艦隊これくしょんー死ねない提督と元ブラ鎮 作:ゆっくりRUISU
魔緒流による喜一と陽炎の特訓開始翌日。
朝の爆死と朝食後、喜一が書類を捌いていると、執務室の扉がノックされた。
「司令、新しく建造された子を連れてきたわよ」
「…やっべ、忘れてた。入ってくれ」
喜一がそう言うと、陽炎は扉を開けて新しい艦娘と共に入室した。
「あの………軽巡洋艦、神通です。どうか、よろしくお願い致します……」
「艦隊のアイドル、那珂ちゃんだよー。よっろしくぅ~!」
「貴様が司令官か。私は那智。よろしくお願いする」
「…これはまた、ピンポイントに狙った艦種が来たな。
この鎮守府の提督をしてる永谷喜一だ。そっちは秘書艦の陽炎。ここは幾つか普通と違うが、まぁ慣れてくれ」
そう言うと、喜一は立ち上がって、陽炎に言う。
「んじゃ陽炎、色々案内してくる」
「行ってらっしゃい。何回死んでもいいけど3人をいきなり怪我させないようにね」
その言葉に、神通と那智は疑問に思ったようだった。…ちなみに那珂は気にもしていなかった。
とりあえず、と喜一は執務室から顔を出して。
「待ってましたぁ!」
「奇襲でメシウマっ!」
「出待ちっ!?」
朧と漣に頭を撃たれた。
その光景に神通は悲鳴を上げ、那智は咄嗟に艤装を展開し。
「…ん?あぁ。司令は気にしなくていいわよ?って、もう復活してるし」
「そりゃあな。見た目派手だがダメージは割と少ないからな」
…神通と那珂、那智は思考がオーバーヒートした。
その後。
「いやすまんな。慣れたせいで『死なない』っていうのを伝え忘れてた。
ついでに言うと俺を殺しに来るのはそう指示してるだけだから気にしないでくれ」
「…普通と違うと言うのは、その事か?」
那智が呆れたように尋ねる。
「まあ、すぐに影響するのはな。
…っと、魔緒流の奴も紹介できたら紹介しとくか」
「まおる?難しいお名前!そんなんじゃアイドルとして覚えてもらえないぞー!」
「呼んだ?」
「唐突だな相変わらず!」
いつのまにか後ろにいた魔緒流を、喜一は全力で蹴りつけた。
「…こいつは娘乙華魔緒流。俺の知り合いの魔女だ」
「魔緒流って気楽に呼んでねー」
「ちなみにこいつ百歳は越え…」
「ぃよいしょぉ!」
「ホームランっ!?」
喜一が魔緒流の年齢の話を出そうとした瞬間、魔緒流は箒の柄で喜一の首を吹っ飛ばした。…当然だが魔緒流は箒の柄を硬化させている。
「まったくー。女の子の年齢をバラすなんてタブーの中のタブーだぞ?」
「悪い魔緒流、その口調やめろ鳥肌が立つ」
「プロデューサーさん、そんな事言わないでよー。女の子から可愛さを取っちゃったら、何も残らないんだぞー?」
「実際こいつは女の子ってか年増…」
「「どっこいしょぉっ!」」
「仲良いな!?」
魔緒流が喜一の頭を箒で叩き潰し、那珂が魚雷で喜一を爆殺した。
「…魔緒流はともかく、いきなり爆殺してくるとは。…この那珂、出来るっ!」
「プロデューサーさん!
那珂じゃなくて、那珂ちゃんって呼んで!」
「あー、私も那珂ちゃんって呼んでいい?」
「いーよ!その代わり那珂ちゃんも魔緒流ちゃんの事『マオちゃん』って呼ぶね!」
「…ごめんなさい、ツッコミのやり方も手順もわかりません」
「…諦めよう」
ハァ、と神通と那智はタメ息をついた。
…で。
「多少話が逸れたが、案内の続きをしようか。そっちが寮。デカイがだいたい空き部屋ばっかなのは天龍辺りにでも聞いてくれ」
「…あの、規模の割に艦娘が少ないのは…?」
「…沈んだからだな。前任者が無茶な作戦を組んだって聞いたが、詳しくはやっぱり天龍辺りに聞いてくれ」
神通の質問に、最低限返しながら喜一は次の案内場所に向かった。
「んで、ここが工廠でっ!?」
喜一が工廠を案内しようと足を踏み入れた瞬間、喜一に再び電流走る。
「またか!?アバババババババッ!」
「すいません!高圧電流注意です!」
言いつつ、夕張はブレーカーを落とす。
…電流は慣れてないんだよ、と喜一は呟いた。
「…ここが工廠だ。タイミング悪いとさっきの俺みたくなるから入る時には注意な」
コクコクコク、と3人は猛烈な勢いで頷いた。
「…んじゃあ、次行くか」
そう言って、喜一は工廠を出て。
「沈め!」
「血の海にか!?」
不知火の落としたドラム缶(コンクリ詰め)に潰された。
…そんなこんなでどうにか案内を終えて、夜。
「んじゃ、今日も特訓するよ。硬化は昨日である程度慣れたみたいだし、筋力強化をやるよ!」
「…筋力強化?司令は知ってる?」
「いや、知らん」
陽炎と喜一が疑問符を浮かべていると、魔緒流が口を開いた。
「筋力強化は、硬化と似たようなやり方だけどね。硬化は魔力を流すだけなんだけど、筋力強化は魔力を溜める必要があるんだよね。ちょっと実演するね」
そう言って、魔緒流は箒を振り上げる。
「まずは、これが硬化だけ!」
そして、地面をぶっ叩いた。
叩かれた地面は、僅かに陥没している。
「…そして、今度は筋力強化と合わせるよ!」
数秒溜めてから、魔緒流は再び地面を叩き。
派手に地面が陥没した。
「…マジか」
「まぁここまで派手な強化はあんまりしないんだけどね。普通に術式組む方が早いし、わざわざ強化しなくても攻撃する手段はあるからね。んじゃあ試しに、まず喜一から腕に魔力を溜めてみて」
言われて、喜一は腕に魔力を溜め始める。
数秒で、なんとなく腕が熱くなり。
更に数秒で、腕が弾けとんだ。
数分経って復活してから喜一は尋ねた。
「…なんで破裂したんだ?」
「魔力の溜めすぎ。かなり勢いよく溜めたでしょ?だから作用量から限界量まで、ドバーッ!って行っちゃったんだよね。近いイメージは水風船かな?水を入れて膨らますけど、入れすぎちゃうと破裂しちゃうの。てな訳で、二人にはこの魔力量の調整をマスターしてもらいます!
今日中とは言わないけど、最低限これともう一個は覚えてもらうからそのつもりで!」
…この晩、喜一と陽炎は5回程爆発した。
本日の死因
爆発 8回
頭部損壊 3回
感電 1回
圧壊 1回