rikkaのメモ帳(短編・走り書き集)   作:rikka

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転生サバイバー②

『転生生活日記』 7日目

 

 テントの位置を移して正解だった。凄い勢いで森の一部が燃え尽きた。

 もっとも、夕方に小雨(こさめ)が凄まじい豪雨へと変わったためにすぐに鎮火。

 ついでにテントもぶっ壊れてしまった。おかげでずぶ濡れだ。

 

 やっぱり必要なのは家だよ家。今日こそ本格的に住まい(シェルター)を作ろうと思う。

 

 

 

 

 

【02:作業をする時は、可能な限り道具を作ろう】

 

 

 

 

 

 

「こりゃあ凄いな……」

 

 昨夜、暴発した俺の魔法で大火事になった森だが、見事に広い範囲が焼け落ちている。

 加えて昨夜の豪雨だ。倒れていた木なども一部は海に流されてしまったようだ。

 キャンプを移動させて正解だった。下手したら巻き込まれてそのまま海にとぶ

 

 小雨だったとはいえ雨は雨。しかも分厚い雨雲も見えていたために、念のためにテントの位置を変えていたのだ。

 まぁ、元の場所のままだと燃えていたかもしれないという理由もある。

 

(とはいえ、ラッキーだ)

 

 森が一気に燃えて流れて、見通しの良い土地が増えたのは悪くない。

 森が近い所場所は地面はしっかりしているが妙な虫がいたり、おまけに獣らしきうなり声が聞こえてきて無茶苦茶怖かったのだ。

 

「いい感じに骨に使えそうな枝が多いし……」

 

 ちょっとした木くらいの太さはある枝が、ゴロゴロとそこらに転がっている。

 泥にまみれているが雨水でちょっと洗って乾かせば十分使えそうだ。

 

 幸い、焚き木はもう着火済みだ。

 先ほどまで、魔法の威力調整のために何度も何度も爆発させまくっていた。

 疲れたけど、その分魚も取れたしまぁ良し……でもさすがにそろそろ肉とか食いたい。

 魚以外で食べたのは、恐る恐る食べてみた木の実だけだ。

 

 とりあえず、倒れている木から枝をへし折ろう。とはいえ、素手で試したら無理だった。これマジ硬い。ブチ硬い。

 まぁ、硬いからこそ素材としては使えるという物だ。

 

「とはいえ、どうしたもんか……」

 

 棘にでも引っかかったのか、親指の付け根を始めとする手の平の所々に血が滲んでいる。

 このまま作業をする事も可能だが、えらく手こずりそうだ。

 

「……よし、こういう時は石だ」

 

 人類最初の道具、石。

 つまりは、ある意味で火以上に人間にとって重要な物だったと言えるのではないだろうか。

 

 森の焼け跡部分を少し歩きまわり、手ごろな石を探す。

 見つけたのは。手の平よりもやや大きめの石。これならば大丈夫だろうと先ほどトライした木へリトライ。

 

 1.石を構える。2.狙いを付ける。3.石を叩きつける。

 

「いった…………あぁっ!?」

 

 4.衝撃に負ける。5.手を痛める。

 

 嫌な5連コンボが綺麗に決まった。

 

「~~~~~~~~っ!!」

 

 悶絶する事数分。

 いや、これ地味に嫌な痛みだ。

 この痛みを我慢して延々作業? 無理無理、現代っ子舐めんな。

 

「駄目だ。やっぱ柄を付けてハンマーにしよう」

 

 今なら炎もある程度上手く使えるが、また大惨事が起こる可能性がある以上避けたい。

 

 石器時代の人間になった気分だが仕方ない。

 

 昨日の大火事があったと言うのに誰も来る気配がないという事は、少なくともこの一帯にはマジで人がいないことだろう。

 というか、自分の思う文明らしい文明がない。日本ならば、完全な無人地域だったとしてもヘリかなにかくらい飛んでくるだろう。

 

 生きなければならない。ここで。――多分、一人で。

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

 とりあえずは、色んなサイズの石を収集。とりあえずはこれは簡単な工具として使わせてもらおう。

 そして転がっている倒木等の中から、ちょうど使えそうな枝を発見。これを柄にハンマーというか石斧を作ろう。

 

 まずはもっと持ちやすい石を握りしめ、違う石を擦り始める。

 もっと尖らせて、斧とか(くわ)とかああいう感じに形を整えたい。

 

 

――ぽーんっ

 

 

『info:加工スキルを入手しました』

 

 

 

 磨き始めて5分ほど経つと、最近では唯一の(脳内の)話相手(一方通行)の声がする。

 

「……やっぱりか」

 

 日記にも使っている葉っぱに、羽のペンと鳥の血のインクを使ってメモをする。

 

・炎魔法 レベル4

・料理  レベル2

 

 自分が入手したスキルとやらをメモしていた葉っぱに、今しがた入手した『加工』の項目を付け加える。

 

「どのスキルがどんだけあるんだ。これマジで」

 

 例の魔法に関してはともかく、割とスキル入手自体は簡単なようだ。

 料理スキルは、初めて魚を取って鱗を貝殻で剥がす作業をしていたら入手出来た。

 ただ、使う頻度が少ないのか、あるいは入手できる経験値的なものが少ないのか中々上がる様子がない。

 そのため、レベルの恩恵を感じているのは今の所魔法だけだ。――昨日爆散したけど。

 

(とりあえず、今は作業を積み重ねるしかないか……)

 

 とにかくひたすら石をこする。叩く。

 こすって叩いてこすって叩いて、ある程度形になったら平らな石――普段はまな板に使っている石を濡らして砥石(といし)代わりにして更にこする。

 

 それを、今度は適当な枝にセットして、事前に見つけ出しておいたツタでくくりつける。

 

 

――ぽーんっ

 

 

『info:道具作製スキルを入手しました』

 

 

 よしよし、それでいいそれでいい。

 多分だけど魔法同様、レベルが4か5に上がればなにか大きな効果が出るのだと思う。

 そうでもなくてもこんなRPGみたいな物があるんだ。多く入手しておいて損はない。

 

「とりあえず、コイツを試すか」

 

 先ほどトライした木にもう一度――三度目のリトライである。

 

「今度……こそっ!」

 

 1.振りかぶる。2.振り落ろす。

 

――かこーーんっ!

 

 3.石がすっぽ抜ける。

 

「…………」

 

 背後で、吹っ飛んだ石の部分がドスッという音を立てて地面に突き刺さる。 

 俺はそっとその石を拾い、回収していたツタを改めて用意し、

 

 

「おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおぉおぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!」

 

 

 この後滅茶苦茶斧を作り直した。

 

 

 

 

 

 

『転生生活日記』 7日目(追記)

 

 今日一日で、道具作製スキルを2にまで上げることに成功。

 丸一日かけて色々思考錯誤した結果、かなり太い枝を見つけて、炎を使いながら開けた穴に石を埋め込んで、その上からツタで固定する事で石斧完成である。

 

 ようやくできた石斧を使って、明日から本格的に作業を進めようと思う。

 今頃、新しい家を作っているハズだったのに、どうしてこうなった……

 

 

 

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