ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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悪意を満ちた課題は絶滅すべき…!といった感じで滅亡迅雷.netに接続しかけてましたが無敵級聞いて浄化されました。ありがとう中須。でも課題はまだたんまりあるんご

愚痴はここまでにしてコラボのお知らせです
山形りんごをたべるんごさんのRAINBOW X STORYにうちの陸君がお邪魔してるので読んでくださるとうれしいんご、山形りんご


百四十一話 者達の導

 

 

 上下の間隔すらない宇宙空間を猛烈な速度で飛翔する。

 目指すはベリアルとスライの待つ敵の本拠地。全ては千歌を救うために。

 

「……なんもないな」

 

 既に奴等の母船を肉眼で捉えているが、ここに至るまでも、ここから先も、いわゆる警備兵のようなものは一切存在しない。

 

 一時的なものであるにしろ拠点として構えていることは間違いないのだし、レギオノイドくらいは配備されているものと思っていたが……これではアリの子一匹どころか宇宙怪獣でも通り放題だろう。

 

『誘ってる……まあ、そんなとこだろうな』

 

 飛んで火にいる夏の虫、今の自分達を言い表すならばこの言葉だろうか。

 

『奴等の狙いはお前だ。一瞬たりとも気は抜くんじゃねーぞ』

 

「……わかってるよ」

 

 一つ嘘をついた。いざとなったら……ゼロに悟られぬようそう考える。

 無論そうならないよう全力は尽くす。けれどもし、どうしようもならないと判断したなら、その時は迷わない。

 

―――――君が選ぼうとしている未来は君自身の旅を終わらせる。……よく、胸に刻んでおきたまえ

 

 ある意味、トレギアの言うことは的を射ていたのかもしれない。

 この方法なら、確実に千歌を救える。けれど代償としてゼロとの、友との約束を破ることを意味する。

 

 もしそうすればきっと、˝仙道陸˝としての未来を失うことになるだろうから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルビィちゃん! ルビィちゃん!!」

 

 連絡という手段すら忘れ、その足で駆け込んだ親友の家の戸を何度も叩く。

 伝えてどうするのかも分からない。けど伝えなければいけないと心が叫ぶ。決して忘れてはいけないあの人達のことを。

 

「花丸ちゃん……? どうしたの……」

 

「ルビィちゃんッ!」

 

 恐る恐る顔を覗かせた親友の両肩を掴んでは迫った。

 逼迫した花丸の表情を見て何かを悟ったのか、ルビィも気圧されながらも面持ちを変える。

 

「思い出さなきゃダメずら……ルビィちゃんも、皆も、忘れちゃだめ……!」

 

 普段ならもっと上手く言葉が出てくるはずなのに、ごちゃごちゃな感情がその邪魔をする。

 気持ちだけが先走る言葉は支離滅裂に紡がれ、もはや何の意図も伝わりはしなかった。

 

「…何のこと? なんかおかしいよ、花丸ちゃん」

 

 怪訝そうに、かつ不安そうにルビィが顔を覗き込んでくる。

 違う。こうじゃないんだ。こんなことをしに来たんじゃ―――、

 

「ルビィと……花丸さん? 騒がしいですわよ。まだ昼間とは言え玄関先で大声を出すのは非常識ですわ」

 

 何も進まないまま、また一人……いや二人か。

 顔を出してきたダイヤに続き、足跡が近づいてくる。

 

「ちょっとダイヤ―? まだ話は終わってないんだけどー?」

 

 おちゃらけた態度でありつつ、不満げに口を尖らせて顔を見せたのは鞠莉。この人もまたルビィやダイヤと同じく、元の世界ではAqoursだった人だ。

 

 ルビィ一人でもこの様なのに、増してこの二人。余計に生じた焦りが頭を真っ白にする。

 

「聞く必要などありませんわ。急に訪ねてきて何を言い出すのかと思えば、わたくし達がウルトラマンと一緒にいたなどと……」

 

「え……?」

 

 白の中に落ちた更なる白。けどそれは前のものとは逆の意味を持っていた。

 こんがらがっていた思考が急速に纏まってゆき、二人のやり取りの裏を探る。

 

「あら、花丸じゃない。Good Afternoon」

 

 そして閃くように悟った。この人も自分と同じなんだ。

 

「鞠莉…ちゃん……?」

 

「…! 花丸、あなた……!」

 

 それはすぐに鞠莉も察したようで、花丸の反応を見ては顔色を変える。

 驚き……そしてそれ以上に喜びが伺いとれた。

 

「戻った……いや思い出したのね!?」

 

「やっぱり鞠莉ちゃんも……!」

 

 勢いよく抱擁してきた鞠莉の腕の中で覚えた安心感が全身を包んだ。

 どうして、などとは聞かなかった。もはや問う必要もないから。

 

「…鞠莉さん、花丸さんとお知り合いなのですか?」

 

「だからそうだって何度も言ってるでショー?」

 

 ダイヤとルビィの怪訝な視線が向けられる。今はこれが当たり前の状態なんだ。

 本来の自分達で再会できたことを喜ぶのはまだ早い。こんなことではまた全員で歌うことなど叶いやしないから。

 

 これまでも、今もまた身を挺して戦ってる人がいる。それなのに何もしないなんてできる訳がない。

 

「…あのねルビィちゃん。まるスクールアイドルやってるんだよ」

 

「花丸ちゃんが……?」

 

「うん……ルビィちゃんも一緒に」

 

 先程までとは正反対に落ち着いた口調で、柔らかく笑う。

 

「待ってください。そもそも浦女にスクールアイドルは……!」

 

「あるよ……Aqoursが。二人とも知ってるはずだよ」

 

 鞠莉も同じ考えでいるのは言葉を交わさなくても分かった。

 特別な力なんてものは自分達にはない。だったら正直な想いをぶつけるだけだ。

 

「…あの日ルビィちゃんが背中を押してくれて、まる嬉しかった。ルビィちゃんが踏み出す勇気をくれたんだよ」

 

 でも今のルビィはあの時と同じ。まだ自分を抑え込んだままなんだ。

 今度は自分が背中を押す番だ。

 

「……スクールアイドル、好きなんでしょ? だったら、もっと自分の気持ちに正直にならないとダメだよ」

 

「そうよルビィ!」

 

 だが幸か不幸か、このタイミングで神は粋な客を寄越す。

 

「……理亞ちゃん…!?」

 

 淡い紫が上下する肩と共に揺れている。

 怯えた視線を向けるルビィに対する瞳は力強く、曲げぬと誓った信念のようなものを感じた。

 

「花丸の言う通りよ。アンタスクールアイドル大好きなんじゃないの!?」

 

 記憶の戻っている自分や鞠莉の反面、黒澤姉妹の反応は喜ばしいものではない。

 ルビィの話していた頻繁に訪ねてくる見知らぬ女の子……今思えば理亞ことだったのだろう。

 

 きっと彼女も、ルビィを元に戻したい一心で―――、

 

「また来たのですか…? いい加減にしないと出すところに……」

 

「Wait. ダイヤ。大丈夫よ」

 

「…その人も鞠莉さん達の知り合いなのですか?」

 

「Yes…てか、本当はダイヤ達も知ってるはずなんだけどね……」

 

 鞠莉は何か知っていたのか、特に理亞に対する驚きも見せずにダイヤを宥める。

 そして何か二人に対する説明を求めるように花丸へと目配せ。

 

「……まる達の友達ずら」

 

「…アンタも元に戻ってたのね」

 

 険しい表情を少しだけ緩ませた理亞の顔。

 だがそれはすぐに元へと戻り、再びルビィへと向けられる。

 

「だったら話は早いわ。花丸……友達の言うことなら信じられるでしょ」

 

 自虐気味に理亞が言葉をひりだす。

 ルビィの話だと何度も訪ねてはその度に突っ返されていたそうな。多少卑屈になってしまうのも分からなくはない。

 

「…とにかく、ちゃんと思い出してよ」

 

「すぐに信じてとは言わないけど……話は聞いてあげて欲しいずら」

 

 どんな経緯で理亞がここにいるのかは分からないが、想いは同じであることに間違いはない。

 ルビィに救われた自分達だからこそ、彼女にはそのことを忘れてほしくないんだ。

 

「そ、そんなこと言われても……」

 

 だが当の本人は未だ理亞に対する警戒心が拭えぬようで、こちらの話に耳を傾けこそしているがそれ以上には至っていない。

 

「しっかりしなさいよルビィ! アンタ達言ったじゃない…私達の分まで歌ってくるって、ラブライブで優勝するって!」

 

「ぴぎ……だって、ルビィそんなこと言ってない……」

 

 焦りや戸惑い、孤独感。傍目に見るだけでは計り知れない感情に駆られるように思える。

 悲痛な訴えも届かす、更に冷静さを欠いた理亞はルビィの肩を掴んではなおも迫った。

 

「ふざけないで! 忘れたなんて言わせない……アンタは―――」

 

「ふざけてないもん! そっちだってさっきから言ってること全然分かんないし………ルビィに押し付けないでよ!」

 

 直後、耐え兼ねたのかはち切れたように叫んだルビィが理亞の手を払う。

 普段の彼女ならまず見せない剣幕に流石の理亞も怯んだか……と思ったが、力なく肩を落とした彼女の様子はどうにも思ったそれとは違った。

 

「………そっか…、結局、ルビィもそういうんだ……」

 

「え……?」

 

 先程までの勢いはどこへやら。一変して表情に差す影を濃くした理亞がか細く声を漏らす。

 そしてくるり。あれほど必死になって訴え続けていたルビィに背を向けると、そのままとぼとぼと一人歩き去って行ってしまう。

 

 

 

 

 

「…あ……れ………?」

 

 追うに追えないまま少し経ったのち、困惑した様子でルビィは自身の頬を伝う涙を拭った。

 

「…大丈夫ですかルビィ? 貴方があんなに声を荒げるのだからそれほど………」

 

「違うよお姉ちゃん………けどなんか、なんでか分かんないのに悲しくて………」

 

 口にした通り理由は分からない。けどどうしてか胸が痛い。

 知らないはずのあの子の訴えがどうにも苦しくて、あの子の涙を見ると無性に悲しくて。

 

 彼女や花丸が言ったように、何か零れてはいけない大事なものが欠けてしまっている気がして―――、

 

「………!」

 

「え…、ルビィ!?」

 

 追いかけなきゃ。

 稲妻のように走った感覚がそう告げ、ルビィは既に背中も見えなくなった彼女を探し駆けだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『デェェェェイヤッッ!!』

 

 纏った白銀の鎧から伸びる刀身にエネルギーを集中させ、目視したそれに突撃。

 直後の閃光と爆音の中に飛び込むと、崩れ落ちてゆく宇宙船の中に降り立った。

 

『全く、手荒しいのは相変わらずですか……』

 

 爆炎が揺らめくその奥から声が飛ぶ。きっとスライだ。

 ブレスへと戻るイージスを忌々しく見下ろすそれらに対し、ゼロ達も最大級の敵意を持って視線を返した。

 

『…よぉ、遅かったじゃねぇか』

 

 巨大な翼を伴った影が動いた。

 つり上がった深紅の瞳が闇の中で煌めき、やがてその全身を露わとする。

 

『まさか、今の今まで怖じ気づいてた訳じゃねぇよな?』

 

『安心しやがれ。少なくともテメーを地獄に叩き落とすまでは逃げやしねぇよ』

 

 キメラべロス―――ベリアルが笑う。

 走る緊張に震える身体を鞭打ちつつ眼前の悪魔、その中に囚われる少女の事を想った。

 

 奴の身体に取り込まれてからかなり時間が経っている……もはや一刻すらも惜しい。

 

『……来い』

 

 そんな陸の心境を見透かしたように動かされたベリアルの指先が、直後に迫った戦いを煽った。

 数拍の間の後、爆発寸前までに高まった緊張の刹那―――両者の闘志が激突した。

 

 

 




たっぷり間が開いたくせに悲惨な文字数となっておりますが夏休み入ったら何とかするんで許してください
陸とゼロがベリアルの元へ突撃していった一方でるびりあ崩壊の危機。これが人類(作者)の悪意です
別にこの頃スクスタのガチャでルビィちゃんに弄ばれまくってる腹いせとかそんな理由では断じてございません

色々駆け足ですが今回はこんな感じです
それでは次回でー
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