インド沖海戦が始まっている頃、
ジャポネの
「さて、やりますか……」
「では、行って来ます」
「後でまた会おう、諸君」
『オーーーーーー!!!!』
メルフィと裕二のその言葉に、全員が気合い入れの号令を叫ぶ。
「声が小さい!叫べ!」
『オーーーーーーーッ!!!!!!』
侍達も、今は和服を脱ぎ捨て、迷彩服に身を包んでいる。
腰には脇差で、戦い易くなっている。
各務原式CQCにより、
「では行きます!Vas Rel Por!」
眼の前に現れた楕円形のゲートが開かれると、駆け込む二人。
二人が姿を消すと、ゲートが霧散して消えていく。
ゲートを潜って出た、ディオリアの首都ローミアは、既に廃墟となっていたが、
魔法学校
「おかしい……」
「分かった、十分警戒しよう。では召喚の準備を……!」
そういった裕二は、
「きゃ!?」
小さく悲鳴を上げるメルフィに、大きな火球が掠めて行った。
チリっと焦げる髪に、飛んで来た方向を見ると、そこにはナスタージ導師がいた。
「ナスタージ導師!?……貴女が首謀者だったんですね!?」
「その通り。私は、ニール・ザ・
暗黒術師とは、
「そんな……じゃあ私は……?」
「そう。最初から、あの試験で教えた魔法は、『外の次元から深海棲艦……魔神』を呼び出す為だったんだよ」
「………そんな……」
バシィン!
力無く項垂れそうな、メルフィの頬を叩く裕二。
「甘ったれるな!お前のその力が、
「は……はいっ!」
一瞬茫然となったが、頬を手を押さえながら、涙目で強く頷いた。
「行きます!Vas Kal An Mani In Corp Hur Tym!!!」
それを止めようとするニールに、裕二は日本刀で斬り掛かり、詠唱を妨害する。
ニールも魔法の杖で受け止め、魔力がスパークする。
「貴様……魔人か!?」
「いや。私は
二人が斬り結んでいる間、メルフィの前に魔法陣が展開され………
現れたのは、戦車と精鋭達の姿だった。
「くっ……魔神共……!」
そのインスタント詠唱に呼応するように、魔神達が現れ、大規模な戦いになって行く。
「よっしゃあ。お、ナスタージ導師も無事か……?」
「違います、その人は……!」
「そいつが首謀者だ!」
続けて裕二が叫ぶ。その言葉に、新井田博士が確信めいた言葉で囁く。
―――こいつが私の同位体か……
(そのようだな)
「全軍、魔神共を制圧せよ!」
少数の護衛と共に、その様子を見守っている。
「3対1か……では逃げ……体が動か……!?貴様か!?」
そう。智紀と新井田博士が、意識を押さえ込んだのだ。
「スキありっ!!」
その言葉と共に、首筋を切り裂き走り抜け、その後ろから裕二が胴体を切り裂いていった。
結有の霊子の刃と、裕二の刃が、ニールの首と胴体を切断していったのだ。
その意識は
記憶と能力だけを奪い、新井田博士が意識を磨り潰して行く………
―――この若人の補佐は、この儂だけで十分じゃわ。
等と言いながら、
実際、いろいろな面で世話になっている智紀は、何も言えないのだ。
すぐにメルフィ達も、あのミステリーサークルへとやって来た。
その辺りでは、武士や特別教導隊の死体から、
霊子が強く、死んだ者は、妖精化の傾向が強いのだ。
空には黒龍騎士団もやって来て、混乱しているが、
「行こう!メルフィ!」
「はいっ!」
「Vas Kal An Mani In Corp Hur Tym!!!」
その詠唱と共に、辺りが光に包まれて行き……
夕立姫の声が響き渡った。
「ありがとう。また会おうね、結有ちゃん!!」
「うん!夕立姫」
――――――――
気づくと、結有達は東富士演習場にいた。
陽子妖精等、いずも改二リペア組も一緒だった。
「結局、大特異点はメルフィだったんだな………」
「ぽいー…お帰りっぽい、結有」
特別教導隊見習い隊員の
結局、歴史はあの世界の魔法要素
魔神による戦いや、レジスタンスの決起。そして、日本の大きな変更点は、
高梨家は、GHQの
更に夕立は、先祖帰りを起こして、夕立姫の記憶を持っていることが判明したのだった。
結局は全て元通り。一つ違うのは、死んだ者達が妖精化したことと、
こうして、魔法の世界に放り込まれた結有と吹雪の冒険は終わった……筈だった。
「うわぁぁぁあぁっ!!!」
と云う声と共に、
「何しに来やがった!?このダメルポめ!!」
「ダメルポって何ですか!?」
結局、戻れなくなったメルフィは、放ったらかしておくといろいろ危ないので、特別教導隊として面倒見ることになりましたとさ。
こちらの世界では、戦艦女神討伐の影響で空間の霊子が足りず、メルフィの出す魔法も、やること成すことも三振ばかりであったのを、最後に添えよう。
「このダメルポがッ!!!!」
今日も、鬼教官各務原裕二の叫び声が響き渡る。
「ひえええええ!!!」
あと一つ。フレーゲル男爵は、その後ディオリア王国の王族となり、イタリアやその周辺国の再生に尽力して生涯を終えた、と歴史書に刻まれている。
その傍らには、ジャポネの女官達がいつまでもいたという。
その後は、だいたい民主化運動が起こり、現在の世界とそうは変わらなかった。
だが、
こうしている今も、
「もう懲り懲りだよ!」というのは、
fin
思いつきで始まったお話、無事完結しました。
これにて、通常営業の本編とエナツキの不定期更新に移行していきたいと思います。
次回更新までお時間を頂くかもしれませんがご容赦ください