エリアを縦断するように小川が流れている、どことなく涼しさを感じさせる場所。
渓流のエリア6にボク達は来ていますニャ。
「あっ!いたよ!
おっしゃ、始めにアタシがドカンと一発…。」
「ラディスさん、ちょいと待つのニャ。
鬼人笛を吹いてからの方がもっとドカンといけるニャ。
というわけでウニが笛を吹き終わるまで待ってほしいニャ。」
ラディスさんが走り出す前に待ったをかけるニャ。
「おっ、そうか〜!
キミは…アマエビだっけ? ヘタレのネコ達はみんなスゴイなぁ〜。」
「本当にそうですわね…。
あんな変態に雇われているのが勿体ないくらいですわ。」
今回のターゲットを目の前にして、ボク達はそんな会話を交わしてたニャ。
「うニャ。鬼人笛吹いたニャ。そんじゃあ一狩りいくニャ!」
ウニがみんなに声をかけ、ボク達は漆黒の体毛を持った飛竜に向かって駆け出したニャ。
今回は旦那さんは訳があってお休み。
ラディスさんとセレスさんにボクとウニのパーティニャ。
なんでこんなパーティなのかというと……
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「おーい!ヘタレーッ!いるんだろーッ!」
「ナルガクルガの狩猟依頼が届きましたわよ〜っ。
マイハウスにいるのはわかっているのですから早く出てきなさ〜いっ。」
今日の朝、ボクとウニは旦那さんに呼ばれてマイハウスを訪れたニャ。
するとそこには…。
「お、お前等……悪いんだけどさぁ…。
俺はもうダメだ…。 体力残ってないわ…。」
随分とゲッソリした旦那さんが燃え尽きたオーラを出していたニャ…。
「ア、アイツ等ってホントに容赦ないのな…。
二重に鍵掛けてたから大丈夫なんて思った俺がバカだった…。
窓から入ってくるとかなんなんだよ…。
次からは家中に鍵掛けないといけないじゃんかよ…。」
あぁ…、そういうことかニャ…。
つまり旦那さんは喰われたと…。
「おーいヘタレーッ!10秒だけ待つからなーッ!
出てこなかったらぶち破るぞーッ!」
「ラディス…それは流石に問題になりますわ…。」
マイハウスの外からラディスさんとセレスさんの会話が聞こえるニャ。
「旦那さん、顔を出さないのはマズイニャ。
とりあえず挨拶はしてくるニャ。」
「あぁ…、わかったよ…。」
そう言って旦那さんは玄関へ。
「おっ!やっと起きたか…って大丈夫か!?
なんか死にそうな顔してんぞ!?
あれか!?この間言ってた泥棒か!?」
「あ〜…まぁそんなもんだ…。
すまん2人とも…。俺は今日ちょっと無理だ…。
レイリスとクルルナに頼んでくれ…。」
「レイリスさんとクルルナさんが寝不足で疲れたと言っているからわざわざ来たんですのよ!?
なんで変態も無理なんですか!?」
「ア、アイツら……。
自分達で来ておいて寝不足とか…。
ち、ちょっとまっててくれ。」
そんな会話が聞こえた後に旦那さんはボク達の方へ戻ってきたニャ。
「お前等…頼むッ! 今日は俺の代わりに2匹で出てくれぇ!」
「うニャッ!?ボク達で予定していた温泉巡りはどうなるのニャ!?」
「あ〜スマン…。今日はお前達2匹はナシってことで…。」
「あ、あんまりだニャ〜ッ!?」
ボク達が狼狽えている間に旦那さんは再び玄関へ。
「あっ、2人とも。 俺も今日ちょっと体調良くなくてさ…。
代わりにオトモが行ってくれるらしいからよろしく頼むよ。」
「はぁ?オトモさん達は今日温泉を巡るとか言って楽しみにしてたはずでは…」
「そ、そんじゃあ俺は寝てるからさ!
が、がんばってね〜!」
「えっ、ちょっと!話はまだ終わってませんわ!」
旦那さんはボク達の方へ戻ってきて…
「というわけで頼むッ!
いやマジで頼むッ! お、お願いだッ!
俺を助けると思ってくれよぉぉ…。」
なんだか泣きそうな顔をしているニャ…。
「そ、そこまで言われると…。
しょうがないニャ…。今回はボク達が代わりにいくニャ…。」
そう答えると旦那さんは涙を流しながら…
「あ、ありがとううぅぅう!
悪い!あとで埋め合わせはするから!
すまんけどもう限界なんで寝ますね…。」
そう言って旦那さんはすぐさまベッドの中へ。
すぐに寝息が聞こえてきたニャ。
「やれやれ…。そんなんだから変なアダ名ばっかりつくニャよ…。
さて…埋め合わせは旦那さんが痛い思いをするだけで充分ニャ。」
そういってボクは旦那さんのアイテムボックスから『強走薬グレート』や『硬化薬グレート』、その他ドーピングアイテムを持ち出したニャ。
「あっ、ラディスさんにセレスさん。
今回はボク達で旦那さんの代わりになるので勘弁してほしいニャ…。」
「え、ええ…。わたくし達は大丈夫なのですが…。
オトモさん達はなんだか予定があったみたいではありませんか?それについては…」
「あぁ。それは大丈夫なのニャ。
ただ…ちょいとクルルナさんの家に寄っていってもいいかニャ?」
「……? まぁ大丈夫ですが…。何か用事でも?」
「まぁそんなところニャ。ありがとうニャ〜。」
そういってボク達はクルルナさんの家に向かったニャ。
「あら…オトモさん達ではありませんか。
どうかしたんですか?」
クルルナさんはちょっと髪が乱れていたけれど、どこかツヤツヤしていたのニャ。
旦那さんも大変だニャ。
「うニャ。ちょいと旦那さんにこれを届けてほしいと頼まれたニャ。旦那さんはマイハウスで待っているらしいのニャ。是非レイリスさんと一緒に行ってほしいのニャ。」
そういうと、クルルナさんは目を輝かせ…
「あらあらあら…トマトさんったら…うふふ。
わかりました。今からレイリスと一緒に向かうことにしますね…。
あんなに疲れていたのにもう回復したなんて…流石は私達が惚れ込んだだけありますね…ジュルリ。」
な、なんだかヤバイ目をしているニャ…。
クルルナさんったらキャラがだんだんズレていってないかニャ…?作者は何をしているのニャ…。
ともかく、これで旦那さんへの仕返しは済んだのニャ。
ナルガクルガの狩猟に出発ニャ!
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…………とまぁこんな感じニャ。
きっと旦那さんは今頃死んでるだろうニャ…。
でもネコの恨みは恐ろしいのニャ。
後悔するべきニャ。
「あたっ…。こんにゃろう!だありゃぁぁぁああ!」
おっと、今はクエストに集中ニャ。
ラディスさんはブシドー大剣…。なかなか珍しいスタイルですニャ〜。
「ふぐぅっ!? ラ、ラディス! わたくしを吹っ飛ばさないでくださいまし!」
あぁ…、ラディスさん…。密集地帯で溜め斬り上げはマズイですニャ…。
「あ〜っ!?ゴメン、セレス!
後でワッフル奢るから…って危なッ!?
むぎゃっ…。」
ありゃりゃ…。なんだか上手いこと連携が出来てないですニャ…。
ラディスさんはナルガクルガの尻尾振りで吹っ飛ばされてしまってるニャ。
「皆さん〜。癒しの回復笛ですニャ〜。」
とりあえず回復笛を吹いておくニャ。
ナルガクルガは大技以外はそこまで痛い攻撃は無いと旦那さんも言ってたからこれで大丈夫だと思うニャ。
「セレスさん、ちょいといいかニャ?」
「あら?どうかしましたかしら?」
戦闘中だけど、ボクはセレスさんにアドバイスを出すために近づいて話しかけたニャ。
「ナルガクルガは刃翼部分に非常に良く雷属性が通るのニャ。
セレスさんが持っているジンオウガの片手剣なら簡単に破壊、ダウンを狙えるのニャ。
もし攻撃する場所が被ってしまっているのならそこを攻撃するのがオススメニャ。
きっとさっきみたいな吹っ飛ばし事故も抑えることができるニャ。」
「……なるほど。変態も知識はあると思っていましたがオトモさん達までそれほどの知識があるとは…。」
「それでも旦那さんには敵わないニャ。
旦那さんは狩猟以外はちょっとアレだけど、すごいハンターなのニャ。
残念なところも多いけど、ぜひ仲良くしてあげてほしいのニャ。」
「……まぁレイリスさんとクルルナさんを誑かしたのは許せませんが力があるのは認めてますわ。
オトモさんがそういうなら彼への態度を変えてもいいものかしら…?」
「うニャ。ぜひお願いしたいニャ。」
最近は旦那さんとの仲もそこまで悪くは見えないのニャ。いいことだニャ。
「それじゃあ刃翼部分を攻撃してみてほしいのニャ。」
「わかりましたわ!はぁっ!」
セレスさんがナルガクルガの攻撃を掻い潜って刃翼に攻撃を当てていくニャ。
そして何かが砕けるような音と共に、ナルガクルガはあっという間に転倒。
攻撃チャンスが生まれたのニャ。
「あら!すごいですわね!
ラディスッ!チャンスですわ!」
「がってんしょーち!うおりゃぁぁぁああ!」
ラディスさんが素早く駆け込み、ナルガクルガの頭部に攻撃を加えるニャ。
「ラディスさんッ!ボクの攻撃を回避するニャ!」
そこへウニが近接攻撃を放ちながら近づくニャ。
「えっ!? ………あっ!なるほど!オッケーッ!」
ラディスさんはウニの攻撃をジャスト回避。
そこから溜め斬り上げ、そして高速強溜め斬り、最後に強薙ぎ払いの怒涛のコンボを決めたニャ。
ダウンから復帰したナルガクルガは目に紅い光を宿らせ、怒り状態へ。
きっと体力だって結構減らしているからあと少しだニャ。
「きっとあと少しで倒せるニャ!だけど油断は禁物!しっかりいくニャよ!」
ナルガクルガは今までより更に動きを速くしてボク達に襲いかかるニャ。
だけど…ボク達だってかなりの力を持ったハンターとオトモだニャ。
旦那さんも言ってた通りまだまだ発展途上な2人もいるけれども、今だってそんじょそこらのハンターよりはよっぽど実力があるのニャ。
負けるはずが無い。
そんな確固たる自信を持って、ボクはブーメランをナルガクルガに投げつけたニャ。
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「2人もネコちゃん達もお疲れ〜!無事にナルガクルガ倒せたみたいだね!」
「今回は寝不足という理由で2人に任せてしまいましたね…。すみません…。」
ユクモ村に戻るとレイリスさんとクルルナさんからお疲れの言葉をもらえたニャ。
……2人ともお肌はツヤツヤで、どこか満たされたような顔をしていたニャ。
「うん!全然いいよ!2人の頼みだしね!
それに最近はアタシもだんだん立ち回りがうまくなってきてるかな〜なんて思ってるしね!
いい練習だよ!」
「そうですわね。
………さて、なんであの変態がいないのでしょう?
普通、労いの言葉の一つでもかけに来るのが礼儀ではなくって?」
その言葉を聞いた途端、村に残っていた2人の動きがちょっとだけ止まったのをボクは見逃さなかったのニャ。
「あぁ…、トマトさんですか?なんだか疲れが酷いらしくて…。
貴方達がクエストに行っている間にトマトさんを料理…コホン。
精のつく料理を作ってあげたのですが…流石にそれだけだと疲れは取れなかったみたいですね…。」
………レイリスさんが引きつった笑いをしているのが気になるニャ。
「え〜…?ヘタレの奴大丈夫なのか?」
「あ…うん。きっと大丈夫だと思うよ…?風邪ひいたとかではなさそうだしね…アハハ。」
う〜ん、旦那さんがちょっと心配だニャ…。
仕返しとはいえひどすぎたかニャ…?
ボクは急いで旦那さんのマイハウスへと向かったニャ。
「ああぁぁぁ………、なんでこんなにイビルジョーが…、無限湧きなんて聞いてねぇよ…た、助けて……。」
旦那さんは夢を見てうなされていたニャ…。
イビルジョーに襲われてる夢なのかニャ…?
あんまりにいたたまれなかったので回復笛を吹いておいたニャ。
これで許してほしいのニャ。
クルルナさんのキャラがブレッブレ…。許してください…。
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