モンハン世界で狩猟ツアー【完結】   作:糸遊

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前話『秘湯を求めて』でユクモ村に着いた後のクルルナさんの発言を少しだけ変えてます。
読んだ方がすんなり今回も読めると思いますが、読まなくても特に支障はないかと思います。毎度変更してスミマセン…。

それでは本編どうぞ。




第23話 落花生クリームのワッフル

「よっしゃあ!それじゃあ言い訳なしの一本勝負だからな!アンタはなんだか期待できそうだ!」

 

 

元気いっぱいの少女に腕相撲勝負を挑まれ、逃げられなくなってしまいました。

さっきは10連勝とか言ってたけど…マジかよ。 ハンターでもなさそうなのにあのゴツい男どもに勝ちまくるとは…。勝てる気がしませんね…。

 

 

「あ〜…多分君が思ってるほど強くはないと思うから…。」

 

 

「む〜…、そんなこと言うならヘタレのハンターってこの村のみんなに言いふらすからな!」

 

 

 

な、なんですと…。

迷子、トマトときて次はヘタレだと…?

 

それだけは何としても避けないといけない。

 

 

よし、ちょいと頑張っちゃいますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「2人とも準備はいいか?よ〜い、『ドンッ!』で始まりだからな?」

 

 

「オッケー!いつでもドンと来い!」

 

 

「俺も準備OKだ。」

 

 

さっき話しかけたハンターさんが審判をしてくれるらしい。

 

さぁ、頑張るぞ。

俺もこんなチビっ子に負けるのは癪だ。

 

それに、ヘタレのハンターだけは避けたい。

 

 

 

「位置について………、

 

よ〜い………、

 

 

 

ドンッッ!!」

 

 

 

決戦の火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぬぐぐぐぐ…………!

 

この子、本当に人間か………!?

 

とても小柄な少女が出せる力とは思えないぞ…!?

 

 

 

 

「ぐぎぎぎ……!

 

ア、アンタなかなかやるじゃんか!

 

でも負けないからね…!」

 

 

 

そう少女が言い放つと、俺の腕にかかる力が更に強くなった。

 

おいおい…、マジかよ……!

 

この子、実はラージャンの血が流れてたりしないよな…!?

 

 

 

「ぐぐぐ…!

 

ヘ、ヘタレのハンターだけは何としてでも避けてみせるぞ…!」

 

 

ヘタレのハンターだけは絶対に避けたい。

 

だけど…、俺は少しずつ少女に押され始めた。

 

 

 

 

「おい!若造!まだ頑張れる! ここが踏ん張りどころだ!」

 

 

「俺達に最後の意地ってやつを見せてくれ!」

 

 

 

 

アンタ等、負けたくせにデカイ口叩いてんじゃないよ……!

 

 

でも、このままだと勝機は見えない…。

 

どうする……?

 

 

 

 

 

 

いや、元の世界の高校時代、部活をやっていた時だってこんな場面は幾度となくあった。

 

 

そんな時は……、あの魔法の言葉を心の中で呟くんだ。

 

俺は、その言葉を心の中で唱え始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

できるできる

 

絶対にできる

 

どうしてあきらめるんだそこで

 

駄目だ

 

駄目だ

 

あきらめちゃ駄目だできるって

 

 

 

 

 

 

 

 

………………もっと、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「熱くなれよぉぉぉぉぉおおおお!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

俺は魂の叫びと共に、右腕に渾身の力を込めて振り抜いた。

 

 

 

 

ハッとなって顔を上げると…

 

 

 

 

「ま、負けた……。」

 

 

 

少女が地面に仰向けに転がっていた。

 

 

 

「ハハハ…、アハハ…、アッハッハ!

 

いやぁ、負けちゃったかぁ!

 

アンタ強いね〜! それだけの装備を身につけているだけあるよ!

全然ヘタレなんかじゃなかったね!

アンタは強いハンターだよ!」

 

 

地面に転がったまま、少女は元気に笑い始めた。

 

 

「いやぁ…、君だって相当なものだよ。

 

そんなに小さい体なのにそれだけの力があるなんて凄いもんだ…。

 

将来は一流のハンターになれるんじゃないか?」

 

 

俺は少女にそんな言葉をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

………瞬間、辺りの空気が凍った。

 

 

 

 

 

 

…………えっ?俺なんかマズイこと言った?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、いや…、ア、アタシはアンタに負けたから……、えぐっ。

 

あ、あんまり言える立場じゃないかもし、しれないけど…ひぐっ。

 

アタシだって今までハッ…ハンターをがんばって…グスッ、来たのに、さぁ。

 

チ、チビだとか…うぐっ。そ、そんなこと、言うなんて、

あっ…あんまりじゃないぃかぁぁぁああうわああぁぁぁぁん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………やってしまった。

 

 

………えっ?キミ、ハンターなんですか?

 

 

 

 

そう聞こうとしたものの、少女は既に大号泣。

 

さっきまで辺りで野次馬していた野郎共も、いつの間にか消えてやがった。

 

 

あぁぁ…、どうすればいいんですか……。

 

 

 

「あっ…、あーっ、すまんかった!

 

ごめんなさい!キミのこと全然知らなくてハンターだってわからなかった!

 

だから…、頼むから泣き止んでください……。」

 

 

 

そうやって宥めること数分、

道行く人たちに白い目で見られながらも、俺はなんとか少女の大号泣を止めることが出来た。

 

 

 

「あぁ…、ゴメンよ…。

俺、この村に来たの初めてでさ…。キミがハンターだって知らなかったんだよ…。

 

だから…、何か俺にできることならするからさ、それで機嫌直してくれないかな…?」

 

 

大号泣は収まったものの、未だにぐずっている少女にそう尋ねてみる。

 

 

 

 

「………………アンタはヘタレのハンターで決まり。

………………そうしてくれたら許す。」

 

 

 

 

おぅふ……。マジですか………。

 

 

う〜ん………、まぁ少女を泣かせるよりはマシかな……。

 

 

 

「あぁ、わかった。じゃあ俺はこれからヘタレのハンターだ。よろしくな。」

 

 

「…………ラディス。」

 

 

 

……………んっ?

 

 

 

「アタシの名前だよ!ラディスって呼べ!このヘタレ野郎めぇ!」

 

 

 

………うん、まぁ元気を取り戻してくれたようで良かった。

 

 

 

「あと、フワッフワッフル食べさせろ!アンタがお金払うんだからな!」

 

 

 

元気がいいようで何よりだ。

俺は少女…、ラディスにフワッフワッフルを買ってあげるために、またユクモ村を歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うまいっ!やっぱりフワッフワッフルは落花生クリームが1番だな!ヘタレもそう思うだろ?」

 

 

ヘタレって……。

でも本当に美味い。フワッフワッフルの名前は伊達じゃなかった。フワッフワだ。

 

そして、落花生クリームも美味い。

確か…ロックラッカセイとかいう品種を使っているらしいんだけど…、落花生の風味が効いたクリームが、全然飽きを感じさせない甘い味に仕上げてる感じ。

 

こりゃあ売れるわ。 これを買ったお店も賑わってたしね。

 

 

「ヘタレは他にハンターの知り合いとかいるのか?」

 

 

「俺か?俺は…、

ものすごく頼りになって、かけがえのない存在になった仲間が2人いるよ。」

 

 

「おー!そんな仲間がいるのはいいことだな!アタシも頼れる仲間が4人いるぞ!3人は離れてるけど1人とはこの村で一緒に頑張ってるんだ!」

 

 

へぇ〜、レイリスのパーティ以外にもそんなパーティがあったんだな。

まだまだ世界は広いってことですね。

 

 

「それで…、今日はその3人のうち、2人に久し振りに会えるんだ!だからアタシは今ウッキウキなんだからな!すごいだろ!」

 

 

おぉ…、とりあえずスゴイですね…。

 

 

「あっ!そういえばそろそろ約束の時間だった!

おいヘタレ!集会浴場前に急ぐんだ!」

 

 

 

ヘタレかぁ……、泣きそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて…、集会浴場前に着いたけど…、

 

 

「なぁ、ラディス。その2人って本当にここで待ち合わせしてたのか?全然それらしき人が見当たらないけど…。」

 

 

「あっ、あっれ〜?お、おかしいなぁ…。

アタシはしっかりそう聞いたはずなんだけど…。」

 

 

 

う〜ん…、聞き間違えてそうだなぁ…。

なんかさっきから話してて思ったけど、ラディスってアホの子っぽいし…。

 

 

なんてことを考えていたら、ラディスより先に俺の約束の時間がやってきたみたいだ。

 

 

 

「おっ、迷子君だ〜。ここでは迷子にならなかったみたいだね!うんうん、成長が感じられて私も嬉しいよ!

……って、あれ?なんで2人が一緒にいるの?」

 

 

「あらあら…、これは意外な組み合わせですね…。

 

…………トマトさん?まさか私達が居ながらこの子に手を出したわけじゃありませんよね?」

 

 

 

ク、クルルナさんったら…そんなわけないじゃないですか〜…。

 

でも…、2人の反応からすると…、まさか。

 

 

「な、なぁ?ラディスが言ってた久し振りに会える2人ってこの2人のことか?」

 

 

「うん!そうさ!

私達は『英雄』と呼ばれてるスゴイパーティなんだからな!」

 

 

 

 

………マジかよ。

じゃあラディスも相当な強者じゃないか…。

 

 

 

 

「いやぁ…まさか3人が知り合いだったとは…。

こんな偶然ってあるもんなんだな…。」

 

 

「私も迷子君がラディスと一緒にいるのを見たときはわけがわからなかったよ〜。」

 

 

「私もビックリです。

あっ、そういえばトマトさんに言ってませんでしたね。

この村には私達と同じパーティだった仲間が2人滞在してるんですよ。

 

ラディスにもここで待ち合わせるという話は伝わってたので彼女にも伝わってると思うんですが…、

 

あっ、来たようですね。」

 

 

ふむふむ、レイリスのパーティメンバーがもう1人いるのか。

どんな人か楽しみだな。

 

 

そう思ってクルルナが指差した方向に振り返ってみると……、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方がレイリスさんとクルルナさんを誑かして寝取ったクソ野郎ですわね!

 

今からわたくしが貴方に天誅を下してあげますわ!

 

自分が如何に変態であり、如何に大きな罪を犯してしまったのかを後悔しながらくたばりなさいッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開口一番、それはそれは酷い暴言を吐かれた。

 

 

俺が何をしたってんだ…。

 

 

ユクモ村では波乱のハンターライフになりそうだなぁ…。

 

 

 

俺は深い溜息をついた。

 

 

 

 




主人公が全然主人公とは思えないあだ名をつけられていきますね。

でも、少女を泣かせたならこれくらいのバチは当たって当然です。

ラディスちゃんはまぁ…、中学生くらいの背丈と思ってくれればいいかと。 主人公はそんな少女を泣かせたわけですから許せませんね。

そして、4人目のメンバーも登場です。なかなかクセがありそうです。
次回もお楽しみに…。


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