ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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5thに落ち、ファンミの席もステージから遠く、在庫切れで7週目の特典を逃し、行動範囲内の映画館でサンシャイン劇場版の上映が終了し、パソコン壊れて(一応直った)しばらく執筆出来なかった不運まみれの作者です。
いやほんと…、そろそろ特異点として選ばれて時の運行を守り始めるんじゃないかってくらい運悪いんですよね今月…。

まあ、今週は東京ファンミもあるので気を取り直していくとしましょう。自分はバキシム人形を連れて前夜祭と日曜公演参戦です。
それでは本編に、climax Jump!



百二十一話 帝王の鼓動

 

 

 

『デエェェェイヤッ!』

 

『オオォォォォッ!』

 

 教室の窓枠から、二体の巨人が衝突するのが見える。

 突如として勃発したウルトラマンと宇宙人の戦闘に校庭から悲鳴が聞こえる中、曜は気の抜けた様子その光景を見上げていた。

 

『オオォラァ‼』

 

『へぶあっ・・・⁉』

 

―――・・・断言しようじゃないか。貴様は仙道陸にとって、足枷に過ぎない

 

 たった今ゼロに殴り飛ばされた宇宙人―――地獄のジャタールの言葉が脳裏で反芻する。

 必要とされているかはともかく、足枷になっている。というのは事実と言ってもいい。

 日頃何か陸の力になれている訳でもないのに、何かあればすぐに彼を頼ってしまう。足手まといもいいところだろう。

 

 なのに、それだというのに。

 

―――・・・お前が持っててくれてよかったよ。ありがとな

 

 どうして、そんな言葉を掛けてくれるのか。

 どうして、ただの偶然が生み出した事なのに、それを嬉しく思ってしまっている自分がいるのか。

 

「・・・・・・。っ・・・!」

 

「・・・っ、ちょっと、曜⁉」

 

 ゼロと共に戦っている彼を見ているのが、いつになく辛くて。

 無意識の内に足は動き、教室を飛び出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぐあっ・・・・・・!』

 

 ジャタールに宇宙拳法による連撃を加えていたゼロだが、突如真下から付き上がってきた銀色のサーベルによって宙を舞う。

 

『貴様等・・・いつの間に脱出した・・・?』

 

 タイツでも着こんでいるかのような漆黒の身体と、顔を覆うように装着されたマスクが特徴的な宇宙人。

 先程までヒッポリトカプセルに閉じ込められていた陸の脱走を防ぐために警戒網を張っていた―――サーベル暴君マグマ星人だ。

 

『・・・その質問ならさっきも聞かれた。二度も答える義務はねぇ‼』

 

 起き上がり様にゼロランスを握り、目の前の敵を牽制するように真横に薙ぐ。

 

『デエェェェヤァ‼』

 

『ハッ!』

 

 空中へ飛びのいたマグマ星人目掛けて鋭い刺突を繰り出すも、奴の腕に装着された巨大なサーベルによっていなされてしまう。

 

『なろっ・・・オオリャ‼』

 

『ぐうぅぅぅ・・・!』

 

 瞬時に身を翻してランスをバットのようにスイングし、受け流された刺突の勢いをそのまま利用した大振りの一撃を見舞う。

 これもサーベルによって受け止められこそしてしまったものの、純粋な力勝負ならゼロに分がある。

 このまま強引に押し切って―――、

 

『ッ――――――⁉』

 

 殺意と共に赤黒い閃光が迫ってくるのを察知し、バックステップを取って辛うじて回避。

 その隙を突いてきたマグマ星人の追撃も何とか凌ぎ切った後、ゼロは今の攻撃の発生源であろう宇宙人を睨みつけた。

 

『・・・中々面白い真似してくれんじゃねーか・・・。前タイマンで負けたから人数増やしやがったな・・・』

 

『ギョポッ・・・。生憎、正々堂々などという言葉は我等の辞書にはないものでな・・・』

 

 変身する前にゼロが言ったタイマン勝負はこちらが押し付けたものだが、こうもあっさり破られると多少なり腹は立つ。

 だがジャタールはそんなことは気に留める事もなく、胸部の発行体にエネルギーを集約させていく。

 

『あの時の恨み・・・・・・晴らさせてもらうぞ‼』

 

『くっ・・・!』

 

 ヒッポリト星人の得意とする光線―――ブレストクラッシャーが足元に着弾し、もうもうと土煙が上がる。

 

 こう何発も回避しているようではキリがない。早急にジャタールを叩こうとゼロランスを構え直すが―――、

 

『オオォォォォ‼』

 

『ちいぃぃ・・・!』

 

 土煙の中から飛び出してきたマグマ星人のサーベルが頬を翳める。

 咄嗟に回し蹴りで反撃するものの、その間に打ち出されていたブレストクラッシャーが直撃し、難なく吹き飛ばされてしまった。

 

『・・・ヒョホ・・・なるほど、貴様、アレのせいで力を出し切れてはいないな・・・』

 

『・・・・・・』

 

 ジャタールの指摘に、若干の不快感を示すゼロ。

 その背後には、ジャタールの張ったヒッポリトカプセルとはまた別の光の膜に覆われた浦の星女学院が。

 

『確かにヒッポリトタールや、我等の攻撃が被弾する事は避けられるだろうが・・・・・・』

 

 ノズル状の口を弄びつつ、ジャタールは目線だけでマグマ星人に指示を与えては胸部を不吉に輝かせる。

 

『そんな状態で・・・・・・いつまで持つかな・・・』

 

 飛び出したマグマ星人の後方から続くようにブレストクラッシャーが放出され、確かな破壊力を持ってゼロを照らす。

 光線を回避する事自体はそこまで苦でも無いのだが、かわした先には決まって―――、

 

『ハアァァァァ‼』

 

『ぐっ・・・おぉぉ・・・・・・!』

 

 マグマ星人の追撃を受け止めるも、力が入り切っていないために押されてしまう。

 力点をずらして直撃こそ避けたが、その衝撃はビリビリと手先から広がっていく。

 

『・・・はは・・・ちょっとキツイかもな・・・』

 

「・・・ちょっとなんてもんじゃねーだろ・・・」

 

 浦の星女学院を守るバリアを展開している以上、多少なり力に制限が掛かる。

 加えこの状況。マグマ星人には接近戦で応じつつ、ジャタールの遠距離攻撃を凌がなくてはいけない。

 

『・・・とりあえず上手く立ち回って隙が出来るのを待つ。数打ちゃ当たるだ!』

 

「・・・・・・ちょっと意味違くないか・・・?」

 

 ジャタールの動きに注意を払いつつ、ランスを構えてマグマ星人に突進。

 案の定先程と同じ攻撃パターンを取ってきた奴等だが、そう何度も同じ手にやられるほどゼロも馬鹿ではない。

 

『シェァ‼』

 

『ぬっ・・・!』

 

 マグマ星人と鍔迫り合いの形になったゼロを狙って三度ブレストクラッシャーを解き放とうとしたジャタールだが、真横から飛来した二つの銀色の光によって妨害される。

 

『フッ・・・! ハアァァァ‼』

 

 ウルトラ念力で操る二本のゼロスラッガーが宙を駆け巡り、それぞれ一本ずつがジャタールとマグマ星人の双方を翻弄。そして、

 

『ウオラァッ‼』

 

『グおおぅぅ・・・!』

 

 マグマ星人の気がゼロスラッガーによって逸れた一瞬を突き、炎を纏った右足が奴の土手っ腹を打ち抜く。

 更に左足も地面から引き離し、支点を失った事で逆流したキックの勢いを利用し勢いよく飛翔。飛び上がった先で手元に戻ってきたゼロスラッガーを融合させる。

 

『デエエェェェェェイヤァッ‼』

 

『ギョフオォッ・・・⁉』

 

 ゼロツインソードとウルトラゼロランス。交差した大剣と槍が描く剣線を胸元に叩き込まれ、ジャタールは盛大に火花を散らして真後ろに倒れ込んだ。

 

「うっ―――!」

 

 それと同時に、陸の頭にズキリと痛みが走る。

 

『ヌオォォォ!』

 

『シェェェ―――――うぐっ⁉』

 

 マグマ星人の放った上段回し蹴りを前腕で受け止め、ゼロツインソードで切り返そうとするゼロだが、突如身体に電撃でも迸ったかのように動きが止まる。

 

『フンッ!』

 

『があぁぁぁっ・・・!』

 

 何度も場数を踏んでいる相手の前でそんな隙を作るのは命取りと言うもの。

疾風が如し勢いで振るわれたサーベルが腹部ごとゼロを薙ぎ払い、受け身も取れずに大地と衝突してしまう。

 

「ぐっ・・・がぁぁ・・・・・・!」

 

『クソッ・・・・・・こんな時に・・・』

 

 ウルトラマンの姿に変身すれば、陸とゼロの感覚は共有される。

 つまり陸の発作が起これば、当然ゼロにも何かしらの影響が出るのだ。

 

『ギョポッ・・・・・・、やはり、戦闘中は陛下の力が過敏になるようだな・・・』

 

 起き上がったジャタールが、膝を付くゼロを見下ろす。

 その余裕の増した態度は、まるで初めからこうなる事が分かっていたとでも言いたげな様子だ。

 

『・・・・・・テメェ・・・まさかこれを狙って・・・』

 

『さあ? どうだろうな!』

 

『ぐあッ・・・・・・!』

 

 ほんのお返しだとでも言うように足を振るい、ゼロの下腹部を蹴り上げるジャタール。

 

『・・・一つ聞かせろ。仙道陸』

 

「・・・あぁ?」

 

『・・・何故、私がゲームを仕掛けた相手が渡辺曜だとすぐに看破した』

 

 純粋な疑問なのか、俯せに倒れ伏した巨人を踏みつけつつそう問いかけてくる。

 確かに陸は、なんとなくだがジャタールの狙う場所が分かっていた。

 

『・・・答える必要なんざねぇ』

 

 発作に耐える陸の代わりにゼロがそう答える。

 それを受けたジャタールは、やれやれと肩を竦めた。

 

『・・・まあいい。どうせ貴様も分かってはいたのだろう? 私が最も心の弱い役立たずな人間を狙う事は』

 

「・・・はあ・・・?」

 

 頭にガンガンと痛みが響く中でもハッキリと耳朶を打った侮蔑の言葉に自然と身体が反応する。

 

「・・・曜が役立たずとでも言いてぇのかよ・・・」

 

 今自分に発作が起きている事も忘れる程度には沸々と苛立ちが湧き上がってくるのが分かった。

 ジャタールもそれを感じ取ったのか、更にその悪意を滲ませて曜への侮辱を連ねる。

 

『ああ、何度でも言ってやろう。日頃何か貴様の助けになるような事もしないというのに、いざという事態は貴様を頼ることしかしない。・・・・・・ただの足枷ではないか』

 

 自分の吐きかけた言葉で苦しみ、悩む曜を思い出して愉悦に浸っているのか、お馴染みの気持ちの悪い笑いが頭痛と共に頭に響く。

 その声が―――思考を真っ黒に塗り潰す程に不快だった。

 

『きっと奴の仲間も、口には出さずともそう思っているだろうよ。・・・それに・・・』

 

 ゆらりと、緩慢な動きで立ち上がったゼロをジャタールはしたり顔で見やる。

 

『・・・こう言えば、貴様は頭に来るだろう?』

 

 

「――――――当たり前だろ・・・!」

 

 

 狼煙のように立ち昇る闇に包まれる黒い巨人

 獣の如し殺気を纏い、鮮血のように紅く相貌を煌かせるその姿はやはり、ゼロダークネスだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 熱が滾る。

 空っぽの器に、失われていた何かが満ちていくような、そんな感覚。

 これを味わうのも、この状態になってからもう何回目だろうか。

 

 

 ―――――・・・・・・。

 

 

 入れ物、容器、依り代・・・いや、呼び方なんて何でもいい。どのみち自分が抜ければただの抜け殻と成り果てる身だ。

 衝突する巨人達を見上げるその者の視界を介し、自らもまたその中の一体を見やる。

 

『ア゛アァァァァァ‼』

 

『ヌウゥゥゥン‼』

 

 宿縁の仇と同じ姿をしつつも、本質では違うソレが散華させる闇を確認し、内心で笑う。

 あの闇だ。

 あの闇が、自分を・・・・・・。

 

 

――――――・・・・・・。

 

 

 天啓のようにふと思う。

 遠からず、自分の力は蘇る。より強大に、より過激を極め、君臨する。

それはもう確定事項だ。だが・・・、

 

それまで、ただ見ているだけというのも退屈だ。

 

 

 ――――――・・・少し、遊ぶか・・・。

 

 

 奴と自分を繋げる「糸」を辿り、闇を逆流させる。

 

 

 ――――――さあ、目覚めろ・・・・・・―――よ・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ガアッ・・・・・・!』

 

 火花を散らした漆黒の巨人が地面に追突する。

 身体へのダメージも蓄積しており、脱力感も否めない。

 だがそれでもゼロダークネスは―――陸は即座に起き上がり、目の前の敵に向かって突撃を仕掛けて行った。

 

〈おい陸! 俺に変われ!〉

 

 制止するゼロの声も聞かず、野性的なフォームで回し蹴りを繰り出す。

 だが、いくらこれまで戦ってきたとは言え、ジャタールやマグマ星人に比べれば陸の戦闘経験は浅い。

 それに加え怒りという感情が先行している今の状態。

 

『フンッ・・・ハアァァ‼』

 

『グアアァァァッ・・・・・・!』

 

 当然だが、通用しない。

 自分がやった回し蹴りをそのまま返され、敢無く地面を転がる。

 

「クソッ・・・・・・!」

 

 ピコン、ピコン、と点滅を始めるカラータイマーが余計に気持ちを急かし、また無茶苦茶な突撃で二体の宇宙人に迫るも、結果は変わらない。

 

〈・・・ッ! 気持ちは分かるが落ち着け! あれはブロンズ野郎の挑発だ! 全部お前を怒らせてベリアルの力を使わせるために―――〉

 

「・・・それでもッ・・・アイツが本心で曜を愚弄しやがった事に変わりはねぇだろ‼」

 

 軋む身体に鞭打ち、果敢に立ち上がる。

 だが既にマグマ星人は懐に肉薄しており、繰り出された刺突の衝撃が鳩尾を貫いた。

 

『ガッ・・・・・・アァ・・・・・・!』

 

 全開でベリアルの力を酷使している事もあり、解けた金属を身体に流し込まれたかのように痛みが全身に広がっていく。

 

『・・・ここら潮時か』

 

 徐々に輪郭がぼやけてくる視界の中見上げたジャタールは、ゼロを見ていなかった。

 まるで敬意でも払うようかのような視線を向け、何かを確認したようにも思える。

 

『マグマ星人・・・後は貴様に任せる。頃合いを見て戻ってこい』

 

『はっ』

 

 先程まで愉悦たっぷりにゼロを痛めつけていたにも関わらず、謎の行動の後、この場から立ち去ろうとするジャタール。

 

「・・・待てっ・・・・・・!」

 

『計画こそ狂ったが、当初の目的は果たしたからな。これ以上貴様と遊ぶ必要もない。・・・・・・今後も頼むぞ・・・?』

 

「何訳分かんねーことを・・・・・・!」

 

 立ち去る奴を追わんとするも、今さっきマグマ星人に貰った一撃がまだ響いており立ち上がれない。

 

「この・・・! 待てって・・・!」

 

 奴等がこの場からいなくなる事自体は良いことのはずだ。これ以上ゼロと陸の身体に負担を掛けるものは無くなるし、閉校祭も無事に続けられる。

 だが、だがそれでもおいおいと見過ごす訳には行かなかった。

 

 アイツは、ジャタールは曜を傷付けた。

 ダークザギの一件以降も、ずっと密かに自分自身に問答していた事を知っておきながら。

 

「がっ・・・うぅ・・・・・・!」

 

 倒せなくなっていい。せめて、あの腐れ外道の顔面をぶん殴ってやるまでは終われない。

 そうでないと、曜に示すことが出来ない。

 

 曜自身も気付いていない事が。

 陸が・・・伝えていない事が。

 

「ま・・・て・・・!」

 

 気力で痛む身体を動かし、転送ゲートを開いて母艦に戻ろうとするジャタールへと手を伸ばす。

 その時だった。

 

 

 ――――――・・・目覚めろ・・・。

 

 

「っ・・・!」

 

 聞き覚えこそなけれど、何故だか親しみを覚える声が脳裏に響く。

 囁き掛けてくるようなその響きは僅かな抱擁感を持ち、すんなりと陸の中に溶け込んでくる。

 

 

――――――・・・お前は俺と同じだ。表面で取り繕ってはいるが、奥底では強大な闇がのた打ち回っている・・・。

 

 

 声が続くと共に、ドクン、と。身体に膂力が溢れてくるのを感じた。

 灼熱の炎にでも包まれているかのように感覚という感覚が鋭敏になってゆく。

 その反面、思考は徐々に遠くなっていき―――、

 

 

 ――――――超えてやれ。お前を、お前の友を見下した奴等を・・・!

 

 

 深く、黒い闇が・・・・・・爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『っ――――――!』

 

 静かに、鮮烈に、闇が飛散する。

 

『ぬがぁ・・・ぁっ・・・・・・!』

 

 一切の予備動作もなく放たれたデスシウムショットはマグマ星人の顔面を直撃し、装着されたマスクに無数のヒビを走らせていた。

 

『なんだ・・・? 一体・・・?』

 

 顔を手で覆いつつ、明らかに様子が一変したゼロダークネスを見やるマグマ星人。

 

〈・・・おい・・・、陸・・・・・・?〉

 

 ゼロに、出来れば思い出したくなかった記憶が去来する。

 血のような真紅の双眸に、いつの間にか禍々しい紫へと変色していたカラータイマー。

 それはまるで、かつてベリアルに身体を奪われ、仲間を惨殺したあの時の様で―――、

 

『・・・・・・ッ!』

 

『ッ―――!』

 

 無言のまま爆ぜるようにゼロダークネスが飛び出し、一瞬でマグマ星人と交錯。

 静寂が場を満たす中、ゼロダークネスの両腕に握られた漆黒のゼロスラッガーが答えを物語っていた。

 

『ぅ・・・・・・ぐぁ・・・・・・』

 

 今のすれ違いの瞬間だけで全身に刻まれた傷跡から血潮を吹き出し、マグマ星人はがくりと膝を落とす。

 だがゼロダークネスは一切の躊躇も、慈悲もなくカラータイマーの左右にスラッガーを装着。そして―――、

 

『ゼアァァァァァァァッ‼』

 

『がっ・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ⁉』

 

 満身創痍のマグマ星人にダークゼロツインシュートを直撃させ、爆発と共にその身体を吹き飛ばした。

 そして、尚もゼロダークネスは止まらない。

 

『ヌゥゥゥ‼』

 

『ギョフオォッ・・・・・・!』

 

 優位な状況から一変、一瞬の内に葬られたマグマ星人を見て足止まりしていたジャタールにデスシウムショットが突き刺さる。

 

『・・・ッ! 貴様ァ‼』

 

 あくまでも目的は陸の挑発であり、それが終われば早々に撤退するつもりだったのか、足止めのマグマ星人がいなくなり焦りの色を浮かばせたジャタールがブレストクラッシャーでゼロダークネスを牽制。

 が―――、

 

『フゥゥン!』

 

『なぁっ・・・!』

 

 腕先から発生した巨大な爪により先頭から真っ二つに両断され、破壊光線が漆黒の巨人の左右に着弾する。

 

『ッ・・・!』

 

『貴様・・・! それは・・・』

 

 ゼロも、ジャタールも、ある存在の影を見出す。

 大きく湾曲した巨大な鉤爪は、まるで―――、

 

『ウアアァァァァッ‼』

 

『グオオォォォォ・・・ッ⁉』

 

 漆黒の軌跡が弧を描き、深々とジャタールに突き刺さる。

 獣が如し様相で闇のエネルギーによって生成された鉤爪を振るうゼロダークネスの猛攻は留まる事を知らず、何度も、荒々しく、されど的確に、地獄星人の身体を切り刻んでゆく。

 

『フゥアァ!』

 

『がぐふぅっ・・・・・・!』

 

 闇の波動に乗って突き出した拳でジャタールを殴り飛ばし、両腕を掲げては赤雷を集約。

 そしてその際、闇の皇帝を知る者には、ハッキリとゼロダークネスと、つり上がった赤い目の巨人の影が重なったという。

 

『へ・・・・・・へへへへ陛下ぁっ⁉』

 

『ウウゥゥゥ・・・!』

 

 水平に構えた左腕に右腕を叩きつけるようにして十字を作り、エネルギーを開放。

 

『ゼアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!』

 

『ギョポォォォォォォォッ!?!?』

 

 赤と黒が疾走する轟雷の槍―――デスシウム光線がジャタールを穿ち、肉片を四方八方に吹き飛ばしながら大爆発を起こした。

 グロッケン達と同様に爆心地からは黒い瘴気が立ち昇っているが、今それを気に掛ける者は誰もいない。

 

〈・・・・・・今の光線は・・・・・・・・・ベリアルの・・・〉

 

『ウ・・・・・・ァァ・・・・・・』

 

 敵を完全に駆逐した途端に、今の今まで大暴れしていたゼロダークネスが糸が切れたように身体をよろめかせる。

 

〈おい・・・・・・陸・・・?〉

 

 ゼロの呼びかけに答えが返って来る事はなく、程なくして巨人の身体は掻き消えて行った。

 

 

 

 




やったぜジャタール撃破!…とは喜びきれない現状。陸をあんな事にしたのは言うまでもなくあの御方です。
ゼロダークネスの戦闘はちょこっとゼロファイトをリスペクトした部分もあるので、あのトラウマが蘇った方が居たら申し訳ない(__)

あと今後のお知らせなのですが、作者の大学受験を理由にゼロライブは第二部終了と同時に一旦更新を停止します。楽しみにしてくださっている方々には申し訳ございません。
詳しい詳細は次回以降の後書きで述べる事になりますが、一応お知らせという事で…。

二部が完結まではちゃんと書きますから! つってもあと二話くらいで終わりますが←⁉
どういう事かは二部のラストをお楽しみに…。


それでは次回も! よーろしくー!(この娘も第三部で出せたらいいなぁ…)
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