ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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皆一緒にジャグジャグしようぜ!


ルーブに出てくれないかなー・・・、ジャグジャグ・・・。


四十三話 戦慄の前奏曲

 

 

 

『フフフ・・・、ハハハハハ・・・・・・』

 

 ダークネスファイブが拠点としている宇宙船の中で、スライは実に愉快そうに肩を震わせていた。

 

「・・・・・・。珍しいね、君がそんなに笑うなんて」

 

 それに対しオウガは首を傾げる。

 

『ええ、貴方のおかげで当初の予定よりも早く計画が進みそうですからね。オーブと陛下の御子息が現れたのは少し予想外でしたが、そこまでの問題ではありません』

 

 スライの足元に投影されているのは、先日内浦に降臨したゼロダークネスの姿。

 

『高海千歌が例の光を発現し、ゼロと一体化している仙道陸に陛下の力を植え付けることも出来た。後は陛下の魂さえそろえば・・・・・・。ふふ・・・、陛下御復活の時は近いですよ』

 

 スライはIQが一万もあると言われるメフィラス星人だ。かつてウルトラ一族と戦ったメフィラス星人も、一部の残念な例を除いて知能的な戦略を駆使してウルトラ一族を苦しめてきたらしい。

 

『彼女の光がどの程度発現しているのか確かめる必要がありますね。一度マグマ星人に彼女を連れてきてもらいますか』

 

 だから彼の考えるベリアル復活計画がどのようなものなのかは、オウガには分からない。

 

(・・・ゼロ君。いくらベリアルの力を宿したからって、陸君を見捨てる様な真似はしないでくれよ?)

 

 だがそんな事を口にする訳にもいかないので、やはりそっと心の内に留めておくオウガだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『デェヤァ‼』

 

『ハアァァァァ‼』

 

 先日ガイが示唆した可能性を裏付ける様に出現したギャラクトロンと戦うゼロとジード。

 MK2やMK3と大きく異なるのは両腕に鉤爪や大剣が装着されている点と、後頭部から伸びるシャフトのような物があるという点。

 あの二機に比べるとこちらの方が迫力があるような気がするが、戦闘能力ではこちらの方が劣るらしい。

 それでも十分強敵という事に変わりは無いのだが。

 

『ぐ・・・・・・おぉ・・・・・・』

 

 ギャラクトロンの胸から放たれた光線をゼロがウルトラゼロディフェンサーで防いでいる間に、ジードが側頭部に回し蹴りを入れる。

 

『デリャァ‼』

 

 牽制に投擲したゼロスラッガーが奴の眼前で煌き、それに反応してのけ反ったところにジードがもう一発回し蹴りを叩き込む。

 続いてブーメランの様に戻ってきた二本の刃を融合させ、ゼロツインソードを構えたゼロが勢い良く踏み出し――――――膝を折る。

 

『ぐぅ・・・・・・』

 

 ここ数日、立て続けにギャラクトロンの強化個体と戦い、その攻撃を受け続けたダメージがまだ抜けきっていないのだ。

 

『ゼロ。無茶しないで!』

 

『平気だ! この程度!』

 

 身を案じるジードの言葉を一蹴すると、ギャラクトロンへと肉薄してゼロツインソードを横薙ぎに一閃。右腕を切り飛ばす。

 更に身を翻しながら屈み、渾身の力で右膝の関節を切り裂く。

 

『ワイドゼロショット‼』

 

『レッキングバーストォォォォ‼』

 

 転倒したギャラクトロンに光線が炸裂し、全身から機械音を上げながら爆散していった。

 そしてそれを見て、気味の悪い笑みを零す男が一人。

 

「・・・ふっ・・・・・・」

 

 その男の足元には、切り捨てられた大量のバリスレイダーの残骸が転がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・さっきゾフィーさんからウルトラサインが送られてきたんだが、ギルバリスはやはり完全に滅ぼされていたそうだ」

 

 ギャラクトロンとの戦闘を終え、戻ってきた陸とリクに完全に居候と化したガイが伝えてきたのはその知らせだった。

 ひとまずとんでもない敵が生き残っていなかった事にほっとしつつも、疑問は覚える。

 

「・・・じゃあ何でこんなにギャラクトロンが送り込まれてるんですか?」

 

「睨んだ通り、MK3がこの地球にギャラクトロンやバリスレイダーを呼び寄せていた。どうやらギルバリス亡き今、MK3が代わりに統率を取っていたらしい」

 

「となると・・・・・・」

 

「ああ、近いうちに統率を失ったギャラクトロン軍団がここに現れるのは間違いないな」

 

「「っ・・・・・・」」

 

 一体だけでもあれほど強力なギャラクトロンが、今度は大群で押し寄せてくる。しかも内浦に。例え様のない恐怖と重圧がのしかかってくるのを感じる。

 ガイの話によれば、ギャラクトロンMK3が破壊された内浦で奴の信号は途絶えたため、必然的に皆ここに集まってくるそうだ。

 

「それって、大体いつ頃になるんですか?」

 

「さあな。今日かもしれないし、明日かもしれない。とにかく警戒するに越したことはないって事だ」

 

 ガイはそう言うとジャケットを羽織って立ち上がった。

 

「とりあえずバリスレイダーが現れていないか見回りだ。戦闘力はギャラクトロンと比べるまでもないが、奴らも破壊活動は行う」

 

 確かにそうなっては町の人々が危ないだろう。

 ガイがお前等も来いと視線で訴えているので、陸も腰を上げようとするが、とあることを思い出して動きを止めた。

 今日は休日だ。見回りという事は町全体を徘徊するという事だし、もしかしたら練習中のAqoursとばったり鉢合わせしてしまうかもしれない。

 もう曜を除くAqoursのメンバーと顔を合わせないまま一週間が経っている。もしそうなったらその事について問いただされるのは間違いないだろう。数日前に彼女達が陸の家の前にいたのも、恐らくはその為。

 そうなってしまえば、今の不安定な精神状態がそうなってしまうか分からない。

 そして何よりも、自分のせいで大いに巻き込み、傷付けた九人の少女と顔を合わせるのが怖い。

 ガイに罪との向き合い方は教えてもらったはずなのに、それでも気持ちは逃げる方へと先行してしまう。

 

「・・・陸君? どうかした?」

 

「・・・ああ、いや・・・・・・。何でもないです」

 

 それでも無理矢理その気持ちを抑えこみ、陸は重い腰を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

 

 淡島神社。

 いつも通り階段ダッシュを終えたAqoursの面々は、地面にへたり込んで脱力しきっていた。平然としているのは果南のみ。

 いつもならもう一人、平然とした顔で花丸を背負う少年がいるはずなのだが。

 もうその彼が姿を見せなくなって、一週間が経過していた。

 

「それで曜。最近陸はどんな感じ? ちょっとは元気になってた?」

 

 果南が汗を拭きながら、唯一陸と会っている曜を見やる。

 曜はその問いに対して首を横に振った。

 

「・・・・・・顔は見せてくれるけど、なんか家に入れてくれない」

 

「・・・・・・露骨に怪しいね」

 

 新たに二体のウルトラマンが内浦に現れて以降、陸は曜を家に入れてくれなくなった。

 合鍵を持たせている曜を家に入れないとなると、もう何か隠している事は確実だろう。

 

「・・・なんか陸以外にも人の気配がするんだよね・・・・・・」

 

「えぇ? 怖い事言わないでよ・・・・・・」

 

「いや・・・、怖いの・・・・・・?」

 

「でも、どういう事なんでしょうね?」

 

 ルビィが疑問を口にしたのを皮切りに、全員首を傾げる。

 

「まさか天界の使者が憑依・・・・・・」

 

 善子のセリフはいつもの事だと軽くスルーし、ここ最近の陸の不可思議な行動に頭を悩ませる。

 

「・・・女性を連れ込んでたり・・・・・・」

 

 ぽつりとそんな事を口にしたダイヤに、鞠莉がニヤニヤしながら近づいていく。

 

「真っ先にそれが思いつくなんて、ダイヤは意外とおませさんだねー」

 

「なっ・・・! 何を言いますの! わたくしはただ可能性の一つとして・・・‥」

 

「そんな訳ない」

 

 黙っていた千歌が、少し強めの声で言い放つ。

 

「・・・・・・病院で見たでしょ? あんな辛そうな顔した陸ちゃん見た事ないもん。善子ちゃんもダイヤさんも、真面目に考えてよ」

 

「「ご・・・、ごめんなさい・・・」」

 

 明らかにいつもの彼女のそれではない声音に、思わず謝ってしまう善子とダイヤ。

 

「・・・千歌、いくら何でも・・・」

 

「っ・・・・・・」

 

 態度の辛辣さを指摘され、千歌も口を噤む。

 ここ数日ずっとこんな感じだ。陸の事が話題に出ると、こうして雰囲気が悪くなってしまう。

 特に千歌は、陸の事になると落ち着きを失うようになってきた。

 

「・・・・・・とりあえず、学校戻ろっか。最後にフォーメーション確認しないと」

 

「・・・うん」

 

「そうずらね・・・」

 

 状況を見かねた曜が切り出し、それに梨子と花丸が賛同する。

 それにつられて腰を下ろしていた面々も立ち上がり、ぞろぞろと学校へと続く道を進み始める。

 

(・・・陸ちゃん・・・・・・)

 

 小さい頃に出会って以降、ほとんど毎日顔を合わせてきた。

 一週間会わないというだけで、自分の中で歯車がどんどん狂っていくような感覚に苛まれる千歌。

 

「うぁっ・・・・・・」

 

 ロクに前も見ずに、その理由を模索しながら歩いていると何かにぶつかって尻餅を付いてしまった。何か固いものに触れたような感触ではなかったので、恐らく通行人か何かとぶつかってしまったのだろう。

 

「ごめんなさ――――――・・・・・・、え?」

 

 千歌は謝ろうと顔を上げ、そこで固まる。

 そこにいたのは、白いマスクと巨大なサーベルを装着した人型のなにか。

 つまりは、マグマ星人だったのだ。

 

「っ・・・!」

 

 皆咄嗟にリトルスターを宿しているダイヤを庇うように前に立つが、マグマ星人は千歌の前から動かない。

 

「千歌ちゃん‼」

 

 思わず固まってしまったが、曜の声ではっと我に返って逃げようと立ち上がるが、

 

『行かせるか・・・』

 

 その行く手を阻むように二体の宇宙人が現れたのだ。一体はハッキリと人型をしているが、もう一体はもはや何の生物に例えたらいいのか分からない宇宙人。

 

「アンタは―――うっ!」

 

 千歌に駆け寄ろうとした果南の首元に、マグマ星人がサーベルの切っ先をあてがう。

 

『久しいな。悪いが今回用があるのはこっちの娘だ。手は出さないでもらおうか』

 

「なんで千歌を・・・」

 

 詰め寄ろうとする果南だが、少しでも動けばマグマ星人は迷いなく彼女の首を貫いてくるだろう。今は睨みつける事しか出来ない。

 

『メトロン。ババルウ』

 

「ひっ・・・」

 

 マグマ星人の指示でババルウ星人が千歌を拘束し、メトロン星人がAqoursに向けてチューリップのような両腕を向ける。

 Aqoursがその異形の姿に慄く一方、ババルウ星人は羽交い絞めにした千歌を乱暴に引きずっていく。

 千歌も必死に抵抗はするが、所詮はか弱い地球人の少女、鍛えられた宇宙人に抗えるはずもなく、どんどん皆との距離を離されていく。

 

『我らが母船まで来てもらうぞ』

 

 やがてババルウ星人は立ち止まり、懐から取り出した装置のスイッチを入れた。

 すると足元に円状の光が発生する。ババルウ星人の言葉からして、これはその宇宙船とやらにワープするための手段なのだろう。

 

「放して・・・・・・!」

 

『っ・・・、この・・・、おとなしくしろっ・・・』

 

 滅茶苦茶に暴れて抵抗する千歌をおとなしくさせようと、ババルウ星人が拳を振り上げる。

 

「っ・・・・・・!」

 

 思わず間を瞑る千歌。

 

『ぐっ・・・・・・、うぅ・・・・・・』

 

 だが悶え出したのはババルウ星人の方だった。

 ババルウだけではない、マグマ星人も、メトロン星人も、何故か苦しそうに頭を押さえている。

 そんな千歌の耳朶に触れる、ハーモニカの音のような音楽。

 音色のする方へ目をやると、テンガロンハットを被った青年が一人、不思議な形状をした楽器を演奏しながらこちらに悠然と歩み寄ってきていた。

 

『この音色・・・・・・、まさかウルトラマ――――――ぐはぁっ⁉』

 

 何か言いかけたババルウ星人が吹き飛んで行くのと同時に、ごつごつとした固い何かが触れる。

 見上げれば、そこには。

 

「陸・・・ちゃん・・・・・・?」

 

 実に一週間ぶりにAqoursの前に姿を現す、仙道陸の姿がそこにはあった。

 

『貴様―――ぶはぁっ⁉』

 

 陸に向かってサーベルを突き出したマグマ星人も、テンガロンハットの青年に殴りつけられて地面を転がる。

 メトロン星人もいつの間にか現れていた三人目の青年によって倒されていた。

 

『ぐぅ・・・・・・引くぞ!』

 

 マグマ星人の指示で。ババルウとメトロンも尻尾を巻いて逃げていく。

 そんなものには目もくれず、千歌は一週間ぶりに幼馴染の少年の顔を見つめていた。

 そして気付く、

 

「ッ!」

 

 どうやら今陸に抱きかかえられているらしい。

 ほっと安堵すると同時に、嬉しいような気恥ずかしいような感覚が湧き上がってくる。

 

「・・・・・・怪我無いか?」

 

「う・・・、うん。ありがと・・・・・・」

 

 陸はそれ以上何も言わず、千歌を下すと呆然とそれを眺めていたAqoursを一瞥した後、この場を去っていこうとする。

 

「待って!」

 

 千歌は咄嗟にその手を掴み、陸を引き留める。

 そして何故か溢れてくる不可思議な感情を抑え、極力平静を装い、こう言った。

 

「・・・あの・・・さ、私達、この後フォーメーションの練習するんだけど・・・・・・、見てくれない・・・・・・かな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・嬉しそうね、千歌ちゃん」

 

「・・・うん・・・・・・」

 

 浦の星女学院へと続く道。

 曜は梨子の隣で、並んで歩く二人の少年少女の姿を眺めていた。

 梨子の言う通り、嬉しそうな笑みを浮かべて陸にくっつく千歌と、それを割とまんざらでもなさそうに引き剥がす陸。

 千歌も陸も、あんな表情は久しぶりに見た気がする。

 

(・・・・・・陸・・・)

 

 彼が久々にAqoursの練習に顔を出してくれるのは本当に嬉しい。嬉しい事には嬉しいのだが。

 曜の心には、何かもやもやとしたものが蟠っていた。

 曜も、何度か陸に皆心配しているからAqoursの練習に顔を出してくれと伝えていた。けれども陸が練習に現れる事は無かった。

 それなのに、千歌が誘ったら渋りながらもついて来てくれたのだ。

 一体曜と彼女で、何が違うのか。

 

「それでね、最近は練習終わりに皆でウチの温泉入っててね―――」

 

「‥・・・・・・離れろ・・・」

 

 余程嬉しかったのか。千歌は先程から陸が顔を出していなかった間に起きた事をくっつきながら語っている。

 曜では決して取り戻せなかったであろう、眩しい笑みで。

 一体曜と彼で、何が違うのか。

 共に過ごしてきた時は、変わらないはずなのに。

 

「・・・・・・・・・」

 

 何故その事で、これ程までに心が穏やかではなくなるのか。

 

「・・・・・・曜ちゃん? どうかした・・・?」

 

「・・・う、ううん。何でもない」

 

 不安気に顔を覗いてくる梨子に、曜は誤魔化す様に笑って見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ワンツースリーフォー、ワンツースリーフォー」

 

 浦女の屋上で、久しぶりにAqoursの練習風景を眺める陸。

 その少し離れた所で、ガイとリクはその光景を見守っていた。

 本当は顔を出すつもりは無かったのだが、あの二人が行けと無言のプレッシャーをかけてきたので仕方なくここに来た。

 銭湯で心境を吐露したガイはともかく、何故リクまで・・・・・・。もしかしてアイドルに興味があったりするのだろうか。

 少し恨めし気に二人を見た後、再び目の前でステップを取る九人の少女を見据える。

 ほんの一週間見なかっただけなのに、その姿がやけに懐かしく感じられる。

 そして実感する。やはり自分はここにいてはいけないと。

 ただ純粋に輝きを追い求める彼女達にとって、戦いに巻き込み、挙句の果てに自らの手で傷つけた陸は邪魔でしかない。

 陸がその事を再認識すると同時に、九人のステップが止まる。

 

「どうだった? 陸ちゃん!」

 

 その中の一人、千歌が真っ先に飛び出して感想を求めてきた。

 何故か、彼女がいつもよりも積極的に陸に話しかけてきている気がする。

 

「・・・・・・いいんじゃねーの」

 

 いつも通りに返すと、千歌は不満げに頬を膨らませた。

 

「もー! 陸ちゃんいっつもそれしか言わないじゃん! たまにはちゃんとした感想聞かせてよ!」

 

 そんな千歌の背後に忍び寄る、豪奢な金髪。

 

「ひゃうっ⁉」

 

「それだけじゃないんでしょ? ちかっちがりくっちに聞きたいこと」

 

 鞠莉は音もなく千歌の背後に立つと、尻を掴み上げ、肩に顎を乗せるという彼女じゃなかったら犯罪扱いされそうな行動と共に千歌に囁く。

 

「・・・・・・闇の仕草・・・、ジャグラー以外にあれを使いこなす奴が・・・・・・」

 

「あぁ~・・・・・・、レイトさんがやられてたやつか・・・・・・」

 

 何故かそれを見て驚愕の表情を浮かべるガイと、引きつり気味に笑うリク。

 それはさておき、千歌が陸に問いたい事とは何なのだろうか。

 薄々察しつつも陸が視線を戻すと、千歌は今までとは打って変わって新鮮な眼差しを向けてくる。

 

「・・・ねぇ、陸ちゃん。この一週間、一体何してたの・・・?」

 

 そして予想通り、陸のこの一週間の動向に探りを入れてきた。

 目を逸らそうとするが、何故か視線が彼女の目に固定されてしまって動かない。

 そんな陸の肩に、何者かが優しく手を乗せる。

 てっきりガイだと思った次の瞬間、尻を掴み上げられ、反対の肩に顎が乗っかってくる。

 

「お取込み中失礼」

 

「ういっ⁉」

 

 突然のセクハラに驚き、いつの間にか現れていた謎の人物から距離を取る。

 

「どーも♪」

 

 そこには黒いスーツに身を包む、紳士然とした男が佇んでいた。だが、その瞳には伺い知れない程の狂気が秘められているようにも見える。

 

「「ジャグラー(さん)⁉」」

 

 どう見ても不審者としか思えないその男に陸が身構えると、ガイとリクが駆け寄ってくる。

 どうやら二人の知り合いらしい。

 

「あの・・・、ガイさん? この人は・・・・・」

 

 今の事ですっかり警戒モードに入った陸が恐る恐るガイに問いかけると、代わりにその男が身を乗り出してきた。

 顔の輪郭が覚束なくなり、やがて魔人のような顔へと変貌する。

 

『私ですか? 私はこういう者で――――――』

 

「ッ‼」

 

 その寸前にガイが取り押さえ、男の顔は元の人間のものへと戻った。

 

「こいつはジャグラス・ジャグラー。仲間って訳じゃないが・・・・・・、まあ、切っても切れない腐れ縁って感じだ」

 

 やれやれと言った表情をするガイが、取り押さえたその男、ジャグラーを睨みつけた。

 

「お前・・・! バリスレイダーが出現していないかの見回りはどうした?」

 

 どうやらガイはジャグラーにも町の見回りを頼んでいたらしい。それならガイとリクの二人がここに来ている事も納得できる。

 だが何故見回りをしていたはずのジャグラーがここにいるのか。それでは今町は無防備な状態になってしまう。

 

「おいおい。俺がわざわざお前の言う事聞くと思うか? いい加減俺のキャラクター理解しろ」

 

 独特な喋り方で開き直るジャグラーに、ガイがこめかみを抑える。

 

「まあ、ここに来た事には意味があるんだがな」

 

「何・・・・・・?」

 

「見てろ。そろそろだ」

 

 狂気染みた笑顔から一変し、酷薄に目を薄めるジャグラー。

 その瞳が映す先には、いつも通りの内浦の空。何か特別変わった事は見受けられない。

 だがいきなり何を言い出すんだと思った次の瞬間、

 

「「「〈なっ・・・・・・!」」」〉

 

 陸、ガイ、リク、ゼロが同時に己の目を疑う。

 

「な・・・・・・何あれ・・・・・・」

 

 Aqoursも、驚きに目を剥いている。

 

「あれは・・・・・・・・」

 

 突然空に浮かび上がったのは、無数の巨大な魔法陣。

 そしてそこから降臨してきたのは――――――――――、

 

 

 

 

 

 ――――――――ゆうに三十体を超える、大量のギャラクトロンの姿だった。

 

 

 




ギャラクトロン三十体とか・・・。
どこぞの暗黒宇宙大皇帝が送り込んできた無双鉄神十三体が可愛く思えてくるわ。
もう皆さん大体お察しだと思いますが、当然ながら劇場版ウルトラマンジードを踏襲しております。ギルバリスは出ないけどね。



それでは次回で! (いろんな意味で)決めるぜ! 覚悟!
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