結有と吹雪が異世界に放り込まれたようです   作:SAMICO

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このお話は短く短く行こうと思います。


皇都名古屋

時空を移動した恵奈と美雪は、大きなお城のある町へと着いた。

「何か、お江戸の街みたい」

ポツリと美雪が呟いた直後、(かみしも)を着たお侍のような多数の男達に、囲まれてしまっていた。

「え?え?」

状況が飲み込めてない恵奈達に、侍が声を掛ける。

「恵奈殿と美雪殿に、相違ござらぬか?」

「はい。あなた達は……?」

恵奈が代表で答えると、侍の男達は一斉に跪いた。

(それがし)、老中大垣守が家臣にござる。高梨湊・未来両女皇陛下の下にご案内するよう、仰せつかっておりまする」

「………」

恵奈は、やはり()()()()()()()()()だ、ということに気付かされていた。

そして美雪は、この世界には()()()()()()()()()()()()()、と考えていた。

更に、あっちの湊(湊社長)は何か知っている、と……

「よろしくお願いします」

侍達に囲まれながら、金の鯱の名古屋城に向かって行った。

洋服という珍しい姿に、町人達の視線が集中していた。

 

謁見の間に通されると、既に()()()()()が座っている。

将軍たる大村奈緒に、老中大垣守。

そして正座している恵奈と美雪。補給物資の詰まった汎用艤装は、既に預けられている。

「陛下のお成りじゃ」

大垣の言葉に、一同が頭を下げ平伏する。

しずしずと、十二単衣の綺羅びやかな出で立ちの湊と未来が上座に座ると、

ふっと、暫し湊が目を伏せてから……

(おもて)を上げてください。恵奈さん、美雪さん」

『はい……』

面を上げた二人に、湊女皇が話しかける。

「お話は、神……正確には()()()()()より聞いています。消えたMeTuberの一件ですね?」

「……はい」

これで、疑念が確信に変わった。湊は()()()()()()()()()()()()()()()ようになっていたのだ。

おそらく、鏡合わせの世界(双子世界)の、大垣湊の能力だろう………

そう思案していると、湊が大垣に目配せをして、大垣も「連れて参れ」と、家臣に命じると、

()()姿()の、不可思議動画配信団の二人が、侍に連れられてやって来た。

 

 

「……という訳なんです」

別室に案内された恵奈達は、不可思議動画配信団の二人に事情を話すと、

「そうだったんですか……分かりました。複雑過ぎるし、これは表に出せそうもないので、記憶がなくなって御蔵島を彷徨っていたところを保護された、ということにします」

その言葉に頷くと、恵奈が立ち上がり、

「さあ、帰りましょうか?」

そう言って、四人で手を繋いで、再び先程の転移を試みる。

すると、姿はふっと消えてなくなった。

 

―――――――――

翌日、女皇湊はいつものように、()()()()()との会話を行っていた。

(恵奈さん達はお帰りになられました)

―――そのようですね。エナツキチャンネルが更新されて発見されたことと、不可思議動画配信団の人も見つかった、と動画がアップされていましたから。

(では、私達の念願だった……)

―――はい………歪んだ世界の修復を……

(はい……)

 

―――――――――

「おー。皇都ってのはすげえな。江戸時代の城下町みたいだぜ」

薄雲(智紀)が、両手を頭に回して歩きながら、時雨(結有)に声を掛ける。

今、皇都にいるのは薄雲(智紀)時雨(結有)、それに夕立姫と、Sハウンドの代表として我那覇陽子で、

残ったメンバーは、名古屋港沖に停泊している、いずも改二リペアの護衛を兼ねて、待機している。

「何か、不思議な雰囲気だったね?」

木造船が並ぶ中、()()()()()()()()()様は、不思議な雰囲気だった。

艦娘も雰囲気が少し違い、江戸末期の戦艦の艦娘が主立っており、()()()()()()()()()()()()()()なのだ。

夕立姫の案内で、名古屋城にやって来ると、すぐに謁見の間に通される。

謁見の間に通された一同は、聞いてはいたがあの双子(高梨姉妹)()()となっている十二単衣姿に、目をパチクリさせていた。

「女皇陛下の御前であるぞ!」

その大垣守の声に、大村武蔵守(奈緒)が手で制すると、

「よい。まあ、近う座れ」

そう言われ、一同は一礼すると、上座の前に座る。

「陛下、お初にお目にかかり……」

Sハウンドの一件で、陛下の謁見を受けている陽子は、平伏して挨拶をしようとすると、

「はい。堅苦しいのは、なしに致しましょう」

その言葉に、陽子も苦笑を浮かべて頭を上げる。

「感謝します。自分(小官)は我那覇陽子少将、こちらで言えば軍艦奉行並、と言ったところでしょうか?」

「私は、各務原時雨と申します。先日夕立姫のお許しをいただきまして、時雨家を継承致しました」

「小官は、軍艦頭(艦長)の薄雲と申します」

礼もそこそこに、湊女皇は深刻な顔をした。

「皆さんも、この状況はご存知かと思いますが、このままでは世界は終わってしまいます。その前に、()()()()()()()()()()()()()()()。時空修復を……!」

その言葉に、臣下一同頷いた。

「かしこまりました。大特異点に、特異点である時雨(結有)と恵奈を、()()()()に集めればよろしいのですね?」

陽子の言葉に、はっと薄雲(智紀)が気づいた。

「そうか!だから七星は、ディオリアを攻め落としたのか!」

―――やはり、裏で()()()()()()が関わっているようだな?

(そうなるか。クッソ、()以外の同位体は、腐った連中だ)

―――名古屋で不良やっていたお前も、一時期はそうだっただろう?

新井田が嘲るように言うと、意識を再び目の前に向ける。

「そのとおりです。あなた方には、再びディオリアを目指していただきたいのです」

その言葉に、三人が立ち上がり、ビシッと敬礼した。

「かしこまりました。御意のままに……!」

「私も従いていくっぽい!陛下、お許しください」

夕立姫も、それを見よう見まねで真似て敬礼をすると、湊女皇はコクリと頷いた。

 

こうして、ディオリア再奪還計画が始まった。

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