ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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YouTubeに公式で公開されたウルトラマンヒットソングヒストリーの序盤動画見たんすけど、我等がウルトラマンゼロビヨンド様の扱いが雑過ぎやしませんかね?まあ、ルーブ兄弟を引き立たせるためには仕方のない事だったんでしょうけど。

にしても、平成ウルトラマンをありしゃ・・・じゃなくてアレーナ様と共に封印して、ウルティメイトファイナルゼロを耐え、ギンガ、ビクトリー、エックス、オーブ、ジード、ゼロを破るエタルガーって何者だよ。


八十三話 硬度十の誇り

 

 

 

「ダイヤ・・・・・・ちゃん?」

 

 時はほんの少しだけ遡り、状況を見かねた果南と鞠莉が後輩達を集めていた。

 

「皆ともう少し距離を近づけたいって事なんだろうけど・・・・・・」

 

「それで・・・・・・」

 

「じゃあ、あの笑顔は起こっている訳じゃなかったずら?」

 

 二人からダイヤの奇行の真意が明かされ、とんでもなく怒らせてしまったのではないかと思っていた千歌と花丸は深い深い安堵の息をつく。

 

「でも、可愛いところあるんですね。ダイヤさん」

 

「言ってくれればいいのに」

 

「でしょ~?」

 

「だから、小学校の時から、私達以外はなかなか気付かなくて・・・・・・苦労したものデース」

 

 いつの間にか作られていた理想像と期待を押し付けられ、ダイヤもそれに答えようとするあまりどんどん周りとの距離が開いていった。

 

「ほんとは凄い寂しがり屋なのにね~」

 

 果南が先程ダイヤ自身が陸に自白した事を口にした瞬間、地面が大きく揺れた。

 

「な・・・? 何⁉」

 

「あっ! あれ!」

 

『デェェェヤ‼』

 

『○△□――――――‼』

 

 顔を上げた皆の視界に映ったのは、シーパラダイスのすぐ近くの海上で激突する青い巨人と黒いロボットだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ガルネイトバスタァァァァァ‼』

 

 闘魂の爆炎が、キングジョーブラックにヒットすることなく宙を駆け抜けていく。

 

『チッ・・・』

 

「・・・コイツもダメか・・・・・・」

 

 このキングジョーブラック。強化機体だけあって以前戦ったキングジョーとは比べ物にならない程強い。

 通常形態にしろ、ルナミラクルにしろ、ストロングコロナにしろ、尽く全ての攻撃が読まれてしまう。

 

「・・・なあゼロ。コイツ・・・」

 

『ああ、操作してんのは間違いなくダイヤだろうな。・・・・・・自律型にしては動きが器用すぎる』

 

 先程まで陸がいた場所では、瞳を真っ赤に染めたダイヤがリモコンらしき物を動かしている。

 スライの言葉からして、操られているのは間違いないだろう。

 

「・・・じゃあ何だ? ダイヤさん、今までの俺達の戦いを事細かに覚えてるってのか?」

 

『・・・・・・にわかには信じがたいが・・・、そうとしか思えないな。・・・・・・ホントに頭いいんだなアイツ』

 

 思ってみれば普段ポンコツなだけで、ダイヤは生徒会長で成績もよい優等生だった。頭が悪くない訳ないのだ。

 仮にダイヤが今まで自分の目で見たゼロの戦闘を全て記憶しているとしたら、かなり対抗手段が限られてくる。

 通常形態はおろか、日頃から頻繁に使用しているルナミラクル、ストロングコロナ、ゼロビヨンドは通用しないと考えた方がいいだろう。

 

『・・・・・・だったら!』

 

 駆け出したゼロが鈍色の鎧を身に纏い、ウルティメイトゼロと成りて攻撃を仕掛けに掛かる。

 使用回数が少ないのはウルティメイトゼロ、ゼロダークネス、シャイニングゼロの三形態。

 反動が大きいシャイニングは最終手段とし、とりあえずは善子以外の前で戦闘を行っていないウルティメイトゼロの出番だ。

 

『デェェェヤ!』

 

『○△□―――――!』

 

 切っ先が描く剣閃が幾筋も繰り出されるが、キングジョーブラックは機体を四つに分裂させて器用にそれをかわしてしまう。

 

『むぎぃぃ・・・、ちょこまかと・・・・・・!』

 

 以前戦ったキングジョーよりも分裂したUFOの反応が早い。

 それの強化機体という事に加え、ダイヤという直接操作している者がいる。高スペックな機体にダイヤの頭の良さ。思わぬベストマッチだ。

 その証拠にウルティメイトゼロの動きも見切られていっている。

 

『クソッ・・・、こうなりゃ単騎に集中砲火だ!』

 

 全体の制御装置のある頭部パーツに狙いを定め、ウルトラ念力で操るゼロスラッガーと同時に剣撃を連発。

 すると四機のUFOのフォーメーションが崩れ、狙い通り頭部パーツが集団から外れる。

 

『ソードレイ・・・・・・ウルティメイトゼロ‼』

 

 白銀の剣を振るうと共に解き放った光の刃が回転しながら頭部に迫る。

 が、

 

『なっ・・・、何⁉』

 

 ダイヤにはそれすらも見切られていたらしい。

 キングジョーブラックは素早く全機合体すると、右腕のランチャー砲―――ペダニウムランチャーから砲弾を放って光刃を相殺してしまった。

 そして更に、

 

『ぐっ・・・・・・おぉぉぉぉ・・・・・・』

 

 舞い上がった爆炎の向こうから幾つもの厚い弾幕が殺到し、飛翔するゼロを海中へと叩き落した。

 

『ちぃ・・・、陸!』

 

「・・・ああ」

 

 こうなったらもう手段は一つしかない。

 

『ダアァァァァラッ!』

 

 海中から漆黒の巨人が飛び出し、荒々しくキングジョーブラックに突進を仕掛ける。

 

「こんのっ・・・・・・、オウラァ!」

 

 ランチャー砲を掴み取るとそのままブンブン振り回し、今ののお返しだと海の中へと放り投げる。

 

〈・・・・・・行けそうか?〉

 

「ああ、少なくとも前みたいな感覚はない」

 

 ロボットなのに海水を物ともしないキングジョーブラックが起き上がったのを確認した後、ゼロは急降下を開始した。

 今の姿はゼロダークネス。この状況では切り札の一つだ。

 皮肉な事に、過去全て暴走しているためにまともな戦闘データがない。よもや黒歴史がこんなところで役に立つことになろうとは。

 

「・・・・・・」

 

 今までグレンやミラーナイトと特訓してきた成果が今出る。こんな時のための特訓だったのだ。

 一度はダイヤを殺めかけたこの力で、今度はダイヤを救う。

 

『シャア!』

 

 再び分裂される前に掴みかかり、その黒いボディにパンチキックの連続コンボを叩き込む。

 だが硬い装甲に素手による打撃が通用するはずもなく、逆に殴る度にダメージを受けているのはこっちだ。

 

『ザアァァ!』

 

 打撃がダメなら斬撃だ。両腕にゼロスラッガーを構え、装甲の薄い関節部分を重点的に狙って振るう。

 

『○△□―――!』

 

『グオオォ⁉』

 

 早く、的確に繰り出していた斬撃の一瞬の隙を突き、キングジョーブラックはその場で回転しながら弾幕を撒き散らしてくる。

 

「ちっ・・・」

 

 弾を処理している間に宙に飛び上がられ、すぐさまその後を追うゼロ。

 

『ゼアァァァァ!』

 

『○△□―――!』

 

 ダークゼロツインシュートで撃墜を試みるも、先程と同様に身体を分裂されてかわされてしまう。

 

「空中戦は慣れねぇ・・・・・・」

 

 元々飛べない人間である陸がそう簡単に空を飛ぶ感覚を身に着けられる訳がない。

 ゼロ自身が飛ぶよりもかなりよろよろと危なっかしく飛翔しながらUFOの一体へと接近していく。

 

『ハァァ!』

 

 腕パーツ目掛けて放ったデスシウムショットはあっさりと回避され、何もない虚空を切り裂くのみ。

 だったらと別の攻撃に転じ右足を振るうがそれも命中しない。

 

「ああもう! 虫かよコイツ!」

 

〈・・・一瞬でも動きが止まれば勝機はあるんだが・・・、って! あぶねぇ!〉

 

『フッ⁉』

 

 いつの間にか四機のUFOに囲まれ、放出された電撃により拘束されてしまうゼロ。

 

『○△□――――!』

 

『グアァァァァ・・・・・・⁉』

 

 ダイヤの操作で合体したキングジョーブラックが、再び海中に叩き落された黒い巨人目掛けてペダニウムランチャーを発射。

 その威力に水中にも拘らず大爆発が起き、モロに喰らったゼロのカラータイマーも点滅を始めてしまう。

 

「っ・・・、クソが・・・・・・」

 

〈強ぇ・・・・・・〉

 

 規格外の強さを誇るキングジョーブラックを前に、思わず戦慄を禁じ得ない陸だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(・・・・・・わたくしは一体・・・、何をしているのでしょうか・・・・・・?)

 

 うまく頭が回らない。

 意識はあるのに、それとはまた別の意識に思考が支配されているようで、ウルトラマンゼロを倒すという事しか考えることが出来ない。

 どうして彼等を倒さなくてはいけないのか、それすら考えることも出来ず、自分はキングジョーブラックを操作している。

 

(・・・わた・・・くし・・・は・・・・・・)

 

 自分自身何がしたいのかも分からない。

 先程までは後輩と仲良くなろうとして空回りを繰り返し、今となっては自分の考えすらも見失っている。

 自分は弱い。胡乱な思考の中、これだけはハッキリと分かった。

 

―――――今の自分を否定しないでください。

 

(っ・・・・・・!)

 

 不意に、優しい声音が脳裏を駆け巡った。

 

『デェェェヤァァァ‼』

 

 すぐ近くで自分の操るロボットがゼロと衝突する音が翳みがかっている意識に響く。

 ハッキリしない思考でも、ゼロのあの姿には自然と身体が反応する。

 ゼロダークネス。かつて自分を殺しかけたゼロの、そして陸の闇だ。

 

「・・・・・・うぁ・・・!」

 

 ズキリと頭が痛んだ。

 それと同時にトラウマとも言える記憶が思わず閉じた瞼の裏に投影される。

 

―――――・・・・・・・・・・すみませんでした・・・・・・。

 

 恐らくAqours全員、今後忘れる事はないであろう言葉も。

 今思えば、あの時の陸も今の自分と似たような状況だったのだろう。

 目先の事に必死にあるあまり本来の自分を見失い、結果周囲を大きく混乱させた。

 

『ダアァァァ! ハッ!』

 

 それでも彼は自分を貫く事を辞めなかった。

 たとえ孤独になろうとも、戦う自分自身だけは信じ抜いていた。

 だったら自分は・・・・・・、

 

「あ・・・うぅ・・・」

 

 押し込められていた思考が徐々に広がっていくのを感じる。

 

「・・・わ・・・た・・・・・・は・・・」

 

 だったら自分も、自分が貫いてきた黒澤ダイヤを信じ抜かなければ。

 

「・・・わたくし・・・は・・・・・・」

 

 心を強く持て。ダイヤモンドが如き頑強な強い心を。

 皆が信じた、自分らしくあるために。

 

 

「「「「「「「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」」」」」」」

 

 ダイヤの瞳が翡翠色に戻り始めたその時。

 施設の方から悲鳴や歓声が入り混じった幼い声が聞こえた。

 

(・・・なん・・・ですの・・・?)

 

 痛む頭を動かして視線をやると、今日団体でシーパラダイスに来ていた幼稚園児達がそこら中で走り回っている。

 ある者はその場で泣き続け、ある者は逃げ惑い、また一部の野次馬園児は巨人とロボットの戦いの場へと近づいて行っていた。

 

「駄目! そっちは危な―――うあっ・・・!」

 

 園児を止めようとした千歌も地響きによって転倒してしまった。

 千歌だけでなく他のAqoursの皆もどうしたらいいのか分からないといった様子で慌て、ルビィに至っては泣いてしまっている。

 

「っ・・・・・・!」

 

 翡翠色が元の光を取り戻した時。

 何かを決意した顔でダイヤは駆け出し、かしゃりという音と共にリモコンは地面へと落ちた。

 

 

 

 

 

―――ピィィィィ―――‼

 

 地鳴りも、悲鳴も、歓声も。何物にも負けず。

 唐突に響き渡ったその音は、高い響きでその場全員の鼓膜を打った。

 

「さあ皆! 注もぉ――く‼」

 

 凛とした声の音源、スタジアムのステージ上に立つ一人の少女。

 スライの催眠から抜け出した黒澤ダイヤは、混沌が支配するこの場を制する一声を上げたのだ。

 

「園児の皆! 興奮したり、怖かったりするのは分かりますが、こんな時こそ皆で協力し合わなければブッブー! ですわ!」

 

 突然の登場にAqoursの皆が呆気にとられる中、ダイヤは巧みに園児達を誘導していく。

 そして見事全ての園児を集める事に成功し、柔和な笑顔でこう言った。

 

「さあ! 大きな声で、ウルトラマンを応援しますわよ‼」

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――頑張れぇ―――‼

 

 

『フッ・・・・・・?』

 

 集団による統率の取れた応援に自然と意識が吸い込まれる。

 見ればそこにはシーパラダイスに来ていた幼稚園児達、そしてそれらを牽引するダイヤの姿があった。

 

「ダイヤさん⁉」

 

〈洗脳が解けたのか・・・!〉

 

 黒い巨人と視線が重なったダイヤは、いつも通りの凛々しい表情で力強く頷いた。

 自分を殺しかけた者への恐怖など、微塵も感じさせない様子で。

 

「へっ・・・、やっぱ強い人だよ。ダイヤさんは!」

 

 改めて構え直し、操縦者がいなくなった事で動きがおかしくなったキングジョーブラックへと肉薄していく。

 

『ジュヤァァァ‼』

 

 遂に届いた斬撃は頑丈な装甲を切り裂き、闇の放出に乗せてその身体を盛大に薙ぎ払った。

 続くコンボも次々と黒いロボットを捉え続け、先程までの劣勢が嘘のように流れがこちらに来る。

 

〈殴ってばっかじゃキリがねーぞ〉

 

「分かってるよ。その為の特訓だろうが!」

 

 二本のゼロスラッガーを融合させ、黒光りするゼロツインソードを両腕で装備する。

 グレン達との特訓で学んでいる事は二つ。

 一つは体術。これがなければ戦闘など始まりもしないから。

 もう一つは・・・、剣術だ。

 ゼロはゼロスラッガーを始め、刃物を使った攻撃パターンが多い。

 ゼロビヨンド時にもビヨンドツインエッジやツインギガブレイク等の武器や技が存在するため、陸も武器を扱えるようになる必要がある。

 その過程で編み出したのが、ゼロダークネスオリジナルの剣技だ。

 

「デスシウムスライサァァァァ―――‼」

 

『デェェェヤァァァァァ‼』

 

 眩い漆黒を纏った大剣が振り抜かれ、回転する巨大な刃が打ち出される。

 自身の身の丈を遥かに超える闇刃を受け止め切ることが出来なかったキングジョーブラックは、身体を両断されて真後ろに倒れ込む。

 そして次の瞬間には、ネジやら大量の部品を巻き散らしながら大爆発を起こした。

 

『フ・・・』

 

 大喜びする園児達の中でただ一人静かに微笑む少女に向けてサムズアップを向ける。

 それを見たダイヤもまたサムズアップを返してくれたのを確認し、ゼロは大空へと飛び去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ご迷惑おかけしましたわ」

 

「いえいえ、お気にせず」

 

『そーだそーだ。全部あのラッキョウ野郎がワリーんだ』

 

 バイト時間も終了し、夕闇が辺りを包み込み始めた。

 

「いいえ。それだけでなく、わたくしのワガママで随分と苦労を掛けてしまったので・・・」

 

 ダイヤが誘導してくれたおかげで、園児達に怪我はなかったそうだ。

 これも日頃生徒会長として全校生徒やAqoursの問題児どもを纏め上げている賜物だろう。

 

「・・・そんで? 答えは出たんですか?」

 

「ええ。・・・・・・結局、わたくしはわたくしでしかないのですわね・・・」

 

「それでいいと思います」

 

 施設の入り口で話していた二人の会話に割り込む声が一つ。

 振り返れば、同じくバイトを終えた他のAqours八人が揃ってこちらを見ていた。

 

「私、ダイヤさんはダイヤさんでいて欲しいと思います」

 

 先程果南と鞠莉から彼女の本心を聞いた千歌が一人前に出て言葉を紡ぐ。

 

「確かに、果南ちゃんや鞠莉ちゃんと違って、ふざけたり、冗談言ったり出来ないなって思う事もあるけど・・・。でもダイヤさんはいざという時頼りになって、私達がだらけている時は叱ってくれる。ちゃんとしてるんです!」

 

皆だって考えている事は同じなのだ。

 厳しくて、頭が硬くて、シスコンで、けれども確かに頼りにされている。それが黒澤ダイヤだ。

 

「だから皆安心できるし、そんなダイヤさんが大好きです! ね?」

 

 千歌の求めた同意に皆首を縦に振る。

 

「だからこれからもずっと、ダイヤさんでいて下さい! よろしくお願いします!」

 

「・・・・・・ほら、別に焦る必要なかったでしょ?」

 

 台詞を投げかけると、ほんの僅かに瞳を潤ませるダイヤが視認できた。

 誤魔化すようにホクロを掻き、穏やかに綻んでいる。

 ちなみに果南と鞠莉によると、ダイヤは嘘をつく時ホクロを掻く癖があるそうな。

 

「わたくしは・・・・・・、どちらでもいいんですのよ? ・・・別に・・・」

 

 その言葉が完全な本心でない事は、その事を知らない皆でも分かっているだろう。

 だからこそ、声を揃えてこう呼んだ。

 

「せーのっ!」

 

 

――――――ダイヤちゃん‼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・本当に、今日はお世話になりっぱなしでしたわね」

 

「・・・そんな大層な事やった覚えはないっすよ。俺がやりたいようにやっただけです」

 

「ふふ・・・、貴方らしいですわね」

 

 解散後、改めてダイヤに呼び出された。

 何でも話があるとかそんな。相手がダイヤだというだけで内心ビクビクしてたのは内緒だ。

 

「・・・・・・それで? 一体話とは何ぞで?」

 

「・・・い、いえ・・・、大したことではないのですが・・・・・・」

 

 頬に朱を差し、妙にもじもじしているのが気になる。お腹でも痛いのだろうか。

 またおかしくなったのかと陸が不安になっていると、ダイヤは言葉を続けた。

 

「その・・・、名前でお呼びしてもよろしいでしょうか?」

 

「は?」

 

 予想の八十九度くらい斜め上をいく申し出に、思わず間抜けた声が出てしまう。

 

「えっとその・・・、理由をお聞きしても?」

 

「・・・それは・・・その・・・、貴方だけ苗字呼びというのも、少し思うところがありまして・・・」

 

 戸惑いつつも聞き返すフレーズをひり出すと、ダイヤはそう答えた。

 そういえばAqours加入以降、ダイヤはそれ以前は苗字で呼んでいた千歌達を名前で呼ぶようになった。

 きっとそれは彼女なりのケジメだったのだろう。距離が近くなった以上、他人行儀ではいけないと。

 恐らく今回の申し出もそういう理由か。

 

「・・・別に俺が許可出すようなものでもない気がしますけどね。どうぞ何なりと」

 

〈・・・・・・うん。やっぱスゲーよお前。その鈍さはもはや尊敬に値するぜ〉

 

 ゼロの言っている事は相変わらず理解不能なのでスルーだ。

 

「・・・とりあえず戻りません? アイツ等待ちくたびれてると思うんで」

 

 日はもうとっぷりと沈んでいる。連絡船は一度乗り遅れると次便までかなり感覚が開いてしまうので逃すのはマズい。

 

「ええ、そうですわね・・・・・・・・・陸さん」

 

 割と満更でもない響きを背中越しに感じつつ、船着き場へと向かう。

 

 

 なおこの後、二人で何してたんだと散々問い詰められたのはまた別のお話。

 

 




伏線もへったくれもなくゼロダークネスにオリジナル技を搭載していくー。
いやさ、デスシウムショットにダークゼロツインシュートだけって、ちょいとゼロダークネスの技は少なすぎる気がするんですよね。
まあ、ゼロ様の姿って言うべきか陛下の御姿って言うべきか曖昧なところはありますが。敵か味方かによって技の搭載も変わってきますしね。特にゼロダークネスはすぐに出番終了したし。公式の映像でまたその姿を拝める日はくるのだろうか・・・・・・。

まあいいや。とりあえずダイヤお姉様回は終わったんで、次回から五話の話です。

それでは次回で!
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