期待を抱く反面、またニュージェネレーションアンチが何か言ってくるんじゃないかという不安もありますな。μ’s原理主義者Aqoursアンチみたいな感じで。
きっとウルトラマンをラブライブで例えるのならばメビウスまでがμ’sで、ゼロ以降がAqoursなんだろうな。そう言った意味でもラブライブとウルトラマンは本当に似ている。
長々とすみません。要するにルーブめっちゃ楽しみって事です。
今回からアニメ十二話の話です。個人的にこの話は結構好き。
「『デェェェヤッ!」』
『ッ――――――‼』
ゼロは早くもゼロビヨンドへと変身を遂げ、一角超獣バキシムとの戦闘を繰り広げていた。
住民は既に避難を終えたので、本来は町に人はいないはずなのだ。
そう、本来は。
「「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」」」
炎天下の中、轟音を背にAqours面々は緊張した面持ちで携帯の画面を見つめていた。
先日行われたラブライブ予備予選。その結果がもうすぐ発表となるのだ。
「まったく! どれだけ待たせるんですの⁉」
「あーもうこういうの苦手~! ちょっと走ってくる!」
「落ち着いて・・・」
「あんまり食べてると太るよ?」
「食べてないと落ち着かないずら~・・・」
皆落ち着かない気持ちを誤魔化そうとしているが、それでもやはりそわそわしてしまってならない。
なにせ初の予備予選結果発表なのだ。そりゃあ緊張もするだろう。
「リトルデーモンの皆さん・・・。この堕天使ヨハネに魔力を・・・霊力を・・・全ての・・・力を!」
善子は自分を中心に魔法陣を展開し、複数の蝋燭に火を灯しながら何やら怪しい儀式を執り行っているが、
「『ハアァァァァァァ!」』
『ッ―――!』
「消すな―――!」
バキシムが地面に叩きつけられた衝撃で地響きと共に風が吹き、蝋燭の火を全て消してしまう。
「あっ! 来た!」
スマホを凝視していた曜が声をあげ、皆一斉に彼女の元に駆け寄る。
「・・・ラブライブ・・・、予備予選・・・合格者・・・・・・」
「Aqoursのア、ですわよア! ア! ア~!」
「『オォウラァ!」』
ここにいる全員集まるのと同時に、予選突破グループの名前が液晶画面に映し出される。
そして曜が読み上げた一番上のグループの名前は――――――、
「イーズー・・・エクスプレス・・・・・・」
皆の心情を現すかのように、今しがた吹いた風とはまた別物のひゅ~という冷たい風が駆け抜けていく。
「うそ!」
「落ちた・・・・・・」
「そんなぁ~~」
「・・・・・・あ、エントリー番号順だった」
落胆していたメンバーが全員同時にずっこけたのを尻目に、曜は再び画面に視線を戻す。
「イーズーエクスプレス・・・、グリーンティーズ・・・・・・、ミーナーナ・・・・・・」
何度か画面をスクロールすると、「Aqours」の文字を発見することが出来た。
「Aqours・・・・・・!」
「予備予選・・・・・・突破・・・・・・」
『バルキーコーラス!』
『――――――ッ‼』
八つの球体から発射された破壊光線がバキシムの身体を貫き、次の瞬間には大爆発を起こした。
「「「「「「「「やったぁぁぁぁぁぁぁ‼」」」」」」」」
爆音と共に突風が吹きすさぶが、それに構わずAqoursは大いに喜んだ。
そしていい加減この異様な光景にツッコむ者が二人。
「『お前等少しは危機感っつーモンを感じろぉぉぉぉぉぉぉぉ‼」』
「さあ! 今朝獲れたばかりの魚だよ! 皆食べてね!」
果南が上機嫌で捌いた大量の舟盛り刺身が、部室のテーブルを占拠していた。
予備予選突破祝いという事で、彼女が用意してくれたものだった。サザエやウニも添えられており、相当な豪華さだ。
「・・・なんで、お祝いにお刺身なの・・・?」
「だって、干物じゃお祝いっぽくないかなって・・・」
「干物以外もあるでしょ・・・・・・、夏ミカンとか!」
「パンとか!」
「・・・いや、それよりな・・・・・・」
各自ただ自分が食べたいものを口にしていく中、一人釈然としない表情をする陸。
『・・・避難しろよお前等。死にたいのか?』
ブレスレットからゼロの不満の声も漏れる。
予選結果発表前の緊張もあったのだろうが、怪獣が出現したのに逃げないというのは如何なるものかと思う。
「まーまー。勝ったんだしいいじゃん」
『信頼されているのは嬉しい限りだが・・・・・・、万が一の事もある。今度はちゃんと避難しろよ』
「はいはい」
完全に聞き流されていた。勝敗以前にまず戦闘に巻き込まれる危険性もあるのだし本当にちゃんと避難して欲しいものだ。
「見てください!」
陸が溜息をつくと、パソコンを持ったルビィが慌てた様子で部室に駆け込んでくる。
「何? どした?」
「PVの再生回数が・・・」
先日の予選で歌った曲も、PVとしてネットに投稿していたのだ。
ルビィの言葉の通り再生回数は過去に無い程伸びており、何と十五万回を超えていた。
「私達のPVが⁉」
「凄い再生数!」
「それだけじゃなくて、コメントもたくさん付いていて!」
「可愛い・・・」
「全国・・・出てくるかもね・・・・・・!」
「これは・・・ダークホース・・・」
「暗黒面⁉」
PVを視聴した方々の評価もいいようだ。
手厳しいコメントもいくつか見受けられるが、それでも高評価の方が圧倒的に多い。
「よかった、今度はゼロじゃなくて・・・・・・」
「当たり前でしょ! 予選突破したんだから、ゼロなんてありえないわよ!」
『・・・俺自身を否定されている訳ではないのは分かっているが・・・・・・、それでもちょっとくるものがあるな・・・・・・』
ゼロを除く皆のテンションが上がっている中、不意に千歌の携帯が鳴る。
「梨子ちゃんだ!」
携帯の画面を確認するや否や、それを自身の耳に押し当てる千歌。
『予選突破、おめでとう!』
梨子も予選結果を確認したらしく、携帯から彼女の称賛の言葉が聞こえた。
「ピアノの方は?」
『うん。ちゃんと弾けたよ・・・。探していた曲が・・・、弾けた気がする』
「・・・良かったね・・・・・・」
ダークザギに操られたりと色々あったが、梨子の方もうまくいったようだった。背中を押した陸としては、嬉しい限りである。
「じゃあ、今度は九人で歌おうよ! 全員揃って! ラブライブに!」
「・・・曜ちゃん・・・・・・!」
当たり前の事を言う曜を、何故か嬉しそうに千歌が見やる。
(・・・どうなってんの?)
〈・・・・・・ま、お前は気付かないよな・・・〉
やれやれといった口調のゼロに、余計に首を傾げる陸。
『そうね・・・、九人で!』
「そしてラブライブで有名になって、浦の星を存続させるのですわ!」
「かんばルビィ!」
「これは学校説明会も期待できそうだね!」
「説明会?」
「うん。セプテンバーに行う事にしたの」
「九月か・・・」
九月ならば夏休み終盤に執り行われるラブライブ予選の後なので、それを見て入学を希望する者も出てくる。
それに多少は涼しくなることもあり、まさしく絶好のタイミングだと言えるだろう。
「きっと、今回の予選で学校の名前もかなり知れ渡ったはず・・・・・・」
「そうね。PVの閲覧数からすると、説明会の参加希望の生徒の数の・・・・・・」
意気揚々とスマホで学校のサイトを開いた鞠莉だが、突然その表情と言葉が固まった。
「・・・・・・鞠莉さん・・・?」
何か不穏なものを感じ取ったのか、ダイヤが恐る恐る顔を覗くと、鞠莉は心ここにあらずと言った様子で呟いた。
「・・・・・・ゼロ・・・」
「・・・へ?」
「・・・ゼロ・・・・・・だね・・・・・・」
『呼んだか?』
「すっこんでろ」
「・・・・・・ゼロ・・・?」
鞠莉の言葉の意味を理解し、少女達が愕然とするのに時間はかからなかった。
「はぁ・・・・・・、またゼロかぁ・・・。もう何なのぉー!」
『うぐっ・・・・・・!』
「おい千歌。その辺にしとけ。いらん二次災害が発生してる」
「あはは・・・」
果南の家のダイビングショップのテラスにて、千歌がかき氷をつつきながら文句を垂れる。
「ゼロに愛されてるねー」
「嬉しくなーい・・・」
『ごあっ・・・・・・!』
「だから辞めろとゆーとるに。曜も余計なこと言わんでいい」
中の奴が千歌の発言でいちいちダメージを負っているので、とりあえず入学希望者がゼロ人だった事からは話を逸らす。
「・・・だがいくら何でもこの結果はな・・・・・・。やっぱ入学希望となると話が別なのかねー」
「だって、あれだけ再生されてるんだよ? 予備予選終わった帰りだってあんなに大人気だったじゃーん!」
千歌の言う通り、予備予選を終えた帰りは大勢のファンがAqoursの元に押しかけた。
果南はサイン、曜はツーショット写真を求められ、ルビィは握手を望むファンに追っかけ回されていた程に。
「これで生徒が増えなかったら、どうすればいいんだろ・・・」
千歌がスプーンを咥えたまま身体を後ろにのけ反らせる。
今の浦の星女学院にとって入学希望者数を増やす唯一の希望がこのスクールアイドル活動なのだ。
それによる功績が芳しくない今、何か別の策を講じるのも一つの手なのかもしれない。
「そう言えば、μ‘sはもうこの時期には廃校を阻止してたんだよね」
「へえ⁉ そうだっけ⁉」
「うん。学校存続が、ほぼ決まってたらしいよ」
「半端ねぇなμ‘s・・・・・・」
廃校の危機に瀕していた学校を半年足らずで救ってしまうとは・・・、流石は伝説のスクールアイドル。
「・・・まあ、そうは言っても向こうは東京だ。内浦と違って色んなものが揃ってるし、その分人もたくさんいる」
「・・・差、あるなぁ・・・」
「仕方ないんじゃないかな~。ここでスクールアイドルをやるって事は、それほど大変って事」
仕事をしていたらしい果南が、ダイビングスーツを脱ぎながら陸の隣に腰を下ろした。
スーツの下に隠れていたビキニが露わになり、濡れている事もあってより扇情的に見える。
別に小さい頃からずっとこんな感じなのでもう慣れっこだが、多少は躊躇して欲しいものだ。
「ウチだって今日は予約ゼロ。東京みたいにほっといても人が来るような所じゃないんだよ? ・・・ここは」
妙に説得力のある果南の言葉に、数秒間の沈黙が舞い降りる。
彼女の言う事は正しい。何をするにも人が足りないのだ、この町は。
「・・・・・・でも、それを言い訳にしちゃだめだと思う。それを分かった上で、私達はスクールアイドルやってるんだもん」
その沈黙を破った千歌が、決意表明でもするかのようにかき氷を口の中にかっ込んでいく。
「お、おい・・・‥、そんな急いで食ったら・・・」
やがてかき氷を全てかき込み、その場を飛び出す。
「千歌ちゃん⁉」
「一人でもう少し考えてみる!」
そう言って自分の家に向かって駆け出した千歌だが、急に立ち止まった頭を抱えた。
どうやら今になって頭痛が来たらしい。
「うぅ・・・・・・! きたぁ・・・!」
「・・・・・・ヤプールがもう復活してる?」
その日の夜。曜の家で衣装づくりを手伝わされていた陸にゼロはとある可能性を提示してきた。
『ああ、昼間に現れたバキシム。アイツも立派な超獣だ』
「ヤプールっつーと、この前ギロン人が言ってた奴だよな? 前も聞いたけどどんな奴なんだよ?」
以前はゼロが無精がって話してくれなかったが、奴が復活している可能性がある今話さない訳には行かないだろう。
『・・・異次元に住んでいるとある知的生命体で、かつて別宇宙で怪獣より強い超獣を使って地球侵略を目論んだ連中の事だ。とにかく卑劣で・・・・・・一言で言うなら、悪魔だな』
「そんなのがどうしてこの地球にいるんだ?」
『さあな。ダークザギみたいに誰かを追っているのかもしないし、はたまた別の理由――――』
「? 何の話してるの?」
トイレに行っていた曜が部屋に戻って来て、会話は強制的に終了させられる。
〈・・・とにかく用心しとけって事だ。復活しているなら、いつどこでどんな手を取って来てもおかしくない〉
(・・・・・・了解)
話を聞いた限りでは、ダークネスファイブと同等、もしくはそれ以上の狡猾さを備えているという事が伺えた。
新たな脅威の出現に不安を感じながらも、曜と共に衣装の採寸に戻る。なんでもすこし前に沼津の商店街の方から出演のオファーがあったとかそんな。
衣装代は向こうが出してくれるので部費には響かず、地元や学校のPRも出来るという事もあって予選を控えたこの時期に受けてしまったのだ。
「・・・・・今考えると結構なハードスケジュールだよな。予選前にぶっ倒れるなよお前」
「大丈夫だよ。こうして手伝ってもらってるしねー」
正直採寸など全体の作業から見たら大したことではないが、それでも曜は嬉しいらしい。
もとより拒む気はないし、少しでも彼女の負担を減らせるなら協力は惜しむまい。
そうして腕を動かす事数分、陸と曜の携帯電話が同時に着信音を鳴らす。
「なんだ? この時間に・・・」
「千歌ちゃんからだね・・・」
先日作ったAqoursのグループで、千歌からグループ全員への電話だった。
「「もしもし?」」
『あ、二人とも出た!』
どうやら自分達が最後だったらしく、既に千歌以外の皆の声も聞こえる。
「で? 一体何の用だ?」
「こんな時間に掛けてくるなんて珍しいね」
『まあ、訳があるんですよ訳が・・・・・・』
むしろなかったら困る。訳もなくこんな時間にグループ通話をしていたならば、今すぐ高海家に乗り込んで殴りに行っていた。
『あのね、もう一度東京に行こうって思ってるんだ!』
「「・・・・・・え?」」
あんだけ頑張って入学希望者ゼロはくるものがある。Aqours皆メンタル強すぎじゃないですかね? 次回は東京にレッツゴーです。
ちなみにポロっと本編で書いた商店街でのライブって言うのは、この話が終わったあとにオリジナル回書くからです。だから話を進めろよ俺。
あ、あとちょっと運命(テスト)に抗って点数をゼロからイチにしないといけないので次の火曜日は投稿しません。日頃からこの作品を読んでくださっている方には申し訳ございません。
それでは次回で!