rikkaのメモ帳(短編・走り書き集)   作:rikka

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転生サバイバー③

『転生生活日記』 8日目

 

 火事の後の豪雨でちょっとボロボロになったテントで一晩を過ごした。

 葉っぱは変えたけど、湿った流木は日干ししてもちょっと臭かった。

 

 とにかく起きていつもの日課、釣り(爆破)をやろうと思って、見なれない物を発見してイマテントに戻った所だ。

 

 なんか、なにかの残骸が大量に流れ着いている。

 

 

 

 

 

 

【03:同行者は大事にしよう】

 

 

 

 

 

 

「船……か?」

 

 大量の板やロープ、マストと思わしきデカい布等が浜辺に大量に流れついている。

 完全に大破したのだろう舟らしき物の残骸だ。ほとんどが物の見事にバラバラになっている。

 

(とりあえず、材料が大量に手に入ったのは助かる)

 

 木材やロープはもちろん、布が手に入るのは大きい。

 それらを余す事なく回収するには、多少泳がなければならないが……。

 

(大丈夫かなぁ……)

 

 これまでにも、魚を捕るために泳いだことはあるが、基本的に浅い所だけだ。

 遠くまで――それも波打つ海面を泳ぐのはそんなに経験がない。

 

 だが、やらなければしょうがない。

 ここを拠点に生活するにせよ、探検するにせよ物資や資材は絶対に必要になる。

 

 事前に濡れた身体を乾かすための焚き木を焚いておき、それから服を脱いでテントの中に放り込んで海の中にダイブ。

 

 冷たい。わかってはいたけどめっちゃ冷たい。

 そのままばちゃばちゃ、波に苦戦しなから泳いでいく。目標は一番大きな残骸だ。

 ぷかぷかと浮かんでいるあれならば、捕まって引っ張っていけばいいし、最悪上にのってそこらの板きれをオール代わりにして漕げばいい。

 

 泳ぎ続ける事数分。

 ようやく一番デカイ船の残骸に到着した。

 浮いているのは、おそらく内部に空気が溜まっている事もあるのだろう。

 一度一気に潜り込んで、中に入り込むことにした。

 

 立ち泳ぎをしながら、すぅっと大きく息を吸い込む。

 そしてくそ冷たい海水の中へ、もう一度全身を沈めて残骸の内部へと入り込む。

 

(くっそ、せめてなにか良い物見つかってくれよ)

 

 少なくとも、初めて目にする人の手がかかった物だ。

 ロープや布の時点でめちゃくちゃ美味しいが、出来る事ならばもっとキチンとしたものがほしい。

 例えばランプのようなものや鏡、ゴム製品や紙その他諸々。

 欲しい物は正直いくらでもある。

 

――ざばぁっ!

 

「ぷっはぁっ!!」

 

 幸い、内部にはすぐに潜り込めた。

 

「うぼぁ……真っ暗でよく分かんねぇ」

 

 どうやら、元々は船室だったのだろう。

 本来ならばここを照らしていたのだろうランプらしきものがぷかぷか浮いて、俺の右手に当たる。

 他の灯りは、僅かに差しこんでくる隙間からの日光だけだ。

 

 中には家具らしい家具は無く、固定された寝台(ベッド)らしきものがあるだけだ。

 その固定ベッドにしがみつくような影がある。

 それが何か調べるために近づいてみる。

 

――む……ぅう……。

 

 それは声を発している。

 それは蠢いている。

 それは、息をしている。

 ――というか、

 

「……生きてね?」

 

 隙間から差し込んだ日光が、その影を照らし出した。

 着物――じゃない、袴と道着の様な物を身に付けた人影。

 それも、自分にはない凹凸(おうとつ)と、暗くてよく分からないが明るい色の髪が(うっす)ら見える。

 

「おい、しっかり――」

 

 思わず起こそうとする。が、よくよく考えると今の自分全裸だった。

 あんまり濡れてはいないが、恐らく肌に衣類が張り付いているのだろう女の子を、この薄暗い状況で全裸の男が抱きかかえる構図。

 

 俺なら迷わず通報する。あるいは大声で公的権力(お巡りさん)を召喚する所だ。

 

「………………」

 

 俺は内心『起きるなよ? 絶対に起きるなよ?』とそっと女の子を完全に引き上げ、固定されたベッドの上――というべきか横というべきか――に寝かせ、もう一度海水に中に身を沈めた。

 

 さっさと浮いてる残骸ごと陸に上げよう。

 目を覚まされて大丈夫なように、さっさと服を着ないと……。

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

 とりあえず、なんとか残骸ごと生存者の回収に成功。やっぱり女の子だった。

 

 防具の様な物は付けていないが、道着のような格好。

 後ろで束ねた、元いた世界ではあまり見ないピンク色の長髪。

 そして腰には刀? を差している。さすがに触る訳にはいかないので

 なんというか、ちょこっと洋風の『ザ・サムライガール』といった感じの子だ。

 年齢は……多分、18位だろうか。

 

「むぐぅ……申し訳ございません陛下ZZZZZ」

 

 今はとりあえず、焚き木から少し離れた所に寝かせてある。

 

 なんかすっごい寝言言ってるけど大丈夫なのかコイツ。

 死にかかっていたとは思えないくらい呑気なんだけど大丈夫なのかコイツ。

 鼻ちょうちん作って気持ち良さそうなんだけど殴っていいかコイツ。

 

「……色々急がなきゃ」

 

 特に家作り。

 このままだと色々と気まずい。

 いや、この子が起きてから話を聞けば、色々と状況が変化するかもしれないけど……

 

(せめて、テントもう一つ建てるか……)

 

 とりあえずでも彼女の分の寝床を用意しなければならない。

 

「――ん……むぅ……腹を切って……詫びる所存でぐぅ……」

「よく分からんが詫びるつもりあんのかコイツ」

 

 起きれば話を聞けると思うが……不安になってきた。

 

 

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