ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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ようやくソラマチでやってるニュージェネレーションワールド行ってきました。
ステージ上でジードとビクトリーがアーストロンと戦ってる時、ずっとオーブトリニティの絵を描いてる変人を見かけた方。それは俺です。
ギルバリスのジオラマ凄かったわ。


十二話 転校生は捕まえた

 

 

 

『ダダは失敗してしまいましたか・・・・・・』

 

 ダダの梨子誘拐作戦が失敗したという報告を聞いたその影が小さく息を漏らした。

 

『つか誰だよナックルちゃん向かわせた奴。完全に私怨に走ってたじゃねーか』

 

『ブッラクサンダーエナジーを所持していたから使えると思ったんだが・・・』

 

『お前か』

 

『ゥゥゥゥゥゥゥゥ』

 

『タッグとは吾輩たちのような物を言うのだ。あんな紛い物をタッグとは言わん。・・・それよりどうする? ゼロの能力も一つとは言え復活してしまった。またリトルスターがゼロの手に渡るなら、奴がどのようになるのか予想もつかんぞ』

 

『ストロングコロナ・・・・・・、ストロングコロナの復活だけは・・・・・・』

 

『あー、そーいやお前俺らの中で一人だけゼロにやられてるもんな』

 

『ゥゥゥゥゥゥゥゥ』

 

 ここに集うのは、形は違えど皆ゼロに恨みを持つ者。

 一人はゼロに倒され、残りはゼロに自分達の道を潰された者。

 

『それは言うなと言っただろう! ていうか何で誰も助けてくれなかった!』

 

『いやー、一人でいけるって言ったの、お前じゃん』

 

『ゥゥゥゥゥゥゥゥ』

 

『吾輩ならばあの様な失敗はしなかったぞ』

 

『お前はただ暴れるだけだろ脳筋が!』

 

『まー、確かにあの作戦はちょっとあれだったよな』

 

『お前もか! 黙ってろこのチンピラ!』

 

『ゥゥゥゥゥゥゥゥ』

 

『お前に至ってはなんて言ってるのか分からん!』

 

 四人が口論を始めたのを見て、一人が額に手を当てた。

 

『全くまとまりがない・・・、陛下が見たらなんと仰るか・・・・・・、ダメだ期待できない』

 

 結局苦労するのはいつも自分だと悟った彼は、目の前でモニターを展開した。

 

『さて、どうしましょうか・・・・・・』

 

 モニターに映るのは、自分達の所持している怪獣の力が秘められたカプセルが幾つも映っている。

 

『我々が求めるリトルスターが発現するまで気長に待ちましょう・・・、それ以外は・・・、今度こそ始末という事で・・・』

 

 四人が言い争う中、その声はやたら邪悪に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え? 嘘? マジ・・・・・・?」

 

「うん!」

 

「ホントに?」

 

「やった!」

 

 翌日。

 いつもの様にバスに来た陸と曜に告げられたのは、梨子が作曲をやってくれるというものだった。スクールアイドルはやってくれないにしろ、作曲をしてくれるだけで千歌達的には大助かりだろう。少なくともこれで卒業まで作曲の勉強をするという事は無くなった。

 

「え? 桜内? 一体どういう風の吹き回しだ? 千歌に弱みでも握られたか?」

 

「どーいうことさ!」

 

 千歌がばしんと陸の背中を叩き、陸が悶え始める。

 

「お・・・ぉぉ・・・」

 

「あ・・・背中火傷してるんだったね・・・・・・、ゴメン助けてくれたのに」

 

「いや、気にせんでいい・・・」

 

 昨日三人の元に戻った陸を待っていたのは泣きじゃくる幼馴染の抱擁と、背後に回された手がもたらす激痛だった。

 昨日の戦闘で散々背中に光弾やら焔やらを喰らったせいで、今陸の背中は広範囲にわたって火傷を追っているのだ。ダメージのほとんどはゼロが受けてくれているとはいえ、多少は陸にもダメージは来る、むしろあんだけやられて火傷だけで済んでいる方がすごい。

 だが千歌達はその背中の火傷をダダとの戦闘で負ったものだと思っているらしく、陸が助けてくれたと思っていることもあって昨日から若干過保護気味である。

 確かに助けたのは陸だが、その正体は陸の体を乗っ取ったゼロだし、そもそもゼロが強すぎて開幕ノーダメージの終始ワンサイドゲームだったのでその時に怪我なんて追っていない。

 

〈しかし凄かったな昨日のこいつ等。目真っ赤に腫らしてよ。大事にされてんだなお前〉

 

(らしいな。今度から心配かけねぇように変身しないと)

 

〈ほぼ無理と断言できるが・・・・・・、まあ頑張れ・・・〉

 

 痛む背中を抑えながら陸は起き上がると、再び梨子の方を見た。

 ゼロが言うには梨子の体からリトルスターは消え、もう怪獣に狙われる心配はないとの事。

 どういう原理かは分からないが、梨子のリトルスターが受け渡されて、ゼロの失われた能力が復活したらしい。

 まだ誰にリトルスターが眠っているか分からないからこの先も警戒が必要との事だが、梨子に関しては本人も気にしていない様だし、これで一件落着か。

 

「で? 冗談はさておき真相は?」

 

「まあ、ちょっと、ね? 千歌ちゃん」

 

 梨子は少し頬を赤らめて千歌の方を見た。それに対して千歌も笑い返す。

 そういえば互いに名前で呼び合ってるし、陸が見ていない内に何があったのやら。

 曜もそれを見て微笑んでいる。

 事の真相が分からないのは、陸だけらしい。

 

「とにかくこれで曲が作れるよ。いい曲作ってねー梨子ちゃーん」

 

「早速他人任せかお前」

 

「まあ、いいけど」

 

「いいんかい」

 

「じゃあ、早速詞を頂戴?」

 

 しばらくの沈黙の後、

 

「詞?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それでその日の放課後。

 曲作りに必要な詞を千歌達が作っていなかったので、陸達は急遽十千万に集まり、四人で作詞をすることになった。

 

「え? ここ旅館じゃ・・・」

 

「そーだよ。ウチ旅館やってるんだ―」

 

「ここなら時間を気にしないで作詞に集中できるよ。千歌ちゃんは自分の家だし、梨子ちゃんはお隣さんだし、私は陸に送ってってもらえばいいしね」

 

「人を勝手に送迎車代わりに使おうとすんの辞めて頂けませんかね?」

 

「さ、いこいこ」

 

 陸のツッコミを無視して曜は旅館の中に入って行った。そう言えば曜も梨子の呼び方が変わっている。本当に何があったんだか。

 三人に続いて陸も中に入ると、そこには千歌の姉である志満がいた。

 

「いらっしゃーい。あら曜ちゃん、相変わらず可愛いわねー」

 

「えへへ・・・」

 

 曜にそんな事を言っている志満も結構な美人だ。流石千歌の姉と言ったところ・・・、いや逆か?

 

「それと陸ちゃんも。いらっしゃい」

 

「うす」

 

 陸に向かって微笑んでくる志満に対し、陸もぺこりと頭を下げた。

 

「そっちの子が、今朝千歌ちゃんが言っていた子? この子も美人さんねー」

 

「でしょでしょ? 桜内梨子ちゃんって言うんだけど、東京から来たって感じするよね?」

 

「・・・・・・別に東京関係なくね?」

 

 陸が隣に視線を移すと、噂の梨子は千歌達の方を見ず、旅館の外にいるあるものを見つめていた。

 その視線の先には、高海家の愛犬、しいたけが。

 

「・・・・・・」

 

 しいたけを見る梨子の表情からして、恐らく彼女は犬が苦手なのだろう。

 千歌達が千歌の部屋の方に上がって行ったので陸もついて行こうとしたが、どうしたことか体が動かない。

 こんな事する奴一人しかいない。

 

(おいゼロ・・・、何だいきなり・・・)

 

『あの犬・・・・・・』

 

 陸の体の主導権を奪ったゼロは、じっとしいたけを見つめていた。

 

(しいたけがどうかしたか?)

 

 ゼロの声音から、まさかしいたけの体内にもリトルスターがあったり、もしかしたらしいたけはただの犬ではないのだろうかと思ってしまう。

 

『可愛いな』

 

(あっそ・・・・・・、いいから行くぞ)

 

 変に考えた自分が馬鹿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「も~・・・、何で勝手に食べちゃうかなー・・・・・・」

 

 陸が千歌の部屋に入ると、不機嫌そうに文句を垂れる千歌がいた。

 

「何があったんだ?」

 

「それが・・・・・・」

 

「志満姉が東京で買って来たプリン勝手に食べられちゃったんだよ―」

 

「子供か」

 

〈子供だな〉

 

 志満はそんな事する様な人じゃないし、そもそも志満が千歌に買って来たものを自分で食べてしまうとは考えにくい。

 となると・・・・・・、

 

「それより早く作詞・・・」

 

「いつまでもとっとく方が悪いんですー」

 

 梨子の言葉を遮ってその後ろの襖を開けて現れたのは、千歌のもう一人の姉である美渡だった。

 べー、と舌を出すその姿は、

 

「子供かよ」

 

〈子供だな〉

 

「美渡姉・・・、うるさい!」

 

 頭に来たらしい千歌が美渡に海老のぬいぐるみを投げつけた。が、途中で失速して梨子の顔面に当たる。

 

「ヒィ!?」

 

「甘いわっ!」

 

 梨子を見た曜が悲鳴を上げ、まだ気づいていない美渡が千歌に浮き輪を投げ返す。だがこれも梨子の頭に被さり、中々にシュールなオブジェクトが誕生してしまった。

 

「うわっ・・・」

 

「やっばっ・・・」

 

「ッ!」

 

 梨子が勢いよく立ち上がり、美渡が開けた襖を閉めた。多分だが怒っている。

 

「さあ、始めるわよ・・・・・・」

 

「曜ちゃん、スマホ変えた?」

 

「うん! 進級祝い!」

 

「いいな~」

 

 怒った梨子から目を逸らす様に千歌と曜が別の話題で盛り上がり始める。それで完全に大事な何かが切れたらしい梨子が、ズドンと音を鳴らして床を踏みつけた。

 

「はぁじぃめぇるぅわぁよぉ・・・・・・?」

 

「「は・・・・・・、はい・・・」」

 

 梨子が二人に顔を近づけるとポロリと海老のぬいぐるみが落ち、普段の梨子からは想像できない声音でそう言った。

 ちなみにその時の表情は、

 

〈怖っ・・・・・・。リトルスターいらないだろアイツ・・・・・・〉

 

 と、あのゼロですら恐怖を覚えるものだったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああぁぁぁぁ・・・・・・」

 

 ようやく作詞が始まって約一時間。何も浮かばない千歌が机に突っ伏して唸りだした。

 これでも状況は良くなった方なのだ。最初ニ十分は梨子の見せた表情で千歌と曜がずっと青い顔で震えていて話どころじゃなかったから。

陸も力にはなりたかったが、生憎音楽の成績が万年1なので口を出すなと言われてしまった。

 何でも千歌はラブソングが作りたいらしい。

 

「やっぱり、恋の歌は無理なんじゃ・・・」

 

「いーやーだー。μ‘sのスノハレみたいなの作るんだ!」

 

「つってもお前恋愛経験ないだろ・・・‥。そんなんでどう作るってんだ・・・」

 

「何で決めつけるの!」

 

「ないだろ?」

 

「ない・・・、けど・・・」

 

「無いんじゃねーか。・・・その辺は曜と桜内の方が経験ありそうだけどな。曜。お前中学の時結構告白とかされてたよな? そういうの無いのか?」

 

「馬鹿っ!」

 

「ぐおふっ!」

 

 曜に殴られた。流石水泳部、日頃から運動してるだけあって千歌のポカポカパンチとは威力が違う。昨日のナックル星人のパンチ並みに利く。

 

〈何で殴られたんだお前?〉

 

(曜が恋愛沙汰の話が苦手なの忘れてた・・・・・・)

 

 人が話す分には大丈夫らしいのだが、いざその矛先が自分に向くと人が変わったように暴力的になる。ちなみに被害者は大体陸だったりする。中学の時曜に告白した男子たちが同じように殴られていないか心配だ。

 

「梨子ちゃんは? 梨子ちゃんは無いの?」

 

「私っ? 無いに決まってるじゃない!」

 

「えー、東京にいたんだし彼氏の一人や二人位・・・」

 

「いません! そもそも音ノ木も女子校だよ?」

 

 音ノ木と言うのは前に梨子が通っていた音ノ木坂学院の略称で、千歌が憧れているμ‘sの母校。この事を初めて知った時、千歌はさぞかし興奮していたそうな。

 

「じゃー陸ちゃんは?」

 

「っ・・・・・・?」

 

 今度は陸に矛先が向き、何故か周囲から刺されるような視線を感じた。

 

「ないけど・・・・・・」

 

 その妙な緊張感にに気圧されながら陸が答えると、その謎の感覚は消えた。一体何なんだ。

 

(ゼロはないのか?)

 

〈ない。人間の女子に惚れられたことはあるが〉

 

(あるのか。何モンだその女子)

 

〈まあ、超絶強くてカッコイイ俺に惚れる気持ちも分からなくもないけどな〉

 

(聞いといてなんだが黙れナルシスト)

 

 ゼロらしいと言ったらゼロらしいが。

 

「スノハレみたいな歌詞が書けたって事は、μ‘sの誰かがその時恋愛してたって事かな?」

 

「知るか」

 

「ちょっと調べてみる!」

 

 そう言ってパソコンを叩き出す千歌。そんな情報がネットに乗っている訳なかろうに。

 

「仕方ないなこいつ・・・・・・」

 

「・・・‥千歌ちゃん、スクールアイドルに恋してるから・・・」

 

「まあ、ね・・・・・・、ん?」

 

 陸と曜と梨子が顔を見合わせ、その後に三人そろって千歌を見る。

 

「ん? どうかした?」

 

「千歌ちゃん。人じゃなくてもいいんだよ。千歌ちゃんのスクールアイドルに対する気持ちを書けば」

 

「ッ! 書ける! それならいくらでも書けるよ!」

 

 曜の言葉で千歌が覚醒し、さっきまでとは打って変わって猛スピードで筆を進めていく。

 

「できたっ!」

 

「はやっ・・・」

 

 千歌から紙を受け取って見てみると、初心者とは思えないほど立派な歌詞が書かれていた。

 

「おお・・・」

 

 こいつそんな才能あったのか、と陸が感動していると。

 

「まあ、それμ‘sの曲なんだけどね。私そんな曲作りたいなーって」

 

「なんだよ・・・・・・」

 

 落胆した陸が落としたその紙を、梨子が拾い上げて見つめる。

 

「ユメノ・・・トビラ?」

 

「うん! 私その曲聞いてスクールアイドルになろうって思ったんだよー。μ‘sみたいになりたいって!」

 

「μ‘s、みたいに?」

 

「そう! 前梨子ちゃんには言ったけど、頑張って仲間と一緒に力を合わせて、そして奇跡を起こせば、私も変われる。普通星人から何かに変われるって!」

 

「普通・・・、星人?」

 

 曜がポロリと謎の単語を零す。

 

「うん。普通星に生まれた、普通星人。何回変身しても普通なままの普通怪獣ちかちー」

 

 千歌が自虐気味に笑う。

 

〈普通ってそんなに嫌かね・・・〉

 

(まあ、こいつの場合色々思う事があるんだよ。昔からちょっと、な)

 

 普通と言う単語は、昔から千歌が自虐の時に使っているものだ。

 幼い頃から優秀な高跳び選手である曜や、家業を手伝ってそれをちゃんと自身のやりたいことにしている果南と違い、千歌は昔から何をするにも普通だった。将来やりたいことなども特に決まってなく、その事もあって普通に対するコンプレックスが人一倍強い。

 

「μ‘sはさ、私達と同じ普通の女の子なんだよ。なのに、あんなにキラキラ輝いてた。だから思ったんだ。何の才能もない私でも、これなら変われる。輝けるんじゃないかって!」

 

 不意に明かされた千歌の思いに、陸と曜は一瞬呆気にとられる。

 前はピーンときた。としか言っていなかったが、まさかこんな理由だったとは。

 

「大好きなんだね?」

 

「・・・? うん!」

 

 千歌が明るく笑い、それを見て梨子も笑う。

 

「それじゃあ、この想い。書き上げるとしましょうか!」

 

 千歌が腕をまくって先程と遜色ない速度でアイデアを書き始めた。

 何事にも起爆剤さえ与えれば千歌はとにかく早い。次々と筆が進み、机の周辺には紙が積み上がっていく。

 この分なら大丈夫だろうと、陸は千歌の部屋を後にした。

 

 




曜「思ったんだけどさ」

俺「はい?」

曜「何で陸とか千歌ちゃんに敬語使ってるの?」

俺「自分あなた方より年下なんで」

曜「へー・・・・・・」

俺「・・・・・・」

曜「・・・・・・」

俺「返しに困るなら聞かないで欲しかったっすね」

曜「・・・ゴメン」





まあ、一応礼儀なんでね。
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