ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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え~……また失踪して申し訳ございません。作者は一応生きてます。

更新期間が一ヶ月以上開いてしまった事の言い訳としましては、年明けから塾の講習があったり、センター試験等の模試に向けた勉強があったり、サンシャイン劇場版の周回が忙しかったり(4割くらいこれ)と色々あって時間が取れず……イヤ本当に申し訳ないです。
とりあえずまあ、本日から復帰という事で………更新ペースは保証しませんが。



あ、ちなみに現状サンシャイン劇場版は9周してます。
あれほんとに素晴らしいのでまだ観ていないという方は是非。見れば見るほど沼にハマる恐ろしい映画です。


百二十話 拭えない憂い

 

 

「挑戦・・・・・・?」

 

 緊迫した空気が張りつめた教室内で、地獄のジャタールの顔を覗き込む曜。

 

『ああ。なに、難しい事ではない。貴様はただ選べばいいだけだ』

 

「選ぶって・・・なにを・・・・・・」

 

 最近は宇宙人に対面する事も多くなってきたので慣れつつあったが、ジャタールに対しては過去に襲われた経験がある以上、どうしても足が竦む。

 

『ヒョホホ・・・・・・』

 

 おもむろに手を翳したジャタールの真横に空間ウィンドウが浮かび上がる。

 

「ぁ・・・」

 

 思わず力の抜けた声が口から漏れてしまう。

 だがそうなってしまうのも仕方はなかった。ウィンドウに映し出されたのは、果南同様半透明のカプセルに閉じ込められた陸の姿。

 

『ヒッポリトカプセルは閉じ込めた者をブロンズ像に変えられる・・・・・・。以前の貴様のようにな』

 

 あとは分かっているなと言った視線を曜に向け、次の瞬間、ジャタールは恐ろしい選択を曜に突き付けた。

 

 

『友を取るか、想い人を取るか・・・・・・・・・貴様はどちらを選ぶ・・・?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああもうクッソ! 何で壊れねーんだよ‼」

 

 一方浦女の校舎裏。

 滅多に人目につかない塀の影に、ガンガンと陸がヒッポリトカプセルを叩く音が響く。

 

『・・・・・・ヒッポリトカプセルは内側からじゃまず壊せねぇ・・・。いくら俺等が中から叩いたところで脱出できるとは思えないな・・・』

 

「なんでそんなに冷静なんだよお前・・・」

 

 とにかくこうしている間にも、ジャタールが何を仕出かしているか分かったものではない。

 プレイヤーが陸達ではないという発言からして、奴の狙いは他の人間。恐らくだがAqoursメンバーの誰かだ。

 

「何とかして壊せねーのかよ・・・」

 

『外側から強い衝撃を加えれば何とかなるかもだが・・・・・・。期待は出来ねぇな・・・』

 

 周辺ではマグマ星人が警備態勢を敷いている。脱出を防ぐために誰もここに近づかせないようにしているのだ。よって偶然ここを通った者に手を貸してもらうのは到底不可能。

 

『マグマ星人にバレずにここに近寄れる奴がいれば話は別なんだが・・・・・・そんな奴・・・・・・』

 

「なんか大変そうだね~」

 

 必死に突破口を模索していたその時、不意に聞き覚えのある、気の抜けた声音が耳朶を撫でた。

 振り返ればそこにいたのは、笑みが気持ち悪いと言う点を除けば至って普通の男。

 

「よー陸君。そんなところで何遊んでるんだい? 楽しいのそれ?」

 

 閉校祭で購入してきたのか、鞠莉特製のシャイ煮を咀嚼するのはカド―星人オウガ。

 かつては敵対していたのだが、今は色々あって和解?している元ベリアル軍の宇宙人だ。

 

「いやー・・・まさか可愛い女の子達が可愛い衣装着て働いてるっていうヘブンを無視してこんな所で一人遊びするクソ寒野郎だとは思ってなかったよ陸君。なに? 普段モテてるからっていう勝者のおごり? 非リアへの嫌味?」

 

「お前・・・・・・、こっちはふざけてる場合じゃ―――」

 

「ないんでしょ?」

 

 空気を読まないマシンガントークに覚えた苛立ちと、それと同時に感じていた焦りを見透かすようにオウガは陸を制止する。

 

「冗談じょーだん。分かってるって。だから助けに来てあげたんだろ?」

 

 状況を理解せずに冷やかしに来たものかと思ったが、どうやら違うようなので肩から少し力を抜く。

 だが考えてみればオウガは元々ダークネスファイブの仲間だったのだ。ジャタールの能力を知っていても何ら不思議ではない。

 

『だったら話は早い。・・・・・・応援を呼ぶでも道具を使うでもいい。このカプセルを壊してくれ』

 

「あのねぇ・・・・・・」

 

 何を思ったのか、ゼロの言葉に呆れたような反応を見せるオウガ。

 さらには誰かを呼ぶでもなく、道具を手に取る事もせずに身を翻し―――、

 

「ハアァァァ!」

 

 赤黒い闇が尾を引く彼の右足が目の前を通り過ぎたと思った次の瞬間、高い音を立てて陸とオウガを隔てていた硬質な物体が砕け散る。

 つまり、カプセルが壊れたのだ。

 

「・・・うぇ?」

 

「・・・・・・意外そうな顔するなよ。ボクだってベリアルの力を持ってるんだ。これくらいできるさ」

 

 完全に予想外と言った顔をする陸に対し、やれやれと肩を竦ませて見せるオウガ。

 だが考えてみればオウガは陸にベリアルの力を分け与えた張本人。これくらい出来ても何ら不思議ではない。

 素の戦闘力が低いというだけで、純粋な破壊力を持ち合わせていないという訳ではないのだ。

 

『・・・マグマ星人の監視はどうやって掻い潜ったんだ?』

 

「ボクはベリアル軍の裏切り者だよ? あれくらいの監視網に引っ掛かってるようじゃ今頃とっくに殺されてるさ」

 

 どうして常々自分の命が危機に晒されているこの状況でそうもケタケタと笑えるのか。やはり何を考えているのか分からない。

 

「まだボクにはやらなくちゃいけない事がある。・・・・・・それまでは死ねないよ」

 

 ほんの一瞬、オウガの表情に曇りが移る。

 その様子に違和感を覚えつつも、とりあえず陸は素直な感謝を口にした。

 

「・・・・・・まあ、とりあえず・・・・・・ありがとな」

 

「おぉ~・・・。なんか陸君に感謝されるのって初めてな気がするね~」

 

 僅かながらにも掛かった不穏な影を訝しく思ったものの、ウリウリと肘で小突き、「もっと素直になってもいいんだよ?」と言ってくるあたりはいつものオウガだ。どうやら杞憂らしい。

 

「・・・・・・でも、そのありがとうは受け取らないでおくよ。・・・・・・・・・ボクは誰かに感謝される資格なんて持っちゃいない。特に、君と千歌ちゃんにはね・・・」

 

 と思えばまた重苦しい声音で自責の言葉を綴る。

 彼の瞳に映った色を見る限りでは、どうやら陸の事を気に掛けているらしいが・・・。

 

 

「・・・・・・お前、もしかして俺にベリアルの力を植え付けた事気にしてんのか?」

 

「っ・・・・・・!」

 

 普段滅多に崩れないオウガの笑顔に綻びが伺えた。日頃から掴みにくいキャラに隠して腹の内を探られないようにしている彼が露骨に反応を示すという事は、図星らしい。

 そんな事いちいち気にするような奴ではなかった気がするが・・・・・・オウガも変わったという事だろうか。

 

「・・・いいから行けよ。こうしてる間にも誰かがブロンズ化してるかもよ?」

 

 急遽取り繕った笑みを顔に張り付け、急かすような言葉が投げかけられる。

 ・・・そうだ。コイツの事も気にはなるが、今はジャタールが優先だ。

 奴の言っていたゲームが既に始まっていると考えるなら、誰かしらに魔の手が伸びていると考えた方がいい。

 

「・・・まあいいや。その辺は後々改めて聞く。・・・・・・とにかくありがとな」

 

 手短にそう言い残し、校舎に向かって駆け出す。

 姑息な奴の事だ。ゲームとのたまったからには、騒ぎになるような真似はしないだろう。

 そうなると、どこかしらの教室にいるはずだ。

 

「がんばれ~」

 

 こんな状況でも軽々しいオウガの声を背に受けながら、陸は足を前へと動かす速度を上げた。

 

 

 

 

 

 

「・・・ごめんよ陸君」

 

 ぽつりと口にした言葉が風に乗って木々の合間を駆けてゆく。

 陸の背中が見えなくなったのを確認してから、オウガは本人の耳には届かない謝辞を零した。

 

「・・・いつかは伝えなくちゃいけないんだろうけど・・・・・・まだ、今はまだ言えない」

 

 この事が陸に、ゼロに、Aqoursの誰かにでも知られてしまえば、彼等の関係自体が崩れかねない。

 ラブライブの決勝やベリアルとの決戦が迫る今そうなれば・・・全てがダメな方向に傾いてしまう。

 当然そんな事は誰も望んじゃいない。

 

「・・・・・・」

 

 開閉する手のひらを見つめ、力を分け与えたあの日の事を思い返す。

 こんな状況を作り上げてしまったのは紛れもなくオウガ自身だ。

 だからこそ、今自分がやることは・・・。

 

「・・・よーやく、友達ってものが出来たはずなのになぁ・・・」

 

 悔恨の念が胸を抉る。

 太陽を隠した雲が作る影に溶け込むように、オウガは闇となってこの場から消えて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「選ぶって・・・・・・」

 

『言葉の通りだ。仙道陸か、松浦果南か。貴様の好きな方を選べばいい』

 

 水を打ったかのように静かになった教室内で蠢く黒い陰謀。

 園児達の悲鳴がしないのは、皆眠らされて床に横たわっているから。ジャタールが何かしたらしい。

 

「・・・・・・選ばなかった方は・・・?」

 

『・・・簡単な事よ』

 

 おもむろにジャタールが腕を動かし、先程まで曜が使用していたうちっちーの着ぐるみを掴み上げる。

 奴には触れたものを銅に変えてしまう力があるため、うちっちーとて例外なく硬質な物体へと変質していく。

 

『選ばれなかった方は即座にブロンズ像にする。当然命の保証もせん』

 

 ずん、と重い音でブロンズ化したうちっちーの頭部が床に落とされる。

 ここへきてようやく、今自分に突き付けられている選択の残酷さを知る事となった。

 

「・・・・・・何で、私に・・・」

 

『・・・貴様が最も、仲間への依存が強いからだ』

 

「え・・・・・・」

 

『自分が帰依している存在同志を、自らの意思で選別する・・・・・・興味深いだろう?』

 

 疑問の答えになっているのかが分からない言葉が返ってくる。

 だがジャタールはそれこそが理由であると言わんばかりに、嘲笑を含みながら邪悪な声を打つ。

 

『特に、幼い頃から共にいた故か、貴様は拠り所を仙道陸に求めている傾向がある。・・・だがそれは一方的なものだ』

 

 どうしてか知っている陸と曜の過去が、ジャタールの口から出でる。

 

『己の存在が不必要なものだと自覚もせずにな。・・・・・・愚かしい事よ』

 

 以前にも投げかけられたような言葉が刺さる。

 嫌な過去を呼び起こしてくる奴の弁を頭の中から追い出そうとするも、それをさせる間もなく二の句が継がれた。

 

『知っているか? 今奴に起きている異変を』

 

「・・・・・・異変?」

 

『・・・やはり気付いてはいなかったか・・・・・・』

 

 曜の反応は分かり切っていた事なのか、一人納得するように首を縦に振って見せるジャタール。

 

『・・・断言しようじゃないか。貴様は仙道陸にとって、足枷に過ぎない』

 

 強い悪意を含んだその断定に、前回のラブライブ予備予選大会、その直前の記憶が脳裏を駆け巡った。

 ダークザギに投げかけられ続けた、曜自身を否定する言葉の数々。

 ・・・吹っ切れたように見えて、実はすっと心に引っ掛かっていた言葉が。

 

『幼馴染という理由だけで守られ、貴様から奴を支えているという事はしていない。ただ奴に負担を掛け続けているだけの、共にいる必要のない役立たずに過ぎん』

 

 必要ない。役立たず。

 あの日に苦しめられた言葉が、事実が、何度も何度も頭の中で反芻する。

 

『ギョポッ・・・・・・今貴様は、奴を救える状況にある。その上でもう一度問うぞ。・・・貴様はどちらを選ぶ。松浦果南も、貴様にとっては姉のような存在だという事は知っているけがな・・・ヒョホホ・・・』

 

 再度突きつけられる選択。

 

「曜・・・・・・」

 

 選べるはずがなかった。

 陸を救いたい気持ちは勿論だ。彼はずっと自分を助けてきてくれたから。

 けれど、果南だって自分にとっては頼れる姉のような存在だから。秤に掛けるなど考えられない。

 

(・・・・・・陸・・・!)

 

 きゅっと、手の中に隠したゼロアイを強く握る。

 こんな時でも彼の助けを求めてしまうのが情けなかった。長く共にいる間に、陸を頼ることが当たり前になっていて。

 

 だからこそ、こんな時でも思ってしまう―――。

 

 

 

―――ガララ!

 

 

「っ・・・?」

 

 勢いよく開かれた扉の音に、閉じていた瞳を開く。

 まさかと思い流した視線で確認した先では、弾丸のように教室内へ突っ込んでくる人影が一つ。

 

 

「ジャタァァルゥゥゥッ‼」

 

『へぶあぁっ⁉』

 

 聞きなれた響きの怒号と、吹き飛んだジャタールが立てた音が、場を満たしていた空気を一変させた。

 そしてその理由を作ったであろう者は、ジャタールに対し曜を庇うように立ち塞がる。

 

「・・・・・・陸・・・?」

 

 そんなはずがない。そう思いながらも、自身の目でしっかりと映し出したのは、紛れもなく何度も見た彼の背中で。

 

「・・・やっぱここだったか・・・・・・このヤロォ・・・!」

 

『馬鹿な・・・・・・どうやって脱出した⁉』

 

 驚愕と焦燥を隠そうともしないジャタールをねめつけつつ、陸はゼロランスを振るって果南を捕らえていたヒッポリトカプセルを叩き壊す。

 

『偶然、通りすがりの宇宙人が俺達をストーキングしてたもんでな』

 

『ッ・・・! オウガか・・・・・・!』

 

 恨めしそうに話題に出た謎の人物の名を口にするジャタール。

 どうやら、そのオウガとかいう人物が陸を助けてくれたらしい。

 

『・・・・・・テメェの言うゲームはこれで終いだ。今度はこっちから仕掛けさせてもらうぜェ・・・』

 

 陸の瞳が蒼く煌き、主人格がゼロに入れ替わった事を告げる。

 そして姿勢を下げ、ゼロランスを構え直したのを合図に―――、

 

『正々堂々! タイマン張りやがれ‼』

 

『ぬうぅ・・・!』

 

 突風が如し勢いで突っこんだゼロの一撃を、両腕を交差して受け止めるジャタール。

 高校生の身体とは言えど、ウルトラマンの力が付与されたその一撃。地球人と同じ大きさになっているジャタールにはかなり答えるだろう。

 

『ちぃ・・・!』

 

『うおぉッ⁉』

 

 突き出された腕を身を翻して回避。

 切り返して振るったゼロランスも、奴が手の平で受け止めようとしているのを察知し、無理矢理方向を変えてしまう。

 

『・・・どうした? そんなにブロンズ像になるのが怖いか?』

 

『ああ・・・、片手だけでももう御免だ・・・』

 

 苦笑いを浮かべつつ、ゼロは一旦距離を取る。

 あの腕に一度でも触れられてしまえば一気に不利になってしまうのだろう。

 

『ヒョホホ・・・・・・来ないのならこちらから行くぞ!』

 

 ジャタールの胸部にある発光体がエネルギーと共に熱を帯びる。

 そしてあろうことか、この狭く、小さな子供もいる教室内で光線を放ったではないか。

 

『ぬっ・・・ぐうぅぅぅ・・・・・・!』

 

 かわす訳にもいかず、仕方なくゼロランスをゼロディフェンダーに変形させて受け止めるゼロ。

 

『テメェ・・・! ずりぃぞこの野郎!』

 

『何とでも言え。どんな手を使おうが勝った方が正義だ!』

 

 辛うじて凌ぎ切ったのにも拘らず、ジャタールは間髪入れずにもう一度光線を放出。ゼロも同じように受け止める。

 

『ギョポッ・・・! 周りの被害を気にして思うように回避できないか・・・・・・。それが貴様等の甘さよ』

 

『・・・んだと?』

 

 攻撃の手を一度止め、ジャタールは嘲るように笑う 

 だがその双眸が向けられているのはゼロではなく、傍らで今の攻防を見る事しか出来ていなかった自分で―――、

 

『・・・・・・そうだと思わないか? ・・・・・・渡辺曜』

 

「っ・・・!」

 

 不意に悪意と侮蔑が向けられ、心臓が跳ね上がった感覚に襲われる。

 

『あ―――あ゛ぁっ⁉』

 

「・・・・・・曜に何の関係がある」

 

 曜の名前が出た途端に身体を奪い返した陸が低い声をジャタールに向ける。

 だがジャタールはそれを気に留める事をせず、続けて曜に語らう。

 

『・・・・・・先程、私が貴様に言った事があったな・・・』

 

「・・・・・・」

 

 身体が震えるのが分かった。

 吐きかけられた言葉の数々や、その事でまた追い詰められていた事を陸に知られる事が怖かった。

 幻滅される事ではない。また別の事が―――、

 

『それを・・・・・・貴様自身で証明しろ』

 

「え――――――」

 

 恐れていた事が起きなくて一安心―――とはならなかった。

 罵倒の代わりに曜に向けられていたのは、赤い光の線。

 つまりは、今さっきまでゼロに向けられていた、奴の破壊光線だ。

 

「よ―――」

 

「曜ッ‼」

 

 果南の叫びと重なって、別の声が耳に届く。

 そしてその声が誰のものか理解した時には、その声の主は自分の盾になるように光線の前に立ち塞がり。

 

「ぐぁっ・・・・・・!」

 

「あうっ・・・!」

 

 体勢を整えきれていなかったが故に光線を受け止めきれず、後方へ吹き飛んだその人影の身体が曜と衝突。まとめて転倒する。

 そのはずみで、手の中に握っていた「あるもの」が音を立てて床に落ちる。

 

「っ・・・! それ・・・!」

 

『ウルトラゼロアイ・・・・・・。ここに飛ばされてたのか・・・』

 

 即座に身体を起き上げ、何らかの理由があって手放してしまったであろうゼロアイに視線を向ける陸。

 だがすぐにゼロアイを拾う事はせず、真っ先に彼がした事は、自分の下敷きになっていた曜を起き上げる事だった。

 

「・・・曜・・・、大丈夫か・・・?」

 

 自分の事よりも早く曜の心配が出来るのは、彼が自分の事よりも曜を大事に思ってくれているから。

 それが嬉しいようで、少し辛かった。

 

『・・・ったく、散々やりたい放題やりやがって・・・・・・ようやくこっちのターンだ。行くぜ陸!』

 

「わーってるよ!」

 

 曜に怪我が無い事を確認してから、力強く失っていたゼロアイを掴み上げる。

 そしてそれを目元に装着する直前に、陸は曜の方に顔を向け―――、

 

「・・・お前が持っててくれてよかったよ。ありがとな」

 

「っ・・・・・・」

 

 なんで。

 なんで今、そんな言葉を掛けてくれるのだろう。

 

「『シェア!」』

 

 その理由を問える前に、陸の身体は閃光に包まれ―――、

 

『デエェェェイヤァ‼』

 

『グおおぅぅ・・・ッ‼』

 

 光の奔流にジャタールを乗せ、浦の星女学院の外へと飛び出して行った。

 

 

 




唐突な曜ちゃん虐め。これの補完のためにもしかしたら前回か前々回にちょびっと話を付け足すかもしれませんがご了承を。
てかジャタールってこんなキャラでしたっけ…?公式からの供給が少なすぎていまいちキャラ像が掴めんのじゃ。
でまあ、オウガはオウガで何か不穏な様子を……。

作者としてもさっさと謎解明してエモいパート書きたいので次回はなるはやで更新します。


それでは~次回で~
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