ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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仮面ライダービルドが終わりましたねー。久々に見たライダーシリーズだったけど面白かったです。多分ウィザード以来視聴だったかなん?

終盤戦の展開がグダグダだったのがちょっと心残りですが、終わり方が俺好み過ぎて・・・・・・ビルド大好き。

最後に。
戦兎、万丈。結婚おめでとう←⁉末永くお幸せに。そして一年間感動と熱狂をありがとう。


八十九話 見えない力

 

 

 

『・・・テメェだけは! 絶対に許さねぇ‼』

 

 ゼロの怒りの咆哮で地面が揺れる。

 シンを殺したギャビッシュに対して憤怒を覚えているのは陸も同じ。悪趣味に、ただ生命を殺し、その死に愉悦を感じる奴を到底許せるはずもない。

 

「・・・桜内。善子の事頼むわ・・・・・・」

 

 陸のその言葉を皮切りに、ゼロはその足を踏み出した。

 

『デェェェヤ‼』

 

『グキュゥゥウゥゥゥ⁉』

 

 烈火の如し正拳突きが眉間へとめり込み、ギャビッシュは顔を歪めながら悲鳴を上げる。

 

『ブラックホールが―――』

 

「―――吹き荒れるぜ‼」

 

 

「『俺に限界はねぇ‼」』

 

 

 紫色の閃光が舞う。

 ネオ・フュージョンライズしたウルトラマンゼロビヨンドが連続で突き出す百裂パンチにより、青い獣の身体は空中へと打ち上がっていく。

 

『「ハアァァァ‼』」

 

 天を穿つように渾身の力を込めた拳を振り上げ、その衝撃の余波で道路のアスファルトが捲れ上がる。

 そんな一撃を貰ったギャビッシュは口から空気と血を吐き出し、威力を殺しきれずに空へと昇った。

 

『「フッ!』」

 

 ビヨンドツインエッジを両腕に構えたゼロもそれを追い、空中に飛び上がった。

 

『「デェェェェェヤァァァァァァァァァァ‼』」

 

 飛翔できるゼロとそれが出来ないギャビッシュだ。空中ではゼロに圧倒的なアドバンテージがある。

 

『ビヨンドリープアタック』

 

 超能力による瞬間移動を駆使して目にも止まらぬ速さで天を駆けるゼロが、光の軌跡を描きながら二本の刃で斬撃を繰り出した。

 

『もう止められないぜ』

 

 剣技の嵐とも呼べる猛攻が終わった後、額のビームランプに集約したエネルギーを一気に解き放つ。

 

『エメリウムスラッシュ‼』

 

 極太の光の線が疾走し、青い身体を貫かんと前へ伸びる。

 

『グキュゥゥウゥゥゥ!』

 

 だがここでギャビッシュの能力が更にもう一つお披露目された。

 善子と梨子を捕らえていた紅い瞳はあらゆるものを吸収できるらしく、エメリウムスラッシュを残らず吸い寄せると、鋭い牙を覗かせる口からカウンターとしてそれを跳ね返した。

 

『「・・・・・・』」

 

 ズガアァァァァァン! と爆発音が轟き、濛々と爆炎が上がる。

 

『グキュゥゥウゥゥゥ・・・‥⁉』

 

 そして何故か悲鳴と一緒に地上へ落下していくギャビッシュ。

 やがて黒煙は晴れ、その中から姿を現したのは一切ダメージを負っていないゼロと―――、

 

『私を忘れてもらっては困りますよ』

 

 ゼロを守った鈍色の光。

 実際ほとんど忘れられていたミラーナイトが展開した鏡の盾が、跳ね返された光線を更に跳ね返していた。

 

『・・・ゼロ』

 

『ああ』

 

 ミラーナイトの声を受けたゼロが超高速で飛び出し、駒のように回転しながら落下するギャビッシュ目掛けて急降下する。

 斬撃の竜巻と化したゼロがギャビッシュと交錯した刹那、シンの命を切り裂いた長い尻尾を切断。

 

『地獄で、あの親子に詫びやがれ‼』

 

 奴より先に地上に降り立ち、自身のエネルギーを高めていく。それと同時に発射したのはクアトロゼロスラッガー。

 

『スラッキングコーラス‼』

 

 八つの球体から一斉に放出されたゼロ最強の破壊光線、そして四本の刃がギャビッシュを貫き、断末魔の遠吠えを掻き消しながら大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギャビッシュを粉砕し、陸は変身を解いて梨子と善子の元へと戻っていた。

 

「にしても、ライラプスには忘れられて、ギャビッシュにはいつの間にかいなくなられて・・・」

 

 気絶状態から復活した善子がいつもの調子で愚痴を零す。

 梨子と相談し、善子にはシンの事を伝えない事にした。ギャビッシュが実は凶悪な宇宙怪獣だったという事も、シンが奴に殺された事も。

 

〈こいつにゃ悪いが・・・、仕方ないよな〉

 

 今回の一件。決して善子が悪い訳ではないが、心根が優しい彼女ならばきっと自分を責めるだろうから。

 ただ一応シンの名誉のため、シンは希少動物の保護をしている者だとし、ギャビッシュは彼に連れられ宇宙に帰ったという感じに事実を隠蔽しておいた。

 

「・・・この堕天使ヨハネを蔑ろにするなんて・・・・・・、やっぱり偶ぜ―――」

 

「・・・でも、あんこちゃんは、見てくれたじゃん」

 

「え?」

 

 先程から黙りこくっていた梨子が不意に口を開き、善子の言葉を遮った。

 

「・・・見えない力はあると思う。善子ちゃんの中だけじゃなく、どんな人にも・・・」

 

 死んでいったシンが遺したペンダントを握り、そう語る梨子の顔は朗らかで。

 ペンダントの託していった彼へと、優しく微笑みかけるようだった。

 

「・・・そうかな・・・?」

 

「うん。・・・だから信じている限り、その力は・・・・・・働いていると思うよ」

 

 梨子が明るく微笑み、その手に収められたペンダントもまた笑うように輝く。

 まるでシンが、そしてその娘が、今の言葉を聞いていた。そう教えてくれるように。

 

「ま、要するにお前らしくいろってこった。・・・・・・アイツが遺していった分もな」

 

 最後の方だけ善子に聞こえないような小声で呟き、梨子と二人で笑みを交わす。

 

「・・・なんか妙に良い雰囲気になってるのが気になるけど・・・・・・、流石我がリトルデーモン! ヨハネの名において、上級リトルデーモンに認定してあげる‼」

 

 自分の理解者を得た事が嬉しかったのか、お得意のリトルデーモン認定を陸と梨子にしてくる。

 

「なんか前にも言われた気がするぞそれ」

 

「ふふ・・・、ありがとう。ヨハネちゃん♪」

 

「善子! ・・・って、あれ・・・・・・?」

 

 調子を崩される善子を見て笑う梨子。

 その小さな手の中では、やはりシンのペンダントが彼女を見守るように煌いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・悪かったな。辛い思いさせて・・・」

 

 善子と別れた後。

今日も梨子を家まで送るべく彼女を後部の荷台に座らせて自転車を漕いでいる最中、陸はふとそんな事を口にした。

自分とは何の関係もなかった宇宙人とは言え、自分の目の前で人の命が失われるのは辛い。

多少はそういう事に慣れている陸でも少しくるものがあるのだ。一介の女子高生である梨子なら尚更だろう。

現にシンは、彼女を庇ってその命を散らしたから。

 

「・・・仙道君のせいじゃないよ。確かに私が無事だった事を素直には喜べないけど・・・、あの人は自分がやりたいことをやっただけだから」

 

 夕陽が彼女の長い髪を朱く照らす。普段は見惚れるはずのその色も、今日ばかりは血の色を連想してしまう。

 

『・・・・・・あの野郎、最期になんて言ってた?』

 

 善子といる時は隠すようにしていた感傷を纏いながら、ゼロが厳かに声を出す。

 

「・・・・・・ありがとう・・・って・・・」

 

『・・・・・・そうか・・・』

 

 それ以上は何も聞かなかった。

 何故シンがそう思ったのか、そう行動するに至ったのか、梨子はきっと彼から聞いている。

 けれど、その答えを持っているのは彼女だけでいい。

 

「・・・・・仙道君はさ、見えない力はあると思う?」

 

 暫くの沈黙の後、梨子はふとそう言った。

 

「・・・さっき善子に言ってたやつの事か?」

 

「・・・うん。あの人が言ってたんだ。全ての出会いには意味があるって。それってさ、何か見えないものに導かれて出会ったって事なのかなって。そう思ったの」

 

 シンが梨子との出会いにどんな意味を見出していたのかは陸には分からない。けれども、梨子の顔を見るにはきっと素敵なものだったのだろう。

 

「・・・運命とか、そう言う力に・・・・・・」

 

 運命。この言葉をどうとるかは人次第だろう。

 予め定められた幸福なものだったり、不幸なものだったり。自分で切り開くものだったり。

 だが、それは誰しもに秘められた可能性だから。

 

「・・・・・・アイツがそう言ったんなら、そうなんじゃねーの? 意味のない出会いなんてない」

 

 正直それが事実だという確証もないし、どこまでも胡乱で曖昧なものだ。

 けど、それを信じる限り、見えない所で人と人は繋がっている。そう思いたいから。

 

「アイツだけに限った事じゃなくて、Aqours皆、千歌も、曜も、桜内も、出会うべくして出会ったって・・・・・・・・・その顔は何でしょうか?」

 

 シンの言っていたらしいことを自分なりに解釈していると、何故か梨子が軽く頬を膨らませてしまった。

 

「え? 何? 俺何か間違った? アイツの意思汲み取れなかった?」

 

 捉え方は人それぞれだろうと思いつつもこの状況にオロオロする陸に対し、梨子は尚も膨れながら口を開いた。

 

「・・・・・・苗字」

 

「うぇ?」

 

「・・・・・・何で私だけずっと苗字呼びのままなの?」

 

 憂い交じりの上目遣いを向けてくる。

 その言葉に安堵を覚えつつも、拍子抜けして危うくサドルからずり落ちかけてしまった。

 

「・・・なんだそんな事かよ・・・・・・心配して損した」

 

「そんな事って何⁉ これでも一人だけ避けられてるんじゃないかと思って結構不安だったんだよ⁉」

 

 千歌に作詞を急かす時のような勢いで梨子に捲し立てられる。まさか気にしていたとは思わなかった。

 

『流石は鈍感帝王。梨子はピアノコンクールの一件以降からだっつーのに・・・・・・』

 

 そしてこういう時のお約束になってきたゼロの小言。もう何度目だか分からないが未だに理解できない。

 

「まあ、気にしてたなら悪かったけどよ。・・・・・・そういう割には、お前も俺の事苗字呼びだよな?」

 

「っ・・・! それは・・・その・・・・・・こっちだけ名前で呼んでたらその・・・・・・あれみたいじゃない・・・・・・」

 

「・・・? あれって何?」

 

『あー、そーいうのは聞くもんじゃねーって何回言ったら分かんだよ馬鹿。いい加減学習しやがれボケナス』

 

「口悪いなオイ」

 

 これは悪いのは陸なのだろうか。そしてゼロが愛と正義の伝道師なのだろうか。

 どちらにしろ、切り抜ける方法は一つしかないだろう。

 

「・・・なんかいまいち釈然としねーが・・・・・・、なんか悪かったな。梨子」

 

 花丸に善子と続き、こういう強要されて名前を呼ぶのは何回経験しようと慣れない。というか何回も経験するものなのだろうかこれは。

 

「・・・・・・・・うん。・・・陸君」

 

 妙に嬉しそうな梨子の声を背に、改めてペダルを漕ぐ足に力を籠める。

 まあ、何だかんだ言って可愛い女の子に名前で呼んでもらえる事に悪い気はしない。むしろこれはこれでいい。

 これもまた、意味のある事だという事で。

 

「あ、そうだ陸君。ちょっとお願いしてもいいかな?」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 日はすっかり沈み、秋の風物詩とも言える満月が辺りを照らし始めた頃。

 

「・・・梨子ちゃん? それに陸ちゃんも・・・・・・二人共どうしたの?」

 

 自宅である十千万旅館の玄関口でしいたけ相手に奮闘している梨子と、それを見守る陸を見かけた千歌が二人の声を掛ける。

 

「・・・俺も知らん。詳しくは梨子に聞け」

 

「?」

 

 呼び方が変わった事と行動の不可解さに首を傾げながら、千歌は梨子の方に視線を移す。

 

「・・・・・・試してみようかなって、これも出会いだから」

 

「え?」

 

 今までしいたけには恐怖しか抱いていなかった梨子が、穏やかな表情を保ったままその手を近づけていく。

 

「・・・私ね、もしかして、この世界に偶然は無いのかもって思ったの」

 

「偶然は・・・・・・無い・・・?」

 

 自身に起こった出来事を偶然の一言で済ますのか、それとももっと別の言葉で表すのか。それは人それぞれだ。

 でも、少なくとも梨子は―――、

 

「色んな人が、色んな思いを抱いて、その想いが見えない力になって、引き寄せられて・・・・・・運命のように出会う。・・・・・・全てに意味がある」

 

 甲を下にして開かれた梨子の手の平には、あんこに与えていたものである犬用のビスケットが乗っていた。

 

「・・・・・・見えないだけで、きっと・・・!」

 

 じっといていてくれたしいたけが緩慢に動き、梨子の手から直接ビスケットを口にする。

 それを見て幾分か表情に喜びの色が差した梨子は、そっと、ゆっくりと、空いている方の手をしいたけの頭に近づけて行き・・・・・・、

 

「・・・ふふっ♪」

 

「『おっ!」』

 

「わあぁぁ・・・!」

 

 遂に自分から、犬であるしいたけに触れることが出来た。

 触り心地を味わうようにその頭を撫でながら、梨子は千歌に向かって微笑んだ。

 

「・・・そう思えたら、素敵じゃない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・偶然じゃない。全てには意味がある・・・・・・か。・・・確かに素敵だね、梨子ちゃん♪」

 

 梨子の奮闘を見届けたオウガの漏らした笑い声が、潮風に乗って運ばれていく。

 

「今のボクがあるのは、紛れもなく君達との出会いがあったからさ。だとしたら、梨子ちゃんの言う通りこの出会いには意味があって、ボク等は出会うべくして出会ったのかもしれない」

 

 梨子を中心に笑う陸達を一瞥し、十千万からは少し離れた場所にある民家の屋根に寝転ぶ。

 

「・・・・・・だったら、元は光の勢力に身を置いていた君が闇に落ちた事も、何かしらの意味のある事なのかもしれないね」

 

 満月に手を掲げながら、決して届くはずのない言葉を紡ぐ。

 

「・・・君は、今の君自身をどう思っているんだい・・・・・・・・・・・・ベリアル」

 

 星空に投げかけた疑問は当然帰って来る事はなく、オウガは笑いながら身体を闇へと変換して消えていった。

 

「夜空はなんでも知ってるの? ・・・・・・なんてね」

 

 

 




よしりこ回でリベンジ云々の話はどこに消えたのやら。完全に梨子個人回じゃあーりませんか。
そして名前で呼び合うようになるシーンが相変わらず雑過ぎなんだヨーソローなぁ。もっといい感じに出来なかったものなのだろうか。

まあ、どうせ恋愛経験皆無ですし。その手の妄想力も乏しいですよーだ。

でも今は彼女とかそういうのよりウルトラマンで語り合える友達が欲しい(超切実)
マジでTwitter始めようかな・・・・・・。

作者が友達も彼女もいない性根の腐ったまるでどこぞの比〇谷君のような生命体なのはさておき、次回からアニメ六話の話です。

それでは次回で!
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