現代魔法と境界式 作:MS-Type-GUNDAM_Frame
魔法科高校の劣等生は全然原作読み込んでないので、もしかしすると不整合があるかも?
世界をラップしている最外縁の概念は型月ですが、舞台は劣等生です。
西暦2094年、3月31日、午後18時。既に冬至は遠く過ぎ、余り暗くは無くなっていた。司波達也は、師匠、九重八雲に依頼されたポイントの調査を行っていた。
曰く、そこには死神が出没するのだという。僧形でありながらもどこか俗世に浸っている男だが、その情報網と腕は確かなものである。しかし、依頼をするときの顔が、達也の勘に触れる物が有った。所謂、胡散臭い、という奴だ。
しかし、妹に背を押され受けてしまった以上、蔑ろにする訳にもいくまい。
指定されたポイントは、閑静な住宅地にぽっかりと口を開いた四ツ辻だった。
すぐに、異常は見つかった。さっきまで、誰かがいたのだろう。そこには、あり得ない情報が残留していた。どう分析しても、成人前の女性が一人いた、それくらいの物なのだが、情報が視覚情報で取得できる達也には分かってしまった。
一般的な感覚に訳せば、情報のレベルが違う、と言うべきか。それとも、痕跡の情報が他の情報群に比べてあまりに鮮明過ぎると言うべきか。
どちらにしろ、今までに存在しえなかった異常事態である。警戒レベルを一つ引き上げ、痕跡を追った。
◇◇◇◇
痕跡の情報がいくら強固とはいえ、それは不自然な干渉に対してのみなのだろう。通常のように、痕跡の情報量は有る方向、つまり、痕跡を残した張本人の居る場所へ向けて強くなっており、その場所は既に掴んでいる。
体術を駆使し、そのポイントへ急行しながら周囲のサイオン感知器を把握しておく。どうやら目標は山の中にいるらしく、気取られる心配はないだろう。
50mを超えたところで、光情報から。つまり肉眼で目標を確認した。このご時世に、着物を着て抜身の日本刀を持っているという時点で警察の世話になるだろう。向こうも、こちらに気付いた。
先ずは、牽制を試みる。目標は捕縛だが、危険度如何ではさらに上位の処置を執ることになるだろう。
フラッシュ・キャストで、サイオン波を放った。めまいを起こす程度の出力だが、何かを知覚したらしい目の動きから恐らくは魔法師だろうと当たりを付ける。ならばサイオン波の牽制から後ろを取り、体術で回り込んで当身をすれば十分だろう。
そう判断して、驚きのあまり一瞬体が止まり、そして体が勝手に後ずさった。
サイオンの動きが、止まった。いや、それは正確ではなく、サイオン波が目の前の人物の刀の一振りで消失したのだ。術式解体のような魔法式への干渉ではなく、成立した魔法を消したのである。
それはつまり達也の術式解散の様に何らかの対抗魔法によるエイドスへの干渉を行っているはずだが、余りに構築速度が異常だ。
もう一つ、術式解体を射出する。術式が展開されているようには見えないが、これで干渉力もおおよそ掴めるだろう。
やはり、消えた。完全な情報体の消滅を見る限り、既存の魔法技術ではないようだ。もしそうなら、おそらく異常の原因は眼だ。
「何だよ、お前。俺に恨みでもあるのか?俺はお前になんて見覚えないぞ」
「或る人物の依頼で調査に来た」
ふぅん、と、その少女は卑下するようにこちらを見た。そして次の瞬間、後ろにいた。
静かな驚きが達也の脳内を満たす。加速術式の使用は認められないが、瞬間移動としか思えない速さで背後を取られた。当然無抵抗の訳にはいかず、足元に術式を発動して距離を取る。
しかし、どのような魔法を使っているのか手がかりさえ掴むことが出来ない。無駄だろうと思いつつも、問いかけをする。
「現代魔法では、瞬間移動は不可能とされているはずだが…一体何をした?」
「魔法?…俺はそんなもん使えないよ。さっきのは距離を
答えが返ってくるというのは予想外だったが、結局は良くわからない。しかも、魔法師ですらないと言う。確かに、サイオンが動いて魔法式を構築しているわけでも無い。だが、今までに至る全てが、魔法を使わずに起こせるような現象ではなかった。
「どういうことだ」
「別に。俺は万物の死が見えるんだ。線になってるそれをこうやれば」
手でなぞっただけの枝が、ぼとりと落ちた。切り口は、日本刀を達人が遣ってもこうはならないだろう。異様に滑らかな切断面が顔を覗かせていた。
「その部分が死ぬ。まあ、日本刀なんて持ってるのは八雲のおっさんが面白い物が見れるなんて言うからで、まあ見逃せよ」
「八雲・・・?それは、まさかとは思うが九重八雲か?」
「おいおい、知り合いかよ・・・クソ、あのオッサン吊るしてやる。なんで橙子もあんな胡散臭いの紹介するかなぁ」
一瞬で闘志を失ったのか、こちらに背を向けて町へ下り始めた。刀は、腰に据えられている。
「全てが師匠の思う壺、だったのか?」
並み足でも少女の足は早く、あっという間に山と街の境界まで達していた。
「俺は、司波達也だ。お前は?」
「両儀式」
もう一度だけこちらを振り向いて、短く名乗った。とにかく、今日は帰って明日師匠を問いたださなくてはなるまい。
◇◇◇◇
4月1日の朝。達也は、九重寺へと足を運んだ。最も、人間が通常発揮する速力ではなかったが。
寺に到着すると、師匠が襟元を掴まれて首を振られていた。
「おい、俺にあんな魔法をぶっ放してくるやばい奴をけしかけるとはどういう魂胆だ」
「いやー、こんなご時世だからこそ、着る人の少ないその和服は式君にとても合っているよ」
「人の話を聞けよな」
そうそう捕まる人間でもないので、おそらくはふざけているのだろう。忍びだけに、縄抜けも得意な事は良く知っている。
「師匠、俺にも説明してください」
「全く君たちは僕への敬意ってものが無いのかい?」
両儀式の顔を見るに、自分と同感のようだ。まあ、分かっていて問いかけている師匠も師匠だ。
「こちらは裏の有名人、人形師こと青崎橙子のまあ助手みたいなもので、両義式君だ」
「助手ってなんだ」
式がツッコミを入れるが、八雲は完全無視で紹介を進める。
「こちらは未来の魔法師にして僕の弟子、司波達也君だ」
「まあ、魔法科高校への入学予定はありますが」
とりあえず、形式ばった紹介を終えて満足したのか、八雲の話は本題に入った。
「さて、君たちをあんな形で引き合わせたのはね、式君の眼の事なんだ」
「どういうものなんですか?」
昨日の戦闘だけでは、分からないことばかりだった。それが判るというのなら、さっさと答え合わせをしてもらいたい。
「それがね、分からないから君に見てもらったんだよ」
「はぁ・・・両儀式、もう一度見せてもらっていいか?」
「式でいい。で?どれを使えばいいんだ?このオッサンか?」
それは今のところ困るので、境内に落ちていた石を渡した。何の変哲もない石である。
「よっと」
注意深く、挙動を観察した。今度は式の眼に注目すると、式の目が青く光り、サイオンがわずかに反応している。次の瞬間、石は二つに割れ、目の輝きも消えた。
「どうだい、改めて見た感想は」
「恐らく、BS魔法の一種になるでしょう。俺にはまるで、眼が自動的に魔法式を生み出しているように見えました。自動で、視界に入った情報構造体に干渉を行う術式を自動生成しているのか?」
「それはまた面白い」
「俺、魔法師だったてことか?」
それだけではないのだろう。この少女は、空間移動の様な事すらして見せたのだ。空間位置の置き換えを行うような魔法は確立されていないし、確実にそれを超える何かがある。
「まあ、俺は帰るよ…あ、悪い。電話だ…幹也?またハーゲンダッツ買ったって、あのなぁ」
端末で会話をしながら、式は山門をくぐり出て行った。
「今日の鍛錬はどうしましょうか」
「今日はね」
指導が終わって八雲から解放される頃には、いつも通りの生活リズムに戻っていた。
「今日も、深雪が朝食を作っているのか」
沖縄から生還してからというもの、ずっとそうだった。調子が狂うかと思っていたが、今ではそうでもなかった。
ただ、日常に戻っても、如何な経験を重ねていても、先日の邂逅は異常だった。それが、達也の心には焼け着くように残っていた。
とりあえず作ってみた・・・なんだろう、なんかやらかしている気がして怖い・・・
多分劣等生の原作を読んでないせいでしょう。設定はすごく好きなんですが。
間違って良そうならどんどん指摘が欲しい次第で。
以下に、この世界の状況
・魔術師は居る。というか、冬木の聖杯戦争やらの時代の魔術師に比べて格段に強い。何故なら、
1.世界中が魔法が認知されている
2.しかも一般人には大昔からの魔法との差がついていない
3.「魔術」が解明されたのではなく、世界に遍在する異能を用いた魔法技術が解明された
4.つまり、一般人の認識による神秘が時代の進行と逆行して「増えている」
以上より、魔術が猛威を振るえる世界です。何と言っても魔法が知られているのに魔術は知られていない、というのが大きい。でも魔法使いは増えていない。減ってもいない。
もちろん、「現代魔法」が発展して滅んだ魔術系統もあります。
式を構成する情報体が異様なのは「」に繋がっているから。要点を言うと、事象改編の影響を完全に弾く。レンジ・ゼロと似たようなものだと思う。
分解が直接は効かない上に魔法式でも非物質でも「殺せる」ので、そこそこの魔法師キラーな仕上がりかも。
なお刀を持たせると・・・
次回は未定です。4月までに出ないと最悪半年とか跨ぐかも・・・