ハーレム?いえ、既に詰んでいます   作:ねぎぼうし

4 / 7
みなさんお久しぶりです。1ヶ月放置してたらお気に入り10件増えてました。正直困惑してます。斜めにかまえるです。
ほんと更新遅くてごめんなさいね。斜めにかまえるも忙しんです。
今回は千歌ちゃん回ですよ。お楽しみください。


みかんとオレンジは別物ですから

果南とダイビングへ行きはや数日。

季節はもうすっかり夏となり、浦の星も私の学校も夏季長期休暇、夏休みに突入しました。

夏休み初日といえば皆さんは跳び跳ねるほど嬉しい日。

ですが私は全く逆です。憂鬱で憂鬱で、しかたがありません。

理由は、

 

「今年もコレするのー?」

「するんです。しなきゃ困るのは千歌でしょう?」

「う゛っ……そうだけど……」

「分かったらお菓子ではなくペンをもってください」

 

勉強会です。

夏休みの課題といえば最終日にやりこむ人が多いようですが愚の骨頂です。

前半数日で終わらせる派の私からすればため息が出てきます。

ですが私の友人はどうやら最終日派が多いようで数年前までは最終日に泣きつかれたものです。

なのでここ数年は初日から勉強会をすることに。

といってもメンバーは私と千歌だけ。

曜と果南は一緒にやるとお話を始めるので別の日です。

そんなわけでこうやってマンツーマンで行うのですが……。

 

「あ、そこ違います」

「またぁー?」

「またって千歌がやってるんでしょう。言っておきますが休みは二時間ごとですよ」

「はぁーい……」

 

こんな感じで千歌はやる気微塵もなし。

いつものことなので、今さら呆れる気にもなりませんがここまで徹底されると驚きの一言です。

よくある畳の部屋で座布団を敷き、課題とにらめっこ。

 

ちなみにですがここは私の家。

千歌の家は旅館ですし、なにより以前も言いましたが梨子さんと会っちゃうのもどうかと思っているからです。

 

「んー?」

「問題に詰まりでもしましたか?少しお待ちを」

 

立ち上がりキッチンへ向かいます。

ちなみにここは私の家。

親が海外で仕事をしており、独り暮らしをしているので女性を部屋にあげようが私の勝手です。

一室はそれほど狭くはありませんから勉強に不足はありません。

 

キッチンへつくと、豆をひきはじめます。

そう、コーヒーです。

最近はインスタント物が多いですが両親海外であることもあり、たまに豆が送られてくるのです。

それを消費しているといつの間にか詳しくなっており、こだわりみたいなのができていました。

送られてきた豆はほぼ全部高級ブランド。こうなることが分かって送って来たのでしょう。

 

「千歌、コーヒーです」

「ほんと!?つーくんの美味しいから好きなんだぁ!」

「立たない焦らないがっつかない。座ってたら飲めますよ。コーヒーは逃げません」

「砂糖は?」

「もう入れてあります。千歌の好みくらい把握してます」

「さっすが!」

「で、どこでつまづいたんです?」

「ここなんだけど……」

 

ふむ……ってこれ、

 

「高一の範囲じゃないですか。先生の話聞いてました?」

「授業中はほとんど寝てたからなぁ……」

 

なにをしてるのでしょうかこの人は。

先生の話はちゃんと聞くものでしょう。

そんな私の順位は400人中12位。

よくなんでそんな頭いいの?など聞かれますが一位の方に聞いてください。

予習、復習、読書、睡眠。

きっちりやっていれば良いだけの話です。

そんなことを考えながら千歌に延々と説明。

理解したのかしてないのかよく分からないまま次の問題へ。

 

「飽きたー!」

「はやいですって……」

「リフレッシュも大事ってことで!」

「………………5分だけですよ」

 

言ってあげると千歌は立ち上がりガッツポーズ。

そんなに嬉しいでしょうか?5分ですよ?

 

「あ、そうだつーくん」

「はい、なんでしょうか?」

「愛してるよゲームって知ってる?」

「………?なんですそれ?」

「片方が愛してるっていってもう片方はもう一回ってお願いする。先に照れた方の負けってゲーム!」

「なんですかその貴族の遊び……」

 

どこのバカップル考案ですか。

童貞感溢れる妄想ゲームですね。

 

「で、それがどうかしましたか?」

「うん。やってみない?」

「なにを?」

「愛してるよゲームを」

「……誰と?」

「つーくんと」

 

は?

正気でしょうか?

あぁいうのはバカップルがやるから楽しいのであって私たちがしても意味ないでしょう。

 

「嫌な顔しないでよ。ただの暇潰しじゃん」

「そうですけど……」

「じゃあつーくんが攻めね」

「また勝手に始める……えぇと、攻めは言う方でいんですよね?」

「うん」

「じゃあ……愛してます(棒)」

「………………………」

 

あれ?ダメ?ルール合ってますよね?もう一回は?

千歌はムスッとしてますが何故でしょう?

 

「千歌ー?」

「棒読みは傷つくよ!」

 

そっぽをむいて文句を言う千歌。

あぁなるほど。いやそんなこと言われてもあいて千歌ですし。

要は感情込めればいんですね?

では、本気でいきましょう。

ブツクサ文句を言いつづける千歌の言葉を遮り、顔を無理矢理こちらに向け、感情こめて。

 

「千歌」

「ほえ?」

「……愛してます」

「……………………///」

 

 

 

 

シーン……

 

 

 

 

あ、あれぇ?私また間違った?もう一回は?

 

「も、もう一回……!」

 

あ、良かった。合ってたみたいです。

それでは追撃。というか相手が千歌の時点で照れることはないので私の勝ちは最初から確定です。

 

「愛しています」

「………………ああぁっ!無理だコレ!」

 

頭を抱えうずくまる千歌。

弱すぎでしょう。2回目ですよ?

足をバタバタさせて「ずるい!」「勝てるわけないじゃん!」などと抗議する千歌。

いや、勝負かけてきたのはそっちですしルール上のことしかやってませんよ僕は。

 

にしてもコレ、いってるほうも恥ずかしいですね。

千歌に愛してるよはキツいです。

嫌なわけではありませんが……。

 

「さて、次は千歌ですね」

「え?」

「え?ってなんですか。そういうルールでしょう?今度は千歌が攻めですよね?」

「あ、あぁー。そうだ……ね」

 

顔をひきつらせる千歌。

ヤバい考えてなかった、みたいな顔です

 

「い、いくよ……」

「いつでもどうぞ?」

「あ、愛してるよ(棒)」

「ちょっ!それズルくないですか!?私本気でやりましたよ!?」

「だ、だってー!本番というか……その……」

「言い訳は結構です!本気でお願いします!」

 

まぁそれでも負けることはないですが。

大切なのはフェアな状況で勝ったという事実です

 

「本気で……本気で……!いくよっ……」

「おぉ、なんか楽しみです……!」

 

 

 

 

 

「愛してるよ……」

「ッッッッ!?!?!?」

 

驚き、なんて次元を超えたその可愛いさは私を転倒寸前までに追い込みました。

意識してみれば千歌は温泉旅館の娘、肌はスベスベで髪は透き通るように綺麗で。

普通だなんだと言っていましたが容姿は美人です。

美人とかけ離れた性格故に意識なんてした人はいないでしょうがこれ、相当スペックは高いです。

旅館の女将さんには不思議な魅力があるでしょう?

微笑む千歌はまさにそれ。

そんな千歌から愛してるよ、なんて言われてもう一回?

 

「…………………参りましたぁ」

「え?」

 

今度こそ転倒しますね!自信もっていいますよ!転倒します!

いや、あまく見てました。

さすがアイドル。表情の作り方が上手です。本当に愛されてるのかと錯覚しそうでした。

 

 

「さ、休憩は終わり!勉強を再開しますよ」

「はーい……。うぅ…この季節は嫌いだよ……」

「課題が多いからですか?」

「それもあるけど、夏ってみかんの収穫時期じゃないの」

「あぁ、なるほど」

 

よく勘違いしている人が多いですが夏みかんの収穫時期は4月から5月。夏で獲れるのはハウスみかん、家庭栽培ぐらいです。

では夏みかんと名乗られているのは何故か?

それは夏みかんは酸味を柔らかくするために取り入れを伸ばすため、初夏の食べ物として……。と、こんな話はどうでもいいですね。

 

「はぁ……オレンジならありますけど……」

「それよく勘違いしている人おおいよねぇ。みかんとオレンジ一緒だと思ってる人」

「あ、私は思ってませんよ?皮の厚さとか栄養分の違いですよね?」

「栄養分ってそこまでは知らないかなぁ」

「千歌は説明できるんですか?」

「うん!美味しいほうがみかん!」

「どっちも美味しいですって。まぁオレンジもミカンですよ?」

「え?」

 

手元を見ると完全に手が止まってますが、ここで止めても気になって勉強はできないでしょうし……。

ペンをおいて話す姿勢をとります。

 

「オレンジっていうのはミカン科ミカン属です。なのでいっちゃえばオレンジもみかんなんですよ」

「へぇぇ。ちなみにみかんとオレンジならつーくんはどっち派?」

「んー、悩みますが内浦に住む以上、やはりみかんのほうが好みではあります」

「じゃあさ、みかんと私ならどっちが好き?」

 

いたずらっ子のような表情で私を覗きこむ千歌。

面白い質問ですが、

 

「千歌に決まってるじゃないですか」

「……ほえ?」

 

答える速度が想定外だったのか千歌は大きく動揺します。

 

「簡単ですよ。みかんは無くなっても大丈夫ですが、千歌はは無くなると困ります。そのぐらい大切な存在なんですよ」

 

親友として、大切な存在と伝えます。

 

「たたたたたたた大切な人!?」

「???はい。私にとって千歌は大切な人ですよ?」

「そそ、それって、プ、プロボーズ……」

「千歌?どうしました?顔赤いですよ?ってまさか……」

 

まさかと思い千歌の額に手を当てます。

 

ピタッ……

 

「ひゃぁぁっ!?ちょっ、つーくんなにして……」

「あっつ!?熱出てるじゃないですか!」

「えっ?」

 

知恵熱かと思いましたが本格的な体温です。

これは……

 

「いますぐ休ませたほうがいいですね……千歌」

「な、なに?」

「そこで体育座りしてください」

「え、なんで……」

「ほら早く」

「こ、こう?」

 

体育座りをした千歌の足に手を通し、背中をささえながら持ち上げます。

 

「ひやぁぁぁっ!?」

「静かに。安静にしてください」

「だ、だってこれお姫様だっこ……」

「そうですけど問題ありますか?」

「ないけど……」

 

ないそうなのでそのまま自室に連れていき、ベッドに寝かせます。

 

「あふっ!」

 

あ、乱暴にしすぎたでしょうか?

ベッドに放り投げると布団をかけます。

 

「それ僕の布団ですいませんが我慢してください。冷えピタとりに行くので寝ててくださいね。あ、課題は……まぁまた今度にしましょう」

 

部屋をでて、廊下をあるく途中、携帯をとりだして連絡。

 

『はい十千万旅館です』

「美渡さん?」

『ん、その声は少年か』

「その呼び方まだつづいていたんですか」

 

少年、とは私のこと。

理由はよくわからないですが、初めて会った時、小学生だったでしょうか?そのときに少年とよばれたからだと思います。美渡さんが私の本名を知るのは凄く後なんですが、それは省きましょう。

 

『で、どうした少年?』

「千歌が熱だしまして。知恵熱と思ったんですがどうやら本格的な熱みたいで……」

『あー……。よし、少年!』

「はい」

『泊めたげて』

「……………え?」

『いやーこっち客でいっぱいでさぁ!』

「いや千歌の個室はあいてるんじゃ」

『つべこべいわない!千歌をたのんだよ!』

「えぇ!?ってちょっと!?美渡さん!?」

 

き、きれてます……。

あの人千歌の看病嫌だからこっちに押し付けましたね。

 

とはいえ、電話中に無事冷えピタを確保し、千歌のもとへ。

 

「千歌ー?」

「つーくん……?」

「つーくんですよっと、体調は?」

「しんどいかな……。つーくんがぼやけて見えるよ」

 

笑いながら喋る千歌。

無理に笑ってるのが丸分かりです。

きっと私に心配をかけまいとしているのでしょう。

こういうところがあるから千歌は……。

 

「ほいっと」

「ひゃっ!」

 

罰として冷えピタを急に貼ってやると体をはねあげ冷たさに悶える千歌。

高校生にもなって冷えピタは慣れないご様子。

まぁ気持ちは分かりますが。

 

「心配をかけたくないのは分かりますが我慢はいけませんよ。さっきも言いましたが千歌は大切なんですから」

 

その言葉を聞いて顔が赤くなる千歌。

熱が悪化でもしてきたのでしょうか?

 

「……………なんか、昔のこと思い出すね」

「むかし?」

「うん。つーくんが熱だしてさ」

「ありましたか?そんなこと?」

「小四のときだよ」

「……あー、あの時は確か千歌の家で……」

 

 

───  ───  ── ─

 

「ほら!椿くんは寝て!」

「大丈夫ですよ……男なんですから」

「もう!男も女も熱だしたら関係ないよ!」

 

そんなこと言われても……。

 

「……ってなんですかそれ?見間違いじゃなかったらステッキにみえるのですケド」

 

そう、千歌が持っているのは魔法少女アニメに出てくるようなステッキ。

まさか魔法で治してあげるよ!とか言わないでしょうね?

 

「魔法で治してあげるよ!」

 

わー当たったうれしー。

 

「お気持ちは嬉しいですが生憎宿題があるのでまた今度で」

「わあぁぁ!寝ててよ椿くんは!」

 

体を起こすと千歌に止められ、

 

「はっ!」

「……っ!?」

 

デコピンをされました。

おでこがヒリヒリします……。

 

「ってなにするんですか急に!?」

 

つい声をあげてしまう僕。

一方千歌は僕の言葉など聞いてないように大きく息を吸っています。

そして……

 

「いーい!?椿くんが熱をだして困るのは椿くんだけじゃないの!私も、よーちゃんも果南ちゃんも!みんなみんな心配してるんだから!だから早くその熱を下げて!」

 

「い、いやでも……」

 

「いーい!?」

 

「は、はい……」

 

空間が震えるほどの威圧に思わず返事をしてしまいます。

本能が告げています。この千歌には逆らってはいけません。

しぶしぶ布団に入るとおでこに千歌の手が置かれ……

 

「お休み、椿くん」

 

あぁ、千歌の手、冷たくてとても……。

 

 

 

───  ───  ── ─

 

「で、そのまま寝てしまったんですよね?」

「そうそう。実はあの後私の手には催眠能力の魔法が~とか考えちゃったり」

「えぇ……まぁ小四ですからねぇ」

 

そんな風に笑い合う千歌はさっきと違い心の底から笑っていて。

 

「うん、そっちのほうが千歌らしいですよ」

「え?な、なにが?」

「さぁ?何がでしょう?」

 

イタズラのように笑います。

千歌はご不満そうにほっぺをふくらませています。

その仕草は幼少期からかわらないようです。

 

千歌は口まで布団を被り、私から顔を背けます。

そして、ゆっくりと喋りだします。

 

「…………ね、その時に私がつーくんに言ったこと覚えてる?」

「言った……こと?」

 

私が熱を出したとき……。

ありましたっけ?えっと、待って下さい?

たしか………

 

(じゃあ私が大人になったら……!)

 

「もー!覚えてないの!?」

「あっ!あぁ……千歌のせいでセリフとんだじゃないですか!」

「あ、あれ?思い出せてた?」

「千歌が遮らなければ」

「それは……残念なような嬉しいような……」

「嬉しいって、思い出してほしいのか忘れてほしいのかどっちなんですか」

「……どっちも?」

 

なんですかそれ……。

 

「さ、病人は大人しく寝ててください」

「はーい」

 

布団を被る千歌。

……………ちょっとだけ。ちょっとだけ、千歌がアイドルであることを忘れて女の子に触るズルをしましょう。

 

千歌のおでこにスッと手をあてて……

 

「おやすみ、千歌……」

「………うん。おやすみ、椿……」

 

そういって目を閉じる千歌。

数分としないうちに千歌のほうから「スー、スー……」と寝た合図が。

椿……ですか。千歌からそう呼ばれるのはいつぶりでしょうか。

さて、

 

「ちょっと看病が忙しくなりますね……!」

 

私は立ち上がり千歌の姿を一瞥した。

 

 

 

───  ───  ── ─

 

 

 

───  ───  ── ─

 

ドスッ!そんな衝撃で起きたと思う。

寝ていた私は目を擦りながらしぶしぶ起きる。

そしたら……。

 

「zzz……zzz………」

「つ、つーくん?寝てるの?」

 

私の問いかけにも応じないで寝息を立てるつーくん。

しかも寝ている場所は私の膝元。

寝ていたらいつの間にか膝枕になってる!?

 

「………ん?」

 

状況確認のために辺りを見渡すと私の枕元にフルーツの盛り合わせ。

起きたときのために用意してくれたみたい。

ふと足元に違和感を感じてみる。

なにか……いつもと違うような……。

 

「………………あ、足まで布団がある?」

 

普段なら私、寝相悪くて布団もどこか行っちゃうのに……。

つーくんが逐一見てくれてたんだ……。

 

「スー……千歌……」

「へ?つーくん?って寝言か……」

 

もしかして夢の中でも私の看病してるのかな?

フフッ……ホントにありそう。

つーくんはいつだって自分よりほかの人を心配したがるから。

 

時々忘れそうになる。

なんでつーくんを好きになったのか。

でもこうやって思い出すんだ。

私の事をちゃんと思ってくれてるつーくんが、湊斗椿が好きなんだって。

 

「でも、夢の中よりもっ!」

 

グッ!とつーくんを引っ張って、

 

現実(こっち)の私で♪」

 

つーくんのほっぺたに……

 

 

 

 

そっと口付けをした。

 

今日だけは……アイドル封印で!フフッ!

 

「んん……んあ?うわっ!ね、寝てた!?」

「あ、おはよー白雪姫さん」

「し、白雪姫ぇ?なんですかソレ……」

 

それは私の永遠の秘密です。

 

「あぁ、そういえば変な夢を見て……」

「変な夢?」

「なんか……千歌が寝ている私に何か言ってたような……」

「ふーん。変な夢だね」

「たしか……『私が大人になったら……』……あぁっ!思い出せない……」

 

あぁ、それぇ。

それね、多分昔のこと。

多分覚えてないんだろうな。

 

(千歌に看病されるなんて……まだダメですね。僕は、)

(じゃあ私が大人になったらつーくんのお嫁になったげる!それでいつでも看病できるでしょ!?)

 

「……………フフッ懐かしいなぁ」

「懐かしい?ってなんのことです?」

「昔だけど私が好きだった鈍感な王子様ことだよ♪」

「え!?千歌昔好きな人いたんですか!?」

「………………殴るよ?」

「なんで!?」

 

今でもこんなのだから時々なんで好きなのか分からなくなるんだよね………。

 

「つーくんどうする?熱下がったし、勉強する?」

「えー……私いま寝起きでやる気が……」

「じゃあ目覚ましだ!」

 

強引につーくんの手をつかんで外へ。

つーくんはうわっ!なんて言いながら外に。

いまから何をするか?

それはね?

 

「ここ!覚えてる!?」

「ここ……千歌とよく遊んだ公園ですよね?」

「そうそう。あの時の再現!」

「再現……?あぁ、アレするんですか」

 

分かってくれたみたいで私と向き合ってくれるつーくん。

私たちは子供の頃、ここである瞬間を何度も何度も繰り返した。それは小五のとき。

 

「ふぅ…………私がお嫁になったらつーくんって呼んであげるよ♪」

「じゃあ私が夫になったらちーって呼びましょう」

「……これからもよろしくね。つーくん」

「もう言っちゃうんですね……。よろしくです、ちー」

 

ちょっとしたおふざけ。そこからだった。

でもここからだった。二人の呼び名が決まったのは。

 

「…………ハハッ!あー、久しぶりですですよ。コレしたの」

「だね。目は覚めた?」

「いえ、もう少し小さい頃に酔っていたいです」

「あれ?つーくんらしくないこと言うね?」

「えぇ、そんな日もあります」

「…………………よーーーーーし!」

 

ポケットから携帯をだして果南とゃんとよーちゃんを呼ぶ。

 

「何してるんですか?」

「いまから懐かしい場所ツアーをします!」

「えぇ!?ってまさか四人で!?」

「そう!ほら!いくよ!」

 

いつだって変わらない、私が言い出してつーくんを引っ張ることは。

でも、いつか変えるんだ。

だって……告白はアッチからじゃないとね♪




これのBack書くの大変だろうなぁ……。
次回は多分Back.2、果南ちゃん回の裏です。
超ガンバって出来るだけ早く上げます。
……………嘘じゃないですホントです。
ガンバります……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。