ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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きっと純粋にラブライブやウルトラマンを愛している人達にとって、俺のやっているこの二次創作は嫌悪感の対象以外の何物でもないのだろうと重々理解しつつも、キーボードを打つこの手を止めることが出来ないオタクの悲しき性。

いやね、知り合いのライバーにウルトラマンとラブライブでクロスオーバー書いてるって言ったら、さながらゴミでも見るかのような目で見られたんすよ。

楽しみ方は人それぞれだし、別にいいと思うけどなー。
自分の価値観を人に押し付けるのは程々にして欲しい。


六十七話 スライの目論見

 

 

「ここは・・・」

 

 ワープゲートを通り抜けた先にあったのは、以前ゼロと共に乗り込んだダークネスファイブが拠点とする宇宙船だった。

 ただ灯りは無く真っ暗で、ゼロと一体化している陸だからこそ暗視が出来ているだけ。千歌は不安気に暗闇の中を見渡しては握った手にきゅっと力を込めてくる。

 

『・・・来たようですね』

 

 一斉に点灯した灯りが暗闇を切り裂き、陸達の周囲を囲むようにして立っている五体の巨大な影が姿を現す。

 その中の一人、恐らくこの計画を企てた張本人であろう宇宙人を陸は見上げた。

 

「・・・何の用だ。スライ」

 

『・・・おや、名前を憶えられているとは光栄ですね。どこかの誰かさんの事もあるので尚更です』

 

『悪かったな!』

 

 ジャタールの不機嫌そうな声を聞き流し、スライは淡々と言葉を連ねた。

 

『貴方達をここに呼んだのは他でもありません。我等が計画を実行するためには、Aqoursの皆さんが必要不可欠ですから』

 

「・・・なんだと・・・?」

 

『おっと、その前にするべき事がありましたね』

 

 空間が歪み、陸と千歌の目の前にブロンズ像にされたAqoursの皆が出現する。

 

『ジャタール。彼女達のブロンズ像化を解いて差し上げなさい』

 

『ったく、散々コケにしおった上にその扱いか・・・・・・』

 

 文句を垂れながらもジャタールが腕を翳すと、銅像となっていた皆に色が戻っていく。

 

「・・・あれ・・・? 私どうして・・・・・・」

 

 目をぱちくりさせながら、曜は同じように今の状況が飲み込めていないAqoursの皆と顔を合わせている。

 

「っ!」

 

「うわっ⁉」

 

 皆が元に戻ったと分かるや否や千歌が床を蹴り、大粒の涙を零しながら曜に抱き付いた。

 

「千歌ちゃん⁉」

 

「うぅ・・・、よがったぁぁぁ・・・・・・!」

 

「・・・何で? さっきまでいなかったのに・・・・・・って! ここ・・・!」

 

 以前ここに連れてこられた事のある二年生と一年生は警戒して身を寄せ合うが、三年生は疑問混じりの視線を周囲に向けている。

 そして、その中の一人である黒澤ダイヤは自分達を見下ろしている巨大な宇宙人五体が視界に移り、

 

「ピギャァァァァァァァァァァァァッ⁉」

 

 以前妹が上げたものと全く同じ悲鳴を上げた。

 

「お姉ちゃん落ち着いて!」

 

『そうですよ。何も取って食おうだなんてつもりはありませんから・・・』

 

 そしてスライも以前と同じような事を言って手を叩き、その場にいる全員の意識を自分に向けさせた。

 

『これでゲストは揃いましたね。では、そろそろ本題に移るといたしましょう・・・。Aqoursの皆さん。以前私がした忠告に対する答えを貰いましょうか』

 

 スライの言う忠告とは、以前千歌達をここに誘拐し、その際に彼女達に投げかけた陸と関わるのを辞めろという事。

 三年生は何を言っているのかが分からないといった表情をしているが、千歌をはじめとする一、二年生は顔を見合わせ、同時に頷いた。

 

「離れるつもりはありません」

 

『・・・ほう』

 

「陸ちゃんは・・・、Aqoursのマネージャーだから!」

 

 千歌達の答えに、スライは溜息をつきながら肩を竦める。

 

『・・・あの時に申し上げたでしょう? 彼は危険だと・・・』

 

 その声に少し遅れて空間ウィンドウが開き、木陰から抱き合う千歌と曜を狙うゼットン星人を映し出した。

 

「これって・・・」

 

「あの日の・・・」

 

 千歌と曜が心当たりを見出す中で、映像の中のゼットン星人は二人に向けて銃を構え―――、

 

「え・・・・・・?」

 

 その次の瞬間に起きた出来事に、ダークネスファイブを除いた全員が思わず硬直してしまう。

 何者かの腕に胸を貫かれ。くず折れたゼットン星人を見下ろす影。

 瞳こそ赤く瞬いているが、それは紛れもなく仙道陸だったのだ。

 

「っ・・・・・・⁉」

 

 そしてその事に最も愕然としているのも、陸自身だった。

 あまりの事に皆声も出せないでいると、悪意を隠そうともせずにスライが声を発する。

 

『・・・彼はまだ陛下の闇を制御しきれていません。この理性のない獣のような目がその確固たる証拠です』

 

 否定したかったが、出来なかった。

 ゼットン星人を殺した際の記憶は何も残ってはいないが、それでもそれが真実だと裏付ける事実があるから。

 それは先程、Aqoursの皆をブロンズ像に変えたジャタールを攻撃した時。

 あの時陸は確かに、ベリアルの力に飲まれていた。

 

『・・・このまま一緒にいれば、いつこの殺意が貴方達に向けられるのか分からないのですよ?』

 

 これは陸とAqoursを引き離す為のスライの策略だという事は理解している。けれどもスライの言っている事は何も間違ってはいない。

 そう。これは偽造でもなんでもなく、紛れもない事実を突きつけられているのだ。

 そして、彼女達はベリアルの力の恐ろしさを知っている。

 以前、陸がゼロダークネスとして暴走した際の記憶は、今でも鮮明に脳裏に焼き付いているはずだ。

 またその惨劇が起こる可能性があるというならば、彼女達も陸から離れざるを得ないはず。

 

「・・・・・・やっぱり邪魔者かよ・・・、俺」

 

 もう突き放される覚悟でいた。

 

「・・・・・・それでも、私は陸ちゃんと一緒にいる」

 

 だからこそ、千歌の出したこの答えには驚かされた。

 

『・・・貴方、私の言っている事が理解できなかったのですか? このままでは貴方達が――――』

 

「そう思ったのは私だから」

 

『・・・・・はい?』

 

 呆れと疑問が入り混じった声を漏らすスライ。

 

「だって、私が傍にいて欲しいって思ったから、陸ちゃんをマネージャーに誘ったんだもん!」

 

「・・・千歌・・・」

 

 自身の身の丈を遥かに超える巨大な宇宙人にも物おじせず、千歌はハッキリとそう言った。

 戸惑いの表情を浮かべていたAqoursの皆もその言葉で顔つきが変わり、賛同するように頷いた。

 

『はぁ・・・・・・、時間の無駄だったようですね・・・。勝手にしなさい』

 

ウィンドウの映像が切り替わり、先程まで陸達がいた内浦の町に出現した怪獣が投影される。

 魚と甲殻類が融合したような姿をしており、頭部からはシュモクザメのそれのような突起物が横に伸びている。

 くすんだ赤と濃い青を基調とした肉体から伸びる両腕には巨大な鋏。背中にはトビウオのような羽。胸部の青い結晶体などなど、派手なパーツが目立つ怪獣だった。

 

『ゼガンだと⁉ シャドー星人の兵器が何故こんな所に⁉』

 

『以前陛下がゼガンを倒された際、爆散した肉片の一部を使って怪獣カプセルを作り出したのですよ』

 

「つーこた・・・、オウガの野郎か・・・」

 

 陸の知り得る限りでは、怪獣カプセルで怪獣を召喚できるのは奴だけだ。

 ここ最近はおとなしいと思っていたら、まさか町の破壊活動に踏み出すとは。

 

『ええ、それでどうしますか? 早く行かなければ町が大変なことになってしまいますよ・・・?』

 

『くっ・・・』

 

 向こうからこっちに来いと言っておいて、いざ来たら怪獣を倒しに行けと、ゼロに対する行動が矛盾している。

 だが、奴の狙いは分かった。

 スライが今この場に欲しているのはAqoursの皆。恐らく陸とゼロを引き離している隙に何かやるつもりなのだろう。

 

『・・・言っておきますが、貴方達に拒否権はありません。・・・こちらには人質がいますから』

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ⁉」

 

「『ッ⁉」』

 

 悲鳴に反応して振り返った先には、青い光の膜によって閉じ込められてしまったAqoursの皆が。

 

『ペダン星人の技術を利用して作った特殊なバリアです。地球人に破る事は不可能でしょうね』

 

『ちぃ・・・、毎度毎度卑怯な事ばっかしやがって・・・・・・』

 

『だから卑怯もラッキョウもないと言っているでしょう? 貴方はゼガンを倒しに行くしか道が無いんですよ。安心なさい、ゼガンとの戦闘が終了し次第解放します』

 

「クソッ・・・」

 

 馬鹿正直にここに来たせいで、まんまと奴の策略にはまってしまった。

 確かにゼガンを倒さなくては町の被害が広がる一方だが、出撃している間、奴等がAqoursの皆に何もしないという保証はない。むしろ危害を加える可能性の方が遥かに高いだろう。

 

「陸! 行って!」

 

「姉ちゃん⁉」

 

「これくらいの事問題じゃない! それより早く怪獣を!」

 

「そうだよ陸ちゃん! 私達は大丈夫だから‼」

 

 果南に続いて千歌までもがそう訴えてくる。

 そうだ。そもそも行くしか選択肢が無いのだ。

 行かなければ町が破壊され、囚われたAqoursの皆がどうなるか分からない。

 

「・・・・・・無事でいろよ」

 

『・・・やるしかないか・・・・・・、おいラッキョウ野郎! テメェ千歌達に手ぇ出しやがったら光の国の全勢力を持って叩き潰してやっからな‼』

 

『ええ、肝に銘じておきます』

 

 飄々と答えたスライに更に苛立ちを募らせながらもブレスからゼロアイを取り出して装着。

 

「『シェア!」』

 

 青い巨人へと変身し、腹いせに床をぶち抜いてから超特急で地球へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ガルネイトバスタァァァァァァァァァァァァ‼』

 

『―――――――ッ!』

 

 上空から迸った爆炎が背中に直撃し、時空破壊神ゼガンは悲鳴を上げて体勢を崩した。

 

『デェェェェヤァァ‼』

 

 着地と共に大地を蹴ったストロングコロナゼロの足元が炎でせり上がり、ブーストの掛かったアッパーカットを顎に炸裂させて派手に殴り飛ばす。

 

『ハアァ‼』

 

 ブレスからゼロランスを取り出すと間髪入れずに次の攻撃に移り。倒れ伏すゼガン目掛けて振り下ろすが、

 

『―――――――ッ!』

 

『ッ!』

 

 胸部の結晶体に光が集約していくのを見て攻撃を中断し、素早くゼロランスを別の形に変形させた。

 

『ウルトラゼロディフェンダー!』

 

 青い盾でゼガンが放ったゼガントビームを受け止め、衝撃で数歩後退させられたもののダメージはない。

 ルナミラクルにタイプチェンジして一度距離を取ると、空中に飛び上がって光の刃を解き放った。

 

『ミラクルゼロスラッガー』

 

 指揮棒代わりのゼロランスで無数のゼロスラッガーを操り、各自別方向からゼガンに殺到させる。

 

『―――――――ッ!』

 

『ッ⁉ 何⁉』

 

 だが奴は両腕の鋏から赤い稲妻状の光線を放ち、光の刃を全て打ち消してしまった。

 それどころか空中のゼロに狙いを定めると、再度ゼガントビームを放出した。

 

『ぐっ・・・、レボリウムスマッシュ!』

 

 掌の衝撃波でゼガントビームを相殺し、今度は攻撃させる暇など与えまいと猛スピードで肉薄してゼロランスを振り下ろす。

 

『―――――――ッ!』

 

「『がはっ・・・!」』

 

 しかしそれを予見していたかの如くゼガンは身を翻してそれをかわし、赤い稲妻をゼロに直撃させた。

 

『・・・この動き・・・、やっぱ中に誰か入ってやがるな・・・』

 

『・・・ほーう。よく分かったねゼロ君。やっぱり前にゼガンと戦った事があるからかな?』

 

 一拍置いて帰ってきたその声に、陸は眉を寄せる。

 

「・・・オウガ・・・」

 

 ゼガンの中から聞こえてくるのは、確かにオウガの声だ。

 ゼガンを召喚したのがアイツなのは分かっていたが、まさか直接中に入って操っていたとは。

 

『・・・・・・そうだ。ボクは闇の者なんだ。今こうしてウルトラマンと対立してるのが何よりの証拠だろ』

 

『・・・何をごちゃごちゃと抜かしてやがるかは知らねーが・・・、こっちは時間がねーんだ。さっさと決めさせてもらう! 陸‼』

 

「ああ、今はお前にかまってる暇はねーんだよ!」

 

 

「『俺に限界はねぇ‼」』

 

 

 閃光に包まれたゼロの姿が変化し、ゼロビヨンドと成りてビヨンドツインエッジを両腕に構える。

 

「『ヤアァァァァァァ‼」』

 

『フッ・・・、ホッ!』

 

 鈍色の刃と群青の鋏が衝突し合い、何度も何度も火花を散らす。

 

『ハアァ!』

 

 ゼガンが刺突を放つが、それを紙一重で回避したゼロもまた鋭い突きで応戦する。

 

「『『ぐおぉぉ・・・!」』』

 

 一際大きな衝突音が町中に響いた後、その衝撃で互いに後方へと転がった。

 

『ワイドビヨンドショット‼』

 

 奴よりも一足早く起き上がって腕をL字に組み、光線を疾走させる。

 

『ゼガントビーム‼』

 

 負けじとゼガンも光線を放つが、威力ではワイドビヨンドショットが勝っている。

 徐々に衝突点はゼガンへと迫っていき、勝負が見えた瞬間だった。

 

『ッ! しまった!』

 

 優位にあったはずのゼロが己の失策に気が付いたのは。

 

『はは・・・、今更気付いてももう遅いよ』

 

 笑いながらにオウガが発した声の後。

 光線干渉によって生じた余波は上空へと昇っていき、爆発音と共に巨大な次元の裂け目が口を開いた。

 

「何だよあれ⁉」

 

『永久追放空間だよ。これを開く事がボク等の目的さ。・・・あの中にあるベリアルの魂を回収する為にね!』

 

『クソッ・・・! それが狙いだったのか!』

 

「どうすんだよゼロ⁉ あの穴どんどん開いてってるぞ⁉」

 

 永久追放空間は強力な引力を発生させ、真下にあるありとあらゆるものを飲み込んでいく。

 このままでは町民が吸い込まれるのも時間の問題だ。

 

『どうするって・・・、閉じるしかねーだろ‼』

 

 早々にゼガンを倒すべく、更に多くのエネルギーを腕に集中させる。

 

「『オオォオォォォォォォォ‼」』

 

 更なるエネルギーと気迫が上乗せされた光線がゼガントビームを押し返し、時空破壊神の身体ごと結晶体を打ち抜いた。

 

『アハハ・・・・・・、試合に負けて、勝負に勝ったって感じかな・・・・・・、ぐふっ・・・』

 

 大爆発を起こしたゼガンには目もくれず、ゼロは次元の裂け目目掛けてその巨体を飛び上がらせるが、

 

『グオオォォォォォ‼』

 

「『があぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!」』

 

 突然背後から襲いかかってきた巨大な火球に撃墜され、落下と共に巨大な地響きを起こす。

 

『みすみす閉じさせるとでも思ったか?』

 

「『ぐっ・・・、あぁ・・・」』

 

 地に伏せるゼロを取り囲むように五体の宇宙人が地上に降り立ち、その中の一体―――極悪のヴィラニアスが繰り出した電撃のネットによって拘束されてしまう。

 

『テメェ等・・・、つくづく汚ねぇ連中だな・・・・・・』

 

『何とでも言いなさい』

 

 淡白にそう言い放つスライの掌には、バリアの檻に閉じ込められたAqoursの皆が乗っていた。

 

『それでは約束通り、彼女達を開放するとしましょうか』

 

 そう言ってスライは、Aqoursを閉じ込めているバリアを解除した。

 

「『なっ・・・!」』

 

 ―――永久追放空間目掛けて、放り投げてから。

 

 

「「「「「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉」」」」」」」」」

 

 

 空中で解放された彼女達は重力に逆らって空へと昇っていき、やがて次元の裂け目の中へと姿を消した。

 

 

 




前回ブロンズ像にされたと思ったら、今度は永久追放空間に放り込まれてしまう不幸続きのAqours。きっとこういうところがラブライバーに反感買われるんだろうな。

今回の解説は今作での永久追放空間の設定について。

この作品内で開いた永久追放空間は、「ウルトラマンジード」の劇中で開かれたものと全く同じものとします。つまり中には魂だけとなったベリアル陛下がおられる訳です。
ジード内のゼナ先輩によると「この宇宙とは断絶される」との事だったので、ウルティメイトイージスでも干渉できない事とします。つまり閉じたらそこでオワオワリ。

果たして陸とゼロはダークネスファイブによる足止めを振り払い、無事Aqoursの皆を救出することが出来るのか⁉


それでは次回で!

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