ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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綺麗事嫌いの精神捻くれ野郎が書いた、精一杯の綺麗事。
つーか俺自身何を書いたのか分からない。
あとゼロの名言がバンバン出てきます。多少変更は加えてあるけどね。


十一話 守り抜く力

 

 

 

「ん・・・・・・」

 

 周囲に響く地響きの音で、梨子は目を覚ました。

 顔を上げて地響きの震源を探ると、二人の巨人と黒い怪獣が戦っていた。内一体は、前に怪獣を倒してくれたあの青い巨人だ。

 

(あれ・・・? 私・・・)

 

 確か自分は突然現れた宇宙人に捕まって、それで・・・・・・。

 

「二人は・・・?」

 

 気を失うまでに何があったかを思い出し、助けに来てくれた二人の姿を探す。

 二人は梨子のすぐ近くにいた。二人共気を失っているし、千歌に関しては体も服もボロボロだが、二人共無事なようだ。

 

「ほんと・・・・・・、変な人・・・」

 

 眠っている千歌を見つめ、彼女の三つ編みを優しく撫でる。

 触れた梨子の手に少し反応した彼女は、梨子の言葉の通り本当に変な人だ。

 でも悪い意味じゃない。それだけは胸を張って言える。

 

『グルガゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

「ッ!」

 

 怪獣が轟かせた咆哮を聞いて、この場所も安全ではない事を悟った梨子は慌てて二人を起こす。

 

「二人共! 起きて!」

 

「ん・・・・・・、あれ・・・?」

 

「・・・ぁぁ」

 

 身体を揺さぶると曜はすぐ起きたが、千歌はまだ瞼を閉じたままだ。まるで休日の父親の様にも見える。

 

「んにゃ・・・、おはよ・・・、梨子ちゃん・・・」

 

 陸や曜から寝坊助とは聞いていたが、こんな時にもそれは健在だなんて。

 

「早く起きないと大変よ・・・? ・・・・・・千歌ちゃん」

 

 どこか安心感を覚えながら、梨子は彼女の名前を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『がっ、はっ・・・‥』

 

 ナックル星人の額から出た光弾、ブラックキングの吐いた炎と双方を連続で喰らったゼロがその場で膝を折る。

 

「くそ・・・、二対一とか卑怯だろ・・・・・・」

 

『それがナックル星人の戦い方だ。文句言っても仕方ねーよ・・・・・・。まずはナックル星人の方から何とかするぞ』

 

 ゼロが地面に拳を叩きつけてナックル星人に向かっていくが、その間意識していないブラックキングの尾によって体を打ち付けられる。

 かといってブラックキングを狙えば、今度はナックル星人の攻撃が飛んでくる。

 ハッキリ言って状況は最悪と言ってよかった。

 

『はあっ‼』

 

『グルガゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

『ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼』

 

 二体の合体光線を受けたゼロが吹き飛ばされ、同時に胸のカラータイマーが赤く点滅を始めた。

 

『が・・・・・・、ぁ・・・・・・』

 

「なんだこれ・・・・・・、苦し・・・」

 

 力が入らなくなり、よろよろと立ち上がるゼロをナックル星人が蹴り飛ばす。

 

『ははっ、いい気味だな。ウルトラマンゼロ』

 

 倒れ伏すゼロをナックル星人が嘲笑い、追い打ちと言わんばかりに背中を踏みつける。

 

『ごあっ・・・‥』

 

『ブラックキング!』

 

 ぱちんと指を鳴らして指示を出すと、後方でブラックキングが唸りだした。

 その口には焔が溢れ、ナックル星人がゼロに止めを刺そうとしている事がひしひしと伝わる。

 だが、

 

「おいゼロ、あれ!」

 

『っ・・・』

 

 陸はブラックキングの視線がゼロに向いていない事に気が付いた。

 その視線はゼロの後方。戦うゼロ達から遠ざかる様にして走る三人の少女が。

 それを見て、陸は今朝ゼロが言っていた事を思い出した。

リトルスターは、怪獣を呼び寄せる性質がある。

まさか狙いは梨子か?

 

『ふっ、丁度いい。ダダが失敗した際はリトルスター発現者の抹殺という命だったからな。先にあの娘を消し飛ばしてくれる。ははは・・・・・・』

 

 ナックル星人もそれに気付いたらしく。意地悪く哄笑を始めた。

 

『待て! 辞めろ!』

 

『だったら止めてみるんだな。さあやれ、ブラックキングゥゥゥゥゥゥ‼』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、私達捕まってたんだよね? 誰が助けてくれたんだろ?」

 

 戦うウルトラマンゼロ、ナックル星人、ブラックキングを背に、なるべく遠くへと行くために三人は走る。

 そんな中曜が口にした疑問に、梨子が首を傾げる。

 

「私も気づいたらあそこに倒れてたんだよね」

 

 走りながら梨子が答えた。

梨子も気になっていたのだ。一発で人を気絶させてしまうような銃を使うあの宇宙人を、一体誰が倒して梨子たちを助けてくれたのか。

 

「陸ちゃんだよ」

 

 首を傾げる二人に、千歌が答えた。

 

「ほら。これ」

 

 そう言って千歌が見せてきたのは、手帳だった。シンプルなデザインの、生徒手帳。

 

「これ、陸ちゃんのでしょ? しっかり仙道陸って書いてあるし。そもそもこんな時に助けてくれる人なんて陸ちゃんぐらいしかいないよー」

 

 恐らく陸が落としていった物であろうそれを見て、曜も納得したように頷いた。

 

「そういえば私陸に電話したっけ、途中で気絶しちゃったけど・・・・・・、でも来てくれたんだ」

 

「そっか、仙道君が・・・・・・」

 

 仙道陸。

 数日前に初めて会って、その時に不良に絡まれていた梨子を助けてくれた人。

 たまに人が変わったように目の色が変わるけど、基本的には優しい男の子で、千歌の様に不思議な人。

 

「そういえば陸は? 何で一緒じゃないんだろう?」

 

「そうだ陸ちゃん・・・・・・。陸ちゃーん! どこー?」

 

 助けてくれたはずの陸がいない事に気付き、千歌が今逃げてきた方向に向かって走り出した。

 

「千歌ちゃん待って! そっちは!」

 

「でも陸ちゃんが・・・・・・」

 

 曜が千歌の手を掴んで引き留めるが、千歌はそれを振り払ってでも陸を探しに行こうとする。

 すぐ目の前で戦っている巨人が、陸だとも知らずに。

 

「陸なら大丈夫だよ。きっと助けを呼びに行ってるんだって・・・」

 

 曜の表情はとてもそんな事思っている様なものではなかったが、千歌もそれを見て冷静さを取り戻す。

 

「そうだよね・・・。きっと・・・」

 

 曜の言葉で、千歌も今戻ったところで何も出来ない事が分かったのだろう。

 先程まで三人が倒れていた場所は既にブラックキングに踏みつぶされている。仮に陸があの近くにいたとしてももう――――――、

 

「とにかく行こう? 仙道君だってきっと・・・・・・」

 

 一瞬でも陸の死を想像してしまった梨子は、ぶんぶんと頭を振って縁起でもない想像を振り払ってまた走り出そうとするが・・・・・・、

 自分たちの終末を告げる様な光景が、目に移ってしまった。

 

「梨子ちゃん? どうかしたの?」

 

 梨子の様子がおかしい事に気付いた千歌が、梨子の見つめる先を自らも見て、同じように固まってしまう。

 

「うそ・・・、え、こっち・・・?」

 

 曜も気付いたらしく、震えながらその場で足を止めてしまう。

 三人の視線の先には、自分達を見つめながら口に炎を溜めているブラックキングの姿が。

 その巨大な図体もこちらを向いているので、狙いが自分達である事は明らかだろう。

 

「と、とにかく逃げ・・・・・・」

 

『グルガァァァァァァァァァァァァ!』

 

 千歌が二人の手を取って走り出そうとした瞬間、ブラックキングが放った火球が三人を照らした。

 

「あ・・・・・・」

 

 じわじわと襲い来る熱量が強くなっていくことを感じながら、梨子は諦めを含んだ声を漏らした。

 自分が捕まったから千歌と曜は自分を助けに来て、そのせいで二人が・・・・・・。

 

「ごめんね・・・・・・」

 

 声に出ていたかも分からない謝罪のあと、梨子はそっと目を閉じた。

 きっと恨まれているだろうな、そんな事を考えながら、業火に焼かれるその時を待つ。

 

 が、一向にその瞬間は訪れなかった。

 

「・・・・・・?」

 

 訝しく思って恐る恐る目を開くと、そこには千歌も曜もちゃんと生きて立っていた。

 ただ二人共、呆然と何かを見ているだけで・・・・・・。

 梨子も二人のようにそちらを見るとそこには――――、

 

『が・・・・・・ぁ・・・・・・』

 

 自分達を庇うように腕を広げ、肩で息をしている青い巨人の姿が。

 巨人の背中から焦げた煙が上がっているのを見るあたり、あの炎から自分たちを守ってくれたのはあの巨人らしい。

 青かった胸のランプはいつの間には赤く点滅を始め、巨人自身も苦しそう見える。

 

『ははははははははっ!』

 

『ゴァァァァァ!』

 

『ぐおっ・・・・・・、っ・・・』

 

 続けて飛んでくる火球や光弾を巨人はかわそうともせず、全てをその背中で受け止めていた。一瞬よろめいて倒れかかったが、またすぐに三人を庇うように体勢を立て直す。

 

『おいお前等・・・・・・、ぼさっとしてねぇでさっさと逃げろ・・・・・・』

 

 巨人が呻くように吐き出したその声は、どうやら三人に対するものらしい。

 

「が・・・・・・」

 

 隣で、千歌が口を開いた。

 

「頑張って‼」

 

 千歌は声を張り上げ、自分達を庇う巨人の応援を始めたのだ。

 

『何やってんだ・・・・・・、早く逃げろっ!』

 

 巨人が説得しようとするが千歌は応援を辞めない。

 

「そうだよ。がんばれー‼」

 

 そして曜も、千歌に続くように巨人の応援を始めたのだ。

 

『お前等・・・・・・』

 

『ふっ・・・、応援などくだらん』

 

 千歌達に見せつけるように、ナックル星人が巨人の背中を蹴り上げた。

 

『ごあっ・・・』

 

『貴様らウルトラ戦士は皆そうだな。そうやって小さい命すらも見逃せず、身を挺してまで助けてしまう。そこが貴様らの弱点だ。何故人間の味方をする? 何故そんなつまらない生き物を守る』

 

『うるせぇ!』

 

 巨人が庇った三人を、いや、人間そのものを心底蔑むナックル星人をその巨人が一括した。

 

『・・・・・・つまるもつまらないもねぇ・・・、そこに救える命があるから救う。・・・・・・そんな事当たり前だ。・・・・・・命の価値に、大きいも小さいもねぇんだよ‼ 何で・・・そんな事も分かんねぇんだ‼』

 

 巨人がそう言い放った後、梨子が目を見開いた。

 自分は、この巨人の事を少し誤解していたのかもしれない。

 六年前だ。梨子の住んでいる秋葉原に、巨大な怪獣が現れたのは。

 大切なものを全て奪っていくように町を蹂躙しながら行進するその怪獣を見て、幼かった梨子はずっと震えていた。

 命なんて、まるで元々無かったかのように容易く消えていって。

 あの事があったから、梨子は味方であるはずのこの巨人もいまいち信用できないでいたのだ。

 その内、その強大な力が自分達に向けられるのではないかと。

 ・・・・・・なんて浅はかな、失礼な考えだったのだろうか。

 あの巨人は命の尊さを知っている。その考えを蔑まれてもなお、意思を曲げずに自分たちを守ってくれている。

 だから二人も、逃げずに巨人を応援しているのだろう。

 

「が・・・・・・れ・・・」

 

 こんな応援が巨人の力になるかなんて分からない。

 でも、

 負けて欲しくない。自分の身を投げ打ってでも自分達を救おうとするこの巨人が、やられていいはずがない。

 

「がんば・・・れ・・・」

 

 いや、力なんて届かなくたっていい。

 元々届けられる力なんてない。仮にあったところで、そんなものこの巨人にとっては小さなものだ。

 でも、それでも。

 この想いくらいは、届いて欲しい。

 心優しく、力強く、――――ちょっと前に別の出会い方をしたような気がするあの巨人に。

 だから、

 

(届いて・・・・・・)

 

「頑張ってぇぇっ!」

 

 初めて声にして、張り上げた。梨子の巨人への願い。

 その願いに呼応するように、梨子の胸が光り出した。

 

『・・・・・・リトルスターが・・・』

 

『何っ!?』

 

「梨子ちゃん・・・?」

 

「その光・・・、前の・・・」

 

 光は梨子の胸を離れ、その想いを乗せるようにゼロの元へと飛んでいく。

 

『ッ!』

 

 その光、リトルスターが巨人の胸のランプに吸い込まれたその瞬間。

 巨人の体が、青く輝き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『これは・・・・・・』

 

「ゼロ・・・? 一体何が起こってんだ? リトルスターが・・・・・・」

 

梨子のリトルスターがゼロのカラータイマーから吸収された瞬間、ゼロの身体が光り出した。

青く、包み込むような優しい光。

ナックル星人とブラックキングも、攻撃する事を忘れてその光を眺めている。

 

 ――――――仲間を支え、守り抜く力・・・・・・ルナミラクル。

 

 頭の中に、そんな声が響いた。

 

『この感じ・・・・・・、サイコキネシス・・・・・・、超能力・・・? ッ! まさか!』

 

 何かに気付いたようにゼロが立ち上がる。

 

『守り抜く力・・・・・・、デェヤァ‼』

 

 ゼロが叫ぶと光がゼロを包み、その姿が変わっていく。

 ハープの様な音の後光が弾け、姿を現したゼロの姿は青かった。

 元の赤と青のツートンカラーではない、赤かった部分も青く染まっている。青色の濃淡が下半身と上半身で微かに違う肉体に、銀色のラインが走ったその姿。

 ゼロと一体化している陸の頭に、その姿の情報が流れ込んでくる。

 ウルトラマンダイナミラクルタイプと、ウルトラマンコスモスルナモードの力を得、超能力や素早さの上がる、ゼロの強化形態。その名も、

 

『ルナミラクルゼロッ!』

 

『な・・・、何だと・・・』

 

 ナックル星人が一歩退いた刹那、ゼロが一瞬でブラックキングに肉薄し、連続で張り手を叩き込む。

 威力こそ大したことはないが、前のゼロとは比べ物にならない速度で叩き込まれる張り手にブラックキングは翻弄される。

 やがてゼロは高速でブラックキングの周りを旋回し、ついて来ようとしたブラックキングが目を回した瞬間に右手を突き出した。

 

『フルムーンウェーブ』

 

 普段よりも落ち着きのある声でゼロが放ったその光は、泡の様にブラックキングを包み込んでいく。

 全ての泡が無くなり、現れたブラックキングの姿は始め見た小さな人形に戻っていた、ダークサンダーエナジーとやらは消えたらしい。

 

『な・・・、な・・・』

 

 ブラックキングが消え、形勢が一気にひっくり返ったナックル星人は途端に狼狽えだし、尻尾を巻いてゼロから逃げ出していく。先程までの余裕は一体どこへ行ったのやら。

 

『逃がさん』

 

 またもや一瞬でナックル星人の懐に潜り込んだゼロは、ナックル星人の腹にそっと右掌を当てた。

 

『レボリウムスマッシュ』

 

『ッ・・・、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』

 

 ゼロの右掌から放たれた衝撃波でナックル星人が天高く吹き飛んでいく。

 

『ナックル星人。お前は言ったな? 何故人間の味方をすると』

 

『・・・ああっ、何故っ…貴様らは人間に寄り添う・・・? 人間などと言うつまらない生き物をっ・・・何故、守る・・・?』

 

 衝撃波に苦しむナックル星人が絞り出した声に、淡白にゼロが答える。

 

『別に理由なんてねぇよ』

 

 ゼロは青く染まったゼロスラッガーを光で無数に生成し始めた。

 

『・・・・・・、なんだと・・・?』

 

『俺よりずっと前、親父の頃も、その前も、ずっと昔からそうやって来た』

 

 無数のゼロスラッガーがゼロの周りで渦を巻いて回転を始める。

 

『俺達と人間は共に生きる。ただ、それだけの事だっ!』

 

 解き放たれた無数のゼロスラッガー、ミラクルゼロスラッガーがナックル星人の全身を切り裂いていく。迸る紅に夕日が差し、ゼロの体が再び光る。

 

『がぁぁ・・・、おのれウルトラマンゼロォォォォォォォ!』

 

『ふんっ!』

 

 ゼロが通常形態に戻り、今度はゼロツインソードを構え、ナックル星人へと向かって地面を蹴り、猛スピードで懐まで突っ込んでいく。

 

『テメェが人間の価値を語るなんざ・・・・・・、二万年早いぜっ‼』

 

『ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼』

 

 プラズマスパークスラッシュを喰らったナックル星人が爆散し、見ていた三人の少女が歓声を上げた。

 

『・・・・・・まさか俺の力がリトルスターで復活するとは・・・・・・』

 

 ありがとうと叫ぶ三人の少女を見つめながら、ゼロは夕日に溶け込んでいった。

 




千歌「何で私陸ちゃんの事陸ちゃんって呼んでるの? 他の人の作品だと皆君付けで呼んでるじゃん」

俺「個人的なイメージで、千歌さんって男の子でもちゃん付けで呼んでそうだなーって」

千歌「曜ちゃんが呼び捨てにしてるのもそう言う事?」

俺「まあ、そう言う事っす。そっちの方が可愛いですし」

千歌「ウルトラゼロライブで可愛さ求めても仕方なくない?」

俺「そこはまあ・・・、突っ込まない方針で・・・・・・」




別にいいじゃん。可愛けりゃ。
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