前回書き忘れてましたが、ルファールさんの防具の外装はディノXシリーズです。
それでは本編どうぞ。
「ほいほいっと… まぁこんなもんかな。 食べてみてよ。」
テーブルに座っているレイリスにパスタを盛り付けた皿を差し出す。 パスタの上にはシナトマトやベルナス、挽肉がたっぷりと入った真っ赤なソース。 『ベルナスとシナトマのパスタ』と呼ばれる料理だ。
「おおぉ…。 見た目は美味しそうだね…。それではいただきます…。」
フォークを手に取り、パスタにソースを絡ませつつ器用にクルクルと巻き上げるレイリス。
そして、一口大に巻き上げたそれをパクリと頬張った。
「あっ、おいひい! おいひいよ!」
パスタを口に含んだまま、満面の笑みで美味しいといってくれました。良かった。
「何これ? な〜んか普通と違う風味がするんだよね〜。すごくおいしい!」
「あぁ、多分モガモガーリックをちょびっと入れてるヤツかな? ニンニクって少し入れると結構変わるんだよ。 ……ちょっと匂うかもしれないけど。」
「匂いなんて全然問題ないかな? それにしても迷子君は料理も出来ちゃうんだね! 」
まぁ料理って楽しいからね。 特に男なんて無駄にこだわるから案外ハマってしまうもんだ。俺も一時期ハマってたんです。乙女座男子の料理力を舐めるな。
「まぁハマってた時期があったしな…。さて、向こうはどうなって……」
俺がそう言葉にした途端。
ボフンッ、と。
向こうのマイハウスから黒煙が噴き上がった。
「あちゃあ……。 またやらかしたかな……?」
レイリスが頭を抱えて呟く。 本当に黒煙が上がるなんてことがあるんですね。初めて見た。
「とりあえずこれを食べ終わってから見に行くことにするよ…。 なんで料理を作る過程で爆発が起こるかなぁ…。」
料理を作る過程で爆発ねぇ…。 ちょっと想像ができない。不謹慎だけど少しだけ楽しみな俺がいます。
レイリスが気持ち早めにパスタを頬張っているのを見ながらそんなことを思った。
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「う〜わ…。 なんじゃこりゃあ…。」
場所は変わってルファールさんのマイハウス。
その中には、とても女性の住んでいる部屋とは思えないゴミ置場の様な景色が広がっていた。
「んもう…。 ルファールはまだ片付けてないのかな…。 うげっ…この服とか半年前も同じ場所にあった気がする。」
ええ…マジっすか。ルファールさんったら残念な女性じゃないか。 いい男性が見つからないとか言ってたのも納得だ。
「多分あっちがキッチンだよな。 まだ煙出てんぞ…。」
「うわぁ…。 私もう進みたくないよ…。 私はここら辺片付けるから、迷子君はキッチンの方見てきてくれない?」
おぉっと…レイリスから偵察を押し付けられてしまった。……まぁ怖いもの見たさもあるからそこまで嫌ではない。
クルルナもいるはずだから行ってみることにしますか。
「………………。」
「………………。」
「あ、あの〜……お2人さん? 黙ったままじゃ何が起こったのかわかりませんぞ?」
ルファールさんのマイハウスの中にあるキッチンへと進んだ俺。そこでは、頭を爆発させて銀たわしのようにしたルファールさんと、頭にパスタをぶちまけられたクルルナがいました。
控えめに言って地獄絵図だ。 何がどうしてこうなった。
「ルファールさん…? 濃赤色のキノコはニトロダケだから、料理には使えないと言いましたよね? なのに、なんでパスタを温めたら大爆発するんでしょうか?
それに……この草はクイーンパセリじゃなくて火薬草ですよね? わざとやってるんですか?」
「い、いや…色が濃いキノコの方が美味しいかなぁ…と。 あ、あと…クイーンパセリと火薬草は違いがよくわからなかった。」
クルルナがニッコリ笑顔でルファールさんに尋ねる。 クルルナさんったらマジ怖い。 パスタの間から覗かせる目が尋常じゃない威圧感を放っている。
「ほ、ほら!最初は誰だってうまくできるもんではないだろう!? だからクルルナもそんなに怒らないで…。 あっ。ごめんなさい…。 やめてっ!双剣に手を伸ばさないでっ!」
ルファールさんの言い訳を聞いたクルルナが双剣に手をかけた。 まてまて、ギルドナイト案件は流石にまずいでしょうが。
いや、この2人ならギルドナイトが来ても撃退したり……ないよな。
「ま、まぁ一旦落ち着かないか? ほら、ルファールさんもしっかりクルルナの言うこと聞いてください。」
「おぉ…。やっぱりドM君は優しいな! ハンターならそれくらいの器の広さがないとな!」
…………ちょっと待て。 ドM君ってなんだ。
「え? だってなんだかんだ君はそんな感じじゃないか。 オトモ君達に聞いたけれど、怒り喰らうイビルジョー相手に笑いながら立ち向かうなんてマゾ以外の何者でもない気がするけど…。」
「クルルナ。 最高に厳しい指導をよろしく。」
「はい。わかりました。 みっちり教え込みますね。」
「えぇっ!? ドM君も裏切るのか!?」
すまないルファールさん。 天使の救いの手はないみたいです。
てかドMってさぁ…。 何?俺のあだ名はロクな奴がつけられないの? もっとイケメン君とか呼んでくれていいんですよ?
涙目のルファールさんを置いて、俺はそんなことを考えながらその場を後にした。
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村のそこいら中にいるムーファを撫でながらぼんやりと時間を潰す。今日はどうやら届いているクエストも無いらしく、完全なオフの日。
だからさっきみたいな料理をする余裕があったわけだけど、こうしてみると案外とやることが少ない。 ドンドルマの街みたいに魚釣りが出来る場所があったなら普通に入り浸るんだけどなぁ…。
なにか面白そうな物はないかと村中を歩き回ることにした。手当たり次第にムーファを撫で回していたら、俺の後をついて来るムーファの数がちょっととんでもないことに。 これはちょいと多すぎるかな…?
そんな感じで歩いていた時のことだった。
「ハッハッハ! こいつは随分と面白いもんを見れた! お前さんが最近噂のハンターか?」
ふと、大きな声をかけられた。
んん? この口調はどことなくゲームで見た覚えが…。
声をかけられた方向をみると……あぁ、やっぱりこの人でしたか。
「うんむ!噂に聞いた通りのいい面構えだ!
はじめまして! 俺は世界を回るキャラバン隊『我らの団』の団長をしているもんだ!よろしくな!」
そこにはウエスタンな外見をした、渋い感じのイケおじさまがいました。肩にあの白い鳥も止まっていた。
はじめまして…。とはちょっと違う気もするけど、こっちの世界では初対面だから当たり前か。 MH4の頃はお世話になりました。
「あっ。はじめまして。 我らの団は知ってますよ。 それで……俺になにか?」
急に声をかけてきたのだからなにかあるに違いない。 興味が湧いたので尋ねてみた。
「あぁ、ちょいと待ってくれ。 どれどれ…?」
団長さんはそう言うと俺の周りを歩き、俺の装備やら何やらをじっくりと見始めた。
団長?なにやってんだよ?団長!
いや…悪ふざけはやめるにしてもちょっと行動が意味不明です。 俺の体になにかおかしな所でもあっただろうか? 男性に体をジロジロと見られるのは変な誤解を生むのでやめてほしいんですが…。
「あぁ、すまない。 一つだけ聞いてもいいか?
ハンターさんは何の武器が好きだい? もしかして操虫棍だったりするか?」
俺の観察?を終えた団長さんは俺に質問を投げかけた。
いや、正解なんですが…。 この人はエスパーか何かですか?
「え…あ、あぁ。 たしかにお気に入りは操虫棍ですね。 それが何か?」
団長さんの観察が終わるのを待っていたムーファ達は、観察が終わった途端に俺に突撃してくる。
ムーファ達に揉みくちゃにされながらも、俺は団長さんの質問に答えた。
「はっは!やっぱりな! お前さん、どことなくウチのキャラバン隊専属のハンターに似てるんだ!アイツも操虫棍が好きだったからな。 」
むむ? 我らの団専属ってことは…、MH4シリーズの主人公ですよね?
「知ってるか? 以前、大陸中で狂竜ウイルスが猛威を振るった際に大活躍をした、我らの団が誇るハンターさ!
最近では狂竜化したモンスターはめっきり減ったが、これもアイツのお陰と言っても過言ではないな!
今この村にいるらしい『英雄』パーティにだって負けてはいないと思うぞ!」
ふんふんなるほど。 やっぱり主人公さんのことでしたか。 会えるものなら会ってみたいね。
「なるほど。その人に会えたりしますかね?是非、朝まで操虫棍について語り明かしたり…。」
「あぁ、すまない。 アイツは今、旅に出てるんだ。 たまには連絡でもよこせばいいものだがここ何か月かは音沙汰なしだな。
まぁアイツに限ってくたばることなんて想像できないからどこかでふらりとしていることだろうな!」
あら、それは残念…。 操虫棍の魅力について語り明かしたい所だったけど…。 まぁいずれそういう機会も訪れるだろう。
その後も、団長さんとキャラバン隊のメンバーについての話をしたりした。 あとイサナ船も見ました。 イサナ船は好きでした。 乗れる機会があったら乗りたいもんだ。
とまぁ、そんな感じで過ごしていたら結構な時間が経っていた。 団長さんも用事が入っているとの事でお別れ。 うん、いい人に出会えました。
さて…ルファールさんの料理がどうなったか見に行ってみますか…。
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「ど、どうだ…? 結構自信作なんだが…。」
場所はルファールさんのマイハウス。家の中にあるテーブルにはクルルナが座り、その前には美味しそうなパスタが盛り付けられていた。そして、そんな様子を見ている俺とレイリス。
……パスタの見た目は美味しそうだけど、味は一体どうなのか?
「そ、それではいただきますね…。」
クルルナがパスタをフォークに巻きつける。 その様子をドキドキしながら見る3人。なんだこれ…料理番組みたい。
クルルナが嫌な顔をしつつも、パスタを口の中へと運んだ。 3人は固唾を飲んで見守る。
「こ、これは……。」
一体どうなんだ…?
「美味しい!美味しいですよ!ルファールさん!」
「本当に!? 本当の本当か!? やった!やったよレイリス! 私成長した!」
………パスタが作れただけなのに物凄い喜びようだ。 料理に関してはよっぽど残念だったんだろうな…。
「うん、良かった良かった。 じゃあ、私と迷子君も少しもらおうか?」
「これは食べた方がいいですよ! あのルファールさんが作ったというだけで価値があります!」
それじゃあ、少しもらうことにしようか。見た感じキノコのパスタって感じかな? 美味しそうです。
「早く食べないと冷めちゃってもったいないですよ!
ほら!はやく2人と……も………。」
「ク、クルルナ? どうしたの?様子が変だけど…。」
俺達にパスタを勧めたクルルナが急に沈黙した。その顔からは汗が滝の様に噴き出している。
……う〜ん、なんか嫌な予感がする。
「ぁ………。カハッ………。」
「ちょっ!? クルルナ!?どうしたの!?」
……クルルナが急に苦しみだした。異変に気付いたレイリスがすぐさまパスタを一口だけ口にして、すぐに吐き出した。
「ちょっ……。これってマヒダケじゃんか!ルファールは何入れてんのさ!?」
「えぇっ!? それって食べれるんじゃないの!? 硬化薬と同じ効果っていってたじゃないか!」
「それはキノコ大好き発動させた時の話でしょうが!! そのままで食べたら毒テングダケより危ないキノコなんだよ!?」
ちょ、ちょっと2人とも…。 クルルナが悶えてるんですけど…。 体を痙攣させ、口からは泡を吹いている…。 ちょいマズくないですか?
「迷子君! すぐにいにしえの秘薬と解毒薬をありったけ持ってきて!
コラァ!ルファールはハンマー持って何しようとしてんのさ!?」
「い、いや…。 麻痺状態の解除には吹っ飛ばすのが1番かと…。」
「んなわけないでしょうが! 迷子君はやく! このままじゃクルルナがルファールに殺される!」
「ぁ……カッ……。」
それは大変だ。 俺はすぐさま、自分のマイハウスへと踵を返した。 ルファールさんのアイテム使うべきじゃね?とか思ったけれどとりあえず口に出すのはやめておいた。 立場弱いんです。
……なんかドタバタしてはいるけれど、今日は楽しい一日になりそうです。
たまにはこんな日があってもいいかな?
アイテムを取りにマイハウスへと向かいながら、そんなことを考えた俺でした。
日常回?でした。
前回に意味ありげな閑話を入れたので、そろそろ本編も完結に向けて進めていかないとなぁ…なんて思ってます。
感想など気軽にどうぞ。お待ちしてます。