ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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太平風土記の古文の文章書くのも楽じゃねぇ・・・。
俺古文苦手やねん(なお作者文系な模様)



二十五話 厄災の魔王獣

 

 

『キシャァァァイヴゥウゥウゥゥゥゥッ‼』

 

 何かに苦しみ、抵抗しているかのように腕を振り回し、辺りにある建物を蹂躙する獣。

 

『シェヤァ!』

 

 暗い夜空を赤と青の閃光が照らし、それと同時に現れたゼロが怪獣の角を掴んで抑えこむ。

 

『キシャァァァァァ‼』

 

 だが怪獣は軽々と頭部でゼロを持ち上げ、そのまま空へと放り投げる。

 ゼロは空中でバク中をして体勢を整えて着地し、ファイティングポーズを取ってその怪獣と向き合った。

 

『ッ・・・・・・? ゴモラ・・・‥、なのか?』

 

 全身を覆う鎧の様な黒い鱗。長く太い尻尾に、鋭利な鉤爪を備えた腕。頭部にある三日月形の角と、クリスタルの様に輝く一本角。闇夜でも煌々と輝く紅い目。

 そして全身に纏った黒いオーラ。

 

「・・・ゼロ。この怪獣は?」

 

『ゴモラ・・・・・・。の様にも思えるが・・・・・・、所々違う。俺もこんな奴は始めて見る』

 

 初めて見るその存在を警戒し、一定の距離感を保つゼロにその怪獣は悠然と歩み寄ってくる。

 

『・・・まあ、あいつが何者かはいい・・・・・・。とにかく、ここから先には行かせねぇ!』

 

 ゼロが突き出した拳を、怪獣は涼しい顔で受け止める。そもままゼロの腕を振り払うと、その勢いを利用して回し蹴りを繰り出すが、それも固い鱗に覆われた腕に阻まれてしまう。

 

『かてぇな・・・。だったら!』

 

 ストロングコロナにタイプチェンジして炎を纏った拳で殴りかかるも、今度は俊敏な動きでそれをかわされ、逆にゼロを切り裂こうと剛腕を振りかざしてきた。

 

『ぐっ・・・・・・、おぉ・・・』

 

 ゼロは鋭利な爪が身体に到達する前にその腕を受け止め、無防備になった腹部に向かってキックを繰り出す。

 

『キシァァァァァイヴゥヴゥウゥゥゥゥ‼』

 

 だが頭部のクリスタルが煌くと同時に腹部から波動の様なものが放たれ、キックが到達する前に衝撃波がゼロを襲った。

 

『「があぁぁぁッ!』」

 

 防ぐ術もなく吹き飛ばされ、地面を転がるゼロ。それを見た怪獣は前転をしてその強靭な尻尾でゼロの腹部を叩きつけた。ハンマーで殴られたような重い衝撃が腹部に走る。

 

『ガルネイトバスタァァァァッ‼』

 

『キシャァァァァイヴゥヴゥウゥゥゥゥ‼』

 

 距離を取ったゼロのガルネイトバスターと、怪獣がクリスタルの角から放った超振動波が衝突し、赤い閃光をまき散らす。

 押し負けたのは、ゼロだった。

 

『「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼』」

 

 超振動波がゼロを捉え、火花を散らしながら吹き飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん。やっぱりあれにはゼロ君でも苦戦しちゃうか。さっすが魔王獣」

 

 暗闇の中、あいも変わらず気味の悪い笑みを浮かべるオウガが見据える先には、オウガが呼び覚ました魔王獣と戦うゼロの姿が。

 

『こんのっ‥・・・』

 

 ゼロは魔王獣にヘッドロックを極め、魔王獣の心臓とも言えるクリスタルに攻撃を続けている。

ストロングコロナで戦うゼロの判断は正しい。それ以外なら圧倒的なパワー不足で一瞬のうちに叩き潰されているだろう。

 

「もうクリスタルに目をつけるのは流石だけど・・・・・・、力だけじゃそいつはどうにもならないよ。ゼロ君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・陸・・・・・・。恐らくだが、こいつが花丸の持っていた太平風土記に載っていた魔王獣だ・・・・・・』

 

「ちっ・・・、やっぱあのやり取りフラグだったか・・・」

 

 陸は件の太平風土記についての花丸とゼロの会話を思い出して悪態づく。

 魔王獣。世界を滅ぼさんとする怪獣なだけあって流石に強い。

 先程からそれなりには戦えているが、やはり圧されている事は否めない。一発一発が重く、喰らった身体は少しでも動くと激痛に襲われる。その上暴れ方が滅茶苦茶な為、行動が読めないのだ。

 既にカラータイマーも鳴っており、状況は絶望的と言っていいだろう。

 

『陸・・・。一旦引くぞ。このままじゃ負ける。態勢を立て直すぞ・・・』

 

「あぁ? あいつどうすんだよ?」

 

『別に放っておくわけじゃねぇ・・・・・・。次戦うまで抑えこんでおくだけだ』

 

 怪獣の腹部を蹴り飛ばし、ふらついたところを力任せに海へと放り込む。

 続けてストロングコロナお得意のパンチキックの連続コンボを決め、怪獣を陸地から遠ざけていく。

この調子ならいけるんじゃないかと思えるが、この怪獣、決め手である光線技が鱗のせいで通用しないのだ。

 殴打で撲殺するにもタフ過ぎる。だからこそ今は態勢を立て直す必要があるのだろう。

 

『うおォォォォォォォォォッ‼』

 

 通常形態に戻ったゼロの両腕からオーロラの様な光が発生し、怪獣を包んでいった。

 

『キシャァァァァイヴゥヴゥウゥゥゥゥ‼』

 

『があぁぁぁぁぁっ・・・・・・‼』

 

 だがタダでは譲ってくれず、負けじと輝く角をゼロのカラータイマーに突き立て、直接超振動波を喰らわせてくる。

皮膚が裂ける様な痛みが走るが、ゼロはその手を下げない。

 やがて光はバリアの様な物へと変わっていき、暴れる怪獣を閉じ込めてしまった。

 

『へっ・・・・・・、ウルトラゼロディフェンサーの応用だ・・・・・・、そう簡単には壊れねぇぞ・・・・・・』

 

 最後にゼロはバリアごと沖へと投げ飛ばし、怪獣は深い海へと沈んでいった。

 

『ちょっとそこでおとなしくしてろ・・・・・・、うっ・・・ぐぁ・・・‥』

 

 そこまで言った辺りでカラータイマーの点滅が止まり、幽霊のようにぼやけたゼロの身体は消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな・・・・・・、ゼロさん・・・」

 

 家を飛び出した花丸の目に映ったのは、倒れる様に消えていったゼロの姿だった。

 二、三か月程前に突如現れ、怪獣から自分達を守ってくれていた青色の巨人。

 最初は目つきが悪くて少し怖かったけど、何度か直接ゼロに助けられた事からその印象は変わり、今では本当にカッコイイと思っていた。

 そんな彼が苦しみながら消えていくのは、ものすごく心が痛い。

 

「っ・・・」

 

 そうだ。何の為に自分は家を飛び出してきたのだ。

 陸を、先程自分の家から帰って行った先輩を探しに来たんだ。

 怪獣が出たのは、丁度陸が帰って行った方向。

 もしかしたら何か大変な事になっているかもしれない。携帯も繋がらないしなおさらだ。

 花丸には陸の安否を確認する責任がある。だってこんな時間まで陸を引き留めてしまったのは自分だから。

 

「せんぱーい‼」

 

 少し行くと、陸が乗っていた自転車が倒れているのを見つけた、しかし周囲に陸の姿はない。

 

「仙道せんぱーいっ‼ どこずらーっ‼」

 

 ゼロと怪獣の戦闘で崩れた道を、つまずかない様に注意して進みながら陸の名前を呼ぶ。

 道の一部では崩落も起こっており、これに陸が巻き込まれていたらと思うとぞっとする。

 

「・・・・・・ッ! 先輩っ‼」

 

 煤と土で真っ黒になって倒れている陸を見つけ、よろめきながらも花丸は陸の元へと駆け寄った。

 駆け寄った陸の身体には所々痛々しい傷が見え、意識を失っている。何があったかは分からないが、相当激しい衝撃を受けたのは見て分かった。抱き寄せた体もすごく熱い。

 

「仙道先輩っ‼」

 

 暗闇の中に、花丸の悲痛な叫びが木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ・・・、ぐぅ・・・」

 

 全身の痛みで目が覚め、ゆっくりと瞼を開くと、そこに映ったのは知らない天井だった。

 激痛に顔をしかめながらも体を起こすと、ぽすんと陸にかけてあった布団にタオルが墜ちる。

 確か怪獣を海に放り投げた後、ゼロへの変身が解けて・・・・・・、

 

「いつつ・・・・・・。ゼロ、無事か・・・?」

 

〈ああ・・・、何とかな・・・。悪い、エネルギー切れは反動も大きくてな・・・〉

 

 とりあえずゼロが無事な事に一安心した陸は、膝に何かが乗っかっている様な重みがある事に気が付いた。

 目をやると、栗色の髪をした少女が陸の膝に頭を乗せて静かに寝息を立てていた。

 

「国木田・・・・・・?」

 

 その少女が花丸である事を認識すると、周囲に目をやる。今陸は畳の上に敷かれた布団に寝かされていたらしい。部屋の光景にも見覚えがあり、ここが花丸の部屋である事が分かった。

 となると、ここは花丸の家か。

 

「ん・・・? 先輩・・・?」

 

 陸が動いたことで目が覚めたのか、花丸が体を起こして陸の顔を覗き込んでくる。

 

「ああわり‥・・・、起こしちまったか・・・・・・」

 

 改めて陸が起きている事が分かったらしい花丸は、安心したようにほぅ、と息をついた。

 

「よかった・・・・・・。一時はどうなる事かと思ったずら・・・・・・」

 

 そう言った花丸の目尻は、ほのかに赤く腫れていた。

 その事を不思議に思った陸の目に飛び込んだのは花丸の部屋にあった時計。時刻は既に夜十時を回っていた。

 

「っ・・・、悪い。こんな時間まで、さっさと帰―――っ!」

 

「あぁ! ダメだよまだ寝てないと」

 

 布団から出ようとする陸を、花丸が慌てて押しとどめた。服越しだが手の温かさが伝わる。

 今気づいたが、陸の頭や腕には包帯が巻いてあり、部屋の中には消毒液の匂いが充満している。

 どうやら花丸が手当てをしてくれたらしい。

 

「けど・・・、手当までしてもらってそこまで世話になる訳には・・・・・・」

 

「怪我人はおとなしく言う事聞かないとダメずら」

 

 花丸が陸の肩を掴んで布団の中に押し戻そうとしてくる。普段は苦もなく抵抗できるのだが、痛みで体に力が入らない。

 

「・・・迷惑だろ、こんな時間までいたら」

 

「おばあちゃんも、今日はここで寝かせてあげてって言ってたから問題ないよ。それに・・・」

 

 陸の額に新しいタオルが置かれ、微妙にぬるい感覚が額に広がる。

 

「・・・・・・先輩がこんな事になっちゃたのは、まるが遅くまで引き留めちゃったからずら。だからこれくらいさせてよ・・・・・・」

 

「それは‥・・・・・・」

 

 陸はそれに反論しようとし、ぐっと出しかけた言葉を飲みこんだ。

 なぜなら陸を見る花丸の瞳に、今にも零れ落ちそうな程に涙が溜まっていたから。

 もう既に散々泣いたであろう彼女の顔が再び涙で濡れるのは、陸も見たくない。

 

「・・・分かった。おとなしくしてるから、泣くのは辞めてくれ・・・」

 

 言われた通り陸が布団戻ると、花丸は涙を拭った。それを見て陸も安堵の息をつく。

 

「・・・・・・俺どんな感じで倒れてた?」

 

 再び部屋を支配した静寂が気まずく、陸は天井を見つめたまま花丸に問いかけた。

 

「・・・傷はいっぱいあるし、熱も高いし。ホントに死んじゃうかと思ったずら。近くにいた人たちにここまで運んでもらって、まるが手当てしたんだ」

 

「そっか・・・。ありがとな・・・・・・。そっちは怪我とかないか?」

 

「先輩は自分の心配だけしてればいいずら」

 

 花丸の表情から伺うに、陸の傷はかなり酷いものなのだろう。そんな怪我を負ってもまだ生きているのは、ゼロと一体化している影響なのだろうか。

 

「先輩、ホントに酷い怪我だったけど、あの時何があったの?」

 

「・・・・・・覚えてねぇ。気付いたらここにいた」

 

 ゼロに変身して戦ってたとは流石に言えないので、適当に嘘をでっち上げる。

 ここで嘘をつく事は本当に申し訳なく思うが、これも花丸の為だ。

 

「こんなところでごめんね。病院、もう人でいっぱいだったから・・・・・・」

 

「いいや全然・・・。看病してくれてただけでもありがたいよ・・・‥‥」

 

「? 先輩?」

 

 ふと花丸が気付けば、静かな寝息が聞こえてきた。陸の意識は再び落ちたらしい。

 

「・・・マネージャーがまるの事心配させてどうするずら・・・・・・」

 

 ずれたタオルの位置を戻した花丸は、こんな時でも人の心配をするおかしな先輩について、ぼんやりと思いを馳せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 陸が再び目を覚ますと、既に日は沈みかけていた。

 意識が途切れる前に見た時計は十時。それを考えるとかなり眠っていたのだろう。

 

〈お? 起きたか? 陸〉

 

 まだ軽く胡乱の中にあった意識を、ゼロの言葉が完全に呼び起こした。

 

〈もうちっと休ませてやりたいとこだが・・・・・・、生憎もうウルトラゼロディフェンサーの効力が切れる。そろそろあの魔王獣が戻ってくるぞ〉

 

「はは・・・、きっついなぁ・・・」

 

 ちょっと泣きそうになりながら、陸は体を起こして布団から出た。

 まだ傷はかなり痛むが、動けないわけではない。起き上がるだけで精一杯だった昨夜に比べれば随分と回復した。流石はウルトラマンの回復力と言ったところか。

 

「・・・・・・何抜け出そうとしてるずら・・・?」

 

 こっそり花丸の部屋を出ようとドアを開けると、そこにはジト目を向ける花丸が立っていた。何というタイミングの悪さだ。

 

「・・・・・・もう大丈夫だよ」

 

 そう言って花丸の前でぴょんぴょんとジャンプする。実際は涙が出そうになるくらい痛いが、決してそれを表情に出さない。

 

「・・・・・・安心しろ。帰ってもおとなしくしてるから。流石にそろそろ帰らんとマズイ」

 

「・・・・・・分かったよ」

 

 ホールドアップしながら訴えると、花丸は了承してくれた。

 

「ただしまるもついてくずら。もし途中で先輩が倒れたら誰が助けるずら?」

 

「不吉な事言わんでくれ・・・・・・」

 

 実際にそうなりそうな気がしないでもない陸だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マガゴモラ?」

 

 夕日で赤く照らされた道を、自転車を押しながら二人並んで歩く。

 

「うん。禍古獣の読み方。先輩が寝てる間に太平風土記を調べてたら分かったんだ。それで、昨日出たあの怪獣。多分このマガゴモラだと思うずら。この絵と似てるし・・・・・・」

 

 花丸もその結論にたどり着いていたらしい。

 

「でもそれ以上は破れてて分からなかったずら」

 

「それだけ分かっただけでも十分だろ。お疲れ」

 

〈マガゴモラ・・・・・・。なるほど、通りでゴモラに似ていた訳だ・・・・・・〉

 

 陸は昨日見た怪獣、マガゴモラの姿を思い出す。

 元のゴモラがどのような怪獣なのかは分からないが、頭にマガが付いている割にはさして禍々しくもなかった気がしないでもない。

 いや、それよりも・・・・・・、

 

「似てたよね・・・・・・、六年前の怪獣と・・・」

 

 陸が思っていた事と同じ事を、花丸がぽつりと口にした。

 数週間前のレッドキング。昨日のマガゴモラ。

 これら二体の怪獣は共通して六年前に出現した怪獣と似ているのだ。

 突如現れて内浦の町を蹂躙していったあの巨体。思い出すだけでも憎悪が湧き上がってくる。

 太く湾曲した赤い角。凶悪に歪んだ顔。禍々しい胸の紋様。

 これらを除けば、まるでレッドキングとマガゴモラの特徴を組み合わせたような姿をしていた。

 

(・・・なあ、レッドキングとゴモラの特徴を組み合わせたような怪獣っているのか?)

 

〈・・・・・・いるも何も、そいつぁ――――――、ちっ・・・〉

 

(ゼ・・・ろぉっ!?)

 

 セリフの途中でゼロが舌打ちをしたのと同時に、主導権がゼロに切り替わる。

 

『・・・・・・囲まれてやがる・・・。誰だ! 出て来い!』

 

「え・・・?」

 

 道沿いの林に向かって怒鳴り声を上げた陸に花丸が驚いた次の瞬間、そこから一つの影が飛び出し、花丸目掛けて銃弾を放った。

 

『ッ!』

 

「ずらぁっ!?」

 

 ゼロが反射的に跳躍し、花丸を庇う形で抱きかかえた。その後大地を蹴って銃弾を回避すると、銃弾を放ったそいつに強烈な蹴りをお見舞いした。

 

『ごあぁっ!』

 

 顔面にゼロの蹴りを浴びたそいつは悲鳴と共に派手に吹き飛んで行く。

 

『マグマ星人・・・・・・、何の用だ』

 

 顔面を覆う白いマスク、黒い胴体に、右手に付いたリーチのあるサーベル。

 ゼロに蹴飛ばされたマグマ星人は、痛みに悶えながらも答えた。

 

『・・・・・・貴様に用はない。そこの娘を渡せ』

 

『あぁ?』

 

 マグマ星人が要求してきたのは、何と花丸だった。

 

『花丸に何の用だテメェ』

 

『貴様が知る必要はない。さあやれ!』

 

 合図をするように手を上げると、周囲から一斉に異形の者達が襲いかかってきた。その数、十数人はいるだろう。

 

『ちぃ・・・・・・、一体何なんだ!』

 

 花丸を抱えたまま、ゼロは宇宙人達との戦闘に突入した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『がはぁっ!』

 

 ゼロが最後に残ったマグマ星人の鳩尾を思いきり踏みつける。

 花丸を抱きかかえていたというのに、ゼロはそんなこと負担でもない様に連中を蹴散らしてしまった。花丸は腕の中で目をぱちくりさせている。

 

『どうせ答えねぇだろうからもう理由は聞かねぇよ。さっさと失せろ』

 

『ぐぅ・・・・・・、行くぞ!』

 

 起き上がったマグマ星人が走り去って行くと、他の宇宙人も四散五裂になって逃げだしていった。

 ゼロは奴らがいなくなった事を確認して花丸を下し、主導権を陸に戻した。

 

「ッ・・・!」

 

 それと同時に陸が膝を折る。

 

「先輩っ!?」

 

 陸の腕を掴んだ花丸の手に、べたりとした何かが触れた。

 見てみると包帯から血が滲んでいる。恐らく今の戦闘で傷が開いてしまったのだろう。

 

「誰か人を―――」

 

「待て・・・」

 

 近隣の住民に助けを求めようと駆けだした花丸の肩を、陸が掴む。

 血の気が引いているその顔からは生気を感じない。

 

「さっきの宇宙人の話聞いてなかったのか・・・? 今一人で行動すんのは危ない・・・‥」

 

「でもそれじゃ・・・」

 

「俺はいいから・・・・・・、今は自分の心配しろ・・・・・・」

 

 この状況でなおも花丸の事を優先しようとする陸。

 ふらふらと立ち上がり、おぼつかない足取りで自転車の方へと向かっていく。

 

「・・・先輩こそ自分の心配するずら・・・。何でそうやって自分の事後回しにするの・・・」

 

 伸ばされた花丸の手が、ふらつく陸の腕を強く掴む。

 

「またまるのせいでこんな事になっちゃったずら・・・・・・」

 

「国木田・・・・・・?」

 

「放っておけるわけないずら!」

 

 花丸が感情を露わにした、その瞬間だった。

 突然、花丸の胸が眩い光を発したのは。

 

「な――――ッ!」

 

〈コイツぁ・・・〉

 

「ずら・・・?」

 

 突如煌いた光に呆気にとられる陸、ゼロ、そして花丸の三人。

 その黄色い光は花丸の手を伝って陸の身体に注がれていき、やがて陸の身体も輝き出す。

 否、正確には陸の身体にある傷が胸の光と同じように黄色く輝き出したのだ。それと同時に全身に熱が漲り、徐々に傷口の痛みが引いていくのが分かる。

 

「これって・・・・・・」

 

〈リトルスターッ? そうか・・・、だから奴らは花丸を・・・〉

 

 傷口から光の粒子が漏れ出て行き、踊る様に周囲を漂っている。

 そして光が収まったその時、陸の傷は、元々怪我なんか負ってなかったかのように無くなっていた。

 

「っ・・・・・・」

 

 試しに腕を振り回したり、ちょっと走ってみたりと色々やってみたが、痛みは一切感じない。

 

「これ・・・・・・は?」

 

 呆然と光の収まった自分の胸を見つめている花丸に気が付き、こうしている場合ではない事を思い出す。

 もうそろそろマガゴモラも戻ってくる頃だろう。迎え撃たなくてはならないのだが、リトルスターが発生してしまった以上、花丸を一人にする訳にもいかない。

 まずは彼女を家に戻そう。

 

「国木田。いつ連中が襲ってくるか分かんねぇから、今は家に戻ろう。送ってく」

 

 そう決めると、陸は花丸の手を取って自転車を置いてきた方へと歩き出した。

 

「先輩・・・・・・。これってルビィちゃんと善子ちゃんのやつと同じ‥‥・・・」

 

「ああ、多分な。だから宇宙人が狙って来たんだろ」

 

 余計な情報は漏らさずに陸は花丸を荷台に座らせ、そのまま花丸の家を目指してペダルを踏んだ。

 

 

 

 

 

 

 




オリジナル?怪獣のマガゴモラの見た目は、EXゴモラの角をクリスタルに変え、更に全身を黒くした感じだと思ってください。流石にゴモラ族を人様に見せられるレベルの挿絵では描けないのでね。

梨子「なら私が」

俺「アニメ二期五話見直して来い」


描ける画力がついたら挿絵もあげてみようかな?
それでは次回で!
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