飛行船は、未だに追撃を受けている。
吹雪と瑞希とほっぽちゃんで迎撃をしている。
戦闘機姫は、降霊弾装備の
メルフィも、召喚術でサポート……出来てなかった。
出て来るのは、
………つもりだった。
「ええい!何でお前は、三振かストライクなんだ!?このダメルポめ!」
「知りませんよ!何が出るか判らない、って言ってるじゃないですか!?」
「しかし、だんだん各務原隊と離れて行くが、良いのか?魔力も残り少ないぞ」
魔力計が黄色く光り出して、魔力僅少なことを示しているのを見ながら、瑞希が言うも、
「兎に角、南だ。海に出れば解る!」
その頃フレーゲルは、無理が祟って倒れ、女中達の手当を受けていた。
「すまない……私の力不足で」
「いいえ、フレーゲル様はご立派でした。お噂が信じられないくらいに」
女中の一人の言葉に、フレーゲルは悲しそうな顔をして、起き上がった。
「あまり無理をなさっては……」
と、寝かせようとする女中を制して、
「私は、
「……フレーゲル様……」
砲撃音のする、デッキの方を見上げながら、フレーゲルは続ける。
「私には、叔父上の権力しか見えていなかった。叔父上が何を企んでいるのか、も見抜けないくらい、にな……」
「しかし、今は私達をお守りいただいております」
女中の一人が、きっぱりと言った。
「夕立姫様は、
「…………」
フレーゲル、
―――――――
「やっぱりだ。智紀!どうする気だ!?」
そんな事が行われている中、飛行船の高度がどんどん降下していく。
推進力の魔力も、霊子コンデンサも使い切った飛行船は、空気の抜けた風船のように、ゆるゆると海面に滑り降りていく……
そんな中、後から黒い龍の集団が現れた。
「なんだ、ありゃ!?」
「あれは……!?七星最強の黒龍騎士団です……!見た者は必ず死ぬ為、
その言葉に、絶望感漂う一行。
しかし、吹雪は諦めていなかった。
「まだ、智紀くんが諦めてない!何か
その言葉に、
「よし、今だ!メルフィ!召喚術だ!」
「はいっ!!」
メルフィが、己のありったけの魔力を込めて、召喚呪文を唱え始める。
その瞬間、雲は黒く濃くなり、夜のような闇に変わり……雷を伴う嵐になる。
そして、海面に大きな渦が現れ…………
――――――ー
同じく、アラビア海に展開中のいずも改二リペアも、大きな渦に包まれていた。
「漸く
「はい……」
超常現象に慣れているSハウンドには、夢溢れる大冒険の始まりなのだ。
今、鋼鉄の方舟・いずも改二リペアが、光に包まれる。
―――――ー
大きな渦から、光が溢れると現れたのは、鋼鉄の船。いずも改二リペアだった。
「よっしゃ。でかした、
「今、ダメルフィって言ったでしょ!?」
再び言い争いが始まり、周囲は溜め息に包まれた。
『こちらいずも改二リペア、オペレーターミナ。受け入れ体制を取っています、どうぞ着艦してください』
ミナからの通信が、
いずも改二リペアには、VLSセルやCIWSを追加搭載しており、通常兵器も積み込んであるのだ。
フレーゲルが、
ぼうっと燃え上がる飛行船。
吹雪と瑞希とほっぽが、すぐさま迎撃体制に入るも、敵の数も多く苦戦している。
『少し、頭にきました。ファランクスAAWオート』
ミナのその言葉の瞬間、上空にいた竜騎士の命運は尽きた。
竜騎士ごと、20ミリ炭化タングステン弾に貫かれた黒龍は、その体を海へと沈めて行った。
隊長を喪った竜騎士隊は、狂乱状態に陥っている。
「今だ、ESSM発射!撃ちーかた始め!」
「はい。ESSM発射!撃ちーかた始め!」
陽子の命令に、艦長代理の杏奈が発射を号令すると、数発のミサイルが方々に散らばって行く。
そしてその衝撃で、周囲の竜騎士も転落して、海へと真っ逆さまである。
そんな、一方的な殺戮劇を繰り広げた末、竜騎士達は逃散って行った。
「すごい…………」
メルフィの感想だが、その様子を一人ブリッジで見ている女中は、少し悲しそうになり、
「こんなものは、
その女中に、陽子はふっと悲し気な笑みを浮かべると、
「持てる戦力で攻撃を加えて撤退を促すのも、犠牲を減らす道さ」
それだけ言うと、逃げ散って行く黒竜騎士達を見送っていた。
いずも改二リペアには、日向や明石妖精さん、そして杏奈が乗り込んでいる。
足の悪い千里には榛名を付けて、後方補給作戦に当たらせている。
日向は直ぐに、ヘリコプターに乗り込み、各務原隊に合流するべく出発して行った。
花粉症がひどくて集中力が上がりませぬ