ていうかずら丸もダイヤ様もビルドの劇中で万丈もしくはクローズがとったポーズと結構似ているポージングしてるし、AZALEA全員万丈やん。
今回からアニメ五話のよしりこ回です。
正直言うと俺はよしりこ派ではなくよしまる派なんすけどね。
アニメ二期以降公式のよしりこプッシュによってよしまるが希薄になりつつ合って悲しい。
いいじゃないか幼馴染百合も。ようちかなんてもう最高だぜ?
いくら天候が悪かろうと、ラブライブは待ってはくれない。
「果南ちゃんと梨子ちゃんはウチの車で帰ろう。陸ちゃんと曜ちゃんはー?」
「ミラーナイトに力使わせるから問題ない」
だから今日も負けじと練習! のつもりだったのだが、流石に雨が強くなってきたので帰宅時の安全も考えて本日はここで解散となった。
「善子ちゃんは?」
メンバーが各々車に搭乗する中、ただ一人傘を差したまま動かない善子。
「嵐が堕天使の翼を揺さぶる。・・・・・・秘めた力がこの羽に宿る!」
「ふざけてる場合じゃないよー」
「拠点は至近距離にあります。いざとなれば瞬間で移動できますので」
他の皆と違って善子の家はここの近辺。徒歩でも雨が酷くなる前には帰宅できるだろう。
その事は皆理解出来たらしいので、それ以上は何も言わずに車ごと走り去って行く。
「「「バイバ~イ」」」
「シャイニー♪」
「「「ご機嫌よ~う」」」
「事故るなよー」
「よーしこー!」
「ヨハネよ!」
お決まりのツッコミの後全員がこの場から去り、一人になった善子は帰路を進み始める。
ふと見上げた空は、これでもかというくらい曇天という言葉が似あう程曇っていた。
「胸騒ぎがするこの空・・・・・・、最終決戦的な何かが始まろうと――――――」
刹那善子の堕天使芸を邪魔するように突風が吹き、手に持っていた傘が飛ばされて言ってしまった。
「こらぁ! 待てぇ! 待ちなさい! 待つのです!」
素の善子から堕天使ヨハネと色々なパターンで制止しようとするも、傘は風に煽られどんどん善子から離れていく。
ある程度距離が開いたところで傘は止まり、ゆらゆらと怪し気に揺れ始めた。
「何・・・? その動き。もしかして、何かが私を導いて―――うにゃぁ⁉」
またしても風により堕天使芸は阻まれ、おまけに傘も吹き飛ばされてしまう。
つくづく運が悪いなと考えながら、善子は自販機と塀の間に挟まった自分の傘を手に取る。
「ん?」
ふと何かの気配を感じ、傘が挟まっていた場所に視線を戻す。
「・・・ふふ・・・」
その正体を確認した善子は柔らかに微笑み、せっかく回収した傘をその場所に置き直した。
「今日こそ決めないと!」
後日十千万。千歌の部屋。今ここで、ラブライブ予選の作戦会議が行われていた。
「もう時間もないんだよ」
司会進行の果南の一声で、皆頭を働かせ始める。
「分かってるずら・・・・・・」
「でも、テーマって言われると・・・・・・」
歌詞にしろ曲にしろダンスにしろ衣装にしろ、それらを制作する際には統一された一つのコンセプトが必要となる。
もう何度もこの作業は繰り返してきているのだが、やはり悩ましいところだ。
「かといって、暗黒と言うのはあり得ませんけどね」
「どうしてよ!」
過去の堕天使PVという前例がある為、出来る限りそのテーマは避けて通りたい。というか容認できない。
「堕天使と言えば暗黒! Aqoursと共に歩んだ堕天使ヨハネの軌せ―――」
「やっぱり輝きだよ!」
「聞きなさいよ!」
さも当たり前のように千歌に遮られ憤慨する善子。
だがそれすらも触れてもらえず、話は進行していった。
「まあ、輝きっていうのは、千歌が始めた時からずっと追いかけてきているものだからね」
『説明会の時も同じようなテーマで歌詞書いてなかったか?』
「輝きに関してならいくらでも書けるよ!」
いくらでも書けるのならば普段あんなに作詞で苦しんでいる事もないと思うのだが。
「ですが、Aqoursの可能性を広げるためには、もっと模索が必要ですわ」
そう言ってダイヤは自身の携帯電話を開き、その液晶画面を見せてくる。
そこに映されていたのは二人の少女によるライブ映像だった。
『お、子娘共じゃねーか』
「Saint Snowですわよ。いい加減名前を覚えなさい」
冷静にダイヤがゼロに突っ込む。
Saint Snowと言うと、Aqoursが東京に行く度に会っている北海道の姉妹スクールアイドルの事だ。
「えぇ⁉ これSaint Snowさんなの⁉」
以前東京のイベントで見せた『SELF CONTROL‼』とは打って変わった雰囲気のパフォーマンスで、特に激しいダンスはなく歌が主体となっている。
「一つに止まらない多くの魅力を持っていなければ全国大会に進めませんわ」
「そうだね。次はこの前突破できなかった地区大会」
「何か新しい要素が欲しいよね・・・・・・」
とは言ってもそう簡単に思いつくものでもない。
三人寄れば文殊の知恵というが、九人集まってもこのザマなのだ。少しその諺の信憑性が薄れてくる。
「「むぅ・・・」」
「くぅ・・・・・・」
『あ?』
全員で頭を捻る中、緊張感のない寝息が耳朶に触れた。
音源に視線を流してみれば、アニメ目がプリントされた眼鏡をかけて居眠りをこいている鞠莉が確認できた。
「またこんな眼鏡で誤魔化して・・・・・・あれ?」
呆れ気味に梨子が眼鏡を取ると、そこにはぱっちりと見開かれた鞠莉の目が。
と思ったら、すぐに二つの目は剥がれ落ちてしまう。どうやらシールを張っていたらしい。
「待てば海路の日和ありだって」
「はぁ・・・・・・」
「鞠莉ちゃん、長い話とか苦手だから・・・、ね? 善子ちゃん?」
「ワン!」
明らかに返答がおかしい。
「わあっ⁉」
明らかに千歌の反応もおかしい。
その違和感に、今度は全員の視線が善子の方へ移る。
そこにいたのは、もはや善子の面影など微塵もない獣。ふさふさの体毛に、やたらと大きい図体。
つまりは高海家の愛犬、しいたけである。
「よ、善子ちゃんがしいたけちゃんに⁉」
「そんな訳ないでしょう⁉」
「ふあぁぁ・・・、騒がしいデスね~・・・」
ちょっとした混乱が駆け巡る中安眠を妨害された鞠莉が目を覚まし、呑気に身体を伸ばす。
『・・・いつの間に消えたんだアイツ・・・?』
「あ、善子ちゃんからメールずら」
突然の怪奇現象に驚いていると、最近買い替えたばかりだという花丸のスマホに善子からの連絡が入る。
「天界の勢力の波動を察知したため、現空間から離脱・・・・・・」
「・・・どゆ事?」
「要するに、帰るって事ずら」
「全く、わたくし達に一言も言わずに・・・・・・」
「一言も言っていないって言えば・・・・・・、ゼロ、今日陸は?」
『あぁ? なんか今日は学校の方で用事があるとか言ってたぞ?』
「それも早く言いなさいな・・・・・・」
(・・・・・・ゼロがいないと静かだな・・・)
体育倉庫整理などと言う明らかに面倒事を押し付けたようにしか思えない傍迷惑な頼まれ事を終え、自転車で軽快に帰路を疾走する陸。
時間帯的にも今日はAqoursの皆は解散しているだろうし、まっすぐ家に向かうとしよう。
(・・・何だかんだ一人になるのは久々な気がする)
この頃は常にAqoursの誰かしらと、そうでなくてもゼロが体内に宿っていたからこうして一人になる事はまずなかった。
これは是非とも久々の平穏を味わいたいところだが、こういう時に限って誰か知り合いに会ってしまうのが陸の悲しい体質だ。
そう思った矢先に、制服姿のままサングラスを掛けてホームセンターにおかしな挙動を取る怪しさ全開の少女が視界に入る。
「・・・・・・何してんのお前・・・?」
「うにゃぁ⁉」
陸が声を掛けるとその少女―――津島善子は新種のネコ科動物みたいな奇声を上げながら飛び上がった。
「何買ったんだ?」
「それは我が眷属の蠢きし魔城に着いてからのお楽しみよ。リトルデーモン」
「頼むから日本語で喋ってくれよ」
珍しい奴を荷台に乗せながら自転車を漕ぐ。
あの後なんだかんだで善子の買い物に付き合わされ、その流れで自宅まで送っていく事に。
何でも見せたいものがあるとか言っていたが、一体なんだというのだろうか。
「つかお前、打ち合わせはどうした。もうそろそろ決めないとマズいんじゃなかったのか?」
「進みそうもなかったからこっそり抜け出してきたわ。用事もあったし」
「それが今の買い物だと?」
「ええ。天界議決によって定められし堕天使ヨハネの生業・・・・・・といったところかしら?」
「天界議決って仕事斡旋してくれんのか・・・・・・」
要するに必要なものがあったから買いに行ったという事らしい。仕事というよりは義務のようだ。
「つか、天界追放されてんのに天界議決に従うんだな」
「っ! そ、それは・・・・・・」
設定の矛盾にツッコまれ、善子は不貞腐れて頬を膨らませる。
そこからニ十分ほど他愛のない会話を続け、自転車は善子の住むマンションの前へと辿り着いた。
「お疲れ様。悪かったわね。付き合わせて」
「気にすんな。曜に比べりゃまだ軽かった」
「・・・・・・曜泣くわよ」
「アホ。アイツはお前より鍛えてるから筋肉あるんだよ。お前も今はもやしっ子だけど、もうちょと鍛えないと大変な事になるかもな」
「ど~いう意味よ~~‼」
荷台に座ったまま堕天流鳳凰縛。普段なら難なく回避できるものを、この状況に限っては背後という死角+ゼロ距離のダブルコンボでロクな対応が出来ず、あっさりと捕縛されてしまった。
「ぬぐ・・・・・・ん?」
引き剥がそうと抵抗をしていると、ふとある人物が視界に入る。
マンションに立て付けられた小さな祠の前。そこに置かれたゲージの中を覗いている紫檀色の髪を持つ少女。
本来はここにはいないはずの、桜内梨子だ。
「・・・おい善子。あれ」
「何よ・・・・・・・・・って、ああ‼」
善子も梨子の存在を確認するや否や陸から離れ、今度はそちらの背後に移動する。
「むうぅぅぅ⁉」
そして何を思ったか、いきなり梨子の口を塞いでゲージから引き離し始めたではないか。
善子は細身の割にはやけに力が強いので、凡庸の極みたるもやしっ子である梨子は必死の抵抗空しくずるずると引き摺られていく。
「やめんか」
普段花丸がやっているように手刀を落とすと善子は止まった。
「え? 善子ちゃん⁉ 仙道君も・・・」
「よー、桜内」
「ヨハネ! 何で梨子がここにいるの?」
普通に挨拶はしたがそれは確かに疑問だ。
彼女の家は千歌の家である十千万のお隣、つまり沼津にある善子の家からはかなり距離があるはずだ。
きょうはこっちでの練習もないので、ここにいる理由もないと思うのだが。
「いえ・・・ちょっと忘れ物を届けに。この前善子ちゃんのお母さんが家に忘れていったっていうから・・・・・・」
梨子が鞄から取り出したのはスマートフォンだった。無駄にデコられている善子の物とは違うので、言葉の通り彼女の母親の物だろう。
「で? 今桜内何見てたん?」
「ああえっと・・・、その中に何かいるなーって・・・」
梨子が指さすのは祠の前に鎮座しているゲージ。
確かにその中で何かが潜んでいるのが分かる。
「なあ善子。このゲージお前が置いたの?」
今さっきの善子の反応から察するに、これを置いたのは間違いなく善子だ。
となると必然的にゲージの中に何がいるのかも知っている事になる。
「ええそうよ。アンタには見せるつもりだったし、丁度いいわね」
そう言いながらレジ袋を探り、中から缶詰らしき物を取り出した。パッケージのデザインからしてあれはドッグフードだろう。
「ほら、ご飯だよ」
開いた缶詰をゲージの前に置き、開かれた扉から出てきたものは―――、
「・・・あら、可愛い・・・・・・」
その正体に拒絶反応を起こした梨子が陸の背後に隠れる。
しかし梨子の怯えた視線など一切意に介する様子もなく、檻より解放されし獣は与えられた餌を一心不乱にがっついている。
「慌てて食べなくていいのよ?」
それを見て微笑む善子の表情はまるで聖母のようで、日頃堕天使がどうのこうのとか言っている奴と同一人物とは思えない。
だが根はAqoursで一番いい子の善子だ。きっとこっちが素の彼女なのだろう。
「・・・善子ちゃん・・・それ・・・・・・」
「・・・・・・見て分からない? 犬よ」
「・・・よね」
そう。今目の前にいるのは桜内梨子の苦手なものナンバーワンの犬である。
天敵の存在を改めて認識した梨子が更に顔を引きつらせると同時に、善子がその犬を抱き上げる。
「あら・・・、可愛い・・・」
不意に善子が立ちあがり、一歩退く梨子。
「へへ・・・・・・、可愛いね・・・」
善子に一歩踏み出され、更に後退りする。
「っ・・・! 可愛いよ・・・?」
「・・・・・・」
明らかに梨子が距離を取ろうとしているのが気に喰わなかったのか、善子はむっとしながら犬を地面に下すと、
「行けぇ!」
梨子を指さし、そう指示を飛ばした。
「アン!」
「ふあっ⁉ ふわあぁぁぁっ⁉」
「ひでぇなお前」
わんこは命令通りに地面を蹴り、大慌てで逃げる梨子の跡を追いかけまわしている。
一通り逃げ回った後Uターンしてこっちに戻ってきたので、一人と一頭の間に割って入ると犬の方を回収する。
「・・・本当に苦手なのね」
肩で息をする梨子に、こうなった元凶である堕天使は悪びれもせずに歎息した。
「拾った?」
「違う出会ったの。邂逅・・・・・・Destinyが二人を巡り合わせたの」
「つまり拾ったのか」
食後のミルクを与えられた犬の頭を撫でながら素っ気なく突っ込む陸。
今のご時世捨て犬というのも珍しいものだろう。てっきりもう漫画とかそのへんのみの存在かと思っていたが、まさかお目にかかる日が来ようとは。
「それで・・・、飼う事にしたのね?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
何故か善子は無言のまま返事を返さない。
「・・・違うの?」
「・・・私の家・・・、動物は禁止で・・・・・・」
「じゃあ何で拾ったお前」
考えてみればマンションなので当たり前といっちゃ当たり前だ。
しばらくの沈黙の後、善子は口を開いた。
「・・・・・・お願いがあるんだけど・・・」
「聞かない‼」
「まだ何も言ってない!」
とは言っても、この状況と流れからしてなんのお願いかは大体察しが付く。
当然梨子もそんなお願い聞くまでもないと即刻拒否し、それを聞いた善子はむくれながらミルクを飲み終えた犬を抱きかかえる。
「・・・どう考えても無理でしょ・・・・・・」
「ほんの少しだけでいいの! この子の生きていく場所は私が見つけるから!」
立ち上がって訴えるも、警戒度Maxの梨子はどんどん善子から距離を取ってしまう。
「そうだ! 花丸ちゃんかルビィちゃんに頼んだら? 二人なら・・・・・・」
「駄目! ずら丸の家もルビィの家も許可取るの面倒みたいだし・・・・・・」
二人共結構歴史ある家の子なので、そういう所で動物を飼うというのはやはり難しいのだろう。
「鞠莉ちゃんは・・・?」
「ホテルでしょ?」
鞠莉の家は高級ホテル。動物なんて当然厳禁だ。
「果南の所もお店があるみたいだし、千歌の所はしいたけもいるし・・・・・・」
二人共飼えない事は無いのだろうが、鞠莉と同じく実家が何かしらの店を営業している彼女達に預けるのは少し気が引ける。
「だったら仙道君は⁉」
「預かれない事はないが・・・・・・、グレンがいるから燃やされかねない」
理屈で止まらない馬鹿が居候している陸の家も無理だ。
「・・・じゃあ、曜ちゃんとか・・・」
「アイツん家も無理だな。小さい時に犬飼いたいって言って撃沈したらしい」
「・・・ていうか、そんなに嫌なの?」
自分以外誰も預かれない事が判明し、完全に逃げ道を塞がれてしまった梨子。
「嫌って言うか・・・・・・」
この状況でもなお渋る彼女に、善子は再び犬を地に下し、
「行けぇ!」
「ウァン! アンアン!」
「ふあぁぁぁぁ⁉ ひぃぃぃぃ⁉」
二度目の追い掛けっこが勃発。
一週目と全く同じルートを通りながら戻ってきた一人と一匹を保護すると、犬を抱き上げた善子は最後の懇願に移った。
「とにかくお願い! この子は堕天使ヨハネにとって、神々の黄昏に匹敵する重大既決事項なの!」
(くっ・・・・・・、まさか逃げられるとは・・・)
宇宙空間を飛行する宇宙船の中。不測の事態に直面したとある宇宙人が血相を変えて必死にあるものの行方を追っていた。
(・・・・・・太陽系第三惑星・・・地球か。おのれ・・・逃がさんぞ・・・!)
首から下げたペンダントを開き、その中にしまってある写真を見つめた。
写真に写されているのは、黄色い釣り目と長い紫檀色の髪が特徴的な少女の姿。
(・・・・・・貴様はこの手で・・・・・・殺す・・・!)
この頃更新ペース落としてて本当に申し訳ないです。
塾の夏期講習やら大学のオープンキャンパスやらで全然出筆の時間が取れなくてですね。もうちょっとお付き合い頂けると作者嬉しいです。
平和に原作パートが進行する一方、まーたヤバそうな奴が地球に向かってる訳で。
一応この話でも怪獣は出します。多分物語と全く関係性のない怪獣出せるのはこの話と鞠莉さん回だけだと思うので。
それでは次回で!