~前回までのあらすじ~
モルトNEXTとバトライ閣/バトライ武神による外道の【絶対無敵のドラゴンコンボ】を凌ぎきった翔。
外道が仕込んだ3枚のS・トリガーとニンジャストライクをミラダンテXIIのファイナル革命とミラクルストップで突破し、クルトでダイレクトアタックを決めたのだった………!
「す、すごい………本当に勝っちゃった………!」
「あ、あああありえない!この僕がっ!こんなガキに負けるなんてぇ!!!」
どうやら負けることなど夢にも思っていなかったらしい。未だに現実を受け入れていないようだ。
「さて、俺が勝った時の約束。忘れてないよな?おっさん」
「………さっ、3本勝負だ!!!」
そんな現実を受け入れていない外道のおっさんはとんでもないことを言い出した。
「は?」
「う、ウォーミングアップってやつさ!さっきのは偶然だ!そうに決まっている!」
「
「う、うるさい!大体お前だってイカサマしただろう!ミラダンテとかぼ、僕が知らないカードを使うのは卑怯だぞ!」
(うわぁ………言動が幼稚過ぎ………)
ふと横を見ると彩たん、と呼ばれていた女の子も顔が引きつっている。多分俺と同じようなことを思っているのだろう。
「な、なんだその目は!次こそお前を滅茶苦茶にして「おやおや、随分と楽しそうなことをしているね?」フヒッ!?」
もう一度デュエマをしようと準備しかけたおっさんの肩に俺や女の子ではない手がかかる。
振り返ったおっさんは手をかけた人物を見た途端、顔色が青ざめていく。
「しゃ、しゃしゃしゃ社長!?!?!?!?」
「やぁ、社長だよ」
おっさんに手をかけた人物は黒いスーツを着た背の高い男性だった。『社長』、と呼ばれた人物はそのまま話を続ける。
「いや~外道君と丸山ちゃんが来るのが遅いから心配して探しに来たんだけど………
『社長』から放たれる凄まじい圧に心臓を鷲掴みにされたかのような恐怖を感じる。外道のおっさんはあまりの恐怖に口をパクパクさせることしか出来ない様子。
ぎゅっ。
(ん………?)
右肩に少し違和感を感じ横目で見ると女の子が俺の右肩に震えながら抱き着いていた。若干涙目になっているようにも見える。
(おいおい………『社長』さん、やりすぎだって)
「答えられないか………残念だ。君には期待していたのだが………私の見込外れだったようだね」
「ち、ちちち違いますぅ!!!わ、わたしはあ、あいつから丸山さんをま、守ろうとしたんですぅ!!!!!」
『社長』に切り捨てられたくないとなんとか矛先を俺へと逸らそうとするおっさん。
「ほう………そう、なのか?」
「は、はいいい!!!あの暴漢から逃げる丸山さんを私がデュエマで成敗してやろうと!」
「だ、そうだ、『暴漢』君?………それは、本当なのかな?」
ぐぐぐ。
こちら側に放たれる圧が強くなり、右肩にかかる力が更に強くなるのを感じる。
あかん。右肩持ってかれる。とっととこの『茶番』を終わらせなければ―――――!
「ここに、『真実』がある」
左手でスマホを操作し、デュエマをする前に俺が用意していた『真実』を
『そうだなぁ…まずは彩たんにレクチャーしてあげなきゃなぁ…』
『彩たんのシールドをブレイクしてダイレクトアタック…フヒヒヒヒヒヒ』
『フヒ、フヒヒヒッヒヒヒヒヒッッッ!!!!!!』
『きゃあっ!?』
『ちょ、調子にこきやがって………デュエマで勝負だ小僧!ぼ、僕が勝ったらこ、ここで見たことは忘れて帰ることだなぁ!!!!』
『はぁ………構わないが、その代わり俺が勝ったら今後一切、丸山の前に姿を現すなよ?』
『フヒ、フヒヒッ!いいだろう!』
ブツッ。
「あ………ああ…」
「これが『真実』だ。ごめんな~おっさん。最初から『詰み』なんだわ」
「………この件は私が責任をもって上層部に話させてもらう。君の処遇は決まり次第こちらから連絡しよう」
「…………………」
どうやら白目を剥いたまま気絶したようだ。突き付けられた現実を許容できなかったようだ………無理もない。
「ふう~………外道君の処遇は帰ったら即会議で決めるとして………って丸山ちゃん!?」
「は、はひっ!」
フッ、と圧が消え『社長』が女の子―――――丸山さんの様子に気づく。
「丸山ちゃん!大丈夫だったかい!?なにかこの男にされなかったかい!?」
「はひっ!だ、大丈夫です!大丈夫ですから!」
急にずずいと迫られて軽いパニック状態になっているみたいだ。
「ど、どどどどうしよう翔!丸山ちゃんが、丸山ちゃんが!」
「『父さん』、演技に力を入れすぎ」
『社長』―――――俺は『父親』である
――――――――――――――――――――
「この度はウチの社員が迷惑をかけて本当に申し訳ない」
「い、いえいえそんな………」
二人を落ち着かせた後、俺たちは父さんが乗ってきた車に乗って目的地に向かっていた。
「翔、今日はありがとう。途中からだったが外道君を圧倒する見事なデュエマ、見させてもらったよ」
父さん、俺のデュエマ見てたのか………
「私からも助けてくれてありがとう、高宮君!」
「礼なんてそんな…俺はただデュエマをしただけなんで」
「デュエマはよくわからなかったけど…とてもキラキラしてた!」
「き、キラキラ?」
よくわからないが悪い気はしないな。
キキッ。
俺たちが話していると車が止まる。どうやら目的地に着いた模様だ。
「さて、みんな行こうか。パスパレのみんなも心配しているはずだからね」
「は、はい!(千聖ちゃん達に心配かけちゃったなぁ…うう)」
「あれ?俺も?」
「何を言ってるんだ、翔?元々私が呼び出していたじゃないか」
「………あー、そうだった(丸山さんのことで完全に頭から抜けてた…)」
こうして俺たちは目的地―――――父さんが社長を務めるアイドル事務所の扉を開けるのであった。
――――――――――――――――――――
「「「彩ちゃん(アヤさん)!」」」
「わわっ………!?」
俺たちが事務所に着くと3人の女の子が集まってきた。
水色の髪をしたどこか不思議な雰囲気を醸し出している女の子。薄黄色の髪を長く伸ばし、少し大人びた雰囲気を感じさせる女の子。童話から飛び出したかのような風貌の白い髪の女の子。
3人共丸山さんを心配していたようでそのまま4人で話し始めた。
(………なんか俺、場違いじゃないか?)
父さんの呼び出しで来たものの、なんで呼ばれたのかわからないくらい場違い感を感じる………!
「盛り上がっているところ申し訳ないが大和ちゃんはどうしたんだい?」
「マヤさんなら落ち着かないので機材の調整をしている、と言ってました!」
父さんの質問に白い髪の女の子が答える。
「ありがとう、若宮ちゃん。そうしたら誰か大和ちゃんを呼んできてくれないかな?パスパレの活動について私からみんなに伝えることがあるんだ」
「わかりました。麻弥ちゃんは私が呼んできますので」
「あっ、千聖ちゃん!麻弥ちゃんを呼ぶなら私が行くよ!」
「大丈夫よ、彩ちゃん。それに突然彩ちゃんが行ったらきっと麻弥ちゃんが驚いてしまうわ」
「ううっ、確かに………」
「大和ちゃんのことは白鷺ちゃんに任せるとして私たちは会議室に向かおうか」
白鷺ちゃんと呼ばれた女の子は大和ちゃん、という方を呼びに行く。俺たちは父さんの後を歩きながら会議室に向かい始めた。
「ねーねー、あなたは誰?もしかしてパスパレの新メンバー?」
歩いていると水色の髪の子が興味津々の様子で俺に話をしてきた。
「パスパレ?っていうのはよくわからないけど………少なくとも新メンバーではないと思うぞ」
「えーっ、パスパレ知らないの!?」
「知らないな………さっき大和さん?を呼びに行った人は白鷺千聖さんっていうのはわかるけど」
白鷺千聖。普段あまりテレビを見ない自分でも名前位なら知っている。幼い頃から天才子役として名を馳せた有名人だ。
「ふーん、へぇ~っ………」
俺の発言に更に興味を持ったのか、女の子はじーっとこちらを見つめてくる。
「………るんっ、ってきた!」
「「!?」」
女の子は嬉しそうにそう言うと丸山さんともう一人の女の子が驚いた顔をする。
「る、るん?」
「名前はなんていうの?高校生?どこの高校に通ってるの?」
「うえっ!?ええっと………」
女の子は目を輝かせながら次々と質問をぶつけてくる。
「ヒナさん、なんだかとても嬉しそうです!」
「日菜ちゃんがここまで他の人に興味を持つなんて………」
(み、見てないで助けてくれ………!)
結局、会議室に着くまで女の子の質問は続くのであった………
GPやら何やらで筆が遅くなってしまい…次回も非デュエマ回(予定)です!