BanG Dreamasters!   作:toku3

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日常回です!

新殿堂でちょっと冷や汗…これから出てくるデッキに影響はない…はず



~前回のあらすじ~

彩と日菜のデュエマ。革命チェンジを駆使し速攻を仕掛ける彩であったが日菜の強固なシールド・トリガーの前に突破することが出来ずそのまま敗れてしまうのであった…

そしてフェスに向けての練習が始まる…!


そのデッキは…

………パスパレとの初めての出会いから2週間が過ぎた。

 

この2週間はとにかく忙しすぎて一瞬で過ぎていった。バンドの練習との調整、メンバーのスケジュールの調整、教える内容について等々。

 

トレーナーさんやマネージャーさん達と話し、調整して時間を作りパスパレのみんなにデュエマを教える。初めは高校生、なおかつ社長の息子ということもあり冷ややかな目で見られていたようだが回数を重ねる内にそんな目で見る者はいなくなっていた。

 

そして練習を積み重ねていく中で、メンバーそれぞれが自分に合うデッキを見つけていきフェスに向けてひたすら調整を続ける日々が続いていた。

 

「しかし………どうしたもんかねぇ」

 

そんな中での問題が1つ。氷川さんのデッキがなかなか決まらないのだ。

 

デュエマでもその持ち前の天才性を発揮し、ぐんぐん上達していった彼女は他の誰よりも一番乗りで自分のデッキを組み上げた。…のだがその翌日には彼女は別のデッキを使っていた。聞いてみたところ最初はるんっ♪としていたが回しているうちに段々るんっとしなくなりそのまま解体してしまった…と。

 

そこで俺は色々なデッキを氷川さんに教えた。オーソドックスなデッキから玄人向けなデッキまで俺の知りうる限りのデッキを教えたが、彼女はそれを完璧に使いこなすと翌日には別のデッキを教えてほしいとねだってきた。

 

気が付くと他のメンバー全員が自分に合うデッキを作り、氷川さんだけが取り残される事態となってしまっていたのだ。

 

「あと2週間…早く決めないと色々とまずいんだよな」

 

「色々とまずいって…何が?」

 

「うおっ!?って沙綾か…びっくりした」

 

悩んでいる俺に背後から声をかけてきたのは同じクラスの山吹 沙綾だった。

 

「どうしたんだ?店、今忙しい時間じゃ…」

 

「翔がず~っと考え込んでる間にお客さんのピーク終わっちゃってる」

 

「マジか!?」

 

そう、俺は今日の昼ご飯を買いに山吹ベーカリーに来ていたのだ。休日平日問わずそのおいしさから客足の絶えない店ではあるが…どうやら俺は深く考え込みすぎてたようだ。店に残っているのは自分1人だけになってしまっていた。

 

「ああっ、カレーパン……」

 

ピークが過ぎているということは店の商品も少なくなっているわけで……俺の大好きなカレーパンは跡形もなく姿を消してしまっていた。

 

「あはは…ちょっと待ってて」

 

そう言って沙綾は店の奥に行くと紙袋を持って戻ってきた。

 

「はい、カレーパン。焼きたてじゃないけど…どうぞ!」

 

「えっ!?いいのか?」

 

「もちろん!翔にはいろいろお世話になってるし」

 

「色々って…純にデュエマ教えてる位だぞ?なんだか申し訳ないな…」

 

沙綾には純という弟と沙南ちゃんという妹がいる。純には俺の時間が空いているときにデュエマを教えていたのだ。最近は忙しくて中々会うことが出来ていないが…

 

「いーのいーの!それに…」

 

「それに?」

 

「…ううん、なんでもない!それより今日もお手伝い?」

 

「ああ、デュエマフェスまで時間も残り少ないからな」

 

沙綾には俺が学校で考えているところを問い詰められ事情を話している。最初は驚かれたがあまり深くは聞かないでくれている。言いふらすような話でもないのでその気遣いが非常にありがたかった。

 

「おっと、もうこんな時間か…カレーパンありがとう沙綾。純によろしくな」

 

「うん、お手伝い頑張ってね!」

 

沙綾の声援を受けながら山吹ベーカリーを後にする。

 

 

 

「しかし、氷川さんのデッキをどうしよう…最悪俺のデッキを貸してみるか…?」

 

これでダメだったら本当に打つ手がない。その時は本人には申し訳ないけどデッキを選んでもらうしかない…

 

そんな俺の悩みは―――――

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「しょーくん!使うデッキ、決まったよ!」

 

「え?」

 

事務所に行くと、いつの間にか氷川さん自身が解決していたのだった。

 

「ほ、本当か!?また1日で飽きたりとか…」

 

「大丈夫、大丈夫!今回は本当にるんっ♪ときたんだ~」

 

氷川さんがここまで言うとは…本当に心配なさそうか。

 

「しょーくんが来る前に彩ちゃんやイヴちゃんとデュエマしたんだけど連戦連勝!完全無欠って感じかな~」

 

「ヒナさん、とても強かったです!1本も勝てませんでした!」

 

「完敗…強すぎるよ~!」

 

丸山さんや若宮さんがまったく勝てないとは…本当に氷川さんと相性のいいデッキなのだろう。

 

「マナ加速にドロー、除去に特殊勝利までなんでも出来る日菜さんらしいデッキでしたよ!」

 

「【マスター・W・ブレイカー】…聞いたこともない能力だったわね…高宮君は知っているかしら?」

 

………【マスター・W・ブレイカー】?というか…マスター!?

 

「白鷺さん、それは本当ですか!?」

 

「え、ええ…」

 

「氷川さんごめん、そのデッキ見させてもらってもいい?」

 

「うん、いいよ~どうぞ!」

 

俺は受け取ったデッキの中身を急いで確認する。………な、なんだ、これ………!?

 

「………ありがとう、氷川さん。とりあえず今日の練習なんだけど…」

 

予定変更だ。俺は急いでメモに簡単な地図を書き丸山さんに渡す。

 

「高宮君?この地図は一体…」

 

「氷川さんはデッキの調整。ほかの皆さんは丸山さんに渡した地図の場所に行ってもらって練習をお願いします」

 

「高宮君はどうするの?」

 

「俺は氷川さんのデッキ調整に付き合う。付いていきたいのは山々だけど…あと2週間だから、メンバー同士でデュエマする以外にも今渡した場所で経験を積んでもらおうかなと思って」

 

「うん、わかった!それじゃあ、みんな行こう!」

 

丸山さんは氷川さん以外のメンバーを連れて外に出る。………よし。

 

「それじゃあ、調整する前に氷川さんに聞くけど………その(・・)デッキ、どこで手に入れたの?」

 

「昨日のバンドの練習の帰り道に拾ったんだ~」

 

氷川さんが答える。拾った、か…ほぼ確定とみていいだろう。

 

 

 

「そっか…氷川さん、突然で申し訳ないんだけど…そのデッキがどういうものなのか…見させてもらうぞ」

 

俺は1枚のカードを取り出す。それと同時に取り出したカードが強烈な光を放つ。

 

光が収まると俺と氷川さんは事務所の会議室ではなく何もない殺風景な荒野にいた。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「なにこれなにこれ!?しょーくんどうやったの!?」

 

突然しょーくんの雰囲気が変わった!と思ったら、あたしたちのいる場所まで変わってしまっていた。

 

「それは…今からやる俺とのデュエマに勝てたなら教える」

 

そう言うとしょーくんがデッキを取り出す。

 

「!!」

 

彼の雰囲気がまた一段と鋭くなるのを感じる。あのデッキ、いつもしょーくんが使っているデッキと全然違う!………なんだかとってもいつも以上にるんっとする!

 

「なら早速っ…!」

 

あのデッキと勝負してみたい。そんな思いでしょーくんにデュエマを挑もうとすると、

 

 

 

「待つんだ!日菜!」

 

 

 

あたしやしょーくんでもない第三者の声が響く。その直後、デッキから1枚のカードが飛び出した。

 

そのカードからあたしの目の前に銀の馬に乗り、赤いテンガロンハットを被ったいかにも西部劇に出てきそうな風貌をしたガンマンが現れた。

 

「えっ!?ジョニー!?」

 

そう、その姿は紛れもなくあたしのデッキの切り札…《ジョリー・ザ・ジョニー》だった!

 

「しょーくんしょーくん!ジョニーだよ!ジョニーが実体化してるっ!」

 

どうして実体化しているかはわからないけど絵で見るよりもるんっとする!

 

「このデュエマは絶対に受けては駄目だ!命に関わる!」

 

「命?」

 

「…そのカードが言う通りこのデュエマは真のデュエマ。負けた者は命を落とす」

 

私の疑問に答えるかのようにしょーくんが言った。

 

「ただ、俺が奪うのは氷川さんの命じゃない。そこにいる《ジョリー・ザ・ジョニー》、お前の命だ」

 

意味がよくわからない。ジョニーの命?

 

「デュエルマスターズには稀にカードに本物のクリーチャーが宿ることがある。ジョニーはその中でも特に特別なクリーチャーだと推測している」

 

「そうなの、ジョニー!?」

 

「ああ、その少年の言うことに間違いはない」

 

まさか本当にクリーチャーが実在してるなんて…

 

「俺は今まで色々なクリーチャーを見てきた。それでも…【ジョーカーズ】なんていう聞いたことのない文明を従えるクリーチャーは初めてだ」

 

ジョーカーズ…彩ちゃんやパスパレのみんなも知らないって言っていたけどしょーくんすら知らない文明だったの!?

 

 

 

「だからこそ、氷川さんとデュエマしてジョーカーズを俺が見極める。もし危険であれば俺がジョーカーズを…滅ぼさなきゃいけないから」

 

 

 

滅ぼす。それが当たり前のことのようにしょーくん…いや、目の前の少年はそう言い放った。

 

「………今のしょーくん、るんってしない!そんなよくわかんない理由で滅ぼすのは間違ってるよ!」

 

「日菜…」

 

「やろう、ジョニー!あたしたちのジョーカーズでいつものるんってしたしょーくんに戻そう!」

 

「……ああ!」

 

そういうとジョニーは再びカードとなりあたしのデッキの中に戻っていく。

 

「ジョーカーズを滅ぼすなんて絶対にさせないよ!」

 

「行くぞ、ミラダンテ、………!」

 

小声で何か呟いていたようだがあたしの耳には届かない。

 

 

 

 

 

「「真のデュエマ、スタート!」」

 

 

 

 

 

こうしてデッキ調整のはずが、絶対に負けられないデュエマが始まってしまうのであった………




以上日常?回でした。遅くなってしまい大変申し訳ございません。

カードゲームにオカルト要素は付き物!ということで日菜ちゃんのデッキは【ジョーカーズ】に決まりました!このBanG Dreamasters!世界では【ジョーカーズ】は誰も知らない未知の文明という設定となっています。

次回はなるべく早く投稿していきたいです…
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