ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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大学のオンライン履修登録どうしたらいいか分かんねぇよマイケル!!

今回は短めでござる。始めて4000字切りました


百三十五話 その力は何がため

 

 

 

『お、おぉ・・・・・・陛下・・・・・・!』

 

 千歌であり千歌でない少女に頭を下げるのはテンペラ―星人極悪のヴィラニアス。

 彼女の身に宿る帝王は、誇り高い戦士の彼ですらも従えるほどの覇気を放っている。

 

『ヴィラニアスか・・・・・・息災で何よりだ』

 

 そんな彼に一瞥をくれ、帝王―――ウルトラマンベリアルは地球人の少女の身体を動かし船艇の中を見回す。

 

『・・・・・・お前等二人だけか』

 

『はい。グロッケン、デスローグ、ジャタール。皆最期の一刻まで陛下への忠誠に尽くし、散ってゆきました』

 

 ヴィラニアス同様に淡々と同胞の死を告げるスライ。

 対しベリアルは少しつまらなそうに鼻を鳴らすと圧の籠った双眸で見下ろす。

 

『・・・まさか、俺の気まぐれで狂う程軟な計画は建てねぇよな・・・・・・スライ』

 

『そこはぬかりありません・・・・・・ですが少々、ウルトラマンメビウスとウルトラマンヒカリ、そしてあのトレギアなどと言う輩が少々厄介かと』

 

『ほぉ・・・・・・ヴィラニアス』

 

 ベリアルの目線が再度横へと流れる。

 

『お前にまどろっこしい命令は必要ないよなぁ・・・・・・? アイツ等を片付けて来い』

 

 

 

 

 

 

 

 

 赤と銀のウルトラマンと対峙する。

 ウルトラマンメビウス・・・・・・かつての宇宙警備隊のルーキーにして、暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人を倒すまでに至った若き勇者。

 

『セヤァァァッ!!』

 

「ッ・・・!」

 

 彼のメビウスブレスから伸びた光剣が眼前で煌き、咄嗟に屈んだ次の瞬間に頭があった場所を残像が駆け抜けた。

 メビウスは本気だ。すぐにそれを察知する。

 

「だあぁ・・・!」

 

 握ったゼロランスでメビュームブレードを受け止め、一度後退し距離を取る。

 

 今の陸に欠けているものを見つけさせる。そう言ってメビウスが挑んできたのがこの一対一の勝負だった。

 

『ハァッ!』

 

 肉薄したメビウスが開いた間を一瞬で詰める。

 強い。ゼロならばともかく、陸では防御に徹するのが精いっぱいな程に。

 

「ッ・・・アァ!」

 

 ゼロには頼らず陸一人で戦えと言ってきたメビウスの意図は分からない。

 けれど何かを伝えてこようとしてきている以上、押されっぱなしという訳にもいかない。

 

「ぐぅ・・・ぉ・・・・・・らぁッ!!」

 

 鋭く蹴り出された一撃を身一つで受け止める。

 意識が飛びそうになる程の痛みが全身を疾走するが、意地で踏ん張り力任せに彼を投げ飛ばす。

 

 これが一人でも誰かが戻って来る事に繋がるなら。そう思えばいくらでも無茶が出来た。

 

『・・・強いね。とてもたった一年で積み上げてきたものとは思えないよ』

 

 立ち上がるメビウスにもそう評される。

 でもこれじゃダメなんだ。もっと、もっと強くならないとずっとこのまま―――、

 

『・・・・・・でもそれは、何のための強さだい・・・・・・?』

 

「え・・・・・・」

 

 答えを出せずに動きを止め、その隙に懐へと潜り込んだメビュームブレードが炸裂。

 それが決定打となったか。ウルトラマンとしての肉体が掻き消え、変身の解除された陸がゴロゴロと地面を転がった。

 

「今の君は独りよがりだ。失うことを恐れて君が戦う本当の意味を見失っている」

 

 人間体に戻ったメビウスが真っ先に口にした言葉はそれだった。

 

「・・・どうして君が強くなれたのか・・・・・・それをもう一度考えてみて」

 

 拳こそ交えたが彼の瞳に敵意はない。自分を重ねているかのような寄り添いの情があるように思えた。

 それはスライが皆の記憶を書き換えたあの日以降、久々に触れるもので。

 

「君がそれを取り戻したいのなら、僕が力になるよ」

 

 そしてそれ以上に彼の言葉。

 それをもう一度見出す事が皆を元に戻すことに繋がるのならば。

 

「・・・・・・お願いします」

 

 差し出された手を握り返す。

 柔らかく、それでいて頼もしく笑ったメビウスの瞳に、自分自身へ立ち向かう事を誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈・・・・・・それで、本来の目的の話をしていいか?〉

 

〈・・・あぁ、タロウ教官もそう言ってるんだろ〉

 

 陸がメビウスの指導を受ける一方でテレパシーを通しヒカリと会話するゼロ。

 

〈長旅の後早々ですまねぇが、出来るだけ早く調べて欲しい。正直俺一人じゃ限界だ〉

 

 ヒカリの目的は陸を調べる事。ゼロも何度も試みたが結果の出なかったためこの助けは有難い。

 光の国の技術力・・・・・・それもスターマークを授かるほどの科学者であるヒカリならば・・・・・・、

 

〈・・・・・・元よりそのつもりだ。だが覚悟はしておいてくれ〉

 

〈覚悟・・・・・・?〉

 

〈あぁ・・・・・・、陸の今の精神状態なども関係しているのだろうが・・・タロウの言う通り地球人が耐えられるようなエネルギー量じゃない〉

 

 暗く重いトーンで続けたヒカリにただならぬ雰囲気を感じる。

 

〈・・・・・・最悪の場合、彼を殺さないといけなくなるかもしれない〉

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ・・・! ッ・・・!」

 

 裏でそんな会話がされているとは露知らず、メビウスの手解きを受けた陸が息を荒げ肩を上下させる。

 

 メビウスの指導はウルトラマンとして戦ってきた陸でさえも途中で折れそうになる程だった。正直滅茶苦茶キツイ。

 皆を元に戻したい一心で何とか食らいついたが、メビウスはその成果・・・・・・というより心に満足のいっていないように見えた。

 

 この試練の先にあるものは未だ不明瞭なままだ。

 

「・・・・・・僕も昔、敵に仲間を奪われた事があったんだ」

 

「・・・・・・え?」

 

 唐突にそう言うメビウス。

 その瞳は誇らしげでありつつ、どこかもの悲しさも感じた。

 

 メビウスが語ったのは、彼がまだ宇宙警備隊のルーキーだった頃・・・ヒビノミライという名前で地球を守る任務に就いていた時の話だ。

 

 未熟ながらもメビウスは地球で出会った仲間―――GUYSのメンバーと心を通わせ成長していった。その事は以前ゼロから聞いた事がある。

 

 そんなGUYSの皆を奪ったのもスライと同じメフィラス星人の催眠・・・・・・陸やゼロと同様、メビウスが敵・・・という偽りの記憶を植え付けられて。

 

「・・・どうやって、取り戻したんですか・・・・・・?」

 

 求めていた答えが目の前にあるような気がしてついついそう問うてしまう。

 けれどメビウスはそれに答えを出す事はせず、柔和にはにかんで言った。

 

「僕は何もしてないよ。・・・・・・ただ強いて言うなら、僕は皆を信じていただけ。だから皆も僕を信じてくれた」

 

 メビウスはまるで単純な事のように語るが、どうにもそれは曖昧なものに思える。

 

「君にだっているだろ。信じられる、そして信じてもらえる仲間が」

 

「・・・・・・仲間・・・」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 メビウスの言葉が反芻する夕暮れの道。

 少し調べる事があるという彼の言葉に従い、一人閑散とした道を進む。

 

――――何のための強さだい

 

――――君にだっているだろ。信じられる、そして信じてもらえる仲間が

 

 ぐるぐると、ただ延々に、変わらぬトーンで回り続ける。

 答えられなかったからか、陸としても引っ掛かるものがあったからか。どちらにせその言葉が脳裏に焼き付いて離れない。

 

 早く何とかしないといけないのに。

 早く千歌を助けないと、皆を元に戻さないといけないのに。

 

 なのに。

 

 なのにどうして、同じ場所にばかり立ち止まり続けてしまうんだ。

 

「・・・・・・あ・・・」

 

 聞き覚えのある声が小さく耳朶に触れ、下に向けていた顔を上げる。

 直後にそうしたことを後悔したのは、きっとその先にいたのが˝彼女˝だったから。

 

「・・・りっ・・・くん」

 

 肩辺りまで伸びるサラサラとした黒髪に、幼馴染に似たボーイッシュな顔立ち。

 渡辺月。曜の従姉妹にして、陸とゼロの関係を知る、この状況においては出会いたくなかった人物の一人。

 

 あの夜彼女に向けられた畏怖の眼差しは、今も鮮明に焼き付いている。

 

「あ・・・・・・待って!!」

 

 咄嗟に逃げ出そうとした陸の手を掴み、引き留める月。

 今一度重ね合わせた彼女の瞳からはあの時の恐怖こそ滲んでいたが、それ以上の決意を感じて―――、

 

「・・・・・・話が、あるんだ」

 

 




メビウスの言葉で陸は何を思うのか……感想でも突っ込まれましたがメビウスのレオ回がオマージュです

そんなメビウスたちを排除しようとヴィラニアスが動く中、月が陸にしたい話とは……?
そしてヒカリの不穏な言葉の意味とは……?

それでは次回で
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