ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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ハローラブライブの詳細が発表されましたね
無印を思い出させる制作陣で今から放送が楽しみです(ところで虹ちゃんは???)


百三十七話 魔獣に雪を添えて

 

 

 

「・・・これも絆の力か・・・・・・また一つ勉強になった」

 

 見下ろした街の景観の中からある一つだけを見下ろし、ぼそりと呟く。

 信頼や絆、そんなものに価値がないことに揺るぎはない。ただ少々予想外だったのは認めよう。

 

 おかげで計画に狂いが生じた。早急な修正が必要だ。

 

「物事はハプニングこそ醍醐味だが、この手のモノは好きじゃない」

 

 彼が絶望から這い上がった事でマイナスエネルギーの供給元が絶たれた。

 既に相当量を収集出来たとは言え、まだ足りない。

 

「・・・だから、もう一度私好みに染め上げてあげよう」

 

 手品師のように一本ずつ指を折り、パッと開いては何も握られていなかった手のひらに指輪を一つ転がす。

 

「・・・行ってらっしゃい」

 

 蝋燭の火を消すように文字通り˝命˝を吹き込む。

 途端に瘴気が指輪を包み、妖艶な光が瞬いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・この星を覆っている結界の正体だがな・・・・・・恐らくブルドンによるものだ」

 

「ブルトン・・・?」

 

 ヴィラニアスを倒した翌日の事。

 陸の事以外にも調査を進めていたヒカリが掴んだ情報を共有したいのとことで呼び出された場で口にしたのがその名だった。

 

『おいおいマジかよ・・・・・・だとすると相当マズくないかそれ』

 

「かもね・・・。能力の範囲が地球だけに留まってるって事はまだそこまでの力はないんだろうけど」

 

「・・・・・・まずなんだよそのブルトンって」

 

 ゼロとメビウスのウルトラマン組が勝手に警戒の色を強めていくがソイツを知らない陸にとっては何の事だか。

 

「四次元怪獣と呼ばれている少し特殊な怪獣でな。空間を操る力を持っているのだが・・・・・・稀に別々の時空を繋げてしまう事例が起きていてな」

 

『過去にレイブラット星人ってのがブルトンの力を使って色んな宇宙から怪獣やらスペースビーストを呼び寄せた事もあったりしたんだよ』

 

「・・・・・・んじゃそりゃ」

 

 話の規模が大きくなりすぎてイマイチ把握し切れないがとにかくヤバい奴だという事は伝わった。

 ゼロのように並行宇宙を移動できると言うだけでもとんでもない話なのにそれを繋げてしまうような生物がいるとは。やはり宇宙は広い。

 

「それも前にあのメフィラス星人が言っていた˝第三者˝の仕業ってこと?」

 

「恐らくな。過去に隕石から誕生したケースもあるようだが今回のは人為的と捉えていいだろう」

 

 となるとブルトンの能力を地球に結界を張るのだけに使っているのもソイツだろう。

 こちらの敵であるのは間違いないが、あの時のスライの様子を鑑みるに奴等の味方であるとも考えにくい。

 

 今のところは何か別の目的で動いており、怪獣を使役できるような力を持つ何者か、分かっているのはそれだけだ。

 

『――――気になるかい?』

 

「ッ・・・!?」

 

 直接心に語り掛けてくるような声が四人の耳朶を打った。自然と警戒心が身を引き締める。

 

「・・・貴様だな。この事態の元凶は」

 

『・・・察しがいいじゃないか。流石スターマークを授与された科学者なだけある』

 

 その慧眼か、はたまた科学者としての功績にか、謎の声がヒカリに称賛の声を送る。

 全員黙って次の言葉に神経を尖らせた。奴はヒカリがスターマーク勲章を授けられた光の国の科学者だという事を言い当てた。

 

 つまり、ある程度こちらの情報に精通している者・・・・・・という事になる。

 

『・・・・・・何が目的だ』

 

『問題児さんはせっかちでもあるようだね・・・・・・なぁに、大したことじゃないさ。ただ君達のおかげてまた一つ学ばせてもらったからね。そのお礼さ』

 

「・・・礼だと・・・?」

 

『あぁ・・・』

 

 パチン、と、指を鳴らしたかのような高い音が響く。

 直後に窓枠の外で紫色の光が瞬き、轟いた地鳴りが周辺を揺らした。

 

『フフ・・・・・・せいぜい楽しんでくれ』

 

『何が礼だこの野郎ッ! ただの嫌がらせじゃねーかッ!!』

 

 声は霧散し、ゼロの怒号には何も帰っては来ない。

 代わりにどんどん大きくなってゆく轟音が今すべき事を伝えた。

 

「とにかく行こう陸君、ヒカリ」

 

「・・・待て、俺は奴を探ってみる」

 

 メビウスの呼びかけに待ったをかけるヒカリ。

 その表情には何か含みがあるようにも見えた。

 

「・・・・・・奴とは会った事があるかもしれない」

 

「え・・・?」

 

『どういう事だ? 昔取り逃した犯罪者か?』

 

「分からん・・・・・・だが、妙な胸騒ぎがする」

 

 神妙な面持ちでヒカリが語る。

 繰り返すがヒカリは光の国でも随一の科学者だ。そんな彼の勘が告げているのならば馬鹿にできたものではないだろう。

 

「・・・分かった。そっちはヒカリに任せるよ。陸君!」

 

「はい!」

 

 どうれあれ陸のやることは変わらない。出現した怪獣を倒すだけだ。

 

 ウルトラゼロアイとメビウスブレスが光を放ち、直後に二体のウルトラマンが君臨した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ッ――――!!』

 

 殺到してくる触手の群れをゼロランスとメビュームブレードで切断。一気に距離は詰めずに出方を伺う。

 

 反転した頭部に図体に似つかない両翼。そのホラー染みた姿はさながら神話に登場するような怪物を連想させた。

 

『ナイトファング・・・・・・』

 

『どっから起こしてきたこんな奴・・・』

 

 メビウスがナイトファングと呼んだその怪獣。ゼロ曰く宇宙怪獣の一種だが、その多くは知的生命体の巣食う星で眠っていることが多いのだとか。

 

『ッ――――!』

 

 人間のすすり泣く声のようにも聞こえる方向を上げ、ナイトファングから放たれる波状光線。

 そいつをいち早くメビウスがバリアーで防いだ後、押し返しように光線を反射。ナイトファングに直撃する。

 

『デエェェェイヤァ!』

 

 すかさず飛び込んだゼロの鋭い蹴りが刺さった。

 たまらずナイトファングが鉤爪と鞭が合わさったような腕で反撃をしてくるが、それを難なく躱すともう一度蹴り込む。

 

「・・・なんかそんなでもないような気がするんだが・・・・・・」

 

『馬鹿言え。ナイトファングが面倒なのはここからだ』

 

 警戒の糸を緩めないゼロとメビウスに疑問を抱くと同時に別の違和感も覚える。

 スライが世界を塗り替えて以降、ウルトラマンが出現すると毎度毎度上がっていた罵詈雑言の声が今ははたりと止んでいるのだ。

 

 そしてその答えはすぐ明らかとなった。

 

『ナイトファングの出す音波には生物に無理矢理悪夢を見せる力があってな・・・・・・そうすることで発生したマイナスエネルギーを奴は糧にしてるって訳だ』

 

 ゼロの説明通り、怒声を上げていた人々は今や苦悶の表情で地に転がっている。

 悪夢を見せる魔獣。その力によって苦しみの檻に囚われているのか。

 

『とにかく早く片付けよう。長引くとマズい』

 

『わかってらぁ!』

 

 両者ともに得物を構え、一も二もなく眼前の魔獣を斬りに掛かる。

 だが今度は同じようにはいかず、直後に鳴り響いた高音に足を止めた。

 

「ぐ・・・あぁぁ・・・!」

 

『ちぃ・・・!』

 

 割れるような頭痛がのた打ち回る。さながら頭の中で鐘の音を鳴らしているようだった。

 生き物に悪夢を見せる音波・・・・・・他と差はあれどウルトラマンにも有効だったか。

 

「いきなり強くなりすぎじゃねーの・・・・・?」

 

『あの野郎の仕業だろうよ・・・・・・舐めた真似しやがる』

 

 とは言え一度目の音波はこちらに何の影響も与えなかった。そうなると何か外的な要因が影響していると考えるのが妥当。そして思い当たる節ではそんなものは奴しかいない。

 

 空間を操る怪獣をも操る力を持つ宇宙人・・・・・・使役する怪獣を強化するなど造作もないという事か。

 

 ともかく、向こうがパワーアップしたのならこちらもやることは一つ。

 

「『オオォォォォ・・・・・・!」』

 

 悪夢すらも焼き尽くすように発生した炎がゼロを包む。

 体表を焼く熱がエンブレムを刻み、吹き出した火焔が左腕に集約した。

 

『ッッラァァァッ!!』

 

 熱波が音波の壁に開けた穴を貫くように突き出された拳が連続でナイトファングを捉える。

 その一発一発が撃ち込まれる度に低い炸裂音が響き、奴の余力を奪い続けてゆく。

 

『ダアラッッ!!!』

 

 ハンマーが如く振り下ろされた両腕がクレーターを生み出す程の衝撃でナイトファングに叩き込まれた。

 

『ハアァァ・・・・・!』

 

 一方でメビウスが自身のブレスのエネルギーを両腕を掲げる事で増幅させる。

 

『セヤァァァァァッ!!』

 

 ゼロの連撃によりナイトファングがグロッキーをなった瞬間を狙い定めたように腕を十字に組み、解き放たれた光線――――メビュームシュートが奴を粉砕せんと迫った、その刹那、

 

「『『ッ・・・!?」』』

 

 ナイトファングの盾になるように黒い魔法陣のようなゲートが出現。光を丸ごと覆い尽くすかの如くメビュームシュートを虚空の彼方へと誘った。

 

『・・・やれやれ、そこまでするのは君達の役割じゃないよ』

 

 光線を飲み込んだ円陣の向こうから声が語り掛けてくる。間違いなく˝奴˝だろう。

 

『お楽しみはフィナーレに持ってきてこその興だろう? こんなところで潰されては勿体ないのでね・・・・・・では』

 

『・・・! 待てッ!』

 

 絡みつくような声が遠くなってゆくと共にナイトファングが粒子となって消えてゆく。

 残響した声までもが霧散した後に奴等の影はなく、熱波による蒸し暑さと焦げた臭いだけが漂っていた。

 

「―――り!」

 

「・・・・・!」

 

 仕方なく飛び去ろうと空を見上げるが、その寸前に耳を撫でた声に足を止められる。

 見下ろせばそこに二人の少女。

 

「・・・すみません師匠、先戻っててください」

 

 少しだけ考え、一人変身を解除する。

 もう見失わない。そう決めたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦いの影響で普段よりも荒い波が押し寄せる防波堤。その一角にある船着き場へと陸は向かう。

 間違いない。きっとあの二人は―――、

 

「鞠莉! 鞠莉ッ! 聞こえる!?」

 

 停泊した船艇の真横で横たわる鞠莉と彼女に呼びかける果南を改めて確認しやはりと一人頷く。

 果南の手の中で目を閉じ苦悶の表情を浮かべる鞠莉を見れば何があったかなどすぐに理解出来た。

 

「・・・・・ナイトファングの影響ならすぐ起きるらしいから心配ないってよ・・・って、そう言っても無理か」

 

 状況を理解しつつも声をかける事に迷いは無かった。その為にここへ来たのだから。

 

「・・・・・・陸・・・!」

 

 突き刺すような果南の視線が痛い。わかっていても、覚悟はしていてもやはり辛いものだ。

 だがここで怖気づくようであればわざわざ声など掛けやしない。

 

「・・・別に何もしやしねーよ。怪我とかしてない?」

 

「どの口が・・・・・・」

 

「ぅ・・・んん・・・」

 

 偽の記憶に動かされる果南が食って掛かろうとしたそのタイミングで鞠莉の眼が開く。

 まだ胡乱の中にあるのか、半開きの瞳で周囲を確認し―――、

 

「鞠莉・・・? だいじょ―――」

 

「ひっ・・・!?」

 

 上がったのは恐怖するような驚嘆の声。

 しかもその対象は陸ではなく、彼女の親友であるはずの果南であった。

 

「あ・・・、鞠莉ッ!?」

 

 その恐怖に突き動かされるように鞠莉が引き攣った顔で走り去ってゆく。

 淡島に戻るための定期船の存在すらも気に掛けられないと言ったように逃げる彼女に、陸も果南も呆然とその背中を眺める事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・何だったんだアレ」

 

『ナイトファングの影響・・・・・・てのは間違いないんだろうがな』

 

 ゼロの考察同様、悪夢を見せられていたのは間違いないだろうが、問題はその内容。

 陸ではなく果南に恐怖するような内容、メビウス曰くナイトファングは人のトラウマのようなものを引き出す悪夢を見せるらしいが・・・・・・、

 

「いい加減にして下さい! 何なのですか貴方達は!!」

 

 と、帰路とは逆方面からの揉めるような騒がしさに気が付く。

 今日はどうやら三年生に縁がある日らしい。声の主がダイヤであることをすぐに理解し、何か不届きな輩に絡まれているのなら―――などと思い振り返ってみて、驚愕。

 

「とにかく貴方達の事など知りませんわ。行きますわよルビィ」

 

「うゅ・・・・・・お姉ちゃ・・・・・・」

 

「ちょっと! ルビィ!」

 

 ダイヤに手を引かれるルビィが何か気に掛けつつも逆らえずにつれていかれる。

 その視線の先には、本来ここにはいないはずの˝彼女達˝がいた。

 

「・・・なんなのよコレ・・・・・・どうなっちゃったの・・・・・・?」

 

 小さくなってゆく黒澤姉妹の背中を方や戸惑いながら、方や涙声を漏らしながら眺める、もう一組の姉妹。

 

 函館聖泉女子高等学院スクールアイドル・・・・・・Saint Snowの二人がそこにはいた。

 

 

 




ウルトラマンタイガから悪夢魔獣ナイトファングの参戦です
多分コイツとあともう一体で単独での怪獣登場は最後ですかね

そのナイトファングの影響か何やら様子がおかしい鞠莉さん、そして突然やってきたSaint Snowの二人
これまでちんたらやってた分ギアを上げていく所存です()

それでは次回で
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