結有と吹雪が異世界に放り込まれたようです   作:SAMICO

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今回はショートです




鋼鉄の方舟

飛行船は、未だに追撃を受けている。

 

薄雲(智紀)が操船して南へ進路を取り、

吹雪と瑞希とほっぽちゃんで迎撃をしている。

戦闘機姫は、降霊弾装備の薄雲(智紀)が迎撃をしているが、

メルフィも、召喚術でサポート……出来てなかった。

出て来るのは、謎のペンギンやもこもこのぬいぐるみ(開発失敗のアレ)で、それをぶつけてサポートしている、

………つもりだった。

「ええい!何でお前は、三振かストライクなんだ!?このダメルポめ!」

「知りませんよ!何が出るか判らない、って言ってるじゃないですか!?」

薄雲(智紀)とメルフィが、怒鳴り合いながら迎撃を続けている。

「しかし、だんだん各務原隊と離れて行くが、良いのか?魔力も残り少ないぞ」

魔力計が黄色く光り出して、魔力僅少なことを示しているのを見ながら、瑞希が言うも、

「兎に角、南だ。海に出れば解る!」

薄雲(智紀)はそう言って取り合わない。

 

その頃フレーゲルは、無理が祟って倒れ、女中達の手当を受けていた。

「すまない……私の力不足で」

「いいえ、フレーゲル様はご立派でした。お噂が信じられないくらいに」

女中の一人の言葉に、フレーゲルは悲しそうな顔をして、起き上がった。

「あまり無理をなさっては……」

と、寝かせようとする女中を制して、

「私は、()()()()()()()だよ。叔父上の威光を笠に着る、どうしようもない貴族のバカ息子だよ」

「……フレーゲル様……」

砲撃音のする、デッキの方を見上げながら、フレーゲルは続ける。

「私には、叔父上の権力しか見えていなかった。叔父上が何を企んでいるのか、も見抜けないくらい、にな……」

「しかし、今は私達をお守りいただいております」

女中の一人が、きっぱりと言った。

「夕立姫様は、()()()()()()()()()()()()()と、仰っております。私達は()()()フレーゲル様ではなく、()()フレーゲル様をお慕いしております」

「…………」

 

フレーゲル、()()()()()である。

 

―――――――

 

「やっぱりだ。智紀!どうする気だ!?」

そんな事が行われている中、飛行船の高度がどんどん降下していく。

推進力の魔力も、霊子コンデンサも使い切った飛行船は、空気の抜けた風船のように、ゆるゆると海面に滑り降りていく……

そんな中、後から黒い龍の集団が現れた。

「なんだ、ありゃ!?」

薄雲(智紀)の声に、女中の一人が上がって来た。

「あれは……!?七星最強の黒龍騎士団です……!見た者は必ず死ぬ為、()()()と呼ばれています!!」

その言葉に、絶望感漂う一行。

しかし、吹雪は諦めていなかった。

「まだ、智紀くんが諦めてない!何か()()()()を持って来てるに違いないよ!」

その言葉に、薄雲(智紀)は空を見上げ、相手の距離を確認して……

「よし、今だ!メルフィ!召喚術だ!」

「はいっ!!」

メルフィが、己のありったけの魔力を込めて、召喚呪文を唱え始める。

その瞬間、雲は黒く濃くなり、夜のような闇に変わり……雷を伴う嵐になる。

そして、海面に大きな渦が現れ…………

 

――――――ー

同じく、アラビア海に展開中のいずも改二リペアも、大きな渦に包まれていた。

「漸く自分(小官)達も、魔法と剣の国に往けるな」

「はい……」

超常現象に慣れているSハウンドには、夢溢れる大冒険の始まりなのだ。

今、鋼鉄の方舟・いずも改二リペアが、光に包まれる。

 

―――――ー

大きな渦から、光が溢れると現れたのは、鋼鉄の船。いずも改二リペアだった。

「よっしゃ。でかした、()()()()()!ホームランだ!!」

「今、ダメルフィって言ったでしょ!?」

再び言い争いが始まり、周囲は溜め息に包まれた。

『こちらいずも改二リペア、オペレーターミナ。受け入れ体制を取っています、どうぞ着艦してください』

ミナからの通信が、薄雲(智紀)の通信機に入って来ると、智紀()は勝った、と確信していた。

 

いずも改二リペアには、VLSセルやCIWSを追加搭載しており、通常兵器も積み込んであるのだ。

フレーゲルが、薄雲(智紀)の誘導で全員をいずもに移した直後、上空までやって来た、先頭のひときわ大きな龍がその口から炎を発射したのだ。

ぼうっと燃え上がる飛行船。

吹雪と瑞希とほっぽが、すぐさま迎撃体制に入るも、敵の数も多く苦戦している。

『少し、頭にきました。ファランクスAAWオート』

ミナのその言葉の瞬間、上空にいた竜騎士の命運は尽きた。

竜騎士ごと、20ミリ炭化タングステン弾に貫かれた黒龍は、その体を海へと沈めて行った。

隊長を喪った竜騎士隊は、狂乱状態に陥っている。

「今だ、ESSM発射!撃ちーかた始め!」

「はい。ESSM発射!撃ちーかた始め!」

陽子の命令に、艦長代理の杏奈が発射を号令すると、数発のミサイルが方々に散らばって行く。

垂直発射装置(VLS)から放たれたミサイルは、龍へと向かいぐんぐん飛んで行き、龍を竜騎士ごと木っ端微塵にする。

そしてその衝撃で、周囲の竜騎士も転落して、海へと真っ逆さまである。

そんな、一方的な殺戮劇を繰り広げた末、竜騎士達は逃散って行った。

「すごい…………」

メルフィの感想だが、その様子を一人ブリッジで見ている女中は、少し悲しそうになり、

「こんなものは、()()と呼べるものではありません。一方的な()()です」

その女中に、陽子はふっと悲し気な笑みを浮かべると、

「持てる戦力で攻撃を加えて撤退を促すのも、犠牲を減らす道さ」

それだけ言うと、逃げ散って行く黒竜騎士達を見送っていた。

 

いずも改二リペアには、日向や明石妖精さん、そして杏奈が乗り込んでいる。

足の悪い千里には榛名を付けて、後方補給作戦に当たらせている。

()()()()()()()()()()()()()()()、物資輸送を行う計画なのだ。

日向は直ぐに、ヘリコプターに乗り込み、各務原隊に合流するべく出発して行った。

()()()()()で道案内を依頼したのだ。こっちで言うインド南部で合流予定である。

鋼鉄の方舟(いずも改二リペア)は、東に向かって再び動き始めた。

 




花粉症がひどくて集中力が上がりませぬ

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