ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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鞠莉「シャイ二ィィィィィィ‼」

俺「あの・・・・・・、今回梨子さんの番なんすけど・・・」

鞠莉「何言ってるの! なんてったってマリー初登場なんだから! ここはジャックさせてもらったわ!」

俺「ちょっ! それが許されるのはベリアル陛下だけ―――」

鞠莉「シャイニィィィィィィ‼」




鞠莉さんとダイヤさん登場! ちなみに鞠莉さんはまりりって打たないと出てこない。


十三話 シャイニーとダイヤモンド

 

 

 

 次の日の放課後

 

「「「ワンツー、スリーフォー、ワンツー、スリーフォー」」」

 

 静かな砂浜に響く、三人の少女の声。

 今朝、梨子が何と作詞だけでなく、スクールアイドルもやってくれると言ってくれたのだ。

 千歌は何か事の真相を知っていそうな顔をしていたが、何も教えてくれなかった。

 でもこれで三人。徐々に部員は集まりつつあった。

 

〈頑張ってるなあいつ等〉

 

(ホントに。つか何で桜内はいきなりスクールアイドルまで引き受けてくれたんだ? あいつピアノもあるっつーのに)

 

〈さあな。大方昨日千歌が説得したんだろ。なんちゃらかんちゃらって歌に梨子は興味を示していたからな〉

 

(うん。お前が話を聞いてないのは分かった)

 

 出来る限り協力すると言ってしまった手前、一応顔は出しに来たのだが、結局何もすることが見つからなかった陸は体育座りしながらその光景を眺めていた。

 ちなみに学校じゃなくてここの砂浜でやっている理由は、生徒会長にバレると怒られるかららしい。

 

〈頑張ってはいるが、その生徒会長に認められないと部活として成り立たないんだろ?〉

 

(ああ、あいつらどうするつもりなんだか・・・・・・、え?)

 

 陸が空を仰いだその時、あるものが視界に入った。

 それはやたらと低空飛行をするヘリコプターが。

 

〈何だあれ?〉

 

(ヘリコプターだ。ありゃ小原家だな)

 

〈オハラケ? なんだそりゃ?〉

 

(ほら、あれ)

 

 陸が指さす先は淡島。そこに立っている豪奢な建物。

 

(あのホテルを経営してる家だよ。何でもすげー金持ちらしいぞ)

 

〈ふーん・・・。で、そのお金持ち様が千歌達に何の用だ?〉

 

(は? 何言ってんだ?)

 

〈見てみろ〉

 

 ゼロに言われて再びヘリコプターに視線を移すと、さっきよりも低く飛んでいた。

 

〈あれ、こっちに近づいて来てないか?〉

 

(いやいや、まさかこんな砂浜に・・・・・・)

 

 だが陸の言葉に反するようにヘリコプターはその高度を下げてくる。

 そしてゼロが体を乗っ取り、

 

『お前等、伏せろ!』

 

「えっ?」

 

「うわっ、何? どうなってんの?」

 

 陸の声質が変わった事にも驚いたようだが、すぐに高度を下げるヘリコプターに気付いた千歌達が身を屈める。

 その直後にヘリが千歌達の頭上を通過し、少し離れた場所に着地した。

 

「お前等! 怪我はないか?」

 

「大丈夫大丈夫・・・、ちょっとびっくりしただけ・・・」

 

 駆け寄ってきた陸に、千歌が笑い返した。曜も梨子も舞い上がった砂を被って酷い事になっているが、怪我がないようで安心した。

 

「何だってんだいきなり・・・・・・」

 

〈気をつけろ陸。もしかしたら新手の刺客かもしれねぇ〉

 

 身構える陸の前でヘリコプターのスライドドアが開き、その中から一人の少女が現れた。

 外国人でも滅多にないような派手な金髪。どこか日本人離れした顔立ち。果南のそれよりも大きいアレ。

 彼女は、動きやすいようにと練習着に身を包んだ千歌達を見て眩しい笑みを作った。

 

「チャオー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「新理事長?」」」

 

「イェース! でも気にせずに。気軽にマリーって呼んで欲しいの!」

 

 場所は変わって浦の星女学院。その理事長室。

 その机の側に立つ、小原鞠莉と名乗るその少女はとても理事長の口調とは思えない軽い口調と共に笑った。

 本当に理事長なのだろうか・・・、いや、それよりも先に気にすべきことがある。

 

「あの・・・、理事長さん?」

 

「マリーだよ!」

 

「いや・・・、でも・・・」

 

「マリーだよぉ!」

 

 なんだこの有無を言わせない威圧感は。

 

「ま、マリー? 聞きたいことは山々何すけど・・・、まず俺ここに入っても良かったんすかね?」

 

 砂浜で鞠莉に会った後、言われるがままに陸も浦女に連れてこられてしまったが、浦女は女子校。本来男子の陸が入っていい場所ではない。

 

「ノープロブレムデェース。私の権限で、しょ―――にんっ!」

 

「うわっ!」

 

 鞠莉は巨大なハンコを取り出すと、そのまま陸の額にそれを押し付けた。判を押された陸の額には、承認と言う赤い文字が。

 

(消えんのかなこれ・・・・・・)

 

〈後で俺の力で消してやるから今は我慢しろ〉

 

(心強いな・・・)

 

 本当に万能すぎる。

 

「そ、それで理事長・・・」

 

「マ♡リ♡イ♡」

 

 千歌に鞠莉がずいっと顔を寄せる。理事長と呼ばれたことが不服らしい。

 

「ま、まりぃ・・・、その制服は・・・?」

 

 今鞠莉が着ているのは千歌達と同じ浦女の制服だ。リボンが緑色なのは千歌達と学年が違うからだろうが、いやそもそも何故理事長が学校の制服を。

 

「変かな? ちゃんと三年生のリボンも用意したのに」

 

 ピンと胸につけられたリボンを引っ張る鞠莉。緑色のリボンは三年生の物らしい。でもツッコみたいのはそこじゃない。

 

「あの・・・理事長、ですよね?」

 

「しかぁし! この学校の三年生! 生徒兼理事長! カレー牛丼みたいなものね」

 

「「「「例えがよく分からない・・・・・・」」」」

 

〈ああ、そういう事〉

 

 何故最も地球文化に疎いはずのゼロが理解できて地球人四人が理解できないのだろう。

 

「分からないのぉ?」

 

「分かるか!」

 

「分かりませんよ!」

 

「分かりませんって!」

 

「分かる訳ないじゃないですか!」

 

「分からないに決まってます!」

 

 マイペースな鞠莉に五人が突っ込んだ。・・・・・・五人?

 

「うわっ、生徒会長!?」

 

 驚きの声を上げた千歌の目の前にいたのは、長い黒髪の少女だった。一言で言うと美しい。可愛いより美しいの方が表現として合っている。

彼女は最近どこかで見たような翡翠色の瞳で鞠莉を睨みつけていた。千歌の言葉からして、彼女が浦女の生徒会長、黒澤ダイヤなのだろうか。

鞠莉はその少女を見るといきなり抱き付いて胸を揉みだした。

 

「わぁお! ダイヤ久しぶりー! 大きくなって―!」

 

「触らないで頂けます?」

 

「胸は相変わらずねぇ・・・」

 

「やかましいですわっ!」

 

「イッツジョーク!」

 

 鞠莉のセリフからして、彼女は黒澤ダイヤで間違いないらしい。なるほど、想像していた通り頭の固そうな少女だ。

 

「? 何故殿方がこの校舎にいますの?」

 

「ヒイィ!」

 

〈うわっ・・・〉

 

 突如としてダイヤの鋭い眼光に射貫かれ、二、三歩後退する陸。本能がこの少女に逆らってはいけないと訴えている気がした。

 

「マリーが連れてきたのデェース!」

 

「貴方は・・・、大丈夫なのでしょうねこの方は・・・」

 

 ダイヤはそう言うと、額に承認のハンコを押された間抜け面の男を凝視する。やがて額の承認の二文字が目に入ったダイヤは、

 

「ぶふっ・・・」

 

 と、吹き出した。

 

(おいゼロ、今すぐこれ消してくれ)

 

〈流石に今消えたら不自然だろ。我慢しろ〉

 

「オーウ、ダイヤが吹き出すとは珍しいデェース」

 

「だまらっしゃい。それで、一年の時にいなくなったと思えばこんな時に戻ってくるなんて・・・、一体どういうつもりですの?」

 

「シャイニィィィ!」

 

 ダイヤの問いを無視して意味不明な行動を続ける鞠莉を見て、ダイヤの眉がひくついた。

 

〈話を聞く機能死んでんのか?〉

 

 興味のない話は聞かない主義のゼロにすらこう言われる始末だ。

 ダイヤの言葉から察するに、この鞠莉と言う少女、過去に浦女に通っていた事があるらしい。鞠莉の見た目からの勝手な推測だが、留学でもしていたのだろうか。

 

「とにかく、高校三年生が理事長だなんて冗談にも程がありますわ」

 

「そっちはジョークじゃないけどね」

 

「「「「え?」」」」

 

 陸を除く浦女の生徒四人が声を上げた。

 そんな三人に鞠莉が一枚の書類を突き出した。委任状と書かれたその紙には、確かに鞠莉を浦女の理事長として任命すると言ったような内容が記載されていた。

 それを見て四人が愕然とする。

 

「私のホーム。小原家のこの学校への寄付は相当な額なんだから」

 

「うそっ!?」

 

〈どういう事だ?〉

 

(世の中金が全てだって事だ。よく覚えとけ)

 

 話をまとめると、鞠莉はこの学校の理事長に任命されたという事だ。金の力で。

 

「そんな・・・、なんで?」

 

「実はこの学校にスクールアイドルが誕生したと聞いてね。どうせダイヤに邪魔されているだろうからとマリー直々に応援に来たのデェース」

 

「ホントですかっ!?」

 

 鞠莉の言葉を聞いて、千歌がぴょんぴょんと跳ね上がった。

 

「イェース。このマリーが来たからにはもう心配はナッシングデス。デビューライブにはアキバドームを用意してみたわ!」

 

 鞠莉はそう言って立ち上げたパソコンの画面を見せてきた。確かにアキバドームが映っているが。

 

「えぇ?」

 

「いきなり?」

 

「す、すごーい!」

 

「冗談に決まってんだろアホ」

 

「イェース。イッツジョーク!」

 

「・・・・・・ジョークの為にわざわざそんなもの用意しないでください」

 

 上がったテンションを一気に落とされた千歌が恨めし気に呟いた。

 

「そっちのボーイは中々に頭が切れるみたいね。面白い! 気に入ったわ! どう? いっそ浦女に転校してこない?」

 

「どうせそれも―――」

 

「こっちは本気デェース」

 

「・・・そこはジョークと言って欲しかったな。つか俺男だぞ」

 

「そうですわよ鞠莉さん。いくら理事長でもそんな事が許される訳・・・」

 

 陸とダイヤは批判的な態度を見せるが、それ以外は割とまんざらでもないようで。

 

「えー! 陸ちゃん浦女に来るの? 一緒にスクールアイドル出来る?」

 

「万が一に転校したとしてもそれは絶対やんねぇ!」

 

「陸・・・」

 

「仙道君・・・」

 

「お前らは何でちょっと期待しながらこっち見てんだ! 生徒会長! 何か言ってやってください!」

 

「ピギュッ!? ええと、その・・・」

 

「途端に狼狽えだすな!」

 

「ビィィィ、クワイエット! 静かにしてくださーい。話が先に進みませーん」

 

「誰のせいだと思ってんだ!」

 

 多方にツッコミを続けてもう疲れてきたのでもう何もツッコまない事にしよう。

 

「ファーストライブの件ですが、実際は・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 続いて陸達が連れてこられたのは体育館だった。女子校とは言え結構な広さだ。

 

〈ここに来るまでにお前めっちゃ注目浴びてたな。以外にモテるんじゃねぇの?〉

 

(女子校の中に男子がいたら誰だって気になるだろ。あと視線のほとんどは俺の額に向いてたからな)

 

 おかげですっかり有名人になりました。かなり不名誉な形で。

 

「ここを満員にできたら部として承認して上げまーす」

 

「本当っ?」

 

「イェース」

 

「でもできなかったら?」

 

「その時は・・・・・・、解散してもらうしかないデス」

 

「えぇっ!? そんな・・・」

 

「嫌なら断ってもいいデスよ?」

 

 まさに一か八かの大勝負。満員にできればダイヤの言うように五人集めなくとも部として承認される。部として承認されれば練習場所だって確保できるし、部費だって出る。ただし出来なければ解散。初めてだという事を考えると、今は避けておいた方がいい気がする。

 それに・・・・・・。

 

〈・・・・・・コイツ・・・〉

 

 ゼロも気付いたようだ。

 

「どうしまーすか?」

 

「どうするって・・・、ここ結構広いよね・・・」

 

「じゃあ辞める?」

 

「辞めない! やるしかないよ。他に方法があるわけじゃないし」

 

 いつもの様に曜が着火剤をつけ、千歌が燃え上がる。梨子もそれを見て笑った。

 どうやらこの三人。まだ鞠莉が張った罠に気付いていないようだ。

 

「OK。という事でいいですね?」

 

 そう言うと鞠莉が体育館から去っていき、それに続いて不安げに千歌達を見るダイヤも体育館から去っていた。

 その一方で千歌達はやる気を募らせていた。

 

「絶対成功させよう。μ‘sみたいに輝くために!」

 

 陸はそれを見て溜息をつくと、

 

「お前等、馬鹿だろ・・・。どうして自分達から首絞めに行っちゃうかな・・・」

 

「どういう事?」

 

 まだ分かっていない三人に。

 

「あのなぁ、浦女の生徒人数、全部で何人だ?」

 

「ええと・・・大体・・・」

 

「数えなくてもいい。で? 仮にその生徒が全員集まったところでこのだだっ広い体育館は満員になりますか?」

 

 陸がそこまで教えてやると、三人の表情が一気に陰った。

 そう例えこの学校の生徒が全員集まったところで、ここは満員にならない。鞠莉はそれが分かった上でここを満員にすることを条件にしたのだ。

 

「そんな・・・、まさか理事長・・・・・・」

 

 陸達しかいない体育館に、千歌の震える声が木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈いけ好かねぇな。あの鞠莉って奴。認める気ねぇだろ、嫌がらせか?〉

 

 帰り道、何故か鞠莉の態度に一番腹を立てているのはゼロだった。最近ゼロの性格が分かってきたのだが、恐らくねじ曲がった事が嫌いなのだろう。

 

〈素直に認めませんの一言でいいじゃねぇか。何でわざわざ貶める様な事をする〉

 

「でも、確かに理事長さんの言ってる事も分からなくもないな。こんな人のいない場所でスクールアイドルを始めるって事は、あの程度の会場くらい満員にできないとやっていけないんだよ。多分」

 

〈けっ・・・。おい陸。こうなりゃ意地でも満員にするぞ〉

 

「意地でもって・・・、お前一体どうするつもりだ?」

 

〈俺にはウルティメイトフォースゼロって言う四人の仲間がいる。そいつらを連れてくればあんな会場一瞬で埋まるぜ〉

 

「うん。ライブどころじゃなくなるから辞めようか」

 

 ゼロが奇行に走る前に、自分が何とかしなければ。

 




鞠莉「さっすがマリー! 主役らしい鮮烈なデビューを飾ったわね」

俺「アニメと変わりませんけどね。あと主役じゃねーし」

鞠莉「イッツジョーク! じゃあ、十分楽しんだし、後はリリーと頑張って!」

俺「ちょっ・・・。もう尺無いんすけどっ!?」

梨子「・・・・・・」

俺「え・・・、梨子さん・・・、ゴメン・・・」





ウルトラマン列伝百話からネタを拝借。
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