時刻は明け方。
飛行船の上だと、朝日が昇り始めるのがはっきりと見える。
私は誰もいない飛行船の甲板の上で、何というわけでもなく朝日を見つめていた。
今回のクエストのフィールドは森丘。 ベルナ村からは飛行船で半日程かかるので、夜遅くにベルナ村を発って朝にはココット村に到着というスケジュール。
この時間に起きてしまったのは何故だかよくわからない。もしかしたら、この間に寝たフリをして聞いてしまったことについて考えてるのかもしれない。実際あれからよくボンヤリしてるとか言われちゃってる。
「あら、またボンヤリしてるんですね。 『英雄』と呼ばれる人がするような顔じゃないような気もしますけど?」
「うひゃっ!?クルルナ!? お、起きてたんだね?」
いきなり首筋にフッと息を吹きかけられ、思わず変な声が出てしまった。
い、いつの間にいたんだろう…? 最近のクルルナには私も迷子君も惑わされてばっかりな気がする…。 いつからこんな魔女みたいな感じになってしまったんだろうね…?
「レイリスがそんな顔をするってことは…トマトさんに関係することですね?
「あ…バレちゃった? タハハ…クルルナはなんでもお見通しだね…」
「そりゃそうですよ。 今は5人…トマトさんを加えて6人ですけど、最初はレイリスと私だけだったじゃないですか。どれだけの付き合いだとおもってるんです?」
「それもそっか…」
付き合いの長いクルルナには、私の考えてることなんてお見通しらしかった。
私が顔に出やすいだけかもしれないけれど、こんな風に通じ合える仲間がいるのは嬉しい。
「まぁ迷子君の考え事かな…。いや、大したことじゃないんだけどね?」
「あら、そうなのですか? 最近浮かない顔が多いから、私結構心配してるんですからね?ともかく、今回は結構な強敵ですから…。 リーダーもしっかりしてなきゃですよ?」
「オーケー、わかったよ。 スイッチ入ったからもう大丈夫。心配させちゃってゴメンね?」
そうクルルナに返すと、クルルナはクスリと笑った。
さて…クルルナの言う通り、今回はなかなかの強敵だ。頑張らなきゃね。
森丘に向かう飛行船の上でそんなことを考えた私だった。
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岩壁と木々に囲まれた、秘密の場所のような雰囲気が漂う空間。
釣り場が設けられた水辺の側にはテントが張られており、この場所への入り口も人がやっと通れるような幅の横穴が一つだけ。
拠点としての機能を十全に果たしている森丘のベースキャンプに、俺達は来ていた。
「うっし、森丘も久しぶりだな。 さて、今回も頑張りますか!」
「おっ、迷子君ったら元気だねぇ。やっぱり強敵相手だと武者震いが止まらなかったりしちゃうのかな?」
「う〜ん…まぁそれもあるけど…」
そう言って、俺は背中に背負った操虫棍を見る。 見た目はいたってシンプル。骨から切り出したような武骨なデザインではあるけれど、一番操虫棍って感じがするデザインだから俺は好きな方です。
「久々にエリアル操虫棍でいくからさ、少し楽しみなんだ。 麻痺武器も久しぶりだしね」
「おや、自信満々だね。 まぁドM君ならあっさりと仕事をこなしてくれるかな?」
「だからドM君は止めろって言ってるじゃないですか…。まぁ今回は俺が乗って麻痺させまくった方が有利に進みそうな相手ですからね」
今回、俺が担いでいる操虫棍は『ハイアーザントップ』
スタイルはエリアル。 まぁ乗って麻痺させることに特化した感じかな。
レイリスとルファールさんはそれぞれいつも通りのブレイヴ大剣とブレイヴ太刀だけど、クルルナは今回の相手の対策でギルド狩猟笛できている。
状態異常無効を吹けて部位破壊に向いた爆破属性を持った臨界ブラキ笛だから、安定感がグッと増すので心強いです。
なかなかの
「さて…じゃあ今回はなかなかハードなクエストになるかもしれないけど…このメンバーなら大丈夫。 まずは片方を集中攻撃して早い所倒しちゃうことにします。こんな大雑把な作戦だけどよろしくね?」
レイリスがみんなにそう言葉をかける。それに応えるようにレイリス以外の3人は笑った。 それをみたレイリスも笑う。
「よし!じゃあクエスト開始だね!」
レイリスの掛け声と共に、俺達は駆け出した。
まぁこのパーティなら大丈夫。きっとなんとかなるさ。
それじゃ…黒炎王と紫毒姫の同時狩猟、いってみよー。
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「あっ…みんな静かに…。いたよ…!」
比較的見晴らしが良く、エリア中央付近に平たい広めの段差があるエリア4。
飛竜の巣であるエリア5を目指してみんなを先導していたレイリスが立ち止まり、静止の合図を出した。
止まれの指示が出たってことは何かを見つけたってこと。 チラリと向こうを覗いてみると、そこには今回の狩猟対象の内の1匹が草原を闊歩していた。
「………紫毒姫か。 まぁ予定通りかな? それじゃみんないい?」
「あっ。私、狩猟笛で旋律かけておきます」
クルルナが『砕光陽顕鈴ホンブラク』でパーティのみんなに旋律効果をかける。 臨界ブラキの笛から奏でられているとは思えない繊細な音色を耳に入れると、不思議と身体に力が湧いてきた気がする。
……結構な大きさの音が出てるけど紫毒姫が気づかないのは気にしないでおこう。
「はい!全状態異常無効に精霊王の加護、ついでにトマトさんの麻痺武器のために状態異常攻撃強化です!それじゃあいきましょう!」
よし、これで下準備も完璧だ。
俺を含めたパーティのみんなはそれぞれの得物に手を伸ばしながら、目の前にいる紫毒姫に向かって駆け出した。
…………さぁ、狩猟開始だ。
紫毒姫が走り寄る俺達に気づく。だけど、レイリスとルファールさんが凄い速さで出会い頭の攻撃を頭に叩き込んだ。
紫毒姫は咆哮。 俺はその隙に頭から赤エキスを奪い取る。
今回、俺はサポート用のスキルを組んでクエストに臨んでいる。 耳栓に状態異常攻撃強化、乗り名人に罠師、ついでに切れ味レベル+2。だから咆哮はなんのそのだ。
赤エキスを奪った俺はすぐさま紫毒姫へ向かってエリアルスタイル特有の超遠距離ジャンプ。 白エキスを取れてないとはいえ、そのジャンプ力は相当のもの。先頭2人の後方にいた俺はジャンプ攻撃を加えながら一気に紫毒姫の背後へと移動した。
すぐさま脚から白エキスを奪い取り、猟虫にストックさせておく。
紫毒姫はその場で尻尾回転。その合間を狙ってエア回避。そして、紫毒姫の脚を思いっきり踏みつけた。
おぉ…これがエア回避なのね。 思ったより高く跳び上がったからちょっと怖いくらいだ…。
多分これなら走り高跳びで世界狙えるな。……まぁアタリハンテイ力学の賜物だろうけどさ。
紫毒姫の頭上へ跳び上がった俺は体を捻らせ回転しながらジャンプ攻撃。攻撃は全て紫毒姫の背中に吸い込まれ、紫毒姫はダウンした。
「乗る! 準備しといて!」
みんなにそう声をかけ、すぐさま紫毒姫の背中に跳び移る。
空中に待機させておいた猟虫が手元に戻り、赤白ダブルアップ状態に入ると共に紫毒姫が俺を振り落とそうと暴れ出す。
…だけど残念。こっちは乗り名人が発動してるので失敗することはまず無い。 サクサクと剥ぎ取りナイフで紫毒姫の背中を攻撃し、簡単にダウンを奪うことができた。
ダウンした紫毒姫へみんながラッシュをかける。俺とクルルナは翼狙い、レイリスとルファールさんは頭を集中攻撃している。
「よっし…。麻痺蓄積いい感じ…!」
麻痺操虫棍を担いでいるので麻痺のタイミングに気をつけないといけない。
理想はダウンから復帰して怒り状態へ移行しきる前のタイミング。 そこでうまく麻痺蓄積を発生させることができれば完璧だ。
「翼破壊できました!」
「「ナイス!」」
クルルナが爆破属性の笛を担いでいるので、翼の破壊もスムーズに完了。これで閃光玉が効く。 うんうん、いい感じに進んでるね。
さて……紫毒姫がダウンから復帰しそうだな…。
「………ここっ!」
俺はタイミングを見極めて、手数重視のラッシュをかける。
1発目、麻痺蓄積は外れる。
2発目、…………また外れる。
おいおい、頼むぞ?
3発目……………、
無事麻痺蓄積が発生。 紫毒姫は苦しげに悶え始めた。
あぁ…よかった。
クルルナは狙いを翼から頭部へと変更し、俺以外の3人が紫毒姫の頭部に密集している。
互いの攻撃の邪魔には一切なってなさそうなのは流石です。
さて…そろそろ麻痺が解けるけど……。
「怒り入った! 閃光玉投げる!」
「よろしくッ!」
麻痺から復帰した紫毒姫は怒り状態へ移行。
咆哮をあげた。
レイリスとルファールさんはイナシたみたい。クルルナは……臨戦で凌いだようだ。
……みんなすごいな。
怒り咆哮をあげた紫毒姫は後方へバックジャンプ。 俺はそれに合わせて閃光玉を投げ込んだ。
一瞬だけ世界が白く染まり、それに続いて紫毒姫が視界を奪われ地面に墜落する。
すぐさまみんなが駆け寄り、ラッシュをかける。
俺は背中付近でジャンプ攻撃を繰り返す。ただ、この後のために乗る事は控えておく。
閃光から復帰した紫毒姫。だけどすぐさま横倒しに倒れた。
えっ?何事?とか思ったけれど、どうやらスタンを取ったみたい。 いや、上手い人が集まればこうなるのはなんとなく予想できるけどなんかなぁ…。
スタンから復帰した紫毒姫は翼で風圧を起こしながら、大きく後方へ飛び上がった。
「あっ…マズッ…」
「うげっ…やっちゃったぁ…」
俺とレイリスがその風圧をモロに喰らい、身体の自由を奪われる。
その隙を見逃さず、紫毒姫は俺達に向かって滑空。 着地と同時に尻尾を使い、2人まとめて横薙ぎにぶっ飛ばした。
「ぐへぇ……痛……くないな」
「おぉ〜毒にもなってない。クルルナの笛のおかげだね!」
ぶっ飛ばされた俺達だったけど、拍子抜けするほどダメージは少なかった。
劇毒が無効化されてる上に精霊王の加護でダメージを抑えられたみたい。 笛が1人いると本当に快適だって改めて感じた。
「おいおい、2人共…。ちょっとのんびりしすぎじゃないか? 今回は結構しんどいクエストなんだからもうちょい気を引き締めて臨んでくれよ?
ほら、もう1匹お出ましだ」
ルファールさんが俺達にそう言葉をかける。
そう言われて空を見ると、そこには……いた。
今戦っていた紫毒姫は雌の個体。そして、そいつのピンチに駆けつけた雄の個体がそこにいた。
リオレウスの中でも特に強力であり、二つ名を与えられた個体。翼には黄金の紋章。公式サイトなんかではダークネスロードとかいう厨二臭さブッチギリの異名で紹介されていたが、その強さは本物。
二つ名の番の雄である『黒炎王』が俺達の目の前に現れた。
「よっしゃ、そんじゃあ手筈通りいく!」
「うん!ヨロシク!」
俺はレイリスにそう声をかけ、紫毒姫へと跳んだ。
それなりにあったはずの距離を一瞬で詰め、紫毒姫へとジャンプ攻撃を仕掛ける。
さっきまで乗り蓄積値を貯めておいたので、紫毒姫は1発でダウン。俺は即乗り状態へ。
「出来るだけ時間を稼いで!」
「はいよ!うおっ…こら、暴れんな…」
紫毒姫の背中に乗った俺はゆっくりと時間をかけて、だけど確実に成功させるように乗り攻撃を進める。
向こうから黒炎王の咆哮が聞こえ、ふとそちらの方を見る。
そこでは、俺以外の3人が黒炎王に向かってこやし玉を投げまくっていた。………女性3人がウ○コを投げまくる図を想像したらあまりにあんまりだったのでそこで思考をシャットアウトする。
だけど効果は抜群だったみたい。こやしの弾幕に参ったのか、黒炎王はすぐさまエリア移動を始めた。
「オッケィ、完璧! 迷子君!あとは乗り成功させちゃって!」
「任せとけぃ。 ほいほい……ほいっと!」
乗り成功ギリギリで攻撃を止めていたので、すぐさま紫毒姫はダウン。そこへ3人が再びラッシュを仕掛ける。
溜め斬りが、気刃斬りが、演奏攻撃が紫毒姫の頭部へどんどん吸い込まれていく。
紫毒姫は転倒から復帰。 そして…脚を引きずり出した。 まじっすか、早すぎない?
「逃がしませんよっ!」
紫毒姫に追い討ちをかけるように、クルルナが閃光玉を紫毒姫の眼前へ投げ込んだ。
眩い光が世界を埋め尽くし、次の瞬間には紫毒姫が苦しげな声をあげていた。
「ナイス! 罠仕掛けるぞッ!」
俺はすぐさま紫毒姫の足元へと駆け出す。ポーチからはシビレ罠の準備。
視界を奪われた紫毒姫は威嚇をしているので今がチャンス。 罠師のスキルのおかげですごい速さでシビレ罠の設置が完了した。
いや、ホントどういう理論なんだろうね…スキル発動してないとここまで素早く設置はできない。謎だ。
シビレ罠にかかった紫毒姫は苦しげに呻き始める。 そこへすかさず麻酔玉を2発。
紫毒姫の体がグラリと揺れ、地面に崩れ落ちる。 そしてスヤスヤと寝息を立て始めた。
「うっし!一丁上がり!」
「うん、いい感じだったね! こんなにスムーズに進むとは思ってなかったよ!」
とりあえずこの時点でクエストは一区切り。
あと残るは黒炎王だけだ。 正直この調子でいけば楽勝な感じはするかな?
「やっぱりサポート要員がいると狩りはスムーズに進むな…。ドM君もクルルナもいい働きだったんじゃないか?」
「だからドMはやめ……いいや、もう諦めますよ…。
ほら、早いとこ黒炎王も終わらせちゃいましょう」
ルファールさんがからかい気味にそんなことを口走る。ちょっとやめてほしいところだけど気にしないでおこう。
「え〜っと…。黒炎王は隣のエリア3にいるみたいですね。 早く向かいましょうか」
「おっと、たしかに無駄話をしてる時じゃなかったな。私はちょっと武器を研いでから向かうから先に行っててくれても構わないぞ?」
「う〜ん、じゃあ先に3人で行ってようか。ルファールも急いで来てね!」
ルファールさんが少し準備をするというので、先に3人で黒炎王のところへ向かうことにした。 まぁ大丈夫でしょ。
ルファールさん以外の俺達3人はエリア3へ向かって駆け出した。
「う〜ん…やっぱり臨戦をセットするべきだったかな…。まぁ大して変わらないか…」
パーティメンバーに先を任せて、1人で武器の手入れを行う銀髪の女性ハンター。
その手入れも終わったようで、得物の太刀を背中に背負ってパーティメンバーが向かって行ったエリアへと駆け出そうとした。
「………………………なんだ?」
何か、
うまく言葉にできないような、なんとも言えない違和感を感じた。
自然と背中の太刀に手が伸びる。
警戒してエリアを見渡す女性ハンター。
だが、そこには既に捕獲されて無力化された紫毒姫がいるだけだった。
「……………気のせいか。早くみんなの所へ向かわないとな」
女性は踵を返して走り出した。
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「よし、それじゃあさっきと同じ手筈でいくよ?」
「オッケ。そんじゃあいきなり乗っちゃうからよろしくな」
ルファールさんを置いて、一足先にエリア3に到着した俺達。
目の前の草原では黒炎王が悠然と闊歩していた。 軽く打ち合わせをするけど、手順なんめさっきとほぼ同じ。 むしろモンスターの合流を考えなくていいからこっちの方が楽かもしれない。
「じゃあ行こうか、迷子君よろしく…!」
「合点承知…!」
レイリスに返事をするとともに俺は飛び出した。
黒炎王がすぐにこちらに気付くけど、それより先に俺は黒炎王に向かって跳んでいた。
黒炎王が咆哮のモーションに入る前にジャンプ攻撃がヒット。そこで初めて黒炎王が咆哮のモーションに入る。
高級耳栓が付いている俺は咆哮を物ともせず、その場でエア回避。
黒炎王の脚を思いっきり踏みつけて跳躍すると共にジャンプ攻撃を繰り出した。
黒炎王はダウン。 俺はすぐさま背中に飛び乗り、乗り状態へ。 ルファールさんが来るまで粘れれば最高だけど…。
「待たせた!遠慮なく攻撃してくれ!」
「トマトさん!ルファールさんが来たので待たなくても大丈夫です!」
わぉ!ルファールさんったら足速いのね。
ともかく、それなら何も考える必要はない。
剥ぎ取りナイフで黒炎王の背中をザクザクと攻撃。黒炎王はあっという間にダウンした。
すかさず俺とクルルナが翼を、レイリスとルファールさんが頭を集中攻撃。
うん、いい感じだ。この調子なら成功間違いなしかな?
翼と頭部の部位破壊を終えたあたりで黒炎王はダウンから復帰。
そして、怒りの咆哮をあげた。 むぅ…麻痺が取れなかったな…。
怒り咆哮を放った黒炎王は続けてバックジャンプブレス。俺はそれに合わせてセルフジャンプを繰り出した。
空中ですれ違いざまに操虫棍を一閃。黒炎王は悲鳴を上げ、地面に墜落。 すぐさま苦しげに呻き声を上げ始めた。
おぉ…麻痺取れた…。俺かっこいいな。
麻痺中にもみんなでラッシュをかける。
俺はひたすら乗り狙いでジャンプ攻撃。 他の3人は弱点の頭部を攻撃し続けていた。
黒炎王が麻痺から復帰する。けどあと少しで乗れるはず。
俺はもう一度ジャンプ攻撃を狙った。
………そして突進で吹っ飛ばされた。
はい、欲張りすぎました。 あと少しで乗れそうだったんだ。これくらいのミスなら誰だってあるさ。
「…………!? 気をつけてッ!?」
「…?これくらい大丈夫だ!」
レイリスが何故か俺に注意する。そこまでのことかなぁ…?
黒炎王は再び突進を繰り出し、俺以外の3人の方向へ。 あぁもう…距離がだいぶ開いた…。
よし、一気に距離を詰めて乗ろう。
俺は操虫棍を地面に突き立て、超遠距離ジャンプをする。
そう………ジャンプしてしまった。
跳ぶ寸前に、レイリスがこちらを見ていた。
何故か、必死な形相で。
その口は、「ダメ」と言っているようにも見えた。
あのルファールさんでさえ焦ったような表情をしていた。
俺の後方を見ているようだった。
後ろ………?
俺は体を無理矢理に捻って、後ろを見た。
青い光がバチバチと音を発し、空に向かって伸びていた。
光?いや、違う。
光はバチバチなんて音を出さない。
これは………電気だ。
なんで電気が?
それはそこにいるモンスターが電気を使った攻撃をするからだろう。
なら、なんでコイツがここにいる…?
んなもん知るか。ただ、コイツが俺を狙っていることは誰がどう見ても明らかだった。
「…………青…電…?」
空中でそう呟いた俺に向かって、青い電気の刃が凄まじい勢いで振り下ろされた。
紫毒姫で初めて状態異常無効笛を担いできてくださった人がいた時は感動しました。あんなにストレスフリーで狩猟できるものなのか…!
感想など気軽にどうぞ。お待ちしてます。