艦隊これくしょんー死ねない提督と元ブラ鎮   作:ゆっくりRUISU

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4話

珍客が鎮守府に訪れた翌日。

 

朝食後、喜一は艦娘全員を食堂に集めていた。

 

「あー…。

ちょっと紹介しとく奴がいるんで集まってもらったんだが。

…って矢矧、魔緒流は何処行った?」

「あの人なら『朝飯買ってくる』とか言って何処か行ったわよ」

紹介する対象である魔緒流の自由な行動に、喜一は頭を抱えた。

「…すまん、奴が戻って来るまで…」

「たっだいまー!」

「空気読めこの野郎!」

全力で喜一は魔緒流を殴りつけた。

 

 

 

 

…で。  (こ お か ま お る)

「こいつは娘乙華魔緒流。魔女だ。

なんか質問があったら…っと、陽炎」

「娘乙華さん、だっけ?は司令とどういう関係なの?」

数秒考えてから、喜一は口を開く。

「顔馴染み。ついでに言うと俺を呪った魔女の弟子」

「娘乙華魔緒流だよー。魔緒流って気楽に呼んでね!」

「…えっと」

陽炎が沈黙したのを見て、喜一は少し補足した。

「…そもそも俺を死ねなくのが、阿嘉耶司依娜っていう魔女。で、魔緒流はその弟子。

司依娜の目的は不老不死の実現だから、実験として俺に状態復元の術式を掛けた。血を媒体にして、自動で発動するように。俺が死ねなくて、血が混ざった陽炎が死ななくなった理由は多分それだ。後、血にある程度魔力が宿ってるからちょっとだけ魔法が使える。…本職とは比べられんが」

「…結局、魔緒流さんは司令を不死にした魔女の弟子って事?」

「そだよー。で、師匠に限らず魔女の目的は不老不死の実現だから偶然とは言え不老不死になった喜一と、あと君にも興味津々なのだ!」

「…えっと、興味津々って、誰が?」

陽炎が恐る恐るといった様子で聞くと、魔緒流が答える。

「そりゃ、魔女全員だよ!幸いまだ不老不死の話は漏れてないから殺到して来ないけど、いずれ漏れたらまず魔女がサンプルにする為に殺到します!

…てな訳で喜一と、陽炎ちゃんだっけ?二人には最低限自衛が出来るようになってもらいます!」

魔緒流がそこまで言った時点で、喜一は口を開く。

「…全員への話は以上!あと魔緒流の奴がしばらく鎮守府に泊まるから誤爆注意!」

 

 

 

解散した後、陽炎が喜一に近づいてきた。

「…ねぇ、『自衛できるように』って何をやらされるの?」

「知らん。仕事が一通り片づいてからやる事にはなってるが…」

そう言い、喜一は執務室に向かい。

 

 

 

降ってきた爆雷で陽炎もろとも爆死した。

爆風を障壁で防ぎ、復活するのを見ていた魔緒流が口を開く。

「…なるほど、死ねないわけだ。状態復元で血液中の魔力を消費はしてるけど倍以上の勢いで魔力が回復してる」

「…つまり?」

「二人は何回死んでも復活するって事」

ガクリ、と喜一は肩を落とした。

 

 

数分後、起き上がった喜一は執務室へと足を向けた。

 

執務中。

「…そういや昨日、建造しようって話になったんだったか」

「そうね。明石さんか夕張さんに資材の量を指定して言えば大丈夫ね。やってこようか?」

「頼む。とりあえず軽巡2隻、重巡1隻を目安で建造してくれ」

「はいはい、行ってくるわ」

…ガチャ、と陽炎は扉を開けて爆殺された。

 

「…悪いな、たまには俺が仕掛けてみたかったんだ。妖精さんが10分でやってくれたぜ」

「アンタねぇ!」

直後、キレた陽炎がぶん投げたドアノブが喜一の顔面にめり込んだ。

 

他には。

「ご主人様ー。イタズラには引っ掛かりましたか?」

「昨日引っ掛かって撤去した」

「ご主人様のケチー!」

漣が走り去ったり。

 

「提督。企業から安全装置のテストに協力してくれと催促の電話です」

「…『落ち着くまで1ヶ月位無理』って伝えて」

「わかりました」

電話片手に大淀が訪ねてきたり。

 

そして、しばらく経って18:00。

「さて、んじゃとりあえず今日は得物の出し入れを出来るようになってね!」

業務終了後、喜一と陽炎は魔緒流に連れられて運動場に来ていた。

「…俺は一応得物は出せるんだが?」

「二回教えるのもメンドイから今日は待ってて」

そう言われ、喜一は肩をすくめた。

そして、魔緒流は陽炎に向き合う。

「…じゃあ、陽炎ちゃん。まずは集中してみて。流れが感じられる…」

筈、とは続かなかった。

 

シャッ!と陽炎が腕を振るうと、その手には鉄棍が握られていた。

「こうでしょ?」

「…よく教えてないのにわかったね」

「俺と同じく、勘じゃねえの?」

喜一が尋ねると、陽炎は首肯した。

そして、手の鉄棍を持ち上げ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全力で喜一に振り下ろした。

喜一は手首を振るって剣を取り出し、鉄棍を受け止める。

 

拮抗した状況に、魔緒流が口を挟む。

「…とりあえず、理屈の話をしようか。魔女は自分の武器を1つ、自分の中の異空間みたいなとこから出し入れできるんだよね。『魔法の得物』って呼んでるんだけどさ。私は箒、喜一は剣で陽炎ちゃんはその鉄棍。んで、注意点として魔力がない相手には『魔法の得物』は威嚇にしかならないよ!」

「…なんで?」

「わかんない。魔力同士の反発作用とか魔力抵抗の有無とかって色々言われてるけどね」

疑問に思った陽炎が尋ねたが、どうやら魔緒流にもわかっていないようだった。

「ともかく、得物の出し入れは出来るみたいだし、ちょっと踏み込もうか。

次は硬化について!」

そう言うと、魔緒流は箒を握る。

「頭で受けてね!」

そして、喜一に振り下ろす。

言われた通りに頭で受けたが、特に何も起こらない。痛いだけだ。

「…で?」

「焦らない焦らない。

…んで、硬化を使うと、こう!」

そう言いつつ、もう一度魔緒流は箒を振り下ろす。

同じように喜一は頭で受け。

 

 

 

 

 

 

頭が弾けとんだ。

 

復活するのを待ってから、魔緒流は口を開く。

「魔力を武器とか自分の体に流す、っていうのが一番シンプルな硬化の方法だね。他にも術式を組んだりする手段もあるけど、こっちは魔女専用だから喜一と陽炎ちゃんには使えないよ」

「使えないって、なんで?」

「私たち魔女は、普通の人とは少し違うんだよね。魔力に対する適正とか。その辺の関係で、『得物の出し入れ』とか『魔力を流す硬化』は魔力さえあれば誰でも出来るけど、術式を発動させるのは魔女じゃないと出来ないんだよね」

「…複雑だな。その辺の事情」

喜一があきれたように呟いた。

 

 

…その晩、喜一と陽炎は特訓中に硬化し損ねて3回ずつ相手の得物に殺された。




喜一の本日の死因
爆発 3回
箒の柄 1回
鉄棍 3回

陽炎の本日の死因
爆発 3回
剣 3回

フリーダムキャラって作者に認識されだした魔緒流さん。
ちなみに建造結果は次回に。
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