ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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ビルドドライバー「Are You Ready?」

カズミン「・・・出来てるよ」

カシラマジカッケー。惚れる。

最新回の仮面ライダービルド。やっぱカズミン死んじゃうんですかね?
カズミンはビルドで一番好きなキャラだから不安でならない。
またキバの時と同じ事が起こるの? 武田さんが演じるキャラは死ぬジンクスなの?

こればっかりは次回を見ないと分からない・・・。チクショウ、何で一週間開くんだよ。

長くなっちまいましたな。本編どうぞです。


七十八話 互いのキモチ

 

 

 

「あはは・・・、いやー、まさかヘアゴム買いに行っただけでこんな事になるなんてねー」

 

「・・・うん。まさかゲーセンに三時間も閉じ込められるとは・・・・・・」

 

 沼津での一騒動を終え、松浦家まで勝ち取ったぬいぐるみを運びに来た陸。

 あの停電、最初はゼロが起こした振動によりブレーカーか何かに異常を来したものかと思っていたが、どうやら商店街全域が停電していたらしい。

 一応今は復旧したのだが、それでも脱出するのに三時間かかってしまった。

 何でも原因は商店街の変電所に石が投げ込まれたとかそんな。だが犯人の痕跡は一切なく、投げ込まれた石も鳥をそのまま石にしたようなものだったらしいが・・・。

 

「善子ちゃんには悪いことしちゃったねー、結局これも全部くれちゃったし」

 

 ゼロの不正? で手に入れた人形は、地震で落ちてしまったと善子が店長に説明したのだが、電気復旧後だった事もあり今は手が回らないという事でなんとタダでくれた。

 善子はもう部屋にぬいぐるみを置くスペースがないらしいので、ちゃんとゲットしたものも含め三つ全部こちらに回ってきたのだ。

 

「とりあえず今度ルビィちゃん辺りにあげてみよっか」

 

「まあ、ぬいぐるみ好きそうなのはルビィぐらいしか思いつかないしね」

 

 果南も自分が狙っていたイルカくんだけで十分らしいので、ルビィがダメだった時のために他の貰い手も探しておこう。

 

「・・・・・・」

 

「・・・? どしたの? 私の顔何かついてる?」

 

「・・・いや、姉ちゃんがぬいぐるみ獲りたがるとか珍しいなーって」

 

 今いる果南の部屋には、可愛らしい小物とか飾り物とか、何と言うか女の子らしいものがない。

 強いて言うなら、机の上に飾ってある青色の水晶体ぐらいだが・・・。

 

「・・・・・・姉ちゃん、これまだ持ってたんだな」

 

 それをひょいと摘み取り、手の中で転がす。心地の良い冷たさが掌から広がっていく。

 

「まあね。なんか不思議な石だし、お守りにいいかなーって」

 

 果南の言う通り、この水晶体は確かに不思議だ。

 いくら握っても一向に温まる気配がなく、ひんやりと冷をもたらし続けてくれるのだ。それにほんの少しだが青い光を放っている。

 

『・・・・・・果南。これはどこで手に入れたんだ?』

 

 ゼロも興味を持ったのか、いつもより真面目なトーンで果南に問う。

 

「小さい時に海で。私と陸と千歌と曜でシュノーケリングしてる時に拾ったんだよ」

 

 三歳を過ぎた辺りだっただろうか。

 陸を預かっていた曜の家も少し忙しくなり、曜と共にママ友繋がりで果南の家に預けられることが多くなった。

 そこで果南、そして当時から果南と仲が良かった千歌と知り合い、共に遊ぶようになった。

 果南の家の目の前が海だったという事もあり、自然と遊ぶ場所も海だったのだ。

 まあ、実際に海に潜ったのは六歳辺りだったが。

 

「・・・なんか海底で光ってるなーって。それで? この石がどうかしたの? 確かに不思議ではあるけど・・・・・・」

 

『・・・この石から、何か不思議な力を感じる』

 

 急に善子みたいなことを言い出すゼロに首を傾げかけたが、そもそもコイツ自身が不思議な力を持っている事を思い出す。

 

「・・・不思議な力って?」

 

『・・・星のエネルギーというか、地球の意思というか・・・・・・、アナザークライシスの時に生成されたものなのか? ・・・なんにしろ、俺達ウルトラマンにも近しい力だ』

 

「えぇ? そんな凄いものだったのコレ?」

 

 陸から返却された水晶体をまじまじと見つめる果南。

 キラキラしているその目は、昔この水晶体を見つけた時と同じくらいの無邪気さを感じる。

 話を聞く限りだとまるで地球そのものが意思をもってこの水晶体を作り出したかのようだが、本当にそんな事があるのだろうか。

 

『・・・んなすげーモンを託されるたぁ、お前よっぽど海に愛されてんだな』

 

「・・・・・・海に愛されてるかは知らないけど、私は海が好きだね。この気持ちは誰にも負ける気はしないよ?」

 

『それだけで十分だ。その想いが、地球に認められる切っ掛けになったのかもな』

 

 さも当たり前のように笑うが、ツッコミどころは満載である。

 

「・・・なんだよ、星に認められるって」

 

『地球が自らの意思で、その石を果南に託したかもっていう話だ』

 

「「え?」」

 

 果南の海への愛は自他共に認めるものだし、実際彼女は海にゴミなどを投げ捨てる者がいれば例え大人であろうと食って掛かる。

 もしかしたら地球は、果南のそんなところを認めたのかもしれないと言うゼロ。

 

「てことは何? 姉ちゃんは地球の力を貰ったって事?」

 

『間接的にではあるが・・・、俺の仮説が正しいならそういう事になるな』

 

「マジか・・・・・・」

 

 なら、果南のあの異常な身体能力やスタミナは地球に力を与えられたから―――、

 

『あー、あくまでも力が秘められてるのはその石だから、果南の身体能力は自前だぞ』

 

「・・・・・・思考を読まれた事以上にその事が衝撃的だよ」

 

 どうしよう。最近姉と慕う彼女の事が普通の人間だと思えなくなってきた。

 

「・・・・・・じゃあ・・・」

 

 そんな疑惑が立ち昇り始めた果南が、おずおずと話に入って来る。

 

「・・・これがあれば、私も陸とゼロの力になれるかもしれないって事?」

 

 水晶体をまじまじと見つめ、その瞳に幼馴染の陸でも知らない色を映す。

 まるで、自分も戦おうとでも言うように。

 

「・・・・・・そんなに不甲斐無いか? 俺・・・」

 

「ああいや! そう言う事じゃないんだ!」

 

 顔を陰らせる陸に慌ててフォローを入れた後、少し寂し気に笑った。

 

「・・・少しはさ、頼って欲しいんだ」

 

「え?」

 

「ほら、前に一人で抱え込み過ぎて破裂しちゃったことあったじゃん。あれから少しは改善できたところもあるけどさ、それでも、やっぱり戦うって事になるとどうしても私達の事遠ざけようとするでしょ?」

 

 果南はそう言うが、戦う力を持たない彼女達、ましてや陸自身が守ろうと思っている彼女達を戦いに関わらせるのは好ましい事じゃない。

 それは、前よりは周りの事を見るようになった今でも変わらない。

 

「・・・勿論、直接関与させろとは言わないけど、少しはお姉ちゃんの事も頼ってよ」

 

 果南が自分の事をお姉ちゃんと呼ばせているのは、昔からずっと陸一人だけ。つまりそれほど心配されているという事だ。

 理由は前に彼女が言っていた通り、一人で抱え込む性だった陸が少しでも頼りやすくなるようにと。友達思いの彼女らしい配慮だろう。

 

「・・・・・・でも、姉ちゃんを巻き込むのは本意じゃない」

 

 でも、それでも。やはり死の危険が伴うような事に関与はさせたくない。

 ただでさえダークネスファイブに目を付けられている今の状況、下手に踏み込んでしまえば奴等の魔の手が果南に集中するという事も十分にあり得る。

 それは例え本当に果南が戦う力を授けられているのだとしても避けたい事だ。

 

「・・・だから、変な真似はしないで」

 

 それだけ言って立ち上がり、陸は足早に果南の部屋を出て行ってしまった。

 

 

 一方部屋に残された果南は、悲しむように顔を俯かせた。

 そんな彼女に、身体に憑りつく事で残ったゼロは言葉を選びながら声を掛ける。

 

〈・・・まあ、なんつったらいいのかは分からんが・・・・・・、アイツにもアイツなりの考えがあるって事は汲んでやってくれねーか?〉

 

「・・・・・・それは、分かってるんだけどね」

 

〈・・・それに戦いに関与するのは俺も賛成できないな。その石がお前の力になるかどうかもまだハッキリしねーし。・・・ただ未知の力が秘められている事に変わりはないから、狙われる可能性も捨てられない。何かあったらすぐに呼べよ〉

 

 最後に注意を促すと、ゼロも陸の後を追ってこの場から去って行った。

 

「・・・・・・また守ってもらうのか・・・」

 

 自身もまた立ち上がって移動し、陸に獲ってもらったぬいぐるみを抱えながらベッドに倒れ込む。

 別に、守ってもらっているこの状況が嫌な訳じゃない、むしろ嬉しいくらいだ。

 だが・・・・・・、

 

「・・・戦ってる陸には分からないだろうけどさ、・・・・・・・・・大切な人が傷付くのをただ見てるって言うのは、結構辛いんだよ・・・」

 

 その言葉は誰の耳に届くでもなく、ただただ静かな部屋の中に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈・・・・・・気持ちは分かるが・・・、少しは果南の事も考えてやれよ〉

 

 淡島から出る連絡船乗り場へと向かう道。

 果南の元から戻ってくるや否や、母親の説教染みた小言を連発してくるゼロ。

 

〈・・・アイツはお前の事を他のAqoursの誰よりも理解してる。まあ、流石に戦いに巻き込む気は俺にもねーが・・・・・・。少しくらい、アイツの気持ちを聞いてやっても良かったんじゃねーのか?〉

 

 ゼロも、コイツにそう言わせる果南も、別に間違ったことは何一つ言っていないのだ。というかこの問題に正しい答えなんてない。

 危険な目に遭って欲しくない者に、少しでも力になりたい者。

 自身を顧みずに他人の力になろうと出来る果南はきっと強い。

 

〈・・・果南の言う通り、お前は人を頼るのが苦手な節がある。一緒に戦わせろとまでは言わねーけど、多少は頼ってもバチは当たらないと思うぞ〉

 

「・・・・・・それは姉ちゃんも一緒だよ」

 

 でもだからこそ、陸は彼女の弱さを知っている。

 

「姉ちゃんは昔からずっと、いつでも他人優先で、ここぞという時に自分の事はないがしろにしてる。で、ため込み続けた結果が鞠莉さんとのすれ違いだろ。・・・・・・本人は気付いてねーけど、姉ちゃんは俺以上に人を頼るのが苦手なんだよ」

 

 それは幼い時から自分より年下の子と関わり続けてきたが彼女だからこそ、自然と自分がしっかりしなきゃと思うようになっていたのだろう。

 その事が元の姉御肌に拍車をかけ、次第に友人を頼れなくなっていった。

 彼女も昔から変わっていない。

 陸と同じで、助けを求めるのが下手・・・・・・と言うよりは、助けを求めようとも思わないのだ。

 でもそれはその内限界が来る、かつて陸が一人で突っ走って崩れたように。

 

「・・・・・・だから、せめて俺一人でも支えてあげる人がいてもいいと思うんだよ」

 

 ずっと自分が支えてもらってきたから。

 あの時も、果南がいたから立ち直ることが出来たから。

 

〈・・・ホントお前、果南の事大好きだよな。このシスコンが〉

 

「うるせ。・・・・・・まあでも、否定はしな―――――」

 

 刹那、地面が振動と共に大きく音を鳴らした。

 

「おあっ・・・⁉ 何だ⁉」

 

 よろめきながらも何とか踏ん張り、地響きの震源を目で追う。

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

 ズン、ズン、と巨大な足音を響かせるのは、一体の巨大な影。

 身の丈ほどある二本の尻尾を生やした二足歩行のシルエット。太く湾曲した悪魔のような一対の角を頭部に備え、両腕から肩に掛けて触手状の頭部がそれぞれ二つ。

 

「・・・・・・怪獣か・・・」

 

〈・・・果南の家の方角に向かってるな。止めるぞ陸〉

 

「当たり前だ」

 

 ゼロの言葉の通り、怪獣は一切迷う様子もなく果南の家に向かって行っている。

 あそこに何か狙いがあるのか。それは分からないがみすみす見過ごす訳がない。

 

 

「『シェア!」』

 

 

 素早く左腕のブレスレットからゼロアイを取り出し、即座に装着してゼロへと変身を遂げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・・・・んん・・・」

 

 いつの間にか寝てしまっていたらしい。

 重い響きで轟く轟音で目が覚め、果南はぬいぐるみを抱きかかえたまま窓の外の様子を確認する。

 

『デェェェェェェヤッ‼』

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥ‼』

 

「っ・・・・・・!」

 

 一瞬で目が覚めてしまうその光景。

 自分の家から少し離れた場所で、陸の変身するウルトラマンゼロが怪獣―――――石化魔獣ガーゴルゴンと戦っている。

 

「『があぁぁぁぁ・・・・・・!」』

 

「あ・・・・・・」

 

 ガーゴルゴンの背後から伸びた尾が直撃し、大きく後方へと吹き飛ばされるゼロ。

 更に追撃の雷が襲いかかり、盛大に火花を散らして地面に倒れ込んでしまう。

 

「・・・っ!」

 

 それを見た時には、既に果南は水晶体を握って部屋を飛び出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・強ぇ・・・」

 

『・・・・・・エックスから話は聞いていたが・・・、まさかこれ程とはな・・・』

 

 猛るガーゴルゴンを前に、大きく肩を上下させるゼロ。

 雷撃に近接格闘、タフな体力とどれをとっても並の怪獣を凌駕したスペックを持っている。

 

「・・・そのエックスってウルトラマンもさぞかし苦戦したんだろうな・・・」

 

『ああ、一回は負けちまってるらしい。・・・・・・ただでさえ素の能力が高いっつーのに、加えてアイツは―――――』

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

 ゼロが言い終わる前にガーゴルゴンの口が開き、中に隠れていた巨大な一つ目が露わになる。

 その眼球に渦巻くエネルギーが収束した途端、放出された光の柱がこちらに進行を開始した。

 

『フッ!』

 

 ゼロがバク転で軌道から外れた事により、光線は後方にあった鉄塔に命中する。

 鉄塔はじわりじわりと金属の光沢が失われてゆき、やがては光を反射しないくすんだ灰色に変わってしまった。

 

『・・・・・・と、見ての通り。アイツは対象を石化させる能力がある』

 

「マジで⁉ アイツかなりヤベェ奴じゃん⁉」

 

 対象を石化。まるでギリシャ神話に出てくるメデューサのようだ。

 となると昼間の石化した石化した鳥・・・、十中八九停電の原因もこいつだろう。

 ともあれ、そんなことが出来るなら迂闊に近寄れなくなった。

 

『ガーゴルゴンは石化したもののエネルギーを奪うことが出来る。かつてその能力を生かし、惑星を丸々石化させて星のエネルギーを根こそぎ奪い取った例もあるぐらいだ』

 

「・・・星のエネルギー・・・? ッ‼ じゃあコイツの狙いは―――」

 

 嫌な予感と寒気が背筋を伝う。

 その瞬間、まるで引き寄せられたかのようにガーゴルゴンの視線が横に流れた。

 

『ウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・』

 

 そして無情な事にも、最悪な形で予感は的中してしまう。

 ガーゴルゴンがその視界に捉えたのは一人の少女。

 青い水晶体を握り、不安に染まった顔で戦いを見ていた松浦果南だった。

 

「姉ちゃん⁉」

 

『あの馬鹿・・・・・・』

 

 下手な真似はするなと言った矢先にこれだ。

 普段なら果南から意識を逸らすことぐらい容易いが、今の彼女には狙われる理由―――地球のエネルギーが秘められた水晶体がある。

 ガーゴルゴンの反応からして、それはもう確定だ。

 現に奴の目、物質を石化させる光線を放つ一つ目は、エネルギーを溜めながら果南に向けられている。

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

「ッ‼ 姉ちゃんッ‼」

 

『果南ッ‼』

 

 ガーゴルゴンは、果南ごと水晶体を石化させて地球のエネルギーを奪い取ろうとしている。

 そんな事を理解するまでもなく、ただ果南が危ないという理由だけでもう身体は地面を蹴っていた。

 

「『がッ・・・・・・ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」』

 

 果南を庇う形で一体と一人の間に割って入ったゼロに、ガーゴルゴンが解き放った光線が炸裂する。

 

「え・・・・・・」

 

『ぐ・・・・・・あぁ・・・・・・』

 

 絶句する果南の眼前で、ゼロの身体はどんどん灰色の何かへと変わっていく。

 

「ちょ・・・、陸⁉ ゼロ⁉」

 

「・・・姉ちゃん・・・、にげ・・・・・・ろ・・・」

 

 それ以降、言葉が続く事はなく。

 ウルトラマンゼロ及び仙道陸は、完全に物言わぬ石像と化してしまった。

 

 

 

 




なんかルーブ見てたらガーゴルゴン出したくなったので出演。
普段の俺なら果南先輩を石化させていたところでしたが、気分を変えて陸とゼロをガーゴルゴンの餌食にしてみました! ・・・してみましたじゃねえ。どーすんだこれ。
まあ、考え無しに石化させたわけじゃないのでご安心を。


察しのいい人なら次の話の展開が読めてしまうかもしれませんな。まあお楽しみに。

それでは次回で! 
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