ゼロライブ! サンシャイン!!   作:がじゃまる

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ギリギリまで~頑張って~♪ ギリギリまで~踏ん張って~♪
ピンチの ピンチの ピンチの連続 そんな時~♪ ウルトラマンが欲しい~♪

祝! ガイアニ十周年&YouTubeにて公式配信開始! 昨日だけど。
やっぱりガイア第一話のクオリティは金掛かってるだけ(禁句)あって凄いですね!
いやね、もう、自分の推しが毎週配信されるというだけで万感の思いですわ。
見た事のない人はこの機会にぜひご覧ください。絶対見て後悔はしませんから!(円谷の回し者)

ちなみに今日はダイナの二十一周年。明日はティガの二十二周年だったりする。



九十二話 奇跡の波

 

 

 

 果南にタイムリミットを宣告されたその日の夜。

 

「バク転なんざババッーって走ってシュバって手ぇ着いてギュイーンって回転すりゃあいいんだよ」

 

「・・・ごめん分かんない」

 

「だーかーらー!」

 

「御馬鹿な貴方は引っ込んでなさい。いいですか千歌。ロンダートまでは出来ているのですから、あとは如何にその勢いを殺さずに後ろに飛ぶかです。身体をしっかり伸ばすことを忘れないでください」

 

「ふむふむ」

 

「勢いよく身体を倒すことが出来たら首を返して着手して、あとは倒立姿勢を経過して着地。一通りこれがこなせればきっと完成するはずです」

 

「なるほど~・・・・・・。ありがとミラちゃん!」

 

「いえいえ、御構い無く」

 

 グレンやミラーナイトにコツを聞き、休む間もなく特訓を続ける千歌。

 もう夜も随分と遅い。そろそろ寝始める者も出てくる頃だ。

 

「・・・お前帰んなくていーの?」

 

「・・・・・・そっちこそ」

 

 千歌は過去に何かしらの運動をやっていた訳ではないので、その手のものにノウハウがない。見ている陸や曜としても不安だ。

 

「・・・・・・千歌ちゃん」

 

 家から練習する千歌の姿が見えたのか、ぽつりとその名前を呟きながら梨子もやってくる。

 曜はあえて彼女を呼んでいなかったのか、申し訳なさげに頭を下げた。

 

「梨子ちゃんに言うと止められるからって・・・・・・・・・ごめんね?」

 

「ううん・・・・・・でも、こんな夜中まで・・・」

 

「仕方ないだろ。・・・・・・あんな事言われちまったらよ」

 

 夕刻に果南が千歌に放ったあの言葉。

 あの辛辣な言葉も、彼女なりの千歌への思いやり、そして元祖Aqoursの失敗が起因しているために間違っているとは言えない。

 だからこそ、今こうして千歌の成功を祈ることしか出来ないのだ。

 

「っ・・・! っ・・・! っ・・・! フッ‼」

 

 助走をつけて上体を前へと倒し、手首を返して足を伸ばす。

 だが、

 

「うぐっ・・・!」

 

 肝心の後方に飛ぶ際に勢いが失われ、その身体は吸い込まれるように地面へと倒れた。

 

「ふ・・・っ・・・うぅ・・・」

 

「惜しいな・・・」

 

「あと少しなんだけどな~・・・」

 

「うん・・・・・・あと少し・・・・・・」

 

 三人の応援と心配する視線を受けながら、千歌は再び助走をつけ始める。

 しかし今と同じところでまた・・・、

 

「ぐぅ・・・!」

 

「「惜しい!」」

 

 陸の隣で二人が少し腰を持ち上げる。

 その一方で、千歌は砂浜に寝そべったまま不甲斐無い自分へと苛立ちを募らせていく。

 

「ああっ! もう‼」

 

 地面に拳を叩きつけ、砂の中へと荒ぶる感情を沈める。

 

「どこがダメなんだろう・・・・・・私・・・」

 

 答えの帰って来ない自問。終わりの見えない特訓。

 せめて一度でも成功できれば、きっと感覚は掴めるはずなのに。

 

「・・・なあゼロ。お前がアイツの中に入って、コツを掴ませるとか出来ないか?」

 

『・・・・・・無理だな。他の奴なら出来るが・・・・・・、今のアイツにはネクサスの・・・・・・ノアの光がある。俺が入ったところで追い出されるのがオチだ』

 

 以前善子のリトルスターによって身体から追放された時と同じ事が起きる以上、自分には手が出せないというゼロ。

 

『つか、アイツが自分の力でどうにかしたいって言ってんだ。今更俺の協力なんざ受け入れねーだろ』

 

「・・・・・・それもそうか・・・」

 

 自分の力で。周りに劣等感を抱いているからこその決意だろう。

 今更そんな事気にする必要もないだろうに。

 

「「千歌ちゃん!」」

 

 大の字になって転がる千歌に、曜と梨子が駆け寄る。

 

「焦らないで。力を抜いて、練習通りに・・・・・・」

 

「出来るよ。絶対できる! 頑張って!」

 

「見てるから」

 

「・・・・・・うん!」

 

 激励と一緒に差し出された手を取り、千歌は笑顔で立ち上がる。

 成功しないという事実に吹かれて消えかけていた闘志にも再び火がつき、もう何度目かも分からない助走に入ろうとしたその時。

 

「「「千歌(ちゃぁ――ん)‼ ファイト(ずら)――――――‼」」」

 

 いつの間にかやってきていた一年生三人組の応援の叫びが届き、それを背に受け千歌は大地を大きく踏みしめ―――、

 

「ふぅっ・・・・・・‼」

 

 ロンダートからの繋ぎで、全身で着地してしまう。つまりまた失敗だ。

 

「なあぁぁあぁぁぁぁ‼ 出来るパターンだろこれぇ‼」

 

 夜の美浜に、自称普通怪獣の怒号が響く。

 自分が情けなくて、やるせなくて、そんな感情が抑えられずに漏らした叫び。

 

「なんでだろ・・・・・・なんで出来ないんだろ・・・・・・。梨子ちゃんも、曜ちゃんも・・・皆こんなに応援してくれてるのに・・・・・・!」

 

 廃校を覆すという奇跡を起こすまでは絶対に泣かない。その誓いに従い、千歌は涙声になりながらも悲しみの雫を零さぬように目元を押さえる。

 

「やだ・・・やだよ! 私、何もしてないのに! 何も出来てないのに‼」

 

 思い通りにいかないのが悔しくて、皆の応援に答えられないのが辛くて。ぶつけ所のない感情だけがどんどん増幅していく。

 

「・・・・・・ち―――」

 

「ぴー! どっかーん! ずびびびびびび――――‼ 普通怪獣よーそろーだぞー‼」

 

「おっと好きにはさせぬ! りっこぴーもいるぞー!」

 

 掛ける言葉を必死に探し、何とか声に出したそれを遮ったのは、新たに出現した二体の普通怪獣の鳴き声だった。

 

「なぬっ⁉ ずどどどどーん!」

 

「がおーん!」

 

 二体とも登場するや否や先に出現していたちかちーを威嚇したりと闘争本能の塊のような怪獣だ。

 そもそもどっかーん! とか、ずどどどどーん! とか謎の爆発を起こせる辺りどう考えても普通ではないが。

 ・・・いや、注目すべきはそこではなかった。

 

『・・・他に方法ねーのかよコイツ等』

 

 アクター、CV共に本人の怪獣達を前に、夕方赤い通り魔になりかけてたゼロも呆気に取られている。

 そして、それは勿論千歌も同じで。

 何故このタイミングで自身の自虐ネタを真似されているのだろうと首を傾げていた。

 

「・・・・・・まだ自分は普通だと思ってる?」

 

「・・・・・・」

 

 ウルトラセブンよろしく額に両手を当てる曜の問いに、千歌は黙ったまま目を伏せた。無言の肯定、というやつだろう。

 

「普通怪獣ちかちーで、リーダーなのに皆に助けられて、ここまで来たのに自分は何も出来てないって。・・・・・・違う?」

 

 梨子はウルトラマンのように腕を十字に組んだまま、千歌の心情を言い当てる。怪獣じゃなかったのだろうかコイツ等。

 

「だって・・・・・・そうでしょ?」

 

 消え入りそうな声で認める千歌に、二人は優しく微笑みかけた。

 そして、陸の方へと視線を向けてくる。今度はお前の番だぞという事らしい。

 

「はぁ・・・・・・」

 

 本当はAqoursの力だけで前に進ませたかったところだが、ここまで来たらもう変わらないしいいだろう。

 それに、前に千歌は陸とゼロもAqoursの一員だと言ってくれていたし。

 

「あのなあ千歌。今こうしていられるのは、誰のおかげだ?」

 

 一歩踏み出し、きっと彼女は忘れているであろう大事な事を問いかける。

 

「それは・・・・・・学校の皆でしょ、町の人達に、梨子ちゃん、曜ちゃん、陸ちゃ「違う」たぁっ⁉」

 

 もう既にしっかり間違えていたので、お仕置きの脳天チョップで言葉を遮った。

 

『・・・一番大事な奴を忘れてんだよ。バーカ』

 

 そう言ったのはゼロだった。彼もまた、Aqours結成時から彼女を見守って来た者の一人だから。

 

「・・・・・・何?」

 

 その疑問に答えるのは陸とゼロの役目ではない。再度彼女によって、彼女の作ったAqoursに加入した者達の出番だ。

 

「今のAqoursが出来たのは誰のおかげ? 最初にやろうって言ったのは誰?」

 

「・・・それは・・・・・・」

 

 言い淀む千歌に対し、梨子と曜の二人は尚も言葉を掛け続けた。

 

「千歌ちゃんがいたから私は、スクールアイドルを始めた」

 

「私もそう。・・・・・・皆だってそう」

 

 他の誰でも、今のAqoursは作れなかったから。千歌がいたから、今があるから。

 その事だけは、例えその張本人であろうと忘れてはいけない。

 

「自分の事を普通だって思っている人が、諦めずに挑み続ける。それが出来るって、すごい事よ! すごい勇気が必要だと思う!」

 

「そんな千歌ちゃんだから、皆頑張ろうって思える。Aqoursをやってみようって、思えたんだよ!」

 

 静かに波立つ水平線の向こうから、沈んでいた太陽が昇り始める。

 

「恩返しなんて思わないで! 皆ワクワクしてるんだよ? ・・・・・・千歌ちゃんと一緒に、自分達の輝きを、見つけられるのを」

 

 東京でのイベントの後。Aqoursが再スタートを切った時のように、道路の方で見守るに徹していたルビィ、花丸、善子の三人も駆け寄ってくる。

 その頬や腕には、千歌と同じように練習で負ったものであろう傷が確認できた。

 

「新たなAqoursのWaveだね♪」

 

 そして今のAqoursは六人じゃない。九人だ。

 あの時はいなかった鞠莉、ダイヤ、そして果南の三人も、与えられた猶予の終わりを告げるように千歌の眼前で並ぶ。

 

「千歌、時間だよ。・・・・・・準備はいい?」

 

 並び立った八人の少女が道を作り、その奥で果南が腕を組んで待ち構えている。

 正真正銘、これがラストチャンスだ。

 

「・・・・・・行けよ」

 

 陸が軽くその背中を押す。

 

「大丈夫。今の貴方なら、きっと成功します」

 

『信じろ。今まで信じてこなかった自分の力を。仲間に信じてもらったお前自身を』

 

「・・・なあ千歌。仲間ってなぁ・・・・・・いいモンだよな・・・」

 

 コーチをしてくれたミラーナイト、あらゆる面で支えてきてくれた陸とゼロ、ほぼ何もしてないグレンファイヤー。どうしてコイツが一番カッコつけてるのやら。

 

「・・・・・・今のお前は、一人じゃねぇだろ」

 

「・・・・・・っ!」

 

 再度陸の声を背中に浮け、千歌は仲間が作ってくれた道を駆けだした。

 友の期待に応えるために、自分を信じて。

 これまで自分を支えてくれた、仲間との絆を胸に。

 

「・・・・・・ありがとう。千歌」

 

 果南の謝意をバネへと変え、これまでの想いを全て乗せて飛んだ千歌の胸には―――、

 

 

 

 ―――――劣弱の鎖を砕き、内なる己を信ずる煌き―――ジュネッス

 

 

 

 ―――赤く、強い輝きが宿っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――MIRACLE WAVE

 

 

 

 じれったかった自分を超える者。

 過去に置いてきた物を取り戻す者。

 迷う気持ちに別れを告げ、自分の本当の力を信じた者達が起こす、Aqoursの波。

 その波に乗り、前回の地区大会で超えられなかった壁を超えるため、千歌は飛んだ。

 

「・・・大事に至らなくて何よりだよ」

 

 パフォーマンスが終わった後、やはり今回も来ていたらしいオウガが隣に寄ってくる。

 

「果南ちゃんがタイムリミットを宣告しに来たときはヒヤヒヤしたけど、無事成功して良かった良かった。何でこう君等ってスポ魂アニメや漫画の王道を行くんだい?」

 

「ずっと見てやがったのかお前?」

 

「ボクは君達のストーカーだからね」

 

 気持ちの悪い事を言いながら相変わらずのムカつくニヤけ顔を向けてくる。

 その笑顔がAqoursのパフォーマンス成功に対してのものだけでは無いのだろうが。

 

「・・・・・・じゃあ見てたんだろ。千歌の光」

 

「まーね。この目でしかと」

 

 オウガの言葉の通り、千歌を支える仲間との絆によってネクサスの光は、基礎形態のアンファンスからジュネッスへと変化した。

 そして前に、彼はそれを望むような事を口にしていた。

 

「あれが、お前の見たかった千歌の輝きなのか?」

 

「・・・まさか君は、アレが千歌ちゃんの輝きだとは思ってないだろうね?」

 

「は?」

 

 以前の話と整合性が取れていないことに首を傾げる。そしてそれは陸一人ではなくて、

 

『どういう事だ? デュナミストが発現するジュネッス形態は一人につき一つのはずだぞ』

 

 ネクサスは光を受け継ぐデュナミストを選び、その度にデュナミストはそれぞれ異なったジュネッス形態を取る。

 それはゼロの言葉通り各個人一つなはずなのだが・・・、何故かオウガには呆れ顔で肩を竦められてしまった。

 

「・・・あのねぇお二人さん。何でダークネスファイブがわざわざ千歌ちゃんに狙いを定めたんだと思ってるんだい? 単純にデュナミストを欲しているなら他にいくらでもチャンスがあっただろ?」

 

「・・・・・・千歌じゃなきゃ駄目な理由があったと?」

 

「そ。千歌ちゃんは特異体質のデュナミストだからね。ていうかネクサスに変身せずにジュネッスを発現させた時点で気付けよ。疑問に思わなかったのかい?」

 

 言われてみれば確かにそうだ。本来変身後の形態であるアンファンスやジュネッスの光を、どうして千歌は変身せずとも目覚めさせることが出来たのか。

 

『特異体質ってのが関係してるのか?』

 

「ああ。人は誰しも光を受け継ぐ可能性を秘めていて、ネクサスはその中から影を抱えている者をデュナミストに選ぶんだけど・・・・・・、極稀にネクサスとの親和性が異様に高いデュナミストが現れる」

 

 ここまでの話からして、聞かずともそれは千歌だろう。

 

「そしてそのデュナミストは親和性の高さ故、一人で幾つもの色、つまりジュネッス形態を開放できるのさ」

 

『・・・そんな奴が・・・』

 

 デュナミストがどういう存在かの情報はあっても、その中の更に特殊な存在については宇宙警備隊でも把握できていなかったようだ。流石は謎に満ちた伝説の超人に選ばれし者と言ったところか。

 

「ボク等が確認出来た中だと、過去それは三人。一人は親交を深めた先代のデュナミスト達から光とその想いを受け継ぎ、遂にはウルトラマンノアにまで覚醒した孤門一輝。二人目を飛ばして三人目は君等のよく知る高海千歌ちゃん。・・・・・・そして気になる二人目は・・・」

 

 翻した上着の裏側に並んで装着された九つの缶バッチ。その内の一つ―――明るいブラウンの髪をサイドテールに纏めた少女のプリントされたものを指さす。

 そして陸は、その少女を知っている。

 

「・・・・・・μ‘sリーダー、高坂穂乃果ちゃんさ」

 

「・・・・・・マジで?」

 

 胸元にスクールアイドルの缶バッチを常備している気持ち悪さが吹き飛んでしまう程の衝撃が身体を駆け巡った。

 μ‘sは、いや高坂穂乃果は千歌が憧れ、スクールアイドルを始める全てのきっかけとなった少女だ。

 千歌は、そんな少女から光を受け継いでいたという。

 

『待て。そいつがデュナミストになったのはどう考えてもアナザークライシスの後、ダークネスファイブの計画が始動し始めてから何年も経っている。なら、どうして奴等は俺みたいな邪魔するウルトラマンもいない絶好のタイミングをみすみす見逃した』

 

 それもそうだ。当時の穂乃果にはゼロのような守ってくれる者がいない。手を伸ばせばすぐに届くものだったはずだ。

 そんな格好の機会を逃すなど、ダークネスファイブの参謀であるスライがやることとは思えない。

 

「・・・・・・逆さ、ウルトラマンがいなかったから、彼等は手を出さなかったんだよ」

 

『何・・・・・・?』

 

 考えていた事と全く逆の返答をされ、ゼロの声音が幾分か低くなる。

 

「そうだなぁ・・・。ちょーっと話が長くなるけど説明しようか。孤門一輝と穂乃果ちゃんには、同じ特異体質のデュナミストでも違う点が幾つかある。先代のデュナミストに触れる事があったか。ウルトラマンと接触したかどうか。実際にネクサスに変身したかどうか。孤門はどれも満たしてるけど、逆に穂乃果ちゃんは何一つ満たしていない」

 

『・・・それがどう関係がある』

 

 いまいち話を飲み込み切れていないゼロに、オウガは再度ニタリと笑って答えた。

 

「・・・・・・考えてみろよ。千歌ちゃんはその全てを満たしている」

 

 掲げられた証拠に、しっかりとした疑問が引っ掛かる。

 

「ちょっと待て。確かに千歌はゼロに接触してるし、実際ネクサスにも変身したけど・・・・・・その先代デュナミストの高坂穂乃果さんとは関わりはないはずだぞ」

 

 陸としてはハッキリ矛盾点を突き付けたつもりだったが、オウガの表情は尚も崩れる気配を見せない。

 

「触れたじゃないか。ちょっと前までその穂乃果ちゃんのいた、μ‘sの背中を追いかけていたという形で。μ’sの軌跡は、ある意味デュナミスト高坂穂乃果の歩んだ道でもあるんだから」

 

「っ・・・・・・!」

 

 流石に盲点だ。よもや単純な憧れが千歌と穂乃果に繋がりになるとは。

 だが納得も行く。Aqours全員でμ‘sと自分達の違いを見つけに行った東京遠征。

 あの日音ノ木坂の生徒伝いにμ‘sの想いを知り、自分達の道を見つけた際、ネクサスの光は輝いていた。

 

「この三つを満たすこと事が、デュナミストがネクサスをノアへと完全覚醒させる条件なのさ。ま、千歌ちゃんは結構イレギュラーな満たし方だったけどね。そしてダークネスファイブが狙っているが、その覚醒したノアの光って事。アンダスタン?」

 

「・・・あ、あぁ・・・うん・・・・・・」

 

 つまりざっくり整理すると、千歌はジュネッス形態を幾つも発現できる特殊なデュナミストで、その光はμ‘sの高坂穂乃果から受け継がれたもの。

 そして穂乃果と違い、千歌はかつて孤門一輝がノアに覚醒した時と同じ条件を満たしている、という事だ。

 

「一応言っておくけど、穂乃果ちゃんは機会と時代に恵まれなかっただけで、光の適応者としての能力は孤門や千歌ちゃんより上だからね。あれほど人々の絆を繋げられる子なんてそうはいない。ネクサスが実体化できるまで回復したのもほとんど彼女のおかげさ」

 

 かつてμ‘sが中心となり、全国のスクールアイドルが一堂に会してライブを行った事がある。

 それは多くの人を魅了し、愛され、応援されたμ‘sだからこそ成し得た事であり、それによって紡がれたスクールアイドル達の絆は大いにノア及びネクサスの力となった。

 

「別にボクはAqoursや千歌ちゃんにμ‘sや穂乃果ちゃんを超えて欲しいんじゃない。それぞれ違う思いを胸に秘めてるんだ。超えるとか、どっちが上だとか、そんなもので測れるものじゃないだろ」

 

 そんな事はどっちに対しても失礼極まりないとオウガは続ける。

 

「だから、ボクがAqoursや千歌ちゃんに求めるものは一つ。自分達だけの絆と輝きを作り上げてくれって事だけさ。・・・そうすればきっと、ノアは答えてくれるはずだよ」

 

 くるりとステージに背を向け、まだ全グループのパフォーマンスが終わっていないというのに出口に向かってその足を進める。

 

「・・・ま、半分くらいは千歌ちゃん推しとしての個人的な願望だけどね~~~~」

 

 最後にそう言い残し、ひらひらとこちらに手を振るオウガは満足気に会場の外へと出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・アイツ千歌推しだったのな・・・」

 

 全グループのパフォーマンスが終了し。陸は新たに判明したクソほどどうでもいい事実を口にしながら会場の外へと出た。

 本大会出場グループの発表まではまだ時間があるので、少しここで風に当たっているとしよう。

 

〈アイツ等に声掛けなくてよかったのか?〉

 

(・・・・・・そんな気分にならん)

 

 あんな事言われた後にどんな面で千歌と顔を合わせればいいのやら。

 

(・・・あのジュネッスは千歌の輝きって訳じゃないんだよな)

 

〈オウガの話によるとな。・・・・・・まあでも実際、俺もあれと似たような色のジュネッスなら何度か見た事がある。多分アイツが言ってるのは、誰も見た事のない、アイツやAqoursだけの色の事を言ってるんだろ〉

 

 つまり今のところ千歌は、歴代デュナミストの誰かと同じ思いを抱き、同じジュネッス形態を発現させているに過ぎない。これも多数のジュネッス形態を目覚めさせることが出来る故なのだろうか。

 

「・・・今回で解決と思ったけど、まだ様子見って事――――――ん?」

 

 ふと見上げた空。

 目に優しい青い秋空の中に、光る文字のような物が漂っているのが確認できた。

 

〈あれは・・・・・・!〉

 

 ゼロがそれに反応する。

 陸には何が何なのか全く持って理解不能だが、ゼロはそれが何なのか分かっているようだ。

 

 

〈・・・・・・緊急の・・・ウルトラサイン・・・・・・?〉

 

 

 

 




初めてMIRACLEWAVEの振り付けを見た時、3rdライブの杏ちゃんの事が心配になったのは俺だけじゃないはず。だってバク転だよ?

それはそうと後半のオリジナル設定の押収。ちかっちがバク転したりジュネッスを開放した事よりも衝撃が大きいですな。シャイニングゼロの過ち再び。

ネクサスや孤門さんの設定はラブライブに合わせるためにいじっている部分が多いです。
一応ネクサス本編と比べての違和感は生じないようにしたつもりですが・・・、何かネクサスの内容を損なうような事になってしまっていたらすみません。


それでは次回で! 未来へ受け継がれていくのが・・・・・・永遠の命だ!
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