ハーレム?いえ、既に詰んでいます   作:ねぎぼうし

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どうも、あずきバーってアイス美味しいですよね。かたいですけど。斜めにかまえるです
今回は果南ちゃん回です。
なんというか定番のお話です。
個人的にはニセ○イみたいなのを書きたいです。
それではどうぞ


海はお好きでしょうか?

日焼けは苦手です。

いえ、肌荒れを気にしているわけではないですが、健康に悪そうじゃないですか。

今の時期は夏手前ですが、真昼に日焼け止めを塗らずに外を歩くのは少し抵抗があります。

なのでしっかり、日焼け止めとサングラスをして、外出をします。

ちなみに、出掛ける先はというと、

 

「あ、やっときたね」

 

ここ、果南の家のダイビングショップ。

少し潜ろうと思ってきました。

わりとダイビングはよくするほうで今では、千歌と同じぐらい潜れます。果南には敵いませんが。

 

事前に果南には連絡を入れておいたので、ウエットスーツが壁に掛けてあり、その下に酸素ボンベが二本分。

果南はまだ準備途中のようで私服です。

 

「すいません。また用意してもらって」

「いいよ。いつものことだし」

 

果南にお礼を言ってからウエットスーツを手にとり、物陰へ移動して着替えます。

本当は女性が物陰側なのでしょうが、ダイビングを始めたとき果南はなんのためらいもなく私の目の前で服を脱ぎ始めました。胸元辺りに服がたくしあげられたとき、慌てて視線を外して私が隠れるがわになったのですが、それが今でも続いているというわけです。

男として見られていないというのはそこまで重症なのでしょうか……?

いえ、ただ果南の羞恥心の欠如でしょう。

 

ウエットスーツは嫌いではないです。

よく肌にピッチリ付く感じを嫌がる人がいますが、慣れてくると心地よくなってきます。

初心者の頃から考えると比較的早く着替え終わり、物陰から出ます。

 

すると果南はウエットスーツは着てるのですが……。

 

「……何してるんですか?」

「しまらないっ……!」

 

ウエットスーツのチャックのズレでしょう。

私より力がある果南がチャックを閉められずに苦闘してました。

私より力が強い果南ですがなにせ着たままだと力のかけ方が違うのでしょう。

 

ウエットスーツのチャックは背中ではなく前についています。

なのでそれが閉められない果南は大きく胸元をはだけさせて、谷間が見えてしまっています。

しかも閉めかけなので水着が、ちょうどないように見えてしまいます。

総合的に言うと…………とってもエロいです。

しかしそんな視線に気づかず黙々とチャックと闘う果南。

………………しかたありません。

 

果南と面向かって至近距離に立ちます。

 

「つ、椿?」

 

面食らったのか果南がたじろいでいますが知ったこっちゃありません。

そのまま果南の胸に手を伸ばし……

 

「はい。しまりましたよ」

 

胸元のチャックを上げてあげました。

これで万事解決です。

閉めてもらった果南は胸元に手を置き……

 

「……………えっち」

「なんでですか!?」

 

感謝の言葉より先にセクハラ宣告!?

一ミリも悪くないですよね僕!?

 

「人の胸に手を伸ばして……」

「別にいいでしょ閉めたんですし!」

 

からかっている……のかと思いきや果南、顔真っ赤です。

どうやら自分で言ってて恥ずかしいみたいです。

すぐに踵を返し、海へ向かいます。

 

「行くよ!昼から天候が不安定みたいだし!」

「でももう昼でしょ………?」

 

言ってはみますが前を進む彼女にとってそんなことは些細らしく、シュノーケルをつけ始めます。

仕方なくあとに続き、海へダイブ。

 

さきほどよくダイビングはよくすると言いましたがその理由は、

 

「…………………!」

 

なんど見ても素敵な海の生き物。

浅瀬ではありますが魚はいます。

普通の人は一度で飽きるかも知れませんが私はこれで十数回目です。逆に言えば、十数回も感動を味わっているのです。

海は好きです。どんなときも広い心で許してくれる海が好きです。だからどうしても定期的に見に来てしまうのです。

 

「……………プハッ!」

「………………感動した?」

「とっても素敵です!」

 

このやりとり、一言一句違わず毎回果南は聞いてきます。そして私がいつも、素敵だと伝えると果南は笑います。

きっと彼女も海が好きで、海を好きな人が好きなんでしょう。

彼女の笑顔の裏にはいつも広くて青い海が見えます。

挑戦的な笑顔を浮かべ彼女は問います。

 

「さぁっ!今日はどこまでいく?」

「行けるところまで行きましょう!深く、遠く!」

 

何度も何度も何度でも。

同じことを聞いて同じことを返す。

それは私達にとって、とても大切なことであり、譲れないもの。

答えが分かっているから聞く。素敵なことは何度でも口にだして素敵だと言う。それが、人生を楽しむコツです。

 

「じゃあ行こっか!」

「はい!」

 

即答。

これが私と彼女。椿と果南の関係です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────必死に潜るうちに気づけば日が暮れています。

こういうことはよくあって、今さら動じません。

果南とアイコンタクトを交わして岸へ。

 

「はぁ………楽しかったです」

「感動した?」

「とても素敵です」

 

またこのやりとり。

言い合ったあと、果南と目を合わせ、笑いあいます。

きっとこの関係が崩れることはないのでしょう。

 

  

ダイビングショップへつく頃でした。

頭に何か当たる感触があり、天を見上げると小雨が降っていました。

そういえば昼から天候が不安定だと言っていました。

ですが着替えが最優先事項です。

雨なので店の更衣室を使うことに。

男と女の更衣室が隣り合わせで入る時に果南から

 

「覗かないでよ」

 

と言われましたが逆に私に覗く度胸があると思っているのでしょうか?

それはそうと少し気になることが。

それは果南のお母さんから。

幼なじみなので絶大な信頼ゆえにたまにメールが来るのですがだいたい、『果南いまどこか知らない?』等のメールです。

ですが今回、いつもとは違い、

 

『果南のこと、よろしくね♪』

 

と謎メール。なにがよろしくなのか。

 

考えていたってしょうがないので着替えを進めることにします。

ラフな格好へ着替え終わると、更衣室をでて、すぐそばの椅子に座って果南を待ちます。

そのまま帰ってもいいのですが、雨が降っているので雨宿りです。やみおわると帰るつもりです。

ですがいくら待っても果南が更衣室から出てきません。

心配になり、果南にメールを送ります。

 

「更衣室でどうかしましたか?っと」

『なんでかえってないの!?』

「雨の中濡れて帰るのは……」

 

返すと既読はつきますが返信はなし。

それから少ししてから更衣室の扉がゆっくりあきます。

 

「果南遅かったじゃないですか。一体どうし……」

 

簡潔に言いましょう。

扉から出てきたのは美少女でした。

いえ、果南はもとから美少女ですので語弊はありますがとにかく思うのは、

 

「何ですかその服!?」

 

果南はミニスカで、サイズが一回り小さいセーラーでお腹を露出。しかも黒ニーソをはいていて、いつもとは違うツインテール。結果から言えば紛れもないコスプレなのですが、

 

な に こ れ ?

 

「お、お母さんがこれ着てって……」

 

ミニスカおさえないでください!エロすぎて話が入ってきません!いや、おさえないはおさえないで、パンツが見えて困りますけど!

 

「私が来たときの私服は?」

「ダイビングの前に洗濯した……」

「他の服は?」

「どこにもない……」

 

母親ァァァァァッ!!

なるほどね!謎メールはそういうことですか!

 

「どこにいますあの人!?」

「大阪……」

「よし!いまから文句言いに……って大阪!?」

「そ、出張。置き手紙でこれを着てってあったの」

 

なんて母親でしょう……。

というかあまりのパニックで思ってませんでしたが改めて見ると……。

 

「…………?どうしたの?そんなジロジロ見て?」

「いえ、凄く似合ってるなぁと」

「…!?変態!えっち!」

「いたっ!殴らないでください!あとキャラおかしくなってますよ!」

 

聞こえていないようでひたすら私を殴り続ける果南。

こうなると諦めて殴るのを止めるのを待つほうが得策です。

 

「もう……帰るまで更衣室にいるつもりだったのに……」

「じゃあメールの返信で言えば良いじゃないですか」

「そうだけど!なんかそれだと負けた気がするの!」

 

何に!?

そうツッコもうとした時、なにか気になる音が。

 

「果南、一旦殴るの止めてもらっていいですか?」

「え?う、うん」

 

ザァァァァァァ_______

 

「え?まさか……!」

 

外を見るとどしゃ降り。

とても帰れる様子じゃありません。まぁいつか晴れます。

そんな考えを生ぬるいと断じるようにラジオから追い討ちが。

 

『洪水警報が発令されました。明日の朝までこの雨は止む気配はなく……』

 

「………明日の朝まで?」

「………どうするの?」

 

果南が聞いてきますがここはホテルでも旅館でもありません。

どうしようもな……

 

「あっ……」

「果南?どうしました?」

「お、オッケーだって……」

「なにがです?」

「宿泊……」

 

果南がゆっくりとスマホの画面をこちらに見せます。

そこには、

 

『そっち洪水警報だってね。椿くんたぶんそこにいるでしょ?泊めて上げて。大丈夫、親には許可とったわ。あと私も雨で帰ってこれないから』

 

うわぁ!用意周到!

って嘘でしょ!?

 

「この格好の果南と泊まるの……?ふ、二人きりでですか?」

 

果南も現在の状況を把握したらしく、体を隠し始めます。

おちつけ、落ち着くのです私。

冷静になって考えるとそれ、

 

「果南」

「な、なに?」

「それはステージ衣装です。ヘソ出しなんてよくあることです」

「え?」

「いいですか?ステージ衣装です。どんなにエロくてもそれはステージ衣装なので問題ありません」

「ステージ衣装…………だったら大丈夫だよね!」

 

暗示で恥ずかしさが消えたのかスカートをおさえなくなりました。

パンツが見えるかどうかはギリギリですが、基本目をそらしていれば問題ないでしょう。

 

「…?椿?どうしたの目なんかそらして」

「いえ、パ……」

 

……………はて、ここで「パンツが見えてしまう」と言うのは正しいのでしょうか?

果南に羞恥心が欠如しているからといってここで言ってしまうとセクハラ1歩手前です。

さらにいえば果南も、もう高校生。私がダイビングを始めた頃とは変わっているはずです。

正直に「パンツが~」なんて言えば漫画のように殴られる可能性も捨てきれません。

よってここは、

 

「ぱ、パスタが食べたいなぁとおもってキッチンのほうを見てました」

「てことはやっぱり泊まるんだね。待ってて今作るから」

 

嘘も方便というやつです。

キッチンに駆けていく果南を止めることは私には出来ず、大人しくキッチンに向かうことになりました。

 

 

 

キッチンは机と調理場と近くにあり、よくある家族と話しながら料理ができるというものでした。

すでに果南は調理を始めており、エプロンをつけていました。

ミニスカでツインテでエプロンってどんな格好ですか……。

 

「果南料理できたんですね」

「これでも女の子だよ。失礼だと思わない?あ、座ってていいよ」

「すいません」

 

立ったままの私を気遣ってか座るように促す果南。

せっかくなので座らせてもらいます。

 

「しかし、生きていれば奇妙な場面に遭遇することもあるんですね」

「奇妙な場面?」

「ほら、今の状況ですよ。テーブルで食事を待つ男と、エプロン姿の女。まるで……」

「まるで?」

 

「新婚夫婦じゃないですか!」

 

ドンガラガッシャーン!と騒音。

果南が転んだようです。

音からしてかなり器具が棚から落ちてるようです。

どんな転びかたをしたんですか……?

近くに寄って果南に手を貸すと、少しためらいながら手をとり、立ち上がりました。

転んだのが恥ずかしいのか顔が赤いです。

それを悟られまいとしようとしているのか必死に私に言葉で畳み掛けてきます。

 

「新婚とかなにそれ!?そ、それに私と椿がふ、ふーふだったら奇妙ってどういうこと!?」

「……?そのままの意味ですよ?ってどう転んだらそんなギャグマンガみたいなつきかたするんですか……」

「へ?」

 

顔を改めてみると鼻に麺の切れ端が。そこはホイップクリームとかでしょう。

麺なのがなんとも果南らしいというか……。

 

「はい。あーむっ!」

「なにしてるの!?」

 

なにって、鼻についてた麺をとって食べただけですが……。

 

「………美味しい。果南ちょっと多めに作ってください」

「おかわり所望?はやいってば……」

 

そうはいいながらも鍋に麺を追加する果南。

1日限りですが本当に……

 

「いいお嫁さんを持ちました……」

 

ドンガラガッシャーン!

 

 

 

 

 

───  ───  ── ─

 

まさか二度転ぶとは……。

結果論ですが果南の料理はおいしかったです。

ウソでも女の料理は褒めろと言われることもありますが果南が作って美味しいのなら誰が作っても美味しいのでは……!?

なんて失礼なことを考えていたら果南に怒られそうです。

 

「さて、もうこんな時間ですか」

 

時計を見ると8時半。雨が止む気配はありません。

となるとやはり泊まるのでしょう。

 

「では僕はお風呂に入ります」

「あ、私先に入りたい」

「どうぞ。私は後でも」

「ありがと……って、あっ……」

 

風呂場に進む足を止める果南。

何かに気付いたようです。

 

「果南?どうしました?」

「わたし、着替えが、ない……」

「あぁ……」

 

そういえば洗濯物とお母さんの悪戯でしたね。

 

「その服を着ればいんじゃないですか?」

「でもその……見えそうだし……」

 

なにが?パンツがです。

しかたありません、これは言いたくなかったんですけど……

 

「………………………本当にその服が嫌なら救済はありますけど……」

 

 

 

 

───────救済。

それは本当に最終手段。

個人的には口にしたくないのですが……。

 

「ちょっと臭くない?なんというか……椿の匂い」

「私の体臭をディスるのでしたら即刻返してもらいますよ」

「イヤだよ。とってもいい匂いだし~♪」

「早速矛盾を……」

「…………?わたしはほんとのことしか言ってないよ?」

 

つまりいい匂いで臭いと。

いやどういうことですか。

 

 

最終手段です。そう、私の服を貸しました。

私は着替えのラフな格好のままで過ごせば解決です。

ただこれは果南が私の服を着るという難点があり……。

ですが果南、意外にも快諾。

お互い風呂をおえて寝室ではなすことに。

ここは私の部屋で果南は自身の寝室で寝るそうです。

同じ部屋はさすがにないです。

だって仮にも女子高生。きちんと淑女としての慎みを持つべきです。

 

そんなことを考えていると果南はうつむいて、 

 

「でもちょっとキツいかな」 

「そりゃそうですよ……」

 

果南は私と身長はほぼ同じ。そう、身長は。

問題は胸です。

女子高生ともなれば発育は進むのは仕方のないことです。

結果胸の分、前の布が足りなくてへそ出しに。

ですがへそ出しはよく衣装でもしますし、いまさら動揺することはありません。

ただ別件では動揺はします。

 

 

「………?こっち見つめてどうしたの?」

「不覚にも幼なじみを可愛いと思いまして」

「………なにさ急に///」

 

褒めるとそっぽを向く果南。彼女の髪がいつもより大きく揺れます。

そのしぐさにまた可愛いと思ってしまいます。

なぜなら今の果南はいつものポニーテールではなく、長く透き通るような髪を下ろしていたから。

 

 

「果南が果南じゃない感じです……」

「じゃあなに?」

「……………………」

 

少し考え込みます。

正直有名な読者モデルの名を挙げても足りないぐらいです。

風呂上がりですこし火照っている体に、普段とは違い下ろした髪から(したた)る水。

その姿はまるで……。

 

「水の………女神」

「え?」

「あぁいえなんでもありせん。読モみたいですよ」

 

不味い、口に出ていましたか……。

 

「ねぇ今なんて言った?水の?何だっけ?」

(したた)るいい女です。それ以上はありません」

「ほら言ってよ!め……?」

「にゴミが入ったと勘違いするほど別人になってますよ」

「目にゴミが入ったと勘違いってどんな褒め方!?ほら、めが……?」

「ネをかけたらもっと綺麗になりますよ」

「メガネ?そうかな?」

「はい。こんど一緒に買いにいきましょう」

「ホント!?」

「はい。千歌と曜とは買い物しましたが果南とはまだですし」

「やった!」

「さて、寝ましょうか」

「あ、電気消すね」

「どうぞ~」

 

……………。

 

 

「いやなに露骨に話題そらしてるの!?」

 

バレました。いまのは寝ておやすみで明日の朝きれいさっぱり忘れてるパターンでしょう。

こうなればもう覚悟を決めるしかありません。

キッチンまで歩き冷蔵庫を空け、缶酎ハイをを取り出します。アルコールが弱めのやつですがホロ酔いぐらいはできるはずです。

つまりは酔ってそのまま言っちゃえと。

やるからには一気に飲み干して挑みます、

 

「はぁぁぁぁっ……」

 

と深呼吸すると予想通り果南がおってきてまたあの質問。

 

「なんだっけ?め……」

「女神みたいです。とっても可愛いですよ」

 

いってしまいましたが本当に恥ずかしいです。

酔って暴露作戦大失敗。

果南もいざ言われて照れているようです。

なら聞かなきゃいいのに。

 

「な、なんだか暑くなったね!」

 

初夏です。そりゃ暑いです。

手でパタパタと顔をあおぐ果南。

褒めたのがそんなに嬉しかったのでしょうか。

 

「暑すぎて喉渇いちゃったよ」

 

そう言ってアルコールをグイッ!

…………あれ?果南ってアルコールいけましたっけ?

というか缶が何か見ずに飲みましたよね?

ですがアルコールは弱めです。さすがに酔うことは……。

 

「つばきぃ……♡」

「はいなんでしょ…………っ!」

 

酔ってるーーーーー!?

超酒弱いじゃないですか!

 

顔をほんのり赤くして私に寄りかってくる果南。

 

 

「ね、寝ましょう!こんな時間ですし寝ましょう!」

「ん~、ねよー!」

 

許可をとり、自分の部屋へ向かおうと……。

 

「果南?なんでついてくるんですか?」

「いっしょに寝るぅ……♡」

「はぁぁぁぁぁっ!?」

 

一緒の部屋でぇ!?

スペースはあります。ありますが……

 

「ダメですダメ!絶対に!」

「え?」

 

男子高校生として!それ以前に男としてです!

いくら酔ってるとはいえ、果南は果南です。

後が大変になるのは目に見えています。

よってここはなにもしないのが正解なのです。

すると果南は少し首をかしげ、私の服の裾をすこし引っ張り、上目遣いで、

 

「ホントに……ダメ?」

「……………………」

 

 

 

───  ───  ── ─

 

「んにゃ~♡ふかふか~!」

「……………」

 

部屋に入れてしまいました……。

仕方がないでしょう!?果南があんなに可愛い姿であの仕草ですよ!?断れる男がいるなら私はしりたいです。

大丈夫、私も今はホロ酔いです。しばらくすれば忘れるはずですし、言い訳としても十分でしょう。

 

というかベッドの上でバタバタしてシワだらけにするのはやめてほしいのですが。

 

「もう、寝ますよ」

「うん寝る~!」

「ホントにあなた誰ですか……?電気消しますよ?」

「わかった~!」

 

パチッ!と電源を消します。

光がとたんになくなり、果南が「ひゃーくらーい!」と子供のように騒ぎ立てます。

一方私は床で寝ることは確定しています。果南がベッドを占領していますから。

床へ寝転がり寝る体制をとります。

すると、

 

「ん~?つばきぃ~?」

「なんですか今度は……?」

「こ こ!」

 

バンバンッ!とベッドを叩く音。

 

「ここ?」

「こ こ で 寝 る の!」

「え?えぇ!?」

 

それ………………つまりは添い寝ですよね?

 

「出来るわけ……!」

「一緒に寝るっていった!」

 

あれって添い寝も含んで『一緒に』なの!?

そういうわけなら断るわけには……。

 

「あるでしょッ!!いくらなんでもあるでしょそれはッ!!」

「来てくれないならこっちからいくよ~!」

 

…………問題です。

果南は女の子。床で寝かせるのはいかがなものか?

寝癖とかも大変ですし……。

 

「……………わかりましたよそっちへ行きますよ」

 

立ち上がりベットの上へ。

するとグイッと手を引っ張られあっという間に果南の抱き枕に。

簡単に言えばベッドの上でハグされる形になりました。

抵抗?無駄でしょう。だって果南のほうが力は強いですから。

変なこと起こすまえにパパっと寝て、明日の朝にでも部屋を抜け出しましょう。

 

「……?つばきぃ?」

 

また……?なんですかこんどは?

 

「ホントになにもしないの……?」

「なにも、って?」

 

 

「えっち……とか」

 

 

「…………………」

 

……確かにここで押し倒すのは簡単ですし、果南も抵抗はしないでしょう。

でも……。

 

「しませんよ。酔いすぎです。さっさと寝てください」

 

私は今の果南がいいです。関係を崩したくありません。

その返事をどう受け取ったのか「んっ……」と私を抱く手の力が強まります。

必然的に胸が背中に押し付けられますが今日はダイビングで疲れたということもあり、眠気が一気に……。

 

 

 

──────気がついたら朝でした。

果南は先に起きたようで既にベッドにはいませんでした。

部屋を出るとスゴくいい香りが。

 

「あ、おはよー!」

「お、おはようございま……えぇ?ちょ、ちょっと待ってくださいね?」

「ちょっと待つよ?」

 

現状確認。果南、昨夜のコスプレ衣装。机の上、卵焼き。

ここから導きだされる最善解。

 

「……いただきます」

「どうぞ」

 

朝食をとる、以上。

黙々と、ただ黙々と食べ続け普通に美味しい朝食を終了。

 

「さて、いろいろ言いたいです。言いたいですけど……」

「うん」

「まずは服を何とかしましょう!?」

「このままで」

「あぁそう。そうですか……」

 

一度聞いてダメなら諦める。昨日覚えたことです。

理由?さぁ?多分まだ乾いてないとかそんな感じです。

 

「じゃあなぜこの状況に至ったのか……」

「……?朝だから朝御飯作るよね?」

「そうですね。いやそうじゃなくてですね」

「じゃあどういうこと?」

 

朝起きたら美少女がすごい格好で料理しているまでの意図と経緯を教えてください。

 

「…………どういうことでもありません」

 

はい、大人しく無視。

聞いても千日手、同じことが繰り返されるだけです。

 

「その……昨夜は……ゴメンね?」

「ん?あぁ、覚えてますか?」

「ちょっとだけなら……?」

「そうですか」

「あ、あれっ!?反応薄くない!?」

「忘れたい、そんな気持ちの、今日の朝」

「なにしたの私!?」

 

性行為の要求でしょうか。

言いませんけど覚えてませんねこれは。

 

「これからどうする?」

「え、聞きます?日曜日ですよ?」

「ダイビング?」

「出来るわけないでしょう。昨日の雨で海大荒ですよ。そうじゃなくてですね」

「じゃなくて?」

「め が ね!行くんでしょう?」

 

いってあげると目を輝かせ、

 

「行くよ!待ってていま着替える!」

「着替えあるなら最初から着てくださいよ!?」

 

すっかり忘れてて誘ったけど服あったんですか!?

 

バタバタと駆けながら部屋を出ていく果南。

まるで子供です。

今日は今日で騒がしくなりそうです。

あ、そうだ。泊めてもらったお礼にサプライズでなにかあげましょう。

喜んでくれるといんですが……。

 

「椿!いくよ!」

「あぁはいはい!いま行きまぁす!」

 

今度は私がドタバタする番。

焦りながら玄関へ向かうなかテーブルの上に不穏な影。

 

「あんなのもうこりごりですっ!」

 

そう、缶酎ハイ。それを掴み取りそっと隠します。

酒はちゃんと確認してから飲みましょう?

 

「椿~!?」

「すいませーん!」

 

謝りながら玄関へ行くと、

 

「ちょっと。遅いよ」

「え、あ、す、すいません」

 

突然の果南に戸惑います。

だって果南は……。

 

「なに、そんな動揺して?」

「あの……私服、とっても似合っててかわいいです」

「……!?もう!普段はそんなことを言わないのに今日はなんでさ!?」

「いや、いつもより似合ってましたから!」

「確かに今日は気合い入れてオシャレしたけどそんな露骨に……///」

「へ?気合い?」

「なんでもない!ほら、行くよ!」

 

おもむろに私の手を握り、引っ張る果南。

女の子ってそんな簡単に手を握るんですか?

 

「さぁ、行こっ!」

「うわわわっ!そんな引っ張らないでくださいよ~!」

 

このあとテーマパークに連れていかれ、思い切り遊びすっかりメガネを忘れ、果南に「じゃあまた一緒に行かなきゃね!」と見事に次の約束まで取り付けられるのですがそれはまた別のお話。

 




酔った果南ちゃん良いですよね。というか私果南ちゃんの表現苦手なようです。なんというかしゃべり方が掴めないんです。それでも楽しんでいただけたら幸いです。
次回は千歌ちゃん回!お楽しみに!

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