遊戯王VRAINS また君と笑いあえるその日まで 作:襷木綿
波に乗って現れたのは
「プレイメーカー、デュエルは楽しかった。」
でも引いたカードは今は使えない。
「僕はターンエンドだよ。」
『スキル失敗か、珍しいな。』
「俺はサイバース・ウィザードを召喚。バトル、デコード・トーカーでトロイメア・ユニコーンを攻撃。」
遊巳
3200→900
「受けるよ。」
「そして、サイバース・ウィザードでトドメだ。」
僕は即座にログアウトする。了見さんにどういう風に連絡しようか悩んでいるところでメッセージがきて受け取る。
「負けた償いは受けてもらおうと思ったが気が変わった。」
それだけのメッセージだったけれど少し不安が脳裏に過ぎる。
僕は時計を確認した。学校には休むという連絡を1つもしておらず、そのまま休むか悩んでいた。
世間ではまだ3時間目の時間だった。
『遊巳、寝てるのか?』
「寝てないよ、EI。今は独りにさせて。」
EIは常に扉をノックする。
ノック音が煩くて僕は耳栓をした。
「うるさくない場所が欲しいよ。」
『
「なんて、EI。」
結局耳栓を取る事になる。
「煩い場所は今の時代何処にもないって。しんどいなら休みなよ。」
そういうとノック音は鳴り止んだ。
「暦ちゃん、起きてる?。」
「起きてるよ、今宵君。」
「そろそろ遊巳と接触するか。」
「あの子はまだ、何も思いだしてすらいない。彼に…彼を悪夢から覚めさないと」
「ねぇ、遊巳。」
「どうしたの?さよちゃん。」
彼女の目が赤く光る。
「君を私の手で殺させてほしいんだ。」
さよちゃんは刀を持っていた。
「え、これってどういう事?」
さよちゃんの手から無数の刀が現れる。
「こ、怖いよ。刀を閉まってくれない?」
「大丈夫、君は怖くないから。」
「怖いって。」
さよちゃんの目がぐるぐると回り始める。
「こ、これ以上僕はボクハぼくは。悪夢を見たくない。」
悪夢は寝なければ見ないはずなのに、今見てるのはなんだ。
これは夢でなければ現実、現実でなければ夢。
さよちゃんの刀は僕自身に当たる事はないけど
それでも怖い。
「ちょっと待った。大丈夫?随分と冷や汗かいてるけど。」
「君は誰?」
「私は暦。貴方の味方だよ、君はアナザーウィルスに感染してる。自覚がないだけなんだろうけど。」
アナザーウィルスが何かがわからないけど、おそらく感染症なんだろうか。
「暦さん。どうすれば治るか知っているの?」
「それはわからない、でも創星神の力を借りればまだ力はあるはず。」
「創星神?」
「ふーん、今は君は忘れているんだね。私は貴方に力を貸す。から、私の協力もしてほしい。」
暦と名乗る少女はそう言った。
彼女の手には小さな光が握られていた。
今見てるのは現実と夢の狭間、そう僕が見始めている悪夢は序章に過ぎない。
サヨちゃんがした行動は悪夢によってそう見えていただけなんだろうか。
僕の左耳の感覚は徐々に失われていく。
僕は全ての事件に巻き込まれていた事にまだその時は知る由もなかった。
アナザーウィルスって心の中でそれが起きてほしくないとか
そういう夢を見させるウィルスなのかな。
次回予告
半分悪夢から醒めた僕の前に
葵ちゃんが姿を表す。普段よりしんどそうにも
見えるがぼくたちはデュエルをする。
次回
孤独という闇を背負った少年