に対して質問を投げかけたのだ。
「え? え? 何コレ・・・・・・?」
「ちょ・・・ちょっとエックス! 何アンタ堂々と喋ってんのよ‼ バレたらマズいんじゃなかったの⁉」
しばらくこっちにいるのだからその内隠すのにも限界が来るとは思っていたが、こんな躊躇もなしに正体明かしにいく奴がどこにいるのだろうか。
『ん? ああ、いや。どうせバレてしまうのならもう今の内に曝け出した方がいいんじゃないかと思ってな』
「だとしても一言ぐらいまる達に声掛けしてからにして欲しかったずら!」
「・・・し、心臓に悪い・・・」
「え・・・・・・っと? 何なのそれ・・・?」
ただ一人状況が飲み込めていない理亞が目を白黒させながらエックスの宿っている端末とルビィ達を交互に見やる。
『すまない。急な事で驚かせてしまったようだな』
そんな彼女に、エックスは相変わらずのマイペースっぷりで自身の名と正体を打ち明けた。
『私はウルトラマンエックスだ。今はゼロの奴に頼まれて彼女達と共に行動している』
「え・・・・・・」
「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!???」
静けさで満たされていた街中に、理亞の驚嘆の絶叫が響き渡った。
何の捻りもなく真正面から正体開かしていくスタイルのエックスさん。やっぱイケメンだわ。今日発売のアーツ欲しい(金がない)
そして久々のリトルスターの発現。最後が確か最近ご無沙汰気味のルイズだった気がするので二期の話に入ってからは初めてですね。
ただ問題は既に理亞ちゃんを狙ってダークネスファイブが動いているという事。一応エックスさんがいますけど、相手が相手ですからねぇ。どうなることやら。
・・・・・・大地の扱いについてはもう本当にゴメンナサイしか言えませんゴメンナサイ。活躍させられるかな・・・・・・。
あと絶賛迷走中の視点当てについては次回からなんとかします。
問題が山積みだぁ! それでは次回で!