ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

80 / 173
早速Thank you, FRIENDS‼のCD購入しましたよ。ついでにちかっちのバースデーカードも確保してきました。

Thank you, FRIENDS‼は曲名通りの歌詞でしたな。確実に俺等を泣かしに来てます。
NO,10は賛否両論別れるんじゃないでしょうか? ああいう歌詞とか、ファンが十人目のメンバーだとか嫌う人もいますからね。まあ、俺は尊死しかけましたけど。

そして購入特典の4thライブの優先販売申し込み券。今回CD付属だから滅茶苦茶倍率高いんでしょうね。よろしい、戦争だ。


言っててもどうにもならんか。本編どうぞ。



七十九話 海の化身

 

 

「・・・・・・、っ・・・・・・」

 

 全身の力が抜けきってしまったかのように、果南がその場にくず折れる。

 

「り・・・・・・く・・・」

 

 今まで誰にも見せた事が無いような弱々しい表情で見つめる先には、たった今自分を庇って石に変えられてしまったウルトラマンゼロの姿が。

 ゼロが石化すれば、当然一体化している陸も・・・・・・。

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

 二人をこんな状態にした怪獣―――石化魔獣ガ―ゴルゴンは、猛々しく勝利の咆哮を上げている。

 自分が狙われていたのは先程の行動を見れば分かる。きっと勝利の余韻に浸り終われば、再びこちらを目指して進行してくるのだろう。

 ・・・しかし、全く逃げる気にはなれなかった。

 

「・・・・・・・・・」

 

 自分のせいだ。

 下手な真似はするなという陸とゼロの忠告を聞かず、無謀にも飛び出してきてしまったから二人が・・・・・・。

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

「うあっ・・・・・・!」

 

 再度果南に狙いを定めたのか。雷撃が近くに衝突し、衝撃で浜辺まで吹き飛ばされてしまう。

 

「あっ・・・・・・うっ・・・・・・!」

 

『ウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・』

 

 今ので邪魔立てする者が誰もいないことを理解し、いよいよ星のエネルギーを吸収すべく石化光線のチャージを始めるガ―ゴルゴン。

 転がった身体を起き上がらせるが、到底回避する時間などない。

 刻々と迫る発射の時を迎える前に、果南はちらりと石化したゼロの方を見た。

 

「・・・・・・ごめんね・・・」

 

 そんな言葉しか出てこなかった。

 何がお姉ちゃんだ。

 何が支えるだ。

 結局、ただ足を引っ張っていただけじゃないか。何も出来ていないじゃないか。

 

―――・・・・・・でも、姉ちゃんを巻き込むのは本意じゃない

 

―――・・・だから、変な真似はしないで

 

 陸の気持ちは分かっていた。分かった上でエゴを貫いたのは自分自身だ。

 自分は何も成長していない。勝手な思い込みで鞠莉とすれ違ったあの頃から。

 また大切な人を失ってしまう。今度は、取り返しのつかない形で。

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

 ガ―ゴルゴンの放った光線が迫る。

 

「っ・・・・・・」

 

 そっと目を瞑り、水晶体を守るように光線に背中を向けた。

 かわす術が無いのなら、せめてこの地球のエネルギーをだけでも守らなければ。そう思うと、自然と身体が動いていた。

 

 ズドォォォォォォォン・・・・・・‼

 

 地鳴りと共に炸裂音が轟き、辺り一面が石化していく音が聞こえる。

 だが何故か、一向に身体が固まっていく感覚がしない。

 

「・・・・・・?」

 

 違和感を覚え恐る恐る目を開いてみると、自分を中心に青いドーム状のバリアのような物が展開されていた。どうやらこれが自分を守ってくれたらしい。

 

「・・・・・・陸・・・?」

 

 まさかゼロが、そう思い顔を上げてみるが、やはりゼロは石化したままだ。

 

「ん・・・・・・?」

 

 掌が温かいような、冷たいような。

 そんな感覚につられて視線を落とせば、自分の手の中にある水晶体から光の幕が発生していた。

 

「・・・まさか・・・、守ってくれたの・・・?」

 

 その言葉に答えるように水晶体は更に輝きを増し、確かな光で果南の心を照らしてくれる。

 まるで、まだ自分には出来る事があると訴えて来るように。

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・』

 

 ハッキリと光を視界に捉え、ガ―ゴルゴンはゆっくりとこちらに向けて巨大な図体を進行させてくる。

 けれども今の果南にはそんなもの目に入っていない。

 

「・・・地球の・・・、海の光・・・・・・」

 

 前を向けと、海が温かく接してくれる。

 君にはやることがあると、救いたい者がいるのだろうと、背中を押してくる。

 だから、海を頼れと語り掛けてくる。

 

「っ・・・・・・!」

 

 水晶体はふわりと浮かび上がり、中空で浮遊している。

 少し手を伸ばせば、届く場所で。

 

「・・・・・・まだ、届くの・・・?」

 

 もう遠く離れた場所に行ってしまったような彼に。

 

「・・・まだ、間に合うの・・・?」

 

 もうどうにもならないと思っていたこの状況に。

 

 そしてその問いを肯定する言葉が、君が望むなら。そんな声が聞こえた気がした。

 自分が望む。

 本当に果南が陸を助けたいと持っているのなら力を貸そう。海はそう言っている。

 ・・・そんなの考えるまでもない。

 

 

「・・・まだ陸を支えられるなら・・・」

 

 少しずつ身体を前に進ませる。

 

「・・・もし、まだ陸が私の事を姉ちゃんって呼んでくれるなら、私がそれに見合う事が出来るなら・・・!」

 

 擦り傷の痛みに耐え、伸ばした手を水晶体の光に向ける。

 

「・・・・・・お願い・・・! 私に力を貸して‼」

 

 決意と共に、眩い光を掴み取る。

 

『ウゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・⁉』

 

 瞬間、青い閃光が辺りを包み、その眩しさにガ―ゴルゴンは思わず後退した。

 そしてその反対方向から聞こえる、何かが迫ってくるかのような音。

 

「っ・・・⁉」

 

 振り向いてから言葉を失った。

 ガ―ゴルゴンの正面、果南の背後、つまりは海。

 そこから、今まで見た事もないような大波がこちらに迫ってきているのだ。

 

「え・・・・・・」

 

 浜辺に襲来した巨大津波は果南を飲み込み、大海の中へとその身体を誘っていった。

 

 

 

 

 

 

 温かい。

 海中で私が真っ先に思った事はそれだった。

 優しくて、親しみがあって。まるで陸やAqoursの皆みたいで。

 

(・・・・・・そっか・・・)

 

 でもあの九人に会う前から、私はこの暖かさを感じていた。

 

(・・・ずっと、見守っててくれたんだ・・・)

 

 手の中に納まっていた青い光は次第に膨らんで行って、私を包み込んでいく。

 その温もりを全身で感じながら、私は素直な気持ちを言葉にした。

 

(――――――・・・ありがとう)

 

 

 

 

 

 

 

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥゥ⁉』

 

 海が割れる。

 自ら蒼く光り輝く海が、モーセが割った海の如く真っ二つに。

 

『フゥゥゥ・・・・・・』

 

 その中央。割れた海の水が滝のように流れ落ちる中で、一体の青い巨人が佇んでいる。

 大海の如く深い青色の肉体に走る銀色のライン。金と黒のプロテクター。強い意志を感じさせる双眸に、胸に輝く青いランプ。

 

『ウゥゥゥゥゥゥ・・・・・・』

 

 突然の事にガ―ゴルゴンが硬直する中、巨人はゆっくりと立ち上がり、その青い巨体を空へと飛び上がらせる。

 空を舞うその姿は美しく、雄々しく、海そのものが人型を形どったようで。

 見る者全てを圧巻させた後、巨人―――ウルトラマンアグルは強烈な地響きを轟かせながら大地に舞い降りた。

 

『フッ・・・』

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

 クイクイと挑発的な手招きに乗せられ、両肩から雷撃を発生させながら突進してくるガ―ゴルゴン。

 

『ジュワァァァァァァ!』

 

 アグルはそれを側転で回避すると、そのまま胸元に潜り込んで渾身のストレートパンチを叩き込む。

 怯んだところを更に左腕を取り、足を払うと同時に大きく投げ飛ばした。

 

『デュワ!』

 

『キュアァァァァ・・・‼』

 

 追撃に腕から放たれた光弾―――アグルスラッシュが襲いかかり、胸元を抉られたガ―ゴルゴンはゴロゴロと大地を転がる。

 

『キュゥゥゥゥゥ‼』

 

 起き上がったガ―ゴルゴンの口が開き、姿を現した一つ目にエネルギーが充填されていく。

 普通なら防御か回避体勢に入る場面だろう。だがアグルは待ってましたと言わんばかりに石化魔獣へと突進を仕掛ける。

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥ‼』

 

 解放された石化光線が迫るが、予め射出角度を見切っていたアグルはスライディングをしながらそれを回避する。

 

『ドゥワァァァァァァ‼』

 

 そして一気に懐まで肉薄。立ち上がり様に右腕から伸ばした光の剣―――アグルセイバーを振り抜き、石化光線を放つ目玉に深々と斬撃を刻み込んだ。

 

『キィィィアァァァァ・・・・・・⁉』

 

 先程よりも更にけたたましい絶叫を上げるガ―ゴルゴンの口の中。

 アグルセイバーにより切り裂かれた眼球は発光が止まり、機能を失った事が伺える。

 その直後、石化したゼロの身体が微かに光を帯びていった。

 

 

 

 

 

 

『ぐ・・・・・・うぅ・・・・・・』

 

 輝きを失っていたゼロの双眸とカラータイマーに光が戻り、徐々に身体が元に戻っていく。

 

「・・・あれ・・・? 俺達・・・」

 

『・・・一体何が・・・・・・ッ⁉』

 

 状況が飲み込み切れていない様子で周囲を見渡すゼロと陸の視界に、一体の青い巨人が映り込む。

 

『・・・・・・アンタは・・・!』

 

 ゆっくりと歩み寄ると、ゼロの手を取って立ち上がらせてくれる。

 

「・・・・・・姉ちゃん・・・?」

 

 陸の声に頷き、再び目の前の敵に意識を向けるアグル。

 

『・・・・・・陸』

 

「・・・うん」

 

 どうしてウルトラマンになっているかなんて野暮なことは聞かない。

 隣にいる巨人が、ずっと自分を見守ってくれていた果南だということが分かれば十分だ。

 それだけで、心強い。

 

『シェヤァ!』

 

『ドアァァァァ!』

 

 二体の青い巨人が並び立ち、ファイティングポーズを取るとガ―ゴルゴンへ向けて共に立ち向かっていく。

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

『フッ!』

 

 殺到する雷撃をアグルがバリアでガードし、その背中を踏み台にして飛び上がったゼロのウルトラゼロキックが頭部を強襲。

 

『ジュヤァァァァァ‼』

 

 立て続けにアグルが繰り出した破壊光弾―――フォトンスクリューがよろめいた隙に炸裂し、緑色の悪魔を後方へと跳ね飛ばした。

 

『デェェェェェェヤ‼』

 

『トワァァァァ‼』

 

 ゼロツインソード。アグルセイバーと二体の巨人がそれぞれ剣を構え、奴とすれ違い様に交錯。

 

『キアァァァァァァ・・・・・・‼』

 

 両肩から伸びた触手状の頭を二本とも切り落とされ、雷による攻撃を封じられたガ―ゴルゴンが悲鳴を上げる。

 だが二人の猛攻は止まることを知らない。

 

『『ハアァァァ‼』』

 

 両脇から左右の腕を掴み取り、強引に開かせた懐にアグルが回し蹴りを喰らわせる。

 続けてゼロが身を翻して繰り出した裏拳が喉元を捉え、ガ―ゴルゴンは大きく殴り飛ばされていく。

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

『ッ⁉ 何ッ⁉』

 

 追撃を加えようと飛び出したゼロの真横を駆け抜ける一筋の光線。

 見ればガ―ゴルゴンの目は修復されており、再び石化光線を放てるようになってしまっていた。

 

『・・・治癒能力も高いってのか・・・』

 

「・・・つくづくチート染みてんなアイツ・・・」

 

 とにかくこれで接近戦は控えた方がいいだろう。至近距離であれを繰り出されたら回避が難しい。

 

『セヤァ!』

 

『ダァァァ!』

 

 二本のゼロスラッガーとアグルスラッシュが殺到するが、これまでの猛攻で相当頭に来ているらしいガ―ゴルゴンは剛腕でそれらを弾いてしまう。

 

『キウアァァウゥゥゥゥゥゥゥゥ‼』

 

『ドゥワァァァァァァ‼』

 

 迫りくる石化光線に対してアグルが頭部のブラインドスポットから垂直に伸ばした光の刃―――フォトンクラッシャーが衝突し、舞い上がった爆炎が辺りを包み込んだ。

 

『キャウァァァァァ‼』

 

「『がはっ・・・・・・‼』』

 

『グアァァ・・・⁉』

 

 濛々と立ち込める黒煙の中から飛び出してきたガ―ゴルゴンの突進に、悪い視界のせいで反応が遅れた二人は難なく地面を転がる。

 

『チッ・・・・・・』

 

 モロに攻撃が直撃したためか、二人のカラータイマーとライフゲージが点滅を始める。

 

「・・・・・・肩も治ってきてるな・・・」

 

 切り飛ばされた二つの頭部があった奴の両肩の傷は既に塞がっている。つまりあの雷撃を放つ頭が修復されるのも時間の問題だという事だ。

 

『サッサと決めるぞ! エメリウムスラッシュ!』

 

 ゼロのビームランプから熱線が足元に伸び、驚いたように後ろへ飛びのくガ―ゴルゴン。

 

『ジュァァ‼』

 

 奴が見せた隙を縫い、アグルの鋭い二段蹴りが下顎に連続でヒットした。

 再生能力があるとはいえ、受けたダメージまでもが消える訳ではない。傷こそ消えたものの、蓄積した疲労や消費した体力はそのままだ。

 

『ダオラァァァ‼』

 

 爆ぜるようにゼロが飛び出し、ビックバンゼロを駆使してガードの脆い側頭部を豪快に殴り飛ばした。

 

『キウ・・・アァ・・・ウゥゥゥゥゥゥ・・・・・・』

 

 よろよろと何とか起き上がるが、もはやその身体に力は残されていない。もう終いだ。

 

『デェェェヤァァァ‼』

 

『ドゥワァァァァァァ‼』

 

 トドメに発射したワイドゼロショットとアグルストリームが完全にグロッキーになったガ―ゴルゴンの胴を貫き、石化魔獣の身体は盛大な大爆発を起こして消滅した。

 

 

 

『ふぃー・・・、助かったぜ果な――――――ん?』

 

 礼を述べようとした時には既にアグルの身体はぼやけ始めており、輪郭が定まっていなかった。

 

―――――――誇りを胸に、遍く生を守護する力―――ウルトラマンアグル

 

 その青い肉体から漏れ出る光の粒子がウルティメイトブレスレットに吸収され、新たな力が宿る。

 

『・・・俺達に・・・力を・・・・・・』

 

『フゥゥゥ・・・』

 

「おい⁉ 姉ちゃん⁉」

 

 鷹揚に頷いたのを最後に光は地表の一点に集約していき、巨人が一人の少女の姿に戻る。

 果南は横たわって瞼を閉じており、ウルトラマンになった反動で何かあったのではないかという不安が脳裏を過った。

 焦る気持ちのまま即座に変身を解除し、彼女を抱き上げる。

 

「姉ちゃ―――」

 

〈意識を失ってるだけだ。安心しろ〉

 

 ゼロの言葉に安堵し、本当によかったと胸を撫で下ろす陸。

 

「・・・心配させんなよ。バカ姉が・・・」

 

 鼻先がじわりと痛むのを我慢し、そっと立ち上がる。

 小さい頃からずっと親しんできた温かさを衣服越しに感じながら、陸は少しだけ果南を抱き上げる腕に力を込めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・まさか姉ちゃんがウルトラマンになっちまうとは・・・」

 

「あはは・・・、私もびっくり・・・・・・」

 

 ダイビングショップのテラスから水平線に沈む夕陽を眺め、意識を取り戻した果南と並ぶ。

 

「・・・・・・何で逃げなかったの? 下手な真似はしないでって言ったよね」

 

 咎めるように言葉を紡ぐ。

 助けてもらった事が不満な訳じゃない。ただ危険を顧みなかった彼女に少し腹が立っているだけだ。

 

「・・・・・・ごめん」

 

 果南にしては珍しい弱気な声音が帰って来る。

 

「・・・居ても立っても居られなくてさ。やっぱり陸が傷付くところを見るのは辛いし・・・」

 

「・・・・・・だからって、果南姉ちゃんまで危険な目に遭う事はないだろ」

 

 こんな事を言ったってどうしようもない事は理解している。

 果南は優しい。自分の気持ち押し殺してまで、鞠莉の未来を優先させるくらいには。

 だが、逆にその優しさが彼女自身を縛り付けているのだ。

 

「姉ちゃん、前に言ってたよな。俺は昔から人を頼るのが苦手だったから、頼ってもらえるように、支えてあげられるようになりたいって」

 

「・・・? ・・・あぁ、うん・・・」

 

 不意に話が切り替わった事に戸惑いつつも、果南は首を縦に振ってくれた。

 彼女の青紫色の瞳と視線が重なる。

 

「・・・そう思ってくれてた事はスゲー嬉しいし、実際俺は何回も姉ちゃんに助けてもらって来てる。・・・夏休み前のあの時も、姉ちゃんがいなかったら立ち直れてなかったと思うし。きっと皆も姉ちゃんの事は頼りにしてる。けど―――」

 

 素直に感謝を綴るというのは想像以上に恥ずかしい。幼い頃からの付き合いである果南相手なら尚更だ。

 けれども決して目だけは逸らさずに、陸は続けた。

 

「そんな姉ちゃんのことはさ、一体誰が守ってくれるんだよ」

 

「え・・・?」

 

 考えた事もなかった。果南の顔はそう言っている。

 

「小さい時から俺達みたいな年下と関わることが多かったから、自分がしっかりしなきゃって思うのは分かるよ。その内俺と同じで人を頼るのが苦手になってたのも」

 

 同じような性格をしているダイヤとの独断で元祖Aqoursを解散させたのも恐らくはそう言う事。

 やはり果南自信に自覚は無かったようで、盲点を突かれたように頬を掻いている。

 

「だからさ、せめて俺一人くらいは頼ってくれよ。姉ちゃんがそう思ってくれてたみたいに、俺だって姉ちゃんが傷付くところとか、苦しむのは見たくないんだよ」

 

 ずっと支えてもらってきたから。ずっと助けてもらってきたから。

 だから、今度は―――、

 

「・・・俺は、もっと姉ちゃんに俺の事頼って欲しい」

 

 こうして果南に素直な気持ちをぶつけたのはいつ以来か。

 昔から支えてもらうのが当たり前で、その状況に何の疑問も抱いてなくて。

 でも今だから。果南の強さも弱さも知った今だからこそ言える。

 

「姉ちゃんが今この時が楽しいから頑張っちゃう気持ちも分かってる。でもだったらなおの事自分の事も大事にしないとダメだろ。もしそれで姉ちゃんに何かあったら、俺も皆も悲しむからさ」

 

「・・・・・・陸・・・」

 

 瞬間。

 果南の握っていた水晶体から光が消えた。

 同時に海の力も地球に還元されたらしく、もう何の力も感じない何の変哲もない水晶だ。

 

「・・・もう。あのウルトラマンにはなれないのかな?」

 

『多分な。・・・けど、それでいいんじゃないか?』

 

 ほんの少し寂し気に水晶を見つめる果南に、ゼロは確信付いた言葉を返した。

 

『・・・もう一人で抱え込むお前はこれで終い。たまには仲間を頼ることも強さだ。・・・きっと地球は、海は、お前にそれを伝えたかったんだと思うぞ』

 

 果南が海を愛した事と同じで、海もまた果南を愛し、見守り続けていた。つまりはそう言う事だ。

 誰かを頼ることが出来る今、果南にあの力はいらない。

 

「俺に仲間を頼って言ってくれたのは姉ちゃんだろ? ・・・・・・まさかそんな姉ちゃんが、人を頼れないなんて言わないよな?」

 

 意地悪い微笑を果南に向ける。

 それを見た彼女は、可笑しそうに息を吐いた。

 

「・・・生意気な子に成長しちゃったなぁ・・・」

 

 それでも全く嫌そうではなく、むしろ表情は憑き物が取れたように晴れやかで。

 

「ま、でも・・・」

 

 幼き日を懐かしむように夕陽を眺めた後、そっと陸の頭を自身の胸元に抱き寄せた。

 

「・・・ありがとね。陸・・・」

 

 優しく頭を撫でられる感覚と、腕の温もりが身体に広がっていく。

 気恥ずかしい反面、どこか心地よいと思っている自分も確かにいて。

 結局は果南が満足するまで、そのままでいたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 微笑ましかったけど、寂しさもあった。

 ウルトラマンとして戦っている陸が、もう私の支えなんていらないくらい遠くに行ってしまったような気がして。

 でも陸は今でもこうして私に寄り添ってくれている。

 今度は俺が支えるんだって、そうあれるようになりたいんだって。

 これじゃあべこべだ。どっちが年上なのか分かんない。

 でもそれが嬉しくて、胸が温かい。

 痛いような、苦しいような、それでいて心地のいい気持ち。

 

 まさかこんな感情を陸に対して感じるなんて、思ってもみなかったかなん?

 

 




ガイアをハブってアグルのみ出演させるという暴挙。しかも変身者は果南先輩というカオス。

当然ですが作中に登場したアグルは千歌達の住む地球出身なので、「ウルトラマンガイア」にて登場した藤宮博也の変身するアグルとはまた別物です。
アグルを出そうと思ったのは、ウルトラマンとラブライブでクロスオーバーさせようと決めた時はガイアでやろうと思っていたからですね。自分ガイアが一番好きなので。
じゃあ何でガイアを出さないかって? ・・・シナリオが思いつかなかったんだよ。

鞠莉「・・・果南回でこんな優遇があったんだから、当然マリーの回でもBigなSurpriseがあるのよね? こんだけ引き延ばしてるんだからね?」

俺「・・・・・・い・・・、Yes」

ノξソ>ω<ハ6 「その弱々しい返事は何なの⁉ どうせ考えてないんでしょう⁉ どうせ次回からのダイヤ回書き終わったら何事もなかったかのようにやり過ごすつもりだったんでしょう⁉」

俺「い、いえ! そんな事は決して・・・・・・!」

ノξソ>ω<ハ6「・・・書かなかったら小原家の力で海に沈めるわよ?(マジなトーン)」

俺「了解致しましたぁぁ‼」


冗談抜きでそろそろ考えないといけませんね。鞠莉さん押しのためにも。
それでは次回で!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。