ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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なんか福岡公演の時のキャストの皆様の意味深な言動からAqours解散説が上がってるって聞いたんすけどマジですか?

いつか終わると分かっていても、それを実感するとやはり寂しいものがありますな。
まあ、まだ決まった訳じゃないけどね。でもFINALが大学受験と被ったら死ぬ。
・・・4thライブで発表される可能性も無きにしも非ずだし、心折れる前に完結させねーと。

ちゅー訳で本編どうぞです。ルビィ回最終話だぜ。



六十五話 小さな恋のうた

 

 

 

『出てきたか・・・・・・、メトロン星人』

 

 逃げ惑っていた人々は、何やらマグマ星人との間にただならぬ雰囲気を漂わせるカラフルな宇宙人を見上げていた。

 

『アイツ・・・・・。殺されるって分かってて出て行きやがった・・・・・・』

 

「・・・そこまでルビィちゃんの事・・・」

 

 陸とゼロも見守る中、ルイズはマグマ星人の持つ球体に腕を向けた。

 

『その子を離してもらおうか。貴様の狙いは私だろう?』

 

『まさか本当に出てくるとはな。そんなにこの娘が大事か』

 

『その子は、その子の仲間たちは、例え侵略宇宙人として生まれても、他の星の者と平和的に関われる事が出来ると教えてくれた。運命は変える事が出来ると教えてくれた! 私はその恩を返したいだけだ! さあ、早くその子を解放しろ!』

 

『はっ・・・、愚かしい。よもやそこまで地球人に毒されているとはな。・・・・・・ほらよ』

 

 ルイズはマグマ星人が乱暴に投げつけた球体を丁寧にキャッチすると、しゃがみ込んで陸とゼロの目の前に置いた。

 こつんと硬質な音がした後球体は弾け、中にいたルビィがそっと地面に下される。

 

『陸君、ゼロ。彼女の事を頼んだ』

 

 ルビィに怪我などがない事を確認すると、再び立ち上がってマグマ星人を見据える。

 

『・・・手荒な真似をしてくれたな』

 

『目的のためには手段を選ばないのが我々のやり方だろう? 貴様の十八番だったじゃないか』

 

『だからこそその行為が如何に卑劣なものかが分かるのだ』

 

『ふっ・・・、今更何を抜かすか・・・。やはり貴様は抹殺処分だ・・・・・・。出でよ! ケルビム‼』

 

 マグマ星人が指を鳴らすと突如地響きが轟き、硬いコンクリートで舗装された道路がせり上がった。

 

『―――――――ッ‼』

 

 咆哮と共に地中から現れたのは、頭の角と耳部から生えた鎧状の鰭が特徴的な怪獣――――宇宙狂険怪獣ケルビムだった。

 

『君と君達のステージは必ず守る!』

 

 だがルイズはケルビムを見ても物怖じする様子はなく、それどころか大地を蹴って猛然と突進していく。

 

『ッ! アホ! ケルビム相手にそんな不用心に突っ込む奴があるか‼』

 

『があぁぁぁ・・・⁉』

 

 ゼロの忠告も聞かずに突撃していったルイズは、ケルビムの両腕に生えた鋭利な爪により敢無く跳ね飛ばされてしまう。

 

『フッ!』

 

『くっ・・・・・・!』

 

 追撃に襲いかかったマグマ星人のサーベルを転がって回避し、たまらず二体から距離ととるが、

 

『ッ――――――‼』

 

『ぐああぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉』

 

 先端に鋭い棘が何本も生えたケルビムの尻尾に打たれて吹き飛ばされた上に、更に奴が吐き出した火球が直撃してしまう。

 動きを見ればルイズが戦闘馴れしていないのは分かるが、それを考慮した上で考えてもあの連撃は恐ろしいものがある。

 

「何だよあれ・・・・・・」

 

『ケルビムに間合いは関係ねぇ。そう言った意味でも厄介な怪獣なんだよ。・・・おまけにアイツは―――』

 

 ゼロのセリフの途中でケルビムの身体がふわりと浮かびあがり、倒れ伏すルイズへと向かっていく。

 

「飛べるのかよ⁉ あのナリでか⁉」

 

 驚愕する陸をよそに、ケルビムは空中で自身を回転させて尻尾を遠心力で振り回し始める。

 周囲に突風を巻き起こしながら尻尾の先はルイズの腹部を完全に捉え、一際大きくそのカラフルな巨体を薙ぎ払った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ・・・・・・んん・・・・・・?」

 

 可愛らしい声が耳朶に触れ、陸は背中におぶさった少女に視線をずらした。

 

「・・・起きたか?」

 

「・・・・・・仙道先輩・・・?」

 

 ルビィはしばらく寝ぼけまなこをぱちくりさせていたが、やがて陸に背負われている今の状況を理解したのか、顔を青く染め上げていき――――何とか叫ばずに堪える。

 

「・・・・・・先輩が助けてくれたんですか?」

 

 降ろされたルビィは、自分がマグマ星人に捕まっていた事は分かっていたらしく、羨望交じりの上目遣いを陸に向けてくる。

 それに対し陸は、少し表情を険しくしてウルトラマンのいない戦いの場を視界に映した。

 

「ルイズさんが・・・・・・」

 

 目を見開くルビィが見上げる先では、マグマ星人とケルビムに蹂躙されるルイズの姿が。

 

『ごはっ・・・・・・⁉』

 

 肺から空気が全て抜けた音がする。

 

『がぁ・・・⁉』

 

 骨が軋む音がする。

 

『ぐあぁッ・・・・・・!』

 

 皮膚が裂ける音がする。

 

 ルイズは既に満身創痍だというのに、マグマ星人もケルビムも攻撃の手を緩めようとしない。

 

「仙道先輩! ゼロさん‼ ルイズさんを助けてあげてください‼」

 

『ッ・・・、ルビィ・・・、お前・・・・・・』

 

 今まで触られただけで悲鳴を上げていた陸の身体に自らしがみつき、ルビィは必死にそう訴えてきた。

 何が彼女にこうまでさせるのか、それは言うまでもない。

 ルイズがもう悪質な宇宙人でない事はもう分かっているのだ。ルビィやAqoursの事を大好きになってくれている事も十分理解している。

 だが完全に信じ切れていないのも事実。全てルイズの演技で、出撃していったところを三体で叩き潰すという可能性も捨象出来ない。

 陸が葛藤に苛まれる一方、遂にルイズは膝を折ってしまった。

 

「あ・・・・・・」

 

 ルビィが声を漏らすと同時に、ケルビムの口に膨大な量の熱が籠っていく。

 自身に迫る死を感じ取り、ルイズは諦めて首を垂れた。

 

「万事・・・休すか・・・・・・」

 

「ルイズさん‼」

 

 ルビィの悲痛な叫びの後、巨大な火球が解き放たれ―――――、

 

 

 

 

 

 

 ルイズに到達する前に描き消えた。

 

『・・・・・・?』

 

 いつまで経っても自分の身体が炎に抱かれない事に疑問を覚えたルイズが恐る恐る顔を上げると、そこには。

 

『・・・ゼロ・・・・・・、陸君・・・』

 

 ルイズを庇うようにケルビムの前に立ちふさがり、バリアを張るウルトラマンゼロの姿が。

 

『何故・・・・・・?』

 

「・・・勘違いすんな。ライブが中止になるのが嫌だっただけだ」

 

『ツンデレだな』

 

「うるせぇ。次言ったら引っ叩く」

 

 陸をからかった後、ゼロはマグマ星人とケルビムに向かってファイティングポーズを取った。

 

『ライブ前の余興ならもう十分だ。満を持してヒーローの登場だぜ!』

 

『・・・何故邪魔をするウルトラマンゼロ! 貴様にメトロン星人を助ける義理はないはずだ‼』

 

『こいつを助けてくれって言うウチのお姫様からの命令なんでね』

 

 前を向いたまま、ゼロは後ろで膝をつくルイズに手を差し出した。

 

『さあ行こうぜ。守りたいんだろ? アイツ等のライブを』

 

『っ・・・・・・。・・・ああ!』

 

 ゼロの言葉に力強く頷き、ルイズは差し出されたその腕を取って立ち上がる。

 ルイズに宿ったリトルスターが輝き出すのは、それと同時だった。

 

『・・・力を・・・、貸してくれるのか・・・?』

 

 その問いに答える様に光は更に輝きを増す。

 

「そーいや、リトルスターが発現してる時点で何かしらの強い決意があったんだよな。考えてなかったわ」

 

『ともあれ、これで演者は揃った。そろそろおっぱじめようぜ‼』

 

 駆け出したゼロの身体が蒼く煌き、ゼロランスを構えながらケルビムの懐へと潜り込んだ。

 

『レボリウムスマッシュ!』

 

『ッ―――――――!』

 

 凄まじい衝撃波に襲われて吹き飛ぶケルビムを、更にゼロの後方から飛んできた赤白い光線がヒットする。

 ルイズの腕から立ち昇る煙が、あの光線を彼が放ったことを物語っていた。

 

『ちぃ・・・、リトルスターか・・・・・・!』

 

 マグマ星人は舌打ちを打つと、もう一度指を鳴らしてワープゲートを開いた。

 

『・・・流石に分が悪い。ここは一度引くが・・・、メトロン星人! いずれ貴様は始末するぞ!』

 

 安いセリフを残して、マグマ星人はゲートの中へと姿を消した。

 残るは、奴が召喚したケルビムのみ。

 

『ミラクルゼロスラッガー!』

 

 指揮棒のようにゼロランスを振るい、無数の光の刃をケルビムに向かって殺到させる。

 分裂したゼロスラッガーは全て奴の背後に回り、強力な武器となり得る尻尾を切断した。

 

『ルイズ! 今だ!』

 

『うおぉおぉぉぉぉぉ・・・・・・‼』「

 

 前に出したルイズの両腕から赤熱の奔流が放たれ、悲鳴を上げていたケルビムの頭部の角を破壊する。

 

『ハアァァァァァァ‼』

 

 今の衝撃で状態が仰け反り、無防備に晒した胴体にゼロランスによる斬撃が一閃。

 

『ッ―――――――――‼』

 

 身体を一刀両断され、掠れた断末魔を上げながらケルビムは爆散した。

 

『ピンチに颯爽と登場してスカッと敵を倒す! これが主役の生き様だぜ!』

 

 通常形態に戻ってよく分からない事を言うゼロのウルティメイトブレスレットに、ルイズの胸から分離したリトルスターが吸収される。

 

―――――違えた道を改め、真なる正義に目覚める力―――ウルトラマンジャスティス。

 

「・・・・・・あれ? 今回はカプセルじゃないの?」

 

『この前のダイナカプセルで空きのカプセルは全部使っちまったからな。俺の力を甦らせる訳でもねぇし、新しい力としてブレスに宿ったんだろ』

 

「・・・ホント便利だな。ウルティメイトブレスレット・・・」

 

 流石は神と呼ばれしウルトラマンノアに授かった代物だ。

 陸は何でもありのブレスを一瞥した後、荒く息づくルイズに視線を移す。

 

『・・・ありがとう。陸君、ゼロ。・・・・・・ルビィちゃん・・・・・・』

 

「っ! オイ‼」

 

 安堵の溜息をついた後、ルイズは徐々に人間と同じ大きさに戻りながら後方に倒れ込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ルイズの家に来てくれって・・・、何する気だよ」

 

 商店街でのライブから数日が経った。

 今日もAqoursの練習を終えて自宅でだらけていた陸の携帯に、ルビィからそんなメッセージが届いた。

 

「一応言われた通り来たが・・・、アンタ何か聞いてないのか?」

 

『さあ? 私もさっき聞いたから』

 

 ルイズと共に胡坐をかいて、眼兎龍茶というらしい謎の飲み物を口に流し込みながら襖の向こうで何やら準備をしているルビィの登場を待つ。

 

「・・・・・・そういや身体は大丈夫なのか? 俺等が助けるまで随分と滅多打ちにされてたけど」

 

『ああうん。もうすっかり。これでも一応宇宙人だからね』

 

 ルイズは戦いの後すぐに気を失ってしまい、命懸けで守ったAqoursのライブを拝むことは出来なかった。

 一応気を遣った陸が映像を撮っておいたのだが、そんな優遇はファンとしてマナー違反だとか言って見ようとはしなかったのだ。

 難儀というか律儀というか、少なくともほんのちょっと前まで侵略行為をしていた者のセリフではない。

 

「お待たせしました‼」

 

 がらりと勢いよく襖が開き、準備を終えたらしいルビィが元気よく声を上げた。

 

「『『え?」』』

 

 陸、ゼロ、ルイズの三人は、登場したルビィの姿に思わず呆気にとられる。

 どうやら着替えていたらしく、ルビィは先日ライブで着用したライブ衣装にコスチュームチェンジしていた。

 

『えっと・・・、ルビィちゃん? その恰好は一体・・・・・?』

 

 もちろん眼福だけどねと付け加えながら問いかけるルイズに、ルビィは笑って答えた。

 

「この前のお礼です」

 

『え?』

 

「・・・悪い宇宙人さんに捕まっちゃったルビィを助けてくれたのに、ルイズさん気絶しちゃってライブ見れなかったから、その代わり、って言うのかな?」

 

 なるほど、それその衣装か。

 だが、一ファンとして特別な優遇を受けることを望まないルイズの答えは・・・、

 

『・・・せっかく着替えてくれたけど、それはマナー違反だから――――――』

 

「受け取ってやれよ」

 

 あらかじめ返答を見越していた陸は、ルイズの言葉を遮る形で声を発した。

 

「・・・ファンだとかマナー違反だとか、んな堅苦しい事にこだわらなくてもいいんじゃねーの?」

 

『・・・しかし・・・』

 

「アンタは命懸けでAqoursのライブを守った。受け取る権利はあるはずだぜ?」

 

 ルビィが今回こうしようと思ったのは、見れなかったライブの代わり以前にルビィ個人としてのお礼なのだ。

 命を張ったルイズがそのお礼を受け取ることに、文句をつける奴は言うまい。むしろいるならぶっ飛ばしてやる。

 

『・・・・・・分かった。じゃあありがたく受け取るとするよ』

 

 ルイズが首を縦に振ったのを見て、ルビィは嬉しそうに笑みを深めた。

 それを微笑ましく思いながら眺めた後、陸はそっと立ち上がって部屋から出て行こうとする。

 邪魔しちゃ悪いし、自分はとっととずらかるとしよう。

 

『おや。どうして帰ってしまうんだい?』

 

 それを引き留めたのはルイズだった。

 

『君だってずっとAqoursの皆を守ってきたんだ。君にだってこれを受け取る権利はあるはずだぞ。君にこの事を伝えていなかったという事は、君にもサプライズのつもりだったんじゃないか? だろう? ルビィちゃん』

 

「はい! 陸先輩とゼロさんも‼」

 

 前におぶさって事で陸に触れる事には慣れたのか、しっかりと手を掴んで引き留めてくるルビィ。

 ていうかさりげなく名前で呼んでるし、流行ってるのだろうか。

 

『・・・なんつーか、すげぇよなお前。全く気付かないとことか特に』

 

「・・・・・・何が?」

 

 ゼロは時々理解できない事を言う。もっと理解できないのは陸以外の人間は大体ゼロの言っている事を理解している事である。

 現にルビィとルイズもジト目に近い視線を陸に突き刺してくる。どうやら意地でもここに残らせるつもりらしい。

 

「・・・・・・わーたよ。んじゃ頼むわ。ルビィ」

 

 聞くまで返してくれそうに無かったので、陸は再び床に腰を下ろした。

 今までの事を振り返るとむしろ陸の方が礼を言いたいぐらいなのだが・・・・・・、ルビィがせっかくこの場を設けたのだ。無下に扱う訳にもいくまい。

 

 地球人と宇宙人の友情を祝って、という事にしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルビィにはかっこいいなと思っていた人が二人いました。

 一人はAqoursのマネージャーをしてくれている仙道陸先輩。

 もう一人はウルトラマンゼロさん。

 二人とも優しくて、強くて、何度もルビィやAqoursの皆を助けてくれました。

 でも実は先輩はゼロさんで、ゼロさんが先輩で。

 その事が分かった時はルビィすっごく頭がこんがらがったけど、それでもすっごく嬉しかったです。

 先輩もゼロさんも、ずっとルビィ達を守ってくれてたんだって。

 それに、怖いものと思い込んでた宇宙人さんと友達になれたのも、二人がいたからです。

 もちろんルイズさんにも聞いて欲しいけど、二人にも同じくらい聞いて欲しいから。

 だからルビィは、その精一杯感謝を伝えます。

 精一杯の歌に、大好きを乗せて。

 

 

 

 

――――――RED GEM WINK

 

 

 




ケルビムカッコイイですよね。メビウスの怪獣のデザインは好きなの多い。

で、これで陸は後輩全員攻略した訳か。これウルトラマンだよな?


次回からはアニメ一期十三話の話をやりますよ!
といっても、原作パートは皆無に等しいのでほぼオリジナルですが。


それでは次回で!
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