ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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言い訳はしません。忙しいのもあったけど単純に1ヶ月煮詰まってました。はい

という訳でお久しぶり、こっちが進まなくて仮面ライダーの方ばっか書いてたがじゃまるです。
何だかんだしてるうちに3月すっ飛ばして4月に……ほんと申し訳ないです
その分と言っちゃなんですが変化球はぶん投げたのでお慈悲を……



ちなみにAqours5thは先行2次で当てましたん。Day2です。

それじゃ久々の、本編どうぞ。


百二十二話 友愛ヨーソロー

「―――ぁん!」

 

 馴染みのあるあどけない声がどこからか響き、閉ざされていた意識を呼び覚ましてくれる。

 

「陸ちゃん! りーくーちゃん!」

 

「うぁ・・・?」

 

 ゆっくりと瞳を開くと、眩しさと一緒に一人の少女の顔が視界いっぱいに広がった。

 

「・・・千歌・・・?」

 

 名前を口にすると、千歌は安堵したように表情を弛緩させた。

 

「よかったぁ~・・・・・・いきなりいなくなったと思ったら戦い始めるし、戦い終わったと思ったら今度は倒れてるし、心配したよ?」

 

 ズキズキと痛む頭を抑えつつ、ハッキリとしない記憶を辿る。

 確か、曜と果南を襲っていたジャタールとの戦闘になって、それで・・・、

 

「っ・・・! そうだジャタール・・・! あの野郎はどうなった⁉」

 

「え・・・?」

 

 奴との戦闘中、ゼロダークネスに変身してからの記憶がない。

 その間に何があったのか、ジャタールはどうなったのか、恐らくそれを見ていたであろう千歌にそれを問うと、何故だか首を傾げられてしまう。

 

『・・・お前・・・・・・覚えてないのか・・・?』

 

 共に戦っていたはずのゼロにすらそう言われてしまう。

 状況が飲み込めずに首を傾げていると、こちらを心配するような表情を作った千歌がある事を教えてくれる。

 

「・・・さっきの宇宙人なら、二人が倒したよ? ほら、あの真っ黒な姿で・・・」

 

「・・・え?」

 

 まさかの返答に間抜けな声が出てしまう。

 真っ黒な姿というと、間違いなくゼロダークネスだろう。となると、ジャタールを倒したのは陸という事になる。

 

『・・・その反応を見る限り、覚えてねぇみたいだな・・・』

 

「なんか凄かったよね。バババー!って感じで」

 

 語彙力皆無の千歌の説明ではいまいち分からないが、とにかく凄かったらしい。

 

「・・・でも覚えてないって・・・・・・大丈夫? どこか悪いところとか―――」

 

『千歌。この事はあまり詮索しない方がいい』

 

 少しだけ重苦しくなったゼロの声音が千歌を制止する。

 有無を言わせない凄みが含まれており、触れて欲しくないという想いがひしひしと伝わってくる。

 

「・・・まあ、ゼロちゃんがそういうならやめるけど・・・・・・。それより陸ちゃん、何もないなら閉校祭回ろうよ。もうあんまり時間もないし・・・」

 

「え・・・、ああ、うん。いいけど・・・」

 

 何か大事な事を忘れている気がする。

 ゼロダークネスとなってジャタールを倒したというが、そもそもどういう経緯でゼロダークネスになったのだったか・・・、

 

「陸!」

 

 千歌に手を取られたその時、別な方向から飛んできた声が耳朶に触れた。

 見てみれば、ポニーテールに纏めた青髪を揺らす少女がこちらに駆け寄ってきていた。

 

「果南ちゃん?」

 

 足を止め、自らの幼馴染である彼女の名前を口にする千歌。

 先程ジャタールに襲われていた彼女が無事な事を改めて確認出来て安堵しつつも、もう一人の幼馴染の姿が確認出来ない事に疑問を覚える。

 

「・・・姉ちゃん・・・曜は?」

 

「・・・・・・そっちにも来てないか・・・」

 

 所在を問うと。果南は困ったように顔を曇らせた。

 

「・・・陸が戦ってる途中で飛び出して行っちゃってさ。ずっと探してるんだけど・・・」

 

 電気でも走ったかのような感覚が脳裏を迸り、翳み掛かっていた記憶が明瞭になる。

 そうだ、昨日のゼロの忠告を破ってゼロダークネスになった理由、それは・・・。

 

「・・・ちょっと行ってくる」

 

「え・・・ちょ、陸ちゃん⁉」

 

 見えない何かに導かれるようにして地面を蹴る。

 戸惑う千歌と、何かを感じ取ったような果南の視線を背に受け、陸は一人の少女の元に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・・・・全く、陛下もお戯れが過ぎますね・・・』

 

 床に投影されたゼロダークネスの光線を受けて爆発四散するジャタールの姿を見下ろしつつ、困ったような、呆れたような、そんな溜息をつく魔導のスライ。

 突如として豹変したゼロダークネスの様子からして、「あの方」が陸に何かしたのは確実だろう。

 

 自身の復活の時を早めたいのか、はたまたただの気まぐれか。どちらにしろ、その巻き添えを喰らったジャタールを予期せぬ形で失ってしまった。

 少しは、こうなった際の対処をする自分の苦労も分かって欲しいものだ。

 

『いずれは陛下に捧げる命とは言え、こう無計画に命を散らされると困るのですよ。ジャタール・・・』

 

『・・・・・・まるでグロッケンとデスローグが死んだのは計画の上だったとでも言いたげだな』

 

 訝し気にヴィラニアスが顔を覗いてくる。

 ああ、そう言えば「あの事」を知っているのは自分だけだったか。

 

『・・・スライ。お前、吾輩達を利用して何か企んでいるのか・・・?』

 

『・・・・・・貴方が知る必要はありませんよ・・・』

 

 そう。彼がそれを知る必要はない。

 別にヴィラニアス達を利用しようとしている訳でも、何かを企んでいる訳でもない。

 これはただの必然事項だから。

 

『貴方も私も、これまで通りに行動すれば必然的に辿り着きますから』

 

 だが、あの方が今回手を出してきたという事は、今の状況に退屈しているか、早々ん自分の復活を所望しているという事だろう。

 主が動き始めたのだ。部下である自分達が行動しない訳にもいくまい。

 

『・・・我々も少し、計画の進行を早めた方が良さそうですね・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 浦の星女学院の屋上。

 

「・・・・・・」

 

 冷たい風が頬を撫で、沈み始めた夕陽の色が目に染みる。

 思わず教室を飛び出してしまった曜は、ジャタールが倒された後もただただ無作為に、ぼぅっと遠くの景色を眺めていた。

 

 ―――ただ奴に負担を掛け続けているだけの、共にいる必要のない役立たずに過ぎん

 

 ジャタールはいなくなっても、吐き掛けられた言葉は消えることなくいつまでも囁き掛けてくる。

 

 別段屋上に来て何かしようという訳でもなかった。無意識の内に、走る足がここに赴いていただけ。

 特別何かする訳でもなく、いや、何をしたらいいのか分からず、閉校祭も終わりに差し掛かるまで時間を貪ってしまった。

 

「・・・・・・はぁ・・・」

 

 後夜祭的な催しでキャンプファイヤーをやるという話だったので校庭に顔を出さなければいけないのだが、憂鬱だ。

 何も言わずに飛び出してきてしまった手前、事を知る果南や陸と顔を合わせるのがどことなく気まずい。

 特に陸とはどんな顔をして向き合えばいいのか、そんな事を考えると足は更に重くなる。

 

 だがいつまでも顔を出さないと流石に迷惑だろう。早めに行って、目立たないようにしよう。

 そう思い、校庭へ降りようとした時、錆びた蝶番が動く音と共に戸が開く。

 

「・・・・・・やっぱここだったか・・・」

 

 声と一緒に視界に入り込んできたのは、呆れるような、安堵するような、そんな顔をした最も付き合いの長い少年。

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・はぁ・・・」

 

 目を逸らすように背を向けると、遅れて彼の溜息と頭を掻く音が聞こえた。

 

「・・・何言われたかは知らねーけど、あんな奴の言う事気にするもんでもねーだろ」

 

 その言葉に嘘が混じっているのはすぐに分かった。きっと、陸は曜がジャタールに何を言われたか知っている。

 ・・・それに答える事すらも出来ずに、剰えは助けすら求めていた事も。

 

「・・・ねぇ、何でここにいるって分かったの?」

 

 皮肉、とでも言うべきなのだろうか。

 ジャタールに言われた事も、逃げてきた先がここだという事も、知られたくない、気付いてほしくない事ばかり彼は敏感に察知する。

 

 ・・・・・・本当に気付いて欲しいことには、微塵も気が付いてくれないくせに。

 

「・・・何年一緒にいると思ってんだ。お前の考える事くらい分かるっつの」

 

 端的にそう返され、ぎゅっと唇を噛んだ。

 違う。何も分かってなんかいない。

 彼に見えているのは。クセだとか、行動パターンだとか、そういう事。

 真に曜が抱いている事には、何も―――、

 

「・・・ワリ、今の嘘」

 

「・・・・・・え?」

 

 自分の中で湧き上がってきた反抗心のままに言い返そうとしたその時、思いがけない訂正が耳朶に触れる。

 思わず振り返って視界の中に定めた陸の顔には、自責と言うか、自虐と言うか、そんな感情が浮かんでいるようにも見えた。

 

「前にも似たようなのあったよな。必要ないだの言いくるめられて、塞ぎ込んじまった時」

 

 陸からも話題に出された、ダークザギの一件。

 

「・・・笑える話だよな。幼馴染っつーか、ほとんど兄妹みたいなお前があんだけ苦しんでたのに、俺は全然気づけなかった。その結果お前を一人で追い詰めちまって、ほんと馬鹿みてーな話だわ」

 

 風を受けた髪や服を靡かせ、自分自身を嘲るように笑う陸。

 あれは曜の思い込みが招いた事なのに、それ以外の何でもないのに。それでも責任を感じていたらしい。

 

「だからあれ以降は意識するようにしたんだよ。お前だけじゃなくて、皆の事。なんか様子がおかしかったらすぐ気付けるように」

 

 おまけに、こんな気遣いまで。

 元々彼が心根の優しい少年だというのは、共に過ごすうちに理解はしていたが、それに拍車をかけてしまっているのは曜なのかもしれない。

 

「・・・・・・でも、また気付けてなかったみたいだな・・・・・・。ゴメン」

 

 どうして彼が謝るのだろうか。

 悪いのは自分なのに。背負う必要のないものを背負わせてしまっているのは、曜なのに。

 

「・・・もういいよ」

 

 それが辛く、苦しく感じて。

 

「・・・正直に言って、陸。私邪魔だよね」

 

 自分でも拗らせているにも程がある事も、面倒くさくなっている事も分かっている。

 でも今はこうせずにはいられなかった。

彼を拒絶したかった。

彼に、拒絶されたかった。

 

「・・・ったく」

 

 始まったよ・・・とでも言いたげに再度溜息を吐く陸。

 

「思ってる訳ねーだろんな事・・・。あいっ変わらず一回思い込むと勝手に沈ん―――」

 

「・・・いいから、そういうの」

 

 誤魔化してほしくはなかった。

 正直に言ってもらって、その後どうするかは何も考えてはいない。でも、それでも言ってもらえれば、何か自分の中で区切りが打てる気がしたのだ。

 

「・・・わーたよ、正直に言えばいいんだろ」

 

 再度ガリガリと後頭部を掻き、陸は若干の苛立ちを含む素振りを見せた。

 そして倦怠感を映した瞳を曜に向け、口を開く。

 

「・・・まあ、確かに、お前俺の前だとワガママだし、よく分かんねーことで怒るし、今みたいに拗ねると面倒だし、正直一緒にいて苦労するなって思う事は多いよ。つかお前くらいだよそんなの」

 

 身に覚えのあり過ぎる自分の欠点が深々と刺さる。

 正直に言って、と訴えたのは自分だが、やはりこうして面と向かって言われると応える者がある。

 何もかも矛盾だらけだ。

 

「・・・・・・でも、邪魔だと思った事なんざ、一回もねーよ」

 

 変わらぬその答えに、作った拳をぐっと握った。

 そっか。そうだ。

 彼は、そういうタイプだったんだ。

 

「・・・ごめんね、陸」

 

「あ?」

 

「もういいよ。そういうの。・・・・・・これ以上迷惑かけたくないし」

 

 戦った後で身体へのダメージもあるだろうに、自分の事を心配して迎えに来てくれる陸の優しさ。

 それが嬉しくて、いつも甘えてしまう。

 

「そんな風に気を遣わせちゃうって事は、やっぱり私、迷惑だよね」

 

 だから。

 

「それに陸が責任感じたり、気を遣う必要なんてないよ。元はといえば全部私のワガママだから。・・・・・・だからもう終わりにする。具体的にどうするかは決めてないけど、絶対もう迷惑はかけないようにするか―――ッ⁉」

 

 決意の言葉が、突然襲いかかってきた何かによって遮られる。

 

「・・・り・・・く・・・・・・?」

 

 気道を圧迫され、掠れた声が口から漏れる。

 不意に齎された苦しみに表情が歪み、そこでようやくそれが胸元に伸びた陸の手によって胸倉を掴みあげられていると理解した。

 

「・・・いい加減にしろよお前」

 

 彼の低い声に、ぞくりと猛烈な悪寒が背筋を伝う。

 

「お前が俺といる事をどう思ってようが勝手だよ。・・・・・・けど、お前の思い込みで俺がお前に対してどう思ってるかまで決めつけられると気分悪いぞ」

 

 怒っているのは見て明らかだった。

 けど、これは彼が宇宙人などに向けている時のような敵意の怒りではなく、もっと別なもの。

 表現するならば、曜に対する、曜のための怒り。

 

「ワガママとか面倒とか・・・ぶっちゃけんなモンどうでもいいわ。俺がお前といたいと思ってるから今こうしてここにいるんだよ」

 

「っ・・・」

 

 とくん、と胸が脈打った気がした。

 信じていなかったはずで、それでも心のどこかで求めていた言葉が、心を閉ざしていた自己否定の鎖を解いていく。

 

「小さい頃から、それこそ気が付いた時には一緒にいて。散々バカやって、笑って、今も似たように過ごしてて、その時間が好きなんだよ」

 

 彼の瞳と視線が重なる。

 いつもの気怠けなソレではなく、真っ直ぐな視線が。

 それを見れば、今陸の言っている事が嘘偽りのない正直な気持ちだという事は簡単に分かった。

 

 そんな事からも目を逸らしていたのだ。

 

「喧嘩も、苦労も、気遣いも迷惑がる事も全部。全部含めてお前といる時間なんだよ! それが心地いいから一緒にいるんだろうが‼」

 

 どうして気が付かなかったんだろう。

こんなにも曜との時間を大切に想ってくれて、曜自身のために怒ってくれるような彼の気持ちに。

 

「お前のよく分かんねーそれがワガママだってんなら、俺だって俺のワガママ通して勝手にお前といんだよ」

 

 役に立たないとか、足手まといとか、陸にはそんな事どうでもよくて。そもそも考えてすらいなくて。

 ただ純粋に曜といる時間を心地よく思ってくれていて、曜を大事に思ってくれていて。陸にとって、守る理由なんてそれで十分で。

 

「・・・お前は、渡辺曜は、千歌にも、果南姉ちゃんにも代わりなんてできない。俺にとっちゃ欠けちゃいけない大事な存在だ」

 

 誰よりも長く彼といたのは曜のはずなのに・・・。普段陸をバカだの鈍感だのと罵ってきた事が申し訳なく思えてくる。

 

その反面、彼の感情を受け止めた身体はどんどん熱を帯びていって。

 

「・・・・・・それだけは忘れんな」

 

 乱暴に腕が胸元から離れ、解放された気道と肺が酸素を求めて深く呼吸をする。

 だが、何度大きく息を吸い込んでも、火照った顔は一向に冷める気配がしない。

 

「・・・・・・うん・・・」

 

 小さく頷くと、険しかった表情を緩め、少しだけ口角を上げてくれる。

 その控えめな笑顔が、妙に眩しい。

 

「さ、行くぞ。キャンプファイヤー始まっちまうし」

 

 それ以上は特に言及する事もなく、元々このために来たんだと仕草だけで示してくれる。そんな優しさに、また胸が痛くなる。

 けれど先程のように負の感情に塗れたものものではなく、苦しくもどこか温かい感情。

 この感情の正体を、自分は知っているはずだ。

 

 そうだ。彼に負担や迷惑を掛けたくないと思いながらも離れきれなかったのも、全部、曜が陸にこの感情を抱いていたからだった。

 悪意に言いくるめられ、勝手に思い込み、一度は抑え込もうとした。

 けど、そんなものを全部吹き飛ばすくらい彼の優しさや、気持ちが嬉しくて。

 

 

 

 気付いた時には、思いきり彼に胸に抱き付いていた。

 

 

 

「おい・・・曜・・・・・・・・・?」

 

 自分でも何がしたいのかよく分からない。

 沸き立つこの強い感情が、自然とそうさせる。

 

「・・・ねえ、陸。さっき、私といるのが陸のワガママなんだって言ったよね?」

 

「・・・え? あぁ・・・うん・・・・・・」

 

 戸惑いながらも、そう言って頷いてくれる陸。

 

「・・・・・・私も一緒。心に引っ掛かってる事から目を逸らして今の関係に甘えてたのも、全部」

 

 熱い鼓動が止まらない。

 

 こんな事があった直後に伝える内容でも、伝えてる場合でも無いのは分かっている。

 でも、それでも止まる事なんか出来なかった。

 込み上げてくる感情が心地よくて、切なくて、それが途方もなく苦しくて。

 

 こうでもしないと、おかしくなってしまいそうで―――、

 

 

「・・・全部、私のワガママ。陸といるのが好きだったから・・・・・・ううん―――――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ほんの少しだけ、時間は遡る。

 

「もぉ~・・・、キャンプファイヤー始まっちゃうよ~・・・」

 

 人が捌け、閑散とした階段に千歌の足音とぼやく声だけが染み入っていく。

 もうじき始まる閉校祭最後の催しに際して皆校庭に集まっているというのに、顔を出さないのは陸と曜だけだ。

 

「ただ呼びに行くのにこんなに時間掛かる・・・? まーた曜ちゃん拗ねてるのかなぁ・・・」

 

 二人がいる場所は分かっている。高飛び込みをやっていたが故か、曜は何か悩みなどがあると高い場所に行きたがる傾向がある。陸もそれは分かっているだろうし、二人共屋上にいるのだろう。

 

「結局全然閉校祭回れなかったし・・・陸ちゃんのせいだからね~!」

 

ジャタールを追っていった際に陸が別れ際に残していった「埋め合わせはする」という言葉。

恐らく出まかせだろうが、有耶無耶になんかさせてたまるか。こうなったら意地でも今日のリベンジをしてやる。

 

「・・・いた・・・!」

 

 松月でみかんフルコースでも奢らせてやろうかと考えながらゆっくりと開いた屋上へ繋がる扉。そこからは千歌の睨んだ通り、陸と曜の姿を確認出来た。

 

「りくちゃ――――――っ・・・⁉」

 

 呼びかけようと声を出すも、刹那に起きたまさかの光景を前にぐっと飲み込んでしまう。

 混乱が訪れた頭で必死に思考を巡らせるも、状況が理解できない。

 

 ―――どうして曜は、陸に思いきり抱き付いているのだろうか。

 

「・・・曜ちゃん・・・・・・?」

 

 咄嗟にドアの影に身を隠し、聞き耳を立てた耳朶に術に込んできたのは―――、

 

 

 

 

「――――――私がずっと陸の事・・・・・・好きだったから・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・え・・・」

 

 

 千歌の中で、何かが崩れる音がした。

 

 




祝え! ヘタレヨーソローの汚名を脱ぎ捨て、Aqoursの(告白部門の)先駆者となりし我が推し、その名も完全超人ヨーソロー!
今まさに、新たな歴史の創成せし瞬間である!(ウォズ風)

……てわけでまあ、Aqours二人目の告白者は大方の予想を裏切って渡辺さんです。
…展開が突飛すぎてどうしてこうなったか分からないって?作者も分かってないから大丈夫(じゃない)
どっちかといえばちかっちに告白を見せつける方が重要だったんです……推しの扱い…

で、その目撃しちゃった件ですが。ええ、前々から感想欄の方でチラホラ話題に出た˝アレ˝、元々考えてた部分もあったので、やろうかと。

まあ、その辺は第三部からなので、まずは次回、第二部最終話をお待ちください。

それでは次回で!
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