ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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連日投稿三日目。これくらいならまだ余裕。・・・多分五日目以降は死にかけてんだろうな。

それよりAqoursの皆様、3rdライブ千秋楽お疲れさまでした!
天候絡みの福岡公演の事や、東京ドゥームの件について色々と騒いでる連中もいるようですが、次もぜってーそれに負けないくらい応援してやる。
だから4thライブのチケット当たってお願いぃぃぃぃぃ‼(切実)


さ、勝手に騒いでろよって事で、本編どうぞ。最近前書きのテンションたけーな。


六十四話 君に会えたから

 

 

 まだルビィが小さかった頃、町に怪獣が現れました。

 

『キシャァァァイヴゥヴウゥゥゥゥゥゥ‼』

 

「ひぐっ・・・! あぁうっ・・・!」

 

 その怪獣は突然現れて、町を滅茶苦茶に壊してしまいました。

 怖くて、痛くて、ルビィはずっと震えながら泣いていました。

 いくら泣いても、いくら叫んでも、周りの人は誰も助けてくれなくて。

 むしろ皆我先にと逃げることに必死で、小さかったルビィはいつの間にかお姉ちゃん達ともはぐれちゃって、ずっとずっと泣いていました。

 その時は怪獣が突然姿を消してくれたおかげで助かったけど、六年後にまた怪獣が現れました。

 

『ヴァァヴゥゥゥゥゥゥ・・・!』

 

「う・・・・・・、うゅ・・・‥」

 

「ルビィちゃん! 早く逃げないと・・・!」

 

 高校生になっても、やっぱり怪獣が怖くて動けませんでした。

 周りの人が助けてくれることはなくて、ルビィのせいで花丸ちゃんまで逃げ遅れちゃって。

怪獣の攻撃が飛んできた時は、もうダメかと思いました。

 

 

 

 ―――でもルビィが今ここにいるのは一人の先輩と、一人の巨人さんがいたからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『で、どうして俺達をここに連れてきた』

 

 帰り道。いきなりメトロン星人と遭遇したと思ったら、何故かメトロン星人の住処となっている廃アパートに招待された。

 警戒心を隠そうともしないゼロが敵意を剥き出しに問いかけるが、メトロン星人は今さっきルビィに書いてもらったサインを上機嫌で眺めていて答える気配がない。

 

『おい。聞いてんのかカラフル野郎』

 

『え? あ、ああすまない。あまりに嬉しかったもんで』

 

 人間態になっていない宇宙人の表情など地球人の陸には分からないはずなのに、何故かその顔はものすごく弛緩している様に見える。

 メトロン星人は色紙を棚に飾ると、ちゃぶ台を挟んで陸達の正面に腰を下ろした。

 

『ほら、そんなに警戒してないで座りたまえ』

 

「・・・・・・」

 

 一応言われた通りに座ったが、まだ警戒心を解いてはいけない。

 こいつは前に他の宇宙人と徒党を組んで千歌を誘拐しようとしていた。今のところ敵意は感じないが、今回も何か企てているという可能性がないとは限らないからだ。

 

『とりあえず自己紹介と行こうか。私はメトロン星人のルイズ。君はゼロと一体化している仙道陸君だね?』

 

「・・・・・・そうだけど・・・」

 

『そっちは黒澤ルビィちゃんだろ? さっきはサインありがとね』

 

「は、はあ・・・・・・」

 

 ルイズと名乗ったメトロン星人にお礼を言われたルビィはまだ怯えているのか、しっかりと陸の背後に隠れながら答えた。

 

「・・・・・・アンタ、ダークネスファイブの仲間じゃなかったのか?」

 

『それが俺達に何の用だ』

 

 陸とゼロの問いに、ルイズはばつが悪そうにチューリップのような腕で頭を書いた。

 

『いやね。最初はダークネスファイブに言われて君達の監視をしてたんだよ』

 

「・・・・・・最初は・・・?」

 

 陸が首を傾げると、ルイズが首を縦に振る。

 

『でね、ある日母星の発明品の実験も兼ねてAqoursのライブに言った訳さ。人の理性を狂わせるライトを使って、君達のライブと友情を滅茶苦茶に――――――ちょっと待って陸君その武器しまってお願い⁉』

 

 話の途中で陸がゼロランスを取り出すと、大慌てでそれを宥めようとしてくる。

 キャラクターと言い口調と言いどことなくオウガに似ている為、話の内容も相まって思わず攻撃態勢に移ってしまった。

 

『気持ちは分かるけど話は最後まで聞いてくれ! もう私は君達に危害を加えるつもりはない!』

 

『・・・なんだと?』

 

 もう陸やAqoursに手を出さないとなると、必然的にダークネスファイブの命令に背くことになる。

 彼がその結論に至った経緯は確かに気になるので、陸はゼロランスをしまって再び床に座り込んだ。

 

『いいかな? 今言った通り、最初はこの《宇宙ケミカルライト》を使ってAqoursやそのファンを凶暴化させて、人間同士の信頼関係を壊すつもりでいたんだ。何故かは分からないけど、そう言う命令だったからね』

 

 そう言うとルイズは、その《宇宙ケミカルライト》とやらを目の前で掲げて見せた。

 見た目はライブなどで観客が持っているサイリウムと全く同じもので、これをサイリウムだと言われて渡されてもあっさり信じてしまう程だ。

 どうやら近年のスクールアイドル人気を利用しようとしていたらしい。

 

『それで、いざこの前のライブで実行してみたんだけど・・・・・・、不思議なことに全く効果を示さなくてね』

 

『故障でもしてたのか?』

 

『いや。ライトが付いた時点できちんと起動はしていたんだよ。でも、君達Aqoursと、そのパフォーマンスを見ていた人間にはいつまで経っても効果が現れなくて・・・・・・、どういう事だと思ってステージで歌う彼女達の方を見た訳さ。・・・・・・そしたら』

 

「・・・・・・そしたら?」

 

『・・・・・・気付いたら全力でケミカルライトを振り回し、見事にハマっていたよ。Aqoursというスクールアイドルにね』

 

 あまりに予想外な答えに拍子抜けし、ずるりと滑ってしまう。

 エージェントが任務対象に魅了されてうつつを抜かすのは一番やってはいけない事だと思うのだが。

 でもダークネスファイブの中にもAqoursのライブを見に来ていた奴がいると千歌に聞いたし、上司が上司なら部下も部下だろう。

 

『それからというもの、ベリアルの復活とか全宇宙の支配とか、なんかもうどうでもよくなっちゃてね。ライブ繋がりで地球人の友達も出来たし、ダークネスファイブの元にいた時には味わえなかった充実感を味わえた』

 

 オウガと言いグロッケンと言いヴィラニアスと言い。何でこう、宇宙人って尽くスクールアイドルにハマるのだろうか。

 これならウルトラマンが宇宙警備隊を結成するより、地球人が全宇宙に対してスクールアイドルを披露する方がよっぽど平和になる気がする。

 

『・・・なんかヒカルとショウの奴から同じような話を聞いたことあるな・・・』

 

『ああ、ジェイスの事かい? ずっとメトロン星の面汚しと思っていたんだけど・・・・・・、今となってはその気持ちがよく理解できる。きっと彼も私と同じ気持ちだったんだろうね』

 

「あ、アンタが初めてじゃなかったのね・・・」

 

 そんなんで大丈夫なのだろうかメトロン星は。

 陸に母星の心配をされているとは露知らず、ルイズは胸に手を当てながらルビィの事を見据えた。

 

『私は君の事を押していてね。今日サインを貰えたことは本当に嬉しく思うよ』

 

 そう言うルイズはもう侵略者には見えず、ただ純粋にスクールアイドルを愛するただのオタクだ。

 

『悪の星の元に生まれ、侵略者として名を馳せた種族の出身でも、こうして平和な種族と友好的に関われる切っ掛けを与えてくれたのは紛れもなく君達だ。・・・・・・過去に私がやった事を考えればこんな事を言うのは可笑しいのだろうが・・・・・・・・・ありがとう』

 

 ぺこりと頭を下げられ、陸もルビィもどう返したらいいのか分からなくなる。

 

『これからはここでひっそりと暮らしていくつもりさ。任務を放棄した私を、ダークネスファイブが放っておくとは思えないからね。・・・・・・こんなものまで発現しちゃったら尚更だよ』

 

「『っ・・・!」』

 

 それでもAqoursのライブは参加するけどね、と笑ったルイズの胸には、赤色の光の球が宿っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・宇宙人さんって、悪い人ばかりじゃないんですね・・・・・・」

 

 ルイズの住まう廃アパートを後にし、陸はルビィと共に再び帰路を進んでいた。

 

「・・・・・・ルビィ・・・、ずっと宇宙人さんは怖い人ばっかりだって思ってました。・・・花丸ちゃんが捕まえちゃった人みたいな・・・・・・」

 

『まあ、あんときのガッツ星人は正真正銘の下衆野郎だったが・・・・・・、友好的な宇宙人だって山ほどいる。現に俺だって宇宙人だからな』

 

「それは・・・・・・、そうなんですけど・・・」

 

 辺りはすっかり暗くなっており、月明かりがぼんやりとルビィの顔を照らす。

 

「・・・いい人なのに、隠れて生きていかないといけないなんて・・・・・・」

 

 ルビィの言いたいことは分かるが、ルイズだって日陰者になる覚悟で悪事から足を洗ったのだ。それくらいは彼も割り切っているだろう。

 問題は、彼に宿っているリトルスターだ。

 

(・・・宇宙人も、リトルスターを発症するんだな)

 

〈別に不思議な事じゃない。カレラン分子さえ体内にあれば、ウルトラ戦士以外の生命体は皆リトルスターを発症する可能性はあるんだ。・・・・・・それよりどうする? 裏切った上にリトルスター発症となれば、いよいよ本格的にダークネスファイブはカラフル野郎の事を見逃さねーだろうよ〉

 

(・・・・・・)

 

 陸はちらりと隣のルビィを一瞥した。

 もしルイズがダークネスファイブに殺されたとなれば、きっと彼女は悲しむだろう。

 だが陸はまだ千歌を攫おうとしたルイズの事を許した訳ではない。本人が反省していても、その罪は消えないからだ。

 

(・・・・・・助ける義理はない)

 

〈・・・・・・そうか。・・・まあ、仕方ねーわな。どうするかはその時に決めよう〉

 

 今はルイズの事より、明日のイベントでのライブだ。

 地域、Aqours、そして何より浦女の宣伝になるのだ。明日のイベントの重要性は高い。

 もう千歌やダイヤも打ち合わせを終えて家に帰っているだろうし、ルビィを家に送ったら千歌に何を話したのかを聞くとしよう。

 

(・・・・・・・・・ん? 打ち合わせ終わった?)

 

 何かとてつもなく嫌な予感がし、恐る恐るスマホの画面を確認する。

 

 ・・・・・・そこには、十件を超える黒澤ダイヤからの着信やメールの履歴が・・・・・・。

 

「はわわ・・・・・・・・・」

 

 ルビィも自分の携帯に届いていたメッセージに気付き、青い顔でプルプル震えていた。

 互いに、全く気付いていなかったのである。

 

「せせせせせせ先輩・・・・・・、おねっ・・・、お姉ちゃんすっごく怒って・・・・・・」

 

「・・・・・・終わった」

 

 この後二人仲良く説教された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・陸先輩、昨日ルビィちゃんとな~にしてたずら・・・・・・?」

 

「・・・・・・顔が怖いんだけど・・・」

 

 翌日。

もうすぐライブが始まる商店街に顔を出すと、いきなり花丸がジト目を向けてきた。

 心なしか不機嫌に見えるのは、陸がルビィに何か変な事をしたと思っているからだろうか。

 

「えーと・・・、昨日はめと――――」

 

「めと?」

 

「・・・いや、何でもない」

 

 花丸がルイズと関わることで危険な目に遭う可能性は否定できない。そう考えると彼女に昨日の事は話さない方がいいだろう。

 だがその事をご理解いただけなかったようで、花丸は余計に不機嫌そうな顔で詰め寄ってくる。

 

「・・・先輩が話さないって言うならおらにも考えがあるずら・・・・・・、善子ちゃん!」

 

 花丸が名を呼んだ瞬間、傍らで今のやり取りを見ていた善子が一瞬で陸の背後に回り込んできた。

 

「ヨハネよ! けど陸! リトルデーモンの分際でこの私に隠し事など百年早いわ! 堕天流――――――うえっ?」

 

「ずらっ⁉」

 

 掴みかかってくる善子を身を翻してかわし、軽く背中を押して勢いのままに花丸と衝突させる。

 そして、

 

「堕天流鳳凰縛」

 

「ずらぁぁぁぁぁぁ⁉」

 

「よはぁぁぁぁぁぁ⁉」

 

 以前喰らった際の感覚を元に善子のコブラツイストを完全再現し、二人の関節を同時に締め上げた。

 

〈あん・・・・・・?〉

 

 花丸と善子が悲鳴を上げる中、ゼロが本来このグループにいるはずの少女がいないことに気が付く。

 

〈・・・・・・ルビィの奴、どこ行った?〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ・・・・・・」

 

 ライブを見るために集まった人の中から、ルビィは昨日会ったメトロン星人ルイズを探していた。

 

「・・・・・・る、ルイズさーん・・・?」

 

 ルイズは、ルビィに宇宙人は怖い者ばかりではないと教えてくれた。

 彼はもう受け入れている様子でいたが、やはりいい人が堂々と生きていけないのは心が痛い。

 だからせめてライブは楽しんでいってください、そう伝えたかったのに。

 

「・・・め、メトロンさーん・・・・・・?」

 

 一応知りうる限りの呼び名を投げかけたが、ルイズからの返答はなかった。

 

「・・・・・・メトロンだと・・・?」

 

「ピギィ⁉」

 

 代わりに見覚えのない男に隣に立たれ、ルビィは驚き声を上げる。

 

「・・・おい娘。貴様の言うメトロンとはメトロン星人の事か」

 

 全身黒尽くめの如何にも怪しい男で、全身から殺気を放つその姿はルビィを警戒させるには十分だった。

 そしてすぐに理解する。この男はルイズが所属していた組織の者で、裏切った彼を始末しに来たのだと。

 とにかくここは誤魔化さなくては。

 

「・・・・・・うゅ・・・」

 

 と思ったのだが怖くて言葉が出せない。

 スカルゴモラやベロクロンが現れたあの時から全く成長していない自分が情けなく思える。ここでなにかうまく言い訳しなければ、ルイズに危険が及ぶかもしれないのに。

 そしてそんな様子を見て、男はルビィがルイズと何かしらの関りがある事に気付いてしまったらしい。

 

「・・・・・・やはりな」

 

「ぴ――――――」

 

 逃げようとするよりも早くうなじに手刀が叩き込まれ、重い衝撃と共にルビィの意識はブラックアウトした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・! おいカラフル野郎!』

 

 ルビィを探して商店街を走り回っていた陸は、人間態となったルイズを見つけてその近くに駆け寄る。

 

「おや陸君。どうかしたのかい?」

 

 中年の男性に姿を変えたルイズは頭に鉢巻き両腕にサイリウムを装備しており。もう本当にただのドルオタと化していた。

 もう初めて遭遇した時の面影皆無となった彼に、陸は真剣な面持ちを向ける。

 

「アンタ、ルビィちゃんの事見なかったか?」

 

「いや、見てないけど・・・・・・。・・・ルビィちゃんに何かあったの?」

 

「なんか人を探しに行ったらしいんだが・・・・・・、アンタのとこじゃなかったのか・・・」

 

「何・・・?」

 

 陸の言葉に、ルイズは眉を寄せた。

 

「・・・・・・もうそろそろ始まるってのに・・・、どこ行ったんだよ・・・」

 

「・・・もしかしたら、私の追っ手に捕まってるのかもしれない」

 

「え?」

 

「・・・・・・もう音声不審になってから結構経つし・・・、どこに追手がいてもおかしくないんだよね・・・。もしルビィちゃんが本当に私の事を探してたなら、捕まって人質になってるなんてことも十分に―――――」

 

 直後、ルイズの震え声をかき消すように人々の悲鳴が響いた。

 それと同時に猛々しい叫びが上がる。

 

『メトロン星人‼ 聞こえているか⁉』

 

「・・・・・・この声・・・」

 

「っ! おい⁉」

 

 自身を呼んだその声に聞き覚えがあったのか、ルイズは青い顔で駆け出し、商店街のゲートを抜けて空を見上げた。

 そしてそこにいたのは、

 

「ッ! アイツはっ・・・!」

 

『マグマ星人⁉』

 

「やっぱりか・・・・・・・・・」

 

 悔しそうに呻くルイズが見上げる先はマグマ星人の掌に載せられた透明な球体。

 その中にはルビィが目を閉じて横たわっていた。どうやら本当に捕まっていたらしい。

 

「あの野郎・・・!」

 

『陸、行くぞ!』

 

「言われるまでも―――――ってオイッ⁉」

 

 陸がブレスレットからウルトラゼロアイを取り出すよりも早くルイズは本来のメトロン星人としての姿に戻り、巨大化してマグマ星人と対峙していた。

 

 

 

 




はい。ルイズは完全に名前が変わっただけのギンガSのメトロン星人ジェイスですね。

ふと思ったけど、こうしてルビィちゃん単体で被害に遭わせたのは初めてな気がする。
単純な被害率でもルビィちゃんダントツで低いしね。二年生は事あるごとに巻き込まれてるけど。

さて、ルビィちゃんを捕らえてしまったマグマ星人に立ち向かっていったルイズですが、一体どうなってしまうんでしょうね?


それでは次回で!
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