遊戯王VRAINS また君と笑いあえるその日まで   作:襷木綿

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13話

「結局 独りぼっちか。」

トロイメライから出てきた僕はそう思った。

辛くて寂しい、そう思う。

イヴちゃんから託された1枚のカードを新たなデッキに入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、行くよ。 もう一つの軌跡(デッキ)よ。」

新たなデッキを持ち、僕はVRAINSへとたどり着いた。

欠陥されたデータがとある方向へと向かっている。

僕はその方向にハノイの塔があると睨んで走っていた。

「ねぇ、木綿。僕がしてきた事で良かった事って一つでもある?」

 

「ない…よ。」

 

「なら、今からでも遅くない。誰かの為に力を使うんだ。」

 

『結局、独りぼっちだったんだから。』

少年の声が木霊する。

 

僕はデュエルを愛していた。でも、この世界に転生してからデュエルは

当たり前になって手段となった。楽しいという感情は忘れ去った。

僕はこんな世界を望んでなかった、辛い寂しい。

僕にはイヴちゃんがいる。そう思いたい。でも、いつか僕も

死ぬだろう。イヴちゃんは1人ぼっちになってしまう。

 

 

「イヴちゃん、僕はどうすればいいの?」

 

「君がしたいと思う事をすればいい。私は貴方とともにあるから。」

 

「僕がしたい事、それはデュエルだ。楽しんでデュエルがしたい、葵ちゃんとも

楽しんでデュエルがしたい。」

イヴちゃんの声は聞こえなくなった。

 

「立ち止まるな、前を向け。」

誰でもない声に導かれるように僕は走った。

 

 

 

VRAINSに戻ってからどれぐらい走ったのだろうか、30分ぐらい走った気もする。

デュエルをしている音が聴こえてきたので、僕がその方向へと進むとブルーエンジェルと

スペクターがデュエルをしていた。

「これで終わりです。墓地のサンブルーム・フューネラルを除外して効果発動。このターンに発動された魔法・罠以下のレベルのモンスター全てを破壊します。破壊したモンスター1体につき500以下のダメージを受けてもらう。」

ブルーエンジェルが風に乗って飛ばされていた。あのまま落下したら、現実世界の葵ちゃんまで精神的ダメージが当たってしまう。

 

僕は何とか受け止めようと走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「独りぼっちな僕は君にいつも励ましてもらった。何処までいけるのかな。

無くした思い出。消え去っても心には残っている。」

 

僕は何かに導かれるように止まった。

上を見て、僕は自ら下敷きとなってしまった。

 

 

「痛て。大丈夫?、ブルーエンジェルさん。」

 

「えっと…貴方は誰?」

 

「誰って…僕は。」

この時は僕は知らなかった、誰にも教えていないアカウントがあったという事を。本来ならVRAINSは複垢を禁じているがデッキを変える事によって作る事が出来る。

まぁ、見つかれば垢BANされるのは目に見えているが僕は気にしない。

 

「僕はモータル。」

思わず口にした。何処か懐かしい名前だったけど、それが何かは思い出せない。

 

 

 

 

 

「スペクター、僕とデュエルしろ。僕が負けたら進んでハノイの塔の一部となろう。その代わり、僕が勝ったら葵ちゃんの意識データを返せ。」

 

「ほう、そこまで言っても私にメリットあるんですかねぇ?」

 

「ハノイの塔の一部になるだけじゃ駄目なの?」

 

「それなら、全てをかけましょうか。」

パチリっとスペクターが音を鳴らすと現実世界で昏睡状態になっている誰かがいた。

「えっと、それは誰?」

 

「誰でもいいのです。私は貴方をぶちのめしたいだけなのですから。」

 

「「デュエル。」」

 

「私の先行。聖種の地霊(サンシード・ゲニウス・ロキ)を召喚する。そして、聖種の地霊(サンシード・ゲニウス・ロキ)を素材にリンク召喚。現れろ、聖天樹の妖精。カードを2枚セットしてターンエンドです。」

 

 

 

 

無 無 無 無 無

無 伏 無 伏 無

 

 

「攻撃力0、絶対に何かあるはず。僕のターン、ドロー。手札から魔法カード オルフェゴール・プライムを発動。ディヴェルを墓地に送って2枚ドローする。」

 

「ほう、手札増強のカードですか。」

 

「手札から終焉の騎士を召喚。デッキからオルフェゴール・スケルツォンを墓地に送る。そして、墓地のディヴェルの効果を発動。自身を除外して

デッキから同名以外のモンスターを特殊召喚出来る。現れて、オルフェゴール・カノーネ。」

カノーネはこのデッキで唯一機械複製術に対応しているカード。だけど、手札に

機械複製術はない。

 

『顕れろ、世界を絶望に照らす収縮回路 召喚条件はオルフェゴールモンスターを含む2体。カノーネと終末の騎士をリンクマーカーにセットする。リンク2 オルフェゴール・ガラテア。」

伏せカードが怖いと感じていた。

 

「ガラテアの効果、ディヴェル(除外された機械族1体) をデッキに戻してオルフェゴール魔法・罠をセットする事が出来る。僕はオルフェゴール・アタックをセットするよ。そして、ターンエンド。」

 

「攻撃はしないのですか?」

スペクターが煽りをかけてきた、でも煽りには乗らない。

「ならば、罠カード発動。聖蔓の埋葬(サンヴァイン・ベリアル)を発動、オルフェゴール・アタックを破壊させてもらいます。そして、罠なのでデッキからも除外します。」

僕の場の防御札がなくなってしまった。次のターン、どうやって防げばいいんだ。

 

「私のターン、ドロー。手札を1枚墓地に送り、永続魔法 聖蔓の社(サンヴァイン・シュライン)を発動します。1ターンに1度、自分の墓地からレベル4以下の植物族通常モンスターを

蘇生します。現れろ、聖種の地霊(サンシード・ゲニウス・ロキ)

聖天樹の妖精と聖種の地霊(サンシード・ゲニウス・ロキ)をリンクマーカーのセット、

現れろリンク2聖天樹の精霊(サンアバロン・ドリュアデス)。」

木が成長したのか。

 

聖天樹の精霊(サンアバロン・ドリュアデス)が場に出た時、デッキから僕はオルフェゴール・スケルツォンを墓地に送るよ。」

スケルツォンは墓地の自身を除外する事で墓地からオルフェゴールモンスター1体を

蘇生出来る。

 

「カードを1枚伏せてターンエンドです。」

 

「僕のターン、ドロー。手札からメカ・ハンターを召喚。メカ・ハンターをガラテアをリンクマーカーにセット、サーキット・コンバイン。リンク3 オルフェゴール・ロンギルス。」

 

『ねぇ、遊巳。ついに俺を呼び出してくれたか。』

イヴちゃんの為、葵ちゃんの為に僕はスペクターに勝たなくてはならない。

だから、力を貸してくれロンギルスさん。

 

『俺の力は君の物だ、君が妹の為に戦ってくれるのが嬉しい。』

 

「僕は墓地からスケルツォンを除外してオルフェゴール・ガラテアを特殊召喚。そして、

カノーネを除外して現れろ オルフェゴール・ディヴェル。除外されている機械族モンスター

2体を除外して聖天樹の精霊(サンアバロン・ドリュアデス)をデッキに戻してもらう。」

 

『そのまま攻撃だ、遊巳。』

 

「バトルだ、オルフェゴール・ガラテアでダイレクトアタック。」

スペクターは冷や汗を見せた。

「だが、私を倒す為には程遠い。伏せカード、聖天樹の輝常緑(サンアバロン・グローリアス・グロース)を発動。まずは聖蔓トークンを呼び出しリンク召喚、現れろ 聖天樹の妖精。戦闘ダメージ分回復し、その分君にダメージを受けてもらいます。」

遊巳

4000→2200

 

「僕はターンエンド。」

 

 

 

「では、止めを指してあげましょうか。ドロー、聖蔓の残照(サンヴァイン・ルーカス)

を発動、このカードは自分フィールドの聖天樹と相手フィールドのモンスターを素材を墓地に送る事でリンク数の合計のリンクモンスターの特殊召喚を行える。我が聖天樹とロンギルス

により出でよ。聖天樹の大母神 。」

 

「いきなり、リンク4。」

 

「この姿を見た貴方はこのデュエルに敗北する。私は死者蘇生を発動、甦れ。聖種の地霊(サンシード・ゲニウス・ロキ)。そして、ロキを素材にリンク召喚。現れろ、聖蔓の剣士(サンヴァイン・スラッシャー)

。そして、攻撃力は聖天樹のリンクマーカー×800となる。

よって、攻撃力4000だ。」

 

「なら、伏せカード 星遺物からのを解放を発動。

ガラテアとオルフェゴール・でディヴェル でリンク召喚。

現れて、トロイメア・フェニックス。そして、手札を1枚捨てて、聖天樹の輝常緑(サンアバロン・グローリアス・グロース)を破壊。」

 

 

 

 

 

「ごめん、イヴちゃん。貴方の力を借りるよ。

手札から星遺物ー『星槍』を捨てて攻撃力3000ダウンしてもらうよ。跳ね返せ、フェニックス。」

 

スペクター

Lp4000-300=3700

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕はスケルツォンを除外してガラテアを蘇生。現れろ、悲しみを奏でるサーキット。フェニックスとガラテアをリンクマーカーにセット。現れろ、オルフェゴール・オーケストリオン。

 

僕はあえて聖天樹のリンク先にこのモンスターを出した。

 

「さぁ、破滅を奏でよう。自分の除外ゾーンからスケルツォン・ガラテア・

をデッキに戻す。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「死にたくたって、いつだって君はいた。」

泣いたあの日だって、僕が解放されたあの日だって。

そうか、そうだったんだね。

僕は自分のデッキにある1枚のカードを出した。

それはイヴちゃんと僕を繋げるたったひとつの鍵だった。

「ねぇ、僕がした事は間違っているかな?」

風がVRAINSに吹き始めた、風は行き先を示していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君は何処か、勘違いしていないかい?

 

なにを。

 

 

 

僕は自分に繋がっていたコードを確認する。

そばにはイヴちゃんがそこにいた。

ーー ーーー

「ねぇ、やっぱり現実世界っていいわぁ。」

 

「そう?さて、行こうか。ハノイの本拠地へと。」

少年と少女はそれぞれ己の武器を持って闇へと進んでいった。

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