ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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サンシャインと仮面ライダーのクロスオーバーが書きたい衝動に襲われてる作者の登場です。

もし自分の作品欄に新しい小説が加わってたら「また馬鹿なことしてんなコイツ」とでも思ってください。

書くとしたら電王かゴーストかビルドだと思います(でも一番好きなのはオーズ)


百十七話 星を探して

 

 

「理事?」

 

 聖良に課された校舎三周も終了し、体育館に場所を移した一行。

 休憩中に両親からの電話を受け取っていたらしい鞠莉の話に注目を寄せていた。

 

「Off Course! 統合先の、学校の理事に就任して欲しいって。ほら、浦の星から生徒もたくさん行く事になるし、私がいた方が・・・・・・皆も安心できるだろうからって」

 

「マジか・・・」

 

 陸の学校も統廃合が決まっているので、編入先は千歌達と同じ。

 つまり陸も今の浦女の皆同様、同年代の女の子が理事長という不思議な光景を味わうかもしれないという事だ。

 

「・・・・・・理事?」

 

「鞠莉ちゃん、浦の星の理事長でもあるの」

 

「ええぇ⁉」

 

 浦女の特殊な理事事情を知らなかった理亞が、ルビィの説明を受けて驚いたように声を上げた。

 そういえば、初めて鞠莉と会った時もこんな感じだったか。あの時の千歌、曜、梨子、ダイヤの四人の驚き具合は今でもはっきり覚えている。

 

「じゃあ、春からも鞠莉ちゃん一緒に学校に? Aqoursも続けられる⁉」

 

「いや、それ留年したみたいだし」

 

「そもそもその時にゃもう鞠莉さん高校生じゃないしな」

 

 頓珍漢な事を言う千歌に陸と曜のツッコミが入る。

 まあでもしかし、統合先で不安も多いであろう浦女の生徒たちにとって引き続き鞠莉が理事というのは確かに心強いだろう。

 そう思った刹那、まさかの言葉が鞠莉から発せられた。

 

「大丈夫。断ったから」

 

「「「ええぇっ⁉」」」

 

 先程よりさらに大きな驚愕の声が体育館に反響する。

 

「理事にはならないよ。私ね、この学校卒業したら、パパが薦めるイタリアの大学に通うの。・・・・・・だから、あと三か月。ここにいられるのも」

 

「・・・・・・」

 

 果南のみならず、鞠莉も。

 しかも、二人とも海外。卒業後は簡単には会えなくなるのは確実だろう。

 いつかは来るはずの別れを、ここにきて一気に実感するようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では」

 

 気付けば夕暮れ時だ。

 Saint Snowの二人による監督時間も終了し、今は聖良と理亞のお見送りに沼津駅の前に集っていた。

 

「・・・てか、今日来て今日帰るんすねアンタ等」

 

「もっとゆっくりしていけばいいのに」

 

 わざわざ北海道から内浦まで出向いてきたというのに、一日と滞在せずに帰ってしまうらしい。日帰り旅行にしても距離が遠すぎる気がするのだが。

 何かすぐに帰らなくてはいけない特別な事情でもあるのだろうか。

 

「ちょっと、他にも寄る予定があるので」

 

「予定?」

 

「ルビィ知ってるよ! 二人で遊園地行くんだって!」

 

「言わなくていい‼」

 

 なんともまあ可愛らしい理由で安心したような拍子抜けしたような。顔を赤らめて声を荒げているのを見るあたり提案者は理亞らしい。

 だがしかし、遊園地のアトラクションに乗るSaint Snowというものが全く想像つかないのだが。

聖良に関しては俗世離れしたイメージがあるので尚更だ。妹の方は置いておいて。

 

「これ、姉様と二人で考えた練習メニュー」

 

 陸にそんな失礼な事を考えられているとは露知らず、理亞はその練習メニューとやらが記されたメモを千歌に手渡す。

 

「うわっ⁉ こんなに⁉」

 

 夏合宿の時ダイヤが立てたメニュー並みに過酷な内容を見て軽く慄く善子。

 

「言ったよ。遠慮しないって」

 

「ただの思い出作りじゃないはずですよ」

 

 浦の星女学院全校生徒の想い。そして、やり切れなかったSaint Snowの想い。

 彼女達の背中を押すものは大勢いる。

 

「必ず優勝して。・・・信じてる」

 

「うん!」

 

 それを改めて実感した千歌が力強く頷く。

 

「がんばぁ・・・ルビィ!」

 

「・・・・・・なにそれ」

 

「ルビィちゃんの必殺技ずら~」

 

「ぴぎぃ・・・・・・」

 

「技だったの⁉」

 

 新たに理亞を加えた新生一年生ズを中心に発生した笑いが、夕陽の色と共に空へ溶け込んでいく。

 

 つかの間の休息の時間が、終わりを告げようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 紅に燃える夕日が、水平線へと沈んでいく。

 聖良達の見送りが終わった後はあの場で解散となり、砂浜に移動した二年生四人組はどこかもの寂しい雰囲気を纏いながらその景色を眺めていた。

 

「・・・イタリアかぁ・・・」

 

「そうね。きっとそうなるのかもなぁって、どこかでは思ってたけど・・・・・・」

 

「実際、そうなるとね・・・」

 

 別に何も不思議な話ではない。鞠莉は元々イタリアに留学していたところを無理言って浦の星の理事長に就任したのだ。だから、今回はただ戻るだけ。

 

「・・・あと、三ヶ月もないんだよね」

 

「ラブライブが終わったら、すぐ卒業式で・・・・・・」

 

「鞠莉ちゃんだけじゃないわ。ダイヤさんも、果南ちゃんも・・・・・・」

 

 ハッキリと進路の事を聞かされた二人とは違い、ダイヤが卒業後にどうするかは分からない。

 だがそれでも、これまで通りの関係ではなくなることだけは確かだ。

 

「春になったら、もう皆と一緒に学校帰ったり、バス停で皆とバイバイしたりもなくなって・・・・・・、制服も、教室も・・・・・・」

 

 場所も、格好も、周りの人間関係も何もかも変わる。

 同じ学校になる二年生と一年生でさえ、これまで通りの関係でいられるかは分からないのだ。

 

「っ・・・!」

 

 不意に飛び出た千歌が、木の棒で砂浜をなぞる。

 描かれた文字は・・・、『Aqours』

 スクールアイドルアイドルとして駆け出した際に、運命のように出会った始まりの文字。

 

「Aqoursは・・・・・・どうなるの?」

 

「三年生・・・、卒業したら・・・・・・」

 

「分かんない。・・・・・・ホントに考えてない」

 

 曜と梨子の問いに、千歌はシンプルかつ曖昧に答えた。

 

「なんかね、ラブライブが終わるまでは、決勝で結果が出るまでは・・・・・・、そこから先の事は、考えちゃいけない気がするんだ」

 

 未来への想いは確かに人の背中を押す。だが時にそれは不安となり、足枷となる事があるのも確か。

 だからこそ、未来の事は考えない。今を全力で輝くために。

 

「全身全霊、全ての想いをかけて、ラブライブ決勝に出て優勝して・・・・・・ずっと探してた輝きを見つけて! それが、学校の皆と、卒業する鞠莉ちゃん、果南ちゃん、ダイヤさんに対する礼儀だと思う」

 

 始めは自分一人の願いだった輝く事は、いつの間にか皆のための願いとなった。

 それを聞いた梨子は何か言うより早く千歌に歩み寄り、そんな皆のリーダーの頬を挟んでは柔らかに笑う。

 

「むぅ・・・・・・なに・・・?」

 

「賛成」

 

 それに続き、曜も。

 

「大賛成!」

 

 その気持ちは皆一緒。

 身を寄せながら笑う合う三人の少女の影が砂浜に伸び、後方でそれを眺める陸の影と交わる。

 

 

 

『・・・・・・ォォォォ・・・』

 

 人知れず、その影の中で紅くつり上がった双眸が煌いた刹那―――、

 

「・・・・・・っ・・・!」

 

 ズキリと、陸の頭に痛みが走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、うん。それじゃ」

 

 とある事情で家に置いてある衛星電話を耳に押し付けていた陸が通話を終了させる。

 

「春前に一回帰って来るらしいぞ。親父達」

 

『・・・ホントに存在してたんだなお前の両親』

 

「勝手に亡き者にすんじゃねぇ」

 

 今電話を受け取ったのは現在太平洋上にいる陸の両親。

 普段電話をよこしてくることなど滅多にないのだが、新年だったことを思い出して慌てて掛けてきたらしい。

 

『・・・まあそれはいい。とにかく一安心だ』

 

「・・・? 何が?」

 

『何でもねぇよ。こっちの話だ』

 

 訳が分からない状況は続行中だが、どうやらやっと普段通りのゼロに戻ったらしい。

 いつもは頼まれなくてもベラベラ話すくせに、今日はやたらと静かだったので少し心配したのだが、杞憂だったらしい。

 

「お前、脳筋のくせにたまに何考えてるのか分かんないことあるよな」

 

『うるせー。・・・それより頭痛の方はどうだ?』

 

「まだ痛い・・・」

 

 海辺で千歌達を見守っていた辺りからだろうか、その頃からずっと頭が痛む。

 原因こそ分からないが、あの三人と別れてから痛みは強くなる一方だ。

 

「風邪でも引いたか・・・?」

 

 ウルトラマンと一体化しているのに風邪とか引くものなのだろうか。そんな事を考えながら一応常備している薬を手に取る。

 

『よくそんなちっちゃい粒で治そうと思えるよな・・・・・・訳分かんねー』

 

「・・・よく分からん力であっさり傷治しちまうウルトラマンに言われたくないんだが・・・」

 

 多分殆ど科学やら超能力頼りで光の国には薬と言うものが存在しないのだろう。そんな事を考えながら、薬を喉奥に流し込むための水をコップに注いでいた時だった。

 

「ッ・・・⁉」

 

 手に持っていたコップが落下し、砕ける音と共に水が辺りに飛散する。

 

『・・・陸?』

 

「う・・・・・・がぁ・・・・・・!」

 

 真っ先に割れたガラスのコップを処理するでも、飛び散った水を拭き取るでもなく、陸は自分の頭を抑えた。

 

『おい! 大丈夫か⁉』

 

「・・・何だ・・・これ・・・・・・」

 

 今まで体感した事もないような鋭い痛みが頭を駆け巡る。

 割れそうだとか、刺されているようだとか、そんな言葉では形容できないような感覚。

 少なくとも、今さっきまでの痛みとは比べ物にならない。

 

「ぐぅぅッ・・・・・・‼」

 

『おい・・・・・・り――――――ッ⁉』

 

 呼びかけを続けていたゼロの声が突如として止まる。

 だが今の陸にそれを気にする余裕はなく、自分の瞳が紅く染まっている事にも気付かずに苦しむだけだ。

 

『何故今ベリアルの力が・・・・・・?』

 

 頭痛と共に、殺意に近いどす黒い何かが身体の奥底から湧き上がってくるのを感じる。

 その波に飲まれ、ほとんど陸の意思とは関係無しに動いた腕が辺りの物を破壊せんと振るわれたその瞬間、

 

 

「りーくちゃーん‼」

 

 

 ガチャリと勢いよく玄関のドアが開く音が耳朶に触れ、一緒に聞き慣れた緊張感のない声が家の中に飛び込んでくる。

 

「うぁ・・・・・・。・・・・・・?」

 

 不可解な事が起こったのはそれと同時だった。

 今の今まで陸に襲いかかっていた頭痛は嘘のようにサッパリ消え去り、殺意が湧き上がってくる感覚ももうしない。

 

「・・・・・・え?」

 

『・・・? 力が収まった・・・・・・?』

 

「陸ちゃ―――って、何コレ大惨事じゃん⁉」

 

 驚いたような声に反応して顔を上げると、みかん色の髪が目の前で揺れていた。

 

「・・・千歌? なんで家に?」

 

「え? ああいや、ちょっと今から出かけない? 皆で!」

 

「・・・・・・は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 女の子九人、野郎一人と、二つの意味で肩身が狭い空間を作り出したワーゲンバスが雨の中道を進む。

 千歌に言われるがままに家から引きずり出され、乗り込んだのがこのワーゲンだった。

 

「まさか鞠莉の運転する車に乗る日が来るなんてね」

 

「それは私のセリフ。まさか果南やダイヤを乗せて運転する日が来るなんて」

 

 運転手は何と鞠莉。なんでも海外で必要だから、誕生日を迎えた際に取ったそうな。

 リズミカルな振動を刻む車内では、鞠莉の危なっかしい運転に怯える者だったり、既に適応して窓から見える景色を楽しむ者がいたりと様々だ。

 

「・・・・・」

 

 そんな中、ただ一人黙りこくって窓枠の外の曇天を眺める陸。

 

〈・・・お前、今は何ともないのか?〉

 

(怖いくらいな・・・・・・どうなってんだ)

 

 もしかしなくても、先程の異常な頭痛はベリアルの力が原因だろう。

 だが、どうして戦闘時でも、感情が高ぶってもいなかったあの瞬間に現出したのか、それが謎だ。

 その理由を考えていると、以前耳にした不穏な言葉が脳裏を反芻した。

 

―――――オウガがそいつに陛下の力を植え付けたのにはもっと別の訳があるんだぜェ・・・。

 

 ダークネスファイブの一人であるグロッケンが遺していったこの言葉。

 先程の発作のようなものも、奴等の目論見通りだったとでもいうのだろうか。

 

〈・・・・・・とにかく、理由が分かるまではベリアルの力は封印だ。前にも言ったが、これ以上はお前自身がどうなっちまうか分かんねぇ〉

 

(・・・・・・分かった)

 

 ここへきて、ようやく自分の身体がベリアルの力に蝕まれ始めているという事を如実に勘づるようになった。

 恐らくほどなくして、ベリアル軍との最終決戦も始める。そうなったら、陸自身は一体どうなっていくのか。

 

 そんな一抹の不安も乗せて、鞠莉の運転する車は進んでいくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「雨・・・・・・ですわね」

 

「何をお願いするつもりだった?」

 

 山を登った車が止まり、どこからか取り出した星座早見表を手に取った鞠莉が悲し気に空を見上げる。

 何でも星を探しに行くとかそんな話になっていたらしいが、空は生憎の曇天模様。当然星なんか見えもしない。

 

「・・・決まってるよ」

 

「ずっと一緒にいられますように?」

 

「これから離れ離れになるのに?」

 

 聞く話によると、ダイヤも推薦が決まった東京の大学に進学するらしい。

 これにより、三年生全員が卒業後にはここを離れ、バラバラになる。

 

「だからだよ。だからお祈りしておくの。いつか必ず・・・・・・また一緒になれるようにって! ・・・・・・でも」

 

 肝心の願いを託す星は、厚い雲の向こう側に隠れてしまっている。

 鞠莉のその祈りを、妨げるように。

 

「・・・・・無理なのかな?」

 

「なれるよ!」

 

 鞠莉が目尻に溜めた涙を零しかけたその時、千歌の声が社内に反響した。

 

「絶対一緒になれるって、信じてる! 鞠莉ちゃん、それいい?」

 

「え?」

 

「千歌ちゃん⁉」

 

 半ば強引に鞠莉から星座早見表を受け取った千歌は、何を考えたか一人雨の降る社外へと飛び出し、天に向かってそれを掲げる。

 

「この雨だって、全部流れ落ちたら・・・・・・必ず、星が見えるよ! だから晴れるまで、もっと・・・・・・もっと遊ぼう!」

 

 次第に千歌の周りには他のメンバーが集まり、同じように星座早見表に手を添えた。

 

「晴れなかったら・・・神様も勘当デース!」

 

 自分達のリーダーがこの宇宙の救済神であるウルトラマンノアの光を宿した特異点だという事は露知らず、そんな罰当たりな事で笑い合う少女達。

 

「・・・・・・ノア勘当されるってよ」

 

『・・・地球滅ぼす気かアイツ等・・・』

 

 今ノアの力が完全消滅したら、再びクライシスインパクト直後の状態に戻ってしまう可能性もあるというのに。

 流石にそんな事態になるのはノアも避けたかったのか、それとも神様が空気を読んだのか、次第に空を支配していた雲は退き、暗闇に広がる星の海が姿を現した。

 

「「「わあぁぁぁぁぁ・・・!」」」

 

「すごい・・・本当に晴れた・・・‼」

 

 やっと見えた星空に感嘆の声が上がる。

 やがて手を合わせ、各々の願いを星に届けようとする彼女達を、ただただ、陸とゼロは見守り続けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『時は近いようですね・・・。あと一歩と言ったところでしょうか』

 

 床に投影された映像を見てほくそ笑むスライ。

 映像の中では、合わさった四人の影の中で、帝王の瞳が禍々しく煌いているのが確認できる。

 

『・・・次は私が行こう』

 

 何かを決意したジャタールが名乗りを上げた。

 スライとヴィラニアスもそれに異論はないようで、むしろジャタールが一番適任だろうと言った瞳を向けている。

 

『ヒョホホ・・・・・・。どれ、久々に挑戦状を叩き付けてくれるわ・・・・・』

 

 

 




陸が・・・陸がヤバイ・・・。陛下の影もちらつき始めてて更にヤバイ・・・。
とまあ、こんな感じで次回以降も陸の症状を悪化させていこうと思います(満面の笑み)

そしてジャタールも動き始めて・・・?



劇中で触れましたが、陸にはちゃんと両親はいます。ただ長い間陸から離れているだけです(そこに第三者の意思が介入していないとは一言も言ってない)

話は終盤に向かっているのに謎は一切解明されず、むしろ増えていくばかり。
次回で最終話のルーブみたいな事になってきたな。


それでは次回で!
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