ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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アメトークでウルトラマン芸人が放送される事を知ってテンション鬼上がってる作者です。
今から楽しみでならねえ。


三十三話 閉ざされた過去

 

 

 

『そうか・・・、ご苦労だった』

 

 M78星雲。光の国。

 デザストロの討伐を終えたグレンファイヤー等ウルティメイトフォースゼロは、その報告に光の国にある宇宙警備隊本部へと飛来していた。

 ウルティメイトフォースゼロの周りでは、先程からひっきりなしに大勢のウルトラマンが往来している。

 

『やけに忙しそうですね・・・・・・』

 

『皆ギルバリスの残存部隊への対処で忙しいのだよ。ギンガやオーブにも手を貸してもらっているぐらいだ』

 

 ギルバリスの残存部隊の兵力は、今も正義を暴走させ続けているらしい。

 

『・・・・・・それで・・・、ゼロの方はどうなのですか・・・?』

 

『丁度今ゼロからのウルトラサインが届いたところだ』

 

 宇宙警備隊隊長であるゾフィーはミラーナイトの問いに対して、空に光る文字を指さした。

 グレンファイヤーはそれを見て首を傾げている。

 

『あぁん? なんて書いてあるんだよ?』

 

『地球にて・・・・・・、ダークネスファイブと接触したとの事だ』

 

『なっ・・・・・・』

 

 厳かにゾフィーが告げ、驚きを隠せないウルティメイトフォースゼロの四人。

 

『・・・・・・アナザークライシスが起こり、リトルスターの発現も観測された。そしてダークネスファイブ。・・・・・・奴の息がかかっている事は間違いないだろう』

 

『まさか・・・・・・』

 

『おいおい・・・・・・、嘘だろ? だってあいつはジークが・・・・・・』

 

『グレン。ジードだ。ウルトラマンジード』

 

『ああそうそうジード。あいつはジードが倒したんじゃないのかよ!?』

 

『・・・・・・奴の事だ。復活してようと何の不思議もない』

 

『そうだけど・・・よぉ・・・』

 

 ジャンナインの言葉に、グレンが押し黙る。

 グレンだけではない。かつて復活したその存在に惨殺されたミラーナイト、ジャンボット、言葉を発したジャンナインまでもが、思わず身震いをしていた。

 

『・・・・・・ああ、恐らくだがあの地球には―――――――』

 

 かつてとある事件が起こったプラズマスパークタワーを見据えながら、ゾフィーは重々しく口を開いた。

 

『―――――ベリアルがいる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オォウラァッ‼」

 

 この日も、早朝からゼロと怪獣の戦闘が繰り広げられていた。

 

『○△□―――!』

 

 否、今日の相手は怪獣ではなくロボットだ。

 宇宙ロボットキングジョー。ぺダン星人が開発したスーパーロボットだとゼロは言っていた。

 

「ぐ・・・・・・ぉ・・・」

 

『○△□・・・・・・』

 

 ゼロとキングジョーは、互いに両腕を掴みあったまま硬直状態になっている。純粋な力比べ。スーパーロボットと言うだけあって流石に力は強い。

 

「オゥラァ!」

 

 ゼロが掴みあったまま無防備な胸部を足の裏で蹴り飛ばし、同時に腕にもめいっぱいの力を込めてキングジョーを押し返す。

 後退したところを、更にパンチで畳みかけるが、

 

「っ!? 何っ!?」

 

 その攻撃は空を切った。先程までキングジョーの胴があった場所には、もう何者もいない。

 

『キングジョーは身体を分離して宇宙船になれる。気を付けろ! 分離は攻撃の合図だ!』

 

 ゼロの周囲に、頭、胸、腹、足の四つに分裂したキングジョーが浮遊している。さながらUFOのようである。

 

『○△□――――ッ!』

 

 頭部の目の様な部分から放たれた光線、デスト・レイがゼロ目掛けて放たれた。

 

「ハァッ!」

 

 ゼロは跳躍してそれをかわし、頭部目掛けてゼロスラッガーを投げつけるが、頭部を守る様に移動してきた足のパーツに阻まれてしまう。

 

『ッ! 後ろだ!』

 

「があぁぁぁッ‼」

 

 がら空きになった背中に胸部の体当たりがクリーンヒットし、ゼロが海へと叩き込まれる。

 キングジョーは合体して元に戻ると、再びデスト・レイを発射してきた。

 

「うおぉぉぉぉぉっ!?」

 

 次々と殺到する破壊光線を、ゼロは右に左に転がり、時にジャンプし、時にのけ反りながら器用に回避していく。

 

「だらぁっ‼」

 

『――――――ッ!』

 

 隙を見てキングジョーの足元に接近し、膝裏を蹴飛ばして転倒させる。

続いてゼロはキングジョーに対してマウントポジションを取ると、そのボディにゼロスラッガーで切りかかるが、あまりの装甲の固さに刃が通らない。

 

『○△□――――――ッ!』

 

「ごあっ・・・! がっ・・・!」

 

 至近距離でデスト・レイが直撃し、そのままゼロを空中に押し上げる。

 さらにキングジョーは分裂してフォーメーションを取り、ゼロを囲むと電撃のネットでゼロを拘束した。

 

「ぐぅ・・・・・・!」

 

 痺れながら船の停泊所に落下すると、今度は先程とは逆にキングジョーがゼロにマウントポジションを取り、停まっていた漁船を振り回して攻撃してくる。

 

「いい加減に・・・・・・、しろっ‼」

 

 刹那ゼロのカラータイマーが碧く煌き、発生した衝撃波がキングジョーを吹き飛ばした。

 

「ハァ‼」

 

 高速で繰り出されたゼロの張り手は、惜しくもキングジョーが分裂したことによってヒットすることはなかったが、そんなキングジョーのパーツを取り囲む無数の光の刃が。

 

「ミラクルゼロスラッガー」

 

 光の刃は四基のUFOの周りを三百六十度回転し、軌跡によって生まれた球状の光がキングジョーを閉じ込めた。

 光の球体は徐々に縮小してゆき、四基のUFOが咄嗟に後ろに下がる。

 下がった先で他のUFOと衝突し、硬質なボディ同士がぶつかった事で各機ともべコリと大きな陥没が出来上がる。

 そんな状態で合体したキングジョーは、手足をピタリと身体につけた状態で硬直し、地に降りると仰向けに倒れて火花を散らし出した。

 恐らく身体がひしゃげた事で、その部位にあった精密機械がショートを起こしたのだろう。

 

「ワイドゼロショットッ!」

 

 そんなキングジョーをワイドゼロショットが貫き、早朝の内浦に派手な爆発音を轟かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オウガは笑っていた。

 

「ふふっ・・・‥」

 

 ゼロが消えた後、爆散したキングジョーの破片から出た光が、オウガの持つ黒いカプセルに吸い込まれていく。

 光の吸収が終わると、そのカプセルにはキングジョーの絵が映し出された。

 キングジョーカプセルの完成である。

 

「・・・・・・これで・・・・・・」

 

 オウガは、懐からもう一つのカプセルを取り出す。

 そのカプセルには、以前ゼロに倒されたゼットンの姿が描かれていた。

 

「・・・・・お楽しみはこれからさ。陸君、ゼロ君。君たちにはもっと強くなってもらわないと困るんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いてて‥・・・」

 

 ゼロへの変身を解除した陸は、家でいつもよりも痛む傷口に包帯を巻いていた。

 

〈しっかし・・・・・・、なんでお前いきなり自分で戦いたいなんて・・・・・・〉

 

 今日戦っていたのはゼロではなく、ゼロの身体で人格を表に出した陸だ。

 多少はゼロの見様見真似と条件反射で対処できるが、それ以外はゼロとの経験の差がハッキリ出てしまっていた。

 

「・・・・・・なんかずっとお前に戦ってもらうのもどうかと思ってさ」

 

〈・・・別にお前が気にする事じゃねーだろ。あんな危なっかしい戦い方こっちがひやひやするんだよ。お前が表に出てると俺が戦ってる時よりダメージが大きいんだそ?〉

 

「あはは・・・、やっぱり・・・?」

 

 通りでいつもより痛むはずだと、陸は傷口を押さえる。

 

「やっぱ向いてないのかね・・・・・・。こういうの・・・」

 

〈な訳あるか。初陣でキングジョーを破る奴なんかそうはいねぇ。誇っていい〉

 

「ははっ・・・、どうも・・・」

 

 陸が今回戦おうと思った本当の理由から考えれば、こんな事で誇っていられないのだが。

 間違いなくダークネスファイブは、キングジョーよりも遥かに強い。

 いざ戦う時に表に出るのはゼロだろうが、陸だって何もしない訳にはいかなかった。いざとなったら、自分も戦えるように。

 これが千歌達を巻き込んだ自分が、やるべきことだと思うから。

 

〈もう千歌の家に行かないとマズいんじゃないのか? 今日もあんだろ? 練習〉

 

「だな。そろそろ曜も来るだろうし・・・・・・」

 

 傷口の痛みを無視し、陸は少し重く感じる腰を上げた。

 千歌達はあの後も、前と変わらず練習を続けている。むしろ前よりもやる気に満ちていると言っていいくらいだ。

 

「なあ、ゼロ・・・・・・」

 

〈ん?〉

 

「一緒にいていいんだよな。俺・・・・・・」

 

 少しの沈黙の後、

 

〈当たり前だろ。あいつ等を守ってやれるのは俺達だけなんだからな〉

 

「・・・・・・だよな」

 

 その事にどこかほっとしている自分がいる。陸がそれに気付くのと同時に、チャイムが鳴った。恐らく曜だ。

 

〈珍しいな。アイツいつもは留守かどうかも関係無しに鍵開けて上がり込んでくるのに〉

 

「・・・・・・」

 

 ちょっと違和感を覚えつつも玄関のドアを開けると、やはりそこには曜がいた。

 陸が出てきたのを見ると、安堵したように息をつく。

 

「・・・どした?」

 

「ううん。何でもない。さっ、早く千歌ちゃん家行こ!」

 

 すぐにいつも様な明るい笑みに戻ると、陸の代わりに自転車を出してくる曜。

 

「・・・・・・?」

 

 それを見て、陸の違和感は更に強くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 十千万のロビーにて。

 

「夏祭り!」

 

「屋台も出るずら?」

 

「これは・・・痕跡? 微かに残っている・・・、気配」

 

 夏祭りと言う単語にはしゃぐルビィ。

 のっぽパンを口にくわえながらしゃべる花丸。

 椅子に頬擦りし、堕天モード全開中の善子。

 そんな善子に、ルビィの眉が下がる。

 

「どうしよう・・・。東京に行ってからすっかり元に戻っちゃって」

 

「ほっとくずら・・・」

 

「それよりしいたけちゃん。本当に散歩でいないわよね・・・」

 

 ついさっきまで怪獣が出ていたというのに、梨子にとっては怪獣よりしいたけの方が恐ろしいらしい。

 

「千歌ちゃんは夏祭りどうするの?」

 

 受付で突っ伏す千歌に、曜が問いかける。

 実は、東京に行ってからと言うものAqoursは地元ではちょっとした有名人になり、今度行われる花火大会から出演のオファーが来ているのだ。

 

「そーだねー・・・、決めないとねぇ・・・」

 

「沼津の花火大会って言ったら、ここら辺じゃ一番のイベントだよ。そこからオファーが来てるんでしょ?」

 

 沼津の花火大会はかなり規模の大きいイベントなので、県外からの来場者も多く、テレビ中継も入る。

 よって、Aqoursの名前を広めるチャンスではあるのだが・・・・・・。

 如何せん、今からではライブの練習時間がない。

 

「私は・・・、今は練習を優先した方がいいと思うけど」

 

「陸はどう思う?」

 

「・・・俺が決める事じゃねーし」

 

「ていうか陸先輩。その包帯は何ずら? また何かやんちゃしたずらか?」

 

「いい加減慣れろ花丸。俺が怪我してるのはいつもの事だろうが」

 

「堂々と開き直ったわねこの男」

 

 善子にはジト目を向けられたが、バレる訳にもいかないので開き直らせてもらう。

 

「千歌ちゃんは?」

 

「うんっ! 私は出たいかな!」

 

 柱から半分顔を出し、六人に笑いかける千歌。

 

「今の私達の全力を見てもらう。それで駄目だったら、また頑張る! それを繰り返すしかないんじゃないかな?」

 

「ヨーソロー♪ 賛成であります!」

 

「ギラン!」

 

 賛成の意志を表明するAqours一同。

 

「変わったよね。千歌ちゃん」

 

「・・・・・・うん」

 

「・・・んぁ?」

 

 陸は千歌が皆に背を向け、柱に寄りかかっている事に気が付いた。

 

「どした?」

 

「・・・・・・いや、果南ちゃん、どうしてスクールアイドル辞めちゃったんだろう」

 

 話題は、ダイヤとの話の中に出てきた果南についてだった。

 

「生徒会長が言ってたでしょ? 東京のイベントで歌えなかったからだって」

 

「でも、それで辞めちゃう性格じゃないと思う」

 

「確かに、果南姉ちゃんに限ってな・・・・・・」

 

 果南は一度や二度の失敗で諦める様な人ではない。それは小さい頃から一緒にいる千歌や曜、そして陸は断言できる。

 前にダイヤが鞠莉に言っていた事も気になる。

 

 ――――――逃げてる訳ではありませんわ。わたくしも、果南さんも。

 

 逃げている訳ではない。

 この言葉を聞く限り、果南がスクールアイドルを辞めたのは、単純にイベントでの失敗だけが原因ではなさそうだ。

 

「・・・・・・ん?」

 

 ふとここで、一年生三名から不思議な視線を向けられている事に気付いた陸。

 

「・・・どうした?」

 

「果南・・・・・・姉ちゃん・・・?」

 

 首を傾げたルビィを見て、陸はそういえば一年生ズには果南を姉ちゃんと呼んでいる事を話していなかった事を思い出す。

 

「先輩・・・、意外と・・・」

 

「ふっ・・・・・・、可愛い所あるじゃないの」

 

「・・・・・・勝手にしろ。反論すんの怠い」

 

 この後しばらく馬鹿にされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・って」

 

「そんな事が・・・・・・」

 

 海を眺めながら、千歌は昔ここであった事を梨子たちに話した。

 まだ自分達が小さい時。・・・・・スカルゴモラが内浦に現れるよりも前の話だ。

 当時の千歌には高かったであろう桟橋から、果南は平気な顔をして海に飛び込んだ。

 それを見て更に怯えた千歌を、果南は辞めたら後悔する、絶対できるから当の言葉で励まし続け、千歌はようやく桟橋から海にダイブすることが出来た。

 そんな果南が、果たして東京のイベントで歌えなかったぐらいでへこたれるだろうか。

 辞めたら後悔すると思わなかったのか、次は絶対成功すると思わなかったのか。

 どうにも、果南らしくない。

 

「とてもそんな風には見えませんけど・・・・・・あ、すみません」

 

「まさか、天界の眷属が憑依!?」

 

 善子の妄言は無視し、千歌、曜、陸の幼馴染三人は顔を見合わせる。

 

「・・・・・・もう少し、スクールアイドルをやっていた頃の事が分かればいいんだけどな」

 

「聞くまで全然知らなかったもんね」

 

 きっと聞いても答えてくれなかっただろうが。

 小さい頃からずっと陸達を見守ってくれていた果南の事だ。恐らくいらん心配を掛けない様にと黙っていたのだろう。

 

「まあ、果南姉ちゃんとスクールアイドルやってた人の妹なら、そこにいるけどな・・・・・・」

 

 陸がそう言うと、全員が一斉にルビィの方を見た。

 

「ピギィッ!?」

 

「ルビィちゃん。ダイヤさんから何か聞いてない?」

 

「小耳にはさんだとか?」

 

「ずっと一緒に家にいるのよね。何かあるはずよ」

 

「・・・う・・・・・・、うゆ・・・・・・」

 

 矛先が自分に向いたルビィが、踵を返して砂浜を蹴る。

 

「あっ! 逃げた」

 

「善子ちゃん!」

 

「堕天使奥義・・・・・・、堕天流鳳凰縛‼」

 

「ピギャァァァァァァ‼」

 

 陸の指示で出陣した善子が、堕天流鳳凰縛と言う名のコブラツイストをルビィに極め、ルビィの捕獲が完了した。後はじっくりことこと問い質すだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に?」

 

 場所は変わってスクールアイドル部部室。

 

「・・・・・・ルビィが聞いたのは、東京のライブがうまくいかなかったって話ぐらいです。それからスクールアイドルの話はほとんどしなくなっちゃったので‥・・・」

 

 ルビィから得られた情報も、ダイヤの話と同じだけだった。流石ダイヤだ。確信的な根拠に繋がるような情報は一切漏らしていないらしい。

 

「ただ・・・・・・。逃げた訳じゃないって」

 

「逃げた訳じゃない・・・・・・?」

 

 あの時ダイヤと鞠莉の会話に聞き耳を立てていた陸以外は、その言葉を聞くのは初めてらしい。

 新たな情報はなし。今分かるのは、果南やダイヤがスクールアイドルを辞めたのは東京のイベントで歌えなかったのだけが原因ではない事。

 そして、鞠莉がまだスクールアイドルに執着している事だけ。

 三人がスクールアイドルの道を閉ざすことになった真の理由が分からない限り、何かこう、具体的な行動に移すことが出来ない。

 

(さて・・・・・・、どうしたものかね・・・・・・)

 

 




ちなみにゾフィーさんは出したいと言ったウルトラマンにはカウントしません。
ちゃんと別に登場のシナリオは考えてます。
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