風の超越者 作:真の自然支配系能力者
放課後の一件でイライラが溜まってきたので、夕飯を食べ終わった後、雷斗、グレン、なずな、エル、炎摩、黒曜を連れてフォカロル領の山に転移した。
この山は、俺らの修行の場所になっている。
町からはかなり離れているから暴れても迷惑がかからない。
みんなにバトルロワイアルで闘い、最後まで残ったヒトにお小遣いアップを提示してストレス発散を兼ねた闘いをして貰った。
各々神器や自身の力を最大限に使ってバトっている。
俺は、黒曜に作って貰った影を相手にしていた。
バラバラにしても、黒曜の力で具現化させているだけなので、誰も怪我とかしないから便利。
家族一同、黒曜の力に感謝して修行している。
一時間くらい経って、バトルの勝者はエルだった。
そういえば、エルの神器ってかすっただけでも効果あるんだっけ。
状態異常を引き起こすエルの神器は今回の勝負にはうってつけだったな。
エルにアップした分のお小遣いを渡して帰ることとなった。
あれから数日が経ち、俺は何故かグレモリーに呼び出された。
「フォカロルくん、君に頼みたい事があるのだけど……」
「聞くだけ聞こう、頼みを受ける受けないは、それからだ」
話をまとめると、ライザー義兄さんと婚約の件でレーティングゲームをすることになった。
レーティングゲームまでの十日間山で特訓をする。
その特訓に俺と家族を巻き込んで、レベルアップを図りたいと……。
ハッキリと言おう。
「ムリだ」
「り、理由を訊いても?」
即答気味に答えたので、言葉を詰まらせてる。
受けるとでも思ってたんだろうな……。
「理由は簡単だ。一応、まだだがフォカロルとフェニックスは親戚関係だからだよ。……と言うか、俺の家族、眷属の女王が誰だか知らない訳じゃあないだろ?」
「そ、それは……」
分かってて言ってたのか……。
「手伝う義理も義務もない。例え有っても辞退するけどな」
手伝う義理があるのはグレモリーではなく、その兄であるサーゼクスさんだ。
「な、何でだよ!?別にいいだろやったって!」
「お前がいるからだよ、兵藤一誠」
「何で俺がいるからだよ!理由になってねーだろ!」
「俺にとっては十分な理由だ。お前が行う行動は目に余る。嫌がる女子生徒がいるのに何度も覗きを繰り返す。叱られても反省しない、反省するどころか自分の覗きを正当化して逆ギレする。赤龍帝だから悪魔だからって理由で逃げんじゃねーぞ。ヒトとして当たり前の事すら出来てもいないお前が言うなよ。グレモリー、眷属の愚行を黙認するなよ。冥界は、赤龍帝を眷属にしたお前に注目している、その事を忘れるな 」
他のグレモリーの眷属はみんな苦笑いしているぞ。少なからずお前の行動に呆れていたのだろう。
今にも突っ掛かってきそうに、震えている赤龍帝を一瞥して、さらに思っていた疑問をグレモリーに訊く。
「それとグレモリー、お前さんの話を聞いて思ったんだが…十日も駒王町から離れるのか?」
「そのつもりだけど……」
マジかよ……。ソーナから聞いた話じゃあはぐれ悪魔や堕天使とかが侵入してたんだろ。
警戒心とか無いのか?
……と言うか、堕天使放置した結果が赤龍帝とシスターが死んだんじゃねーのか?
気づいてないのか……?
「管理者が管理地離れて大丈夫なのか?居てもはぐれ悪魔や堕天使が侵入していたが……まさか、使い魔だけ置いていくつもりか?」
「そ、そうだけど……」
「……出過ぎだと思うが、十日間は俺と家族が町をパトロールするが良いか?手を貸す事は出来んけど、その方が特訓に身が入ると思うがどうする?」
悩んでいるな。
俺の様な異端児に貸しを作りたくはないだろうからな。
そもそもグレモリーって町のパトロールとかしているのか?悪魔業ばかりで疎かにしてないよな?
「町のパトロール、お願いして良いかしら」
「任された。ああ、後、この程度で貸し借りを作るつもりはないから安心してくれ。それじゃあ、俺は家に帰って家族に報告しないとな……」
旧校舎を出てすぐに、家まで翔んだ。
家に帰ってみんなに報告したら男性陣からは小遣いアップを女性陣からは一人ずつデートを要求された。
ソーナの方にも一度連絡しないとな……。
十日間ローテーション組んで見廻りしたが異常なしで終わりを迎えた。