【お試し連載】フューチャーカードバディファイト ~炎の剣士の輝跡~   作:巻波 彩灯

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 近日公開って、一体どれぐらいの事を指すのでしょうか……? 宣言してから約2ヶ月が経つのは確実に近日ではないですよね……?
 皆さん、お久し振りです。無能で無脳な作者、巻波です。この度は大変更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
 本当に執筆するとエネルギーがえらいぐらい削れてしまい、こまめに書けません。こんなのは言い訳ですね。コンスタントに更新出来る方は本当に凄いなと思います。

 昨年、身内に不幸があって新年からドタバタしていました。その中でバンドリ24時間マラソンを一睡も眠らず完走したり、神バディワールドやグレムリン・Kの10勝ファイトなどに参加したりとしていました。他にも色々とありますが、近況報告は以上です。

 新年明けてからの最初の更新です。では、また後書きにて会いましょう。


アナザーエピソード:東京編
第1話:闘いの中で真実を知る者


「ここはどこだ?」

「俺も分からない。ただ……ここも東京だと思いたいがな」

 東京の某所――昼間だというのに誰もいない公園で一人の少年と一匹の竜が道に迷っていた。

「まだファイターにも会っていねえし、道はよく分からねえし、どうなっていやがるんだよ……」

「ファイターはともかく、道はスマホ持ってんだから地図見れるだろ?」

「俺が地図読めねえの知ってんだろ」

「そうだな。だから、こんな事になっているんだったな」

 竜は諦めたかの様な口調で言った。しかし、少年は特に気にせずどこに強い“ファイター”がいるかと辺りを見回す。

「誰もいねえ……」

「そうだな、奇妙に静か過ぎるな。まるで嵐が来る静けさみたいで嫌なもんだ」

 竜がそう言うと一人の青年がやって来た。丸刈り頭で背が高い男が、目元を非常に険しくして何かを探している。またどこか禍々しいオーラを放っている。

「おい、あれファイターじゃねえか?」

 少年は目を強く輝かせながら言う。竜の方は警戒している様で険しい顔付きになった。

「いや、何か様子がおかしい。あまり関わらない方が――」

「よし、ファイトしに行くぜ!!」

「どうしてそうなるんだよ……」

 少年は早速その青年に話し掛ける。青年は何かを物色しているかの様な目で少年を見る。

「おい、お前! ファイターだろ? 俺とファイトしろよ!」

「…………」

 青年は無言で少年をじっと見つめていた。しかし、興味を失ったのかすぐさま顔を逸らし、探索を続ける。

「何だぁ? 変な奴だな……」

「そんな変な奴に話しかけるお前も相当変だと思うぞ?」

 竜は冷静に青年を観察しながら、少年にツッコミを入れる。その顔は険しい。

「まあ、ファイトすりゃ分かんだろう。って事でファイトするぞ!」

「お前らしい考え方だな……仕方ない、乗るか」

 少年は再び青年に声を掛けると今度は自分のデッキケースを相手に向けて差し出した。

「俺とファイトしろ!」

「……お前、名前は……?」

「んあ? 俺の名前か? 俺の名前は相楽闘真だ! そんな事よりファイトしようぜ!!」

「探していたものとは違うが……まあ、良い。さっさと片付けやる……!」

 青年はそう言うとデッキケースを取り出す。そのデッキケースは禍々しいオーラを纏っていた。

「気を付けろ、闘真。やっぱりこのファイター、何かおかしいぞ」

「へっ、そんな事知るかよ! 行くぜ!!」

 少年もとい闘真と青年のファイトが今、始まる――!

 

 

「俺の全力を以って、お前の心の声を聞く! ルミナイズ、『ファイト・オブ・デュオローグ』!!」

「止まらぬ赤い閃光がお前の未来を奪う! ダークルミナイズ、『レッドシフト・スティール』!」

「「オープン・ザ・フラッグ!!」」

「ドラゴンワールド!」

 闘真の手札:6/ゲージ:2/ライフ:10/バディ:超武装騎竜 ザンバソード・ドラゴン

「スタードラゴンワールド!」

 青年の手札:6/ゲージ:2/ライフ:10/バディ:超赤偏 スペクトル“Dark Side”

 

「俺が先攻だぜ! チャージ&ドロー!」

 闘真の手札:6→5→6/ゲージ:2→3

 

 ドローしたが欲しいカードが引けなかった様だ。しかし、焦っていても仕方が無い。それにまだ1ターン目である。まだまだこれからだ。

「行くぜ! ライトに『Wピコピコハンマー・ドラゴン』をコールだ!」

 闘真の手札:6→5/ライト:Wピコピコハンマー・ドラゴン

 ライト:Wピコピコハンマー・ドラゴン/サイズ0/攻防2000/打撃1

 

 その名の通り、両手にピコピコハンマーを持った小さい青い竜が現れた。元気良くピコピコハンマーを振り回している。

「アタックフェイズ! Wピコピコハンマーでファイターでアタックだ!」

「了解! くらえ~!!」

 Wピコピコハンマー・ドラゴンはファイターに向かって勢い良くピコピコハンマーを振り下ろす。あまり威力はなさそうだが、これも立派なモンスターの攻撃だ。

「これは受ける……」青年のライフ:10→9

「ここでWピコピコハンマーの効果を使うぜ! Wピコピコハンマーをドロップゾーンに置く事で俺のゲージを+1!」

「オイラの最大の出番だな! 後は頑張れ、闘真!!」

「おうよ!」

 闘真のゲージ:3→4/ライト:Wピコピコハンマー→なし/ドロップ(武装騎竜の種類):0→1

 

 Wピコピコハンマーはその場から消失し、闘真のデッキの上から1枚のカードが導かれる様にゲージに置かれる。

「これで俺のターンは終わりだ!」

 闘真の手札:5/ゲージ:4/ライフ:10

 

「オレのターン、ドロー、チャージ&ドロー!」

 青年の手札:6→7/ゲージ:2→3

「まずは『超星骸 スターレムナント』をレフトにコール!」

 青年の手札:7→6/レフト:超星骸 スターレムナント

 レフト:超星骸 スターレムナント/サイズ0/攻防3000/打撃1

 

「気を付けろ、闘真。初手からかなり飛ばして来るかもしれん」

 相棒の竜――ザンバソードはまだそこまで相手の場が整っていないのにも関わらず、かなり警戒している。しかし、これだけでは終わらないと思うのは当然だ。

「へへっ、それはそれで楽しみじゃねえか!」

 闘真は全くと言って良い程、警戒した様子を見せない。これから相手が行動をするのか楽しみで仕方が無いといった感じで笑みを浮かべていた。

「次に『超未来竜 ドラム・ザ・ネオ』をセンターにコール! レフトにいるスターレムナントの効果で《ネオドラゴン》の[コールコスト]に書かれているゲージを1減らすから、払うゲージの枚数は1枚になる!」

 青年の手札:6→5/ゲージ:3→2/レフト:スターレムナント/センター:超未来竜 ドラム・ザ・ネオ

 センター:超未来竜 ドラム・ザ・ネオ/サイズ2/攻防5000/打撃3

 

「なっ! コストが軽くなっただと!?」

 この様子にザンバソードは驚きを隠せない。コストが軽くなるという事はより強力なカードを出しやすくなるという事だ。厄介な事態なのは確実に分かる。

「……出来るだけ早目に終わらせたいからな。『竜装機 タルナーダ』をライトにコール、そしてドラム・ザ・ネオと星合体! タルナーダの効果で《ネオドラゴン》のソウルに入った時、オレのゲージを+1する」

 青年の手札:5→4/ゲージ:2→3/レフト:スターレムナント/センター:ドラム・ザ・ネオ(ソウル:1/タルナーダ)

 

「お、ソウルを増やして尚且つゲージもか……なるほどな」

 闘真は純粋に感心していた。知っている手だとしてもその意味合いは対戦しているファイターによりけり。だから、彼は青年が持っている行動の意味合いを感じ取ろうとしているのだ。

「続いて、ライトに『超源粒 クァンタムルーラー』をコール! クァンタムルーラーの効果でオレの場にソウルが1枚以上ある《ネオドラゴン》がいるから、ゲージを+1してカードを1枚ドロー!」

 青年の手札:4→3→4/ゲージ:3→4/レフト:スターレムナント/センター:ドラム・ザ・ネオ/ライト:超源粒 クァンタムルーラー

 ライト:超源粒 クァンタムルーラー/サイズ1/攻4000/防1000/打撃1

 

 青年の場が整っていく。このターンに終わらせる事が出来なくとも、早いターンで終わらせたいという思いがひしひしと伝わっていく。

 その思いに闘真はもう少し楽しめば良いのにと思っていた。まだファイトは始まったばかりだし、そんなに焦っていても何も楽しくないだろと。

「ここまで来るとかなり壮観なものだな」

 ザンバソードは相手の場を見てしみじみに言う。闘真と比べてかなり警戒心を表に出しているが、歴戦の戦士らしくどこか余裕そうだ。

「ふん、まだあるぞ。オレは『コスモセイバー ダークマター』をゲージ1とライフ1を払って装備!」

 青年の手札:4→3/ゲージ:4→3/ライフ:9→8/青年:コスモセイバー ダークマター/レフト:スターレムナント/センター:ドラム・ザ・ネオ/ライト:クァンタムルーラー

 青年:コスモセイバー ダークマター/攻3000/打撃2

 

 青年の手には不気味な雰囲気を纏った光剣が握られている。まるで闇そのものを表しているかの様だ。

「アタックフェイズ! まず、スターレムナントでファイターにアタック!」

「その攻撃を受けるぜ! ぐわっ!」闘真のライフ:10→9

 スターレムナントの攻撃が確実に闘真の体を捉え、軽々と吹き飛ばす。闘真は受身を取り出来るだけ受けるダメージを減らす。しかし、普段よりも体に響いたのか攻撃で立ち上がる瞬間、少しふらついてしまった。

「闘真!」

「へっ、心配いらねえよ! むしろ、これからだ!!」

 ザンバソードの心配をよそに今度はしっかりと立ち上がり相手を見据える。その瞳の輝きはとても強い。

「さあ、どんどんかかってきやがれ!」

「言われなくとも……クァンタムルーラーでファイターにアタック!」

「これも受ける! ぐおっ!」闘真のライフ:9→8

 クァンタムルーラーの攻撃もその身で受け止めるが、やはり通常のファイトパワーではない攻撃にもう一度吹き飛ばされる。だが、また受身を取りダメージを軽減させ、再び立ち上がる。

 このタフさに相棒のザンバソードは目を見開いていた。いくら闘真が打たれ強くても流石にあのモンスター達の異常な攻撃に耐えられないと思っていたからだ。

「お前、どんだけタフなんだよ……」

「へへっ! ファイトが終わるまでは倒れる訳にはいかないからな!」

「そうかよ。だが、次はヤバいぞ?」

 ザンバソードの言う通り、後には打撃力2のダークマターと打撃力3のドラム・ザ・ネオの攻撃が控えている。先程の攻撃であれだけの威力をファイターに叩き込むのだから、それ以上の打撃力を持つカードの攻撃が当たれば無事でいられる保障はない。

 しかし、闘真はそんな事を気にしていない。これから受ける攻撃にどんな想いが込められているのか、それを感じるのが楽しみで仕方がないのだ。

「……ドラム・ザ・ネオでファイターにアタック! そしてドラム・ザ・ネオの効果でドロップゾーンにあるカードを1枚このカードに入れる! オレはドロップゾーンにある『超赤偏 スペクトルス“Dark Side”』をドラム・ザ・ネオにソウルイン!」

 青年のセンター:ドラム・ザ・ネオ(ソウル:1→2/内容:スペクトルス“Dark Side”)

 

 青年は闘真のタフさに動じず、ドラム・ザ・ネオに攻撃命令を下す。ドラム・ザ・ネオは右手に持っているドリルに模した光剣を闘真に向け、そのまま勢い良く突進していく。

「流石にダメージ3はキツイぜ……キャスト、『ドラゴンシールド 青竜の盾』! ドラム・ザ・ネオの攻撃を無効化にして。俺のゲージを+1だ!」

 闘真の手札:5→4/ゲージ:4→5

 

 ドラム・ザ・ネオの光剣は青い竜の盾によって闘真の体を貫く事が出来なかった。そして、青い竜の盾の力で闘真のデッキの上から1枚がゲージに置かれる。

「なら、ゲージ1を払ってキャスト『スターオルタネート』! ドラム・ザ・ネオのソウルにあるスペクトルス“Dark Side”をゲージ1とライフ1を払ってドラム・ザ・ネオの上に重ねてバディコールだ! 更にデッキの上から1枚をソウルイン!」

 青年の手札:3→2/ゲージ:3→2/ライフ:8→7→8/センター:ドラム・ザ・ネオ→超赤偏 スペクトルス“Dark Side”(ソウル:2→3)

 

超赤偏(ちょうせきへん) スペクトルス“Dark Side”

スタードラゴンワールド

種類:モンスター 属性:ネオドラゴン

サイズ2/攻7000/防6000/打撃1

■[コールコスト]ゲージ2とライフ1を払って、デッキの上から1枚をこのカードのソウルに入れる。

■このカードのソウルが3枚以上なら、このカードの攻撃力+3000、打撃力+1!

■[起動]“レッドシフト!”ゲージ1払い、手札1枚を捨ててよい。そうしたら、このターン中、このカードの打撃力+1し、このカード1枚の攻撃を無効化されない!「レッドシフト!」は1ターンに1回だけ使える。

[貫通]/[ソウルガード]

「お前の目では私を捉える事は出来ても、お前には止める事は出来ない……」

 

 スターレムナントの効果でスペクトルス“Dark Side”の[コールコスト]に書かれているゲージから1枚減った為、ゲージ1とライフ1でコール出来たのだ。更にスベクトルス“Dark Side”のソウルは3枚以上ある為、攻撃力と打撃力が上がる。

 

 青年のセンター:超赤偏 スペクトルス“Dark Side”/攻7000→10000/打撃1→2

 

「なるほど、バディをソウルに入れていたのはここまで繋げる為だったのか」

「悪いが闘真、これは感心している場合じゃないぞ」

 能天気に感嘆な声をあげる闘真と気を引き締めるザンバソード。しかし、青年は二人の様子に注意を向けずに次の指示を出す。

「スペクトルス“Dark Side”でファイターにアタックだ!」

 スペクトルス“Dark Side”は言われた通りに闘真に向かって真っ直ぐ飛んで行き、右拳を躊躇わず闘真の頭上から振り下ろした。

「その攻撃受けるぜ! っ!!」闘真のライフ:8→6

 咄嗟に避けたは良いものの衝撃波が凄まじく、今までよりも派手に吹っ飛ばされてしまった。しかし、持ち前のタフさですぐに復帰する。

 スペクトルス“Dark Side”は拳を引いて元にいた場所に戻っていく。先程まで闘真のいた場所はその攻撃によって大きな穴が出来ていた。直撃していたら……ファイトが続けられなかっただろう。

「へへっ、どうやら物理的にも早目に終わらそうとしてやがるな」

 命の危機に晒されていたのにも関わらず楽しそうに笑みを浮かべて闘真は相手を見る。青年はあまり興味がないのか闘真と視線を合わせようとしない。

「なあ、何でそんなに楽しそうじゃないんだ?」

 闘真は目も合わせようとしない青年に問いかける。しかし、青年はその問いに答えず自分の手にある光剣を構えた。

「最後にダークマターでファイターにアタック! ダークマターは自分のセンターにモンスターがいても攻撃出来る!」

 青年が振るうと、ダークマターの刀身はセンターにいるモンスターをすり抜け闘真に迫っていく。しかし、その刃は闘真を傷つける事はなかった。

「キャスト、『ドラゴンシールド 金竜の盾』! ゲージ1を払って俺が受けるダメージを0に減らす!」

 闘真の手札:4→3/ゲージ:5→4/ドロップ(武装騎竜の種類):1→2

 

 金竜の盾がその攻撃を防ぎ、弾き返した。青年は眉を少し動かすが特に表情を変える事なく体勢を戻した後、構えを解く。

「……ターンエンドだ」

 青年の手札:2/ゲージ:2/ライフ:8/青年:ダークマター/レフト:スターレムナント/センター:スペクトルス“Dark Side”(ソウル:3)/ライト:クァンタムルーラー

 

「へへっ! 俺のターン、ドロー、チャージ&ドロー!」

 闘真の手札:3→4/ゲージ:4→5

「俺も全開で行くぜ! まず、『竜王剣 ドラゴエンペラー』をゲージ1とライフ1払って装備!」

 闘真の手札:4→3/ゲージ:5→4/ライフ:6→5/ドロップ(武装騎竜の種類:2→3)/闘真:竜王剣 ドラゴエンペラー

 闘真:竜王剣 ドラゴエンペラー/攻6000/打撃2

 

 闘真が手にしたアイテムは竜王の魂を宿していると言われている片刃の大剣。彼の闘志に呼応して輝きを増している。

「んで、『D・R・システム』を設置! さらにライトにWピコピコハンマー・ドラゴンをコールして、センターに『ブーメラン・ドラゴン』をコールだ!」

 闘真の手札:3→1/闘真:ドラゴエンペラー/センター:ブーメラン・ドラゴン/ライト:Wピコピコハンマー/設置:D・R・システム

 センター:ブーメラン・ドラゴン/サイズ0/攻防2000/打撃1

 

 再び姿を現したWピコピコハンマー、名前の通りブーメランに似た姿をしているブーメラン・ドラゴン。彼らも気合十分といった様子だ。

「次はキャスト、『ドラゴニック・グリモ』! 俺のライフが5以下だから使えて、俺の手札を全部捨ててカードを3枚ドロー!」

 闘真の手札:1→0→3

 

 新たに引いたカードの中には相棒の姿が。闘真は迷いなく宣言する。

「相棒、出番だぜ! 『超武装騎竜 ザンバソード・ドラゴン』をゲージ3払ってレフトにバディコール!!」

「さてと、暴れさせてもらうか……!」

 闘真の手札:3→2/ゲージ:4→1/ライフ:5→6/ドロップ(武装騎竜の種類):3→4/闘真:ドラゴエンペラー/レフト:超武装騎竜 ザンバソード・ドラゴン/センター:ブーメラン・ドラゴン/ライト:Wピコピコハンマー

 

超武装騎竜 ザンバソード・ドラゴン

ドラゴンワールド

種類:モンスター 属性:武装騎竜/赤竜

サイズ3/攻10000/防6000/打撃3

■君のドロップゾーンに《武装騎竜》が3種類以上あるなら、コールできる。

■[コールコスト]ゲージ3を払う。

■このカードはセンターにコールすることができない。

■このカードが1枚で相手の場のモンスターに攻撃した時、このカードとバトルしている相手のモンスターの能力全てを無効化する。

[貫通]

 

 闘真の隣にいたザンバソードがファイトエリアと移動する。大型モンスターだけあって迫力があり、その手に握っている身の丈程の大剣がまた存在感を強くしている。

「アタックフェイズ! ザンバソードでセンターのスペクトルス“Dark Side”にアタック!」

「早速か! なら、叩き潰すぜ!!」

 ザンバソードは重量ある得物を軽々と片手で扱い、スペクトルス“Dark Side”に振り下ろした。だが、直前に赤い色のバリアが現れる。

「キャスト、『マーズバリア』! 相手の攻撃が連携攻撃でないなら、攻撃を無効化にする!」

 青年の手札:2→1

 

 攻撃を防がれたザンバソードは舌打ちをした後、構え直す。防がれる事は予想していない訳ではないが、やはり攻撃が決まらないと気持ちは良くない。

「相棒の攻撃は通らなかったか……んなら、ブーメラン・ドラゴンとWピコピコハンマーでスターレムナントにアタックだぜ!!」

 闘真は特に悲観せず次の指示を出す。Wピコピコハンマーは先程と同様に両手に持っているピコピコハンマーを元気良く振り回しながら突撃する。

「おらぁ! 行って来い!!」

「合点承知、ぶった切って来るぜ!!」

 ブーメラン・ドラゴンはザンバソードに尻尾を掴まれ、横投げで飛ばされる。二体の攻撃にスターレムナントは為す術もなく倒された。

 

 青年のレフト:スターレムナント 撃破!

 

 その様子に青年は少し眉を顰める。スターレムナントはネオドラゴンをコールする時のゲージを減らす能力があり、尚且つサイズが0という事で手数を増やせるモンスターだ。破壊されたのは少し痛い。

「ブーメラン・ドラゴンの効果でバトル終了時にブーメラン・ドラゴンを手札に戻す! さらにD・R・システムの効果で俺の場のモンスターが手札に戻ったからゲージを+1!」

 闘真の手札:2→3/ゲージ:1→2/センター:ブーメラン・ドラゴン→なし

 

 投げ飛ばされた勢いそのままにブーメラン・ドラゴンは闘真の手札へと戻って行った。すると、元の場所に戻っていたWピコピコハンマーが彼に視線を送る。闘真はその視線を受け宣言。

「後、Wピコピコハンマーの効果を使うぜ。Wピコピコハンマーをドロップゾーンに置いて、ゲージを+1だ!」

「そう来なくっちゃな!」

 Wピコピコハンマーは光となって姿を消し、闘真のデッキの上から1枚がまたゲージに置かれる。

 

 闘真のゲージ:2→3/ライト:Wピコピコハンマー→なし

 

「最後はドラゴエンペラーでスペクトルス“Dark Side”にアタックだ!」

 そう言うと闘真は柄を両手で握り、勢い良く突進する。スペクトルス“Dark Side”は微動だにせず、彼の荒々しい剣撃をその身で受け止めた。

 

 青年のセンター:スペクトルス“Dark Side”(ソウル:3→2)

 

「これで攻撃力も打撃力も下がるだろ?」

 闘真は獰猛な笑みを浮かべ、やや挑発的な口調で言う。

「……そうだな」

 それに対し、青年は淡々と事実を肯定する。スターレムナントを破壊された時と比べて表情に変化がない。

 

 青年のセンター:スペクトルス“Dark Side”/攻10000→7000/打撃2→1

 

「俺のターンはこれで終わりだぜ!」

 闘真の手札:3/ゲージ:3/ライフ:6/闘真:ドラゴエンペラー/レフト:ザンバソード/設置:D・R・システム

 

「オレのターン。ドロー、チャージ&ドロー!」

 青年の手札:1→2/ゲージ:2→3

 

「オレはクァンタムルーラーをドロップゾーンに置いて『竜装機 チャージャー』をライトにコール! そしてスペクトルス“Dark Side”と星合体! チャージャーの効果でゲージ1を払い、カードを1枚ドロー!」

 青年の手札:2→1→2/ゲージ:3→2/センター:スペクトルス“Dark Side”(ソウル:2→3/チャージャー)/ライト:クァンタムルーラー→竜装機 チャージャー→なし

 

「そしてスペクトルス“Dark Side”のソウルが3枚以上になったから、スペクトルス“Dark Side”の攻撃力と打撃力が上がる!」

 青年のセンター:スペクトルス“Dark Side”/攻7000→10000/打撃1→2

 

「次に『超檄星 メテオフォールン』をレフトにコールだ!」

 青年の手札:2→1/青年:ダークマター/センター:スペクトルス“Dark Side”(ソウル:2)/ライト:超檄星 メテオフォールン

 ライト:超檄星 メテオフォールン/サイズ1/攻防2000/打撃3

 

「いよいよヤバいんじゃないか?」

 相手の場のカードを見てザンバソードは少し焦りの色を見せる。闘真のライフは6だがら、相手の攻撃が全て通れば確実に負ける。1枚でも防御カードを引いていれば話は変わるのだが……。

「このターンで確実に終わらせてやる……ゲージ1と手札1枚を捨てて“レッドシフト!”を発動! スペクトルス“Dark Side”の打撃力を+1して、このターン中、このカードの単体攻撃は無効化されない!」

 青年の手札:2→1/ゲージ:2→1/センター:スペクトルス“Dark Side”/打撃2→3

 

 能力を発動したスペクトルス“Dark Side”は全身に赤くも暗いオーラを身に纏う。より確実に相手を倒そうとしているのが良く分かる。

「へへっ、すげえことになってんな」

 闘真は臆せずしっかりと前を見据える。目の奥の輝きは消えることも揺らぐもなく強く真っ直ぐに輝いていた。

「ったく、こんな時も呑気でいられるぜ」

 その様子に相棒は少し呆れていた。流石に今回は状況が状況なだけにその後の想像が容易く焦りを見せてもおかしくもない。

 しかし、彼はその事を気にせず、目の前にあるファイトに夢中になっている。ザンバソードはそれが彼だと改めて理解し、ため息を吐いた。

「かかってこいよ……! 今回は全部受け止めてやるぜ!」

「言われなくとも……アタックフェイズ! スペクトルス“Dark Side”でファイターにアタックだ!」

 スペクトルス“Dark Side”は先程よりも速いスピードで闘真へと向かって行き、その勢いを利用してタックル。

「へへっ、ただじゃ受けないぜ! ドラゴエンペラーの効果で俺が受けるダメージが3以上ならそのダメージを1減らす! ぐっ!」

 闘真のライフ:6→4

 

 闘真はドラゴエンペラーを盾にし、その攻撃を受け止める。だが、受け止めきれず吹っ飛ばされてしまう。それでもまた立ち上がった。

「へへっ、流石に何度も重いのをもらうとキツイな……」

 と言いながらもどこか楽しげだ。ファイトが楽しくて仕方がない、変わらぬ心境。

「……何でそうまでもして立ち上がれる?」

 対して青年は何度も立ち上がる闘真に苛立ちを隠せないでいた。早く決着をつけたいと思っているからというのもあるが、心の底で何かが引っ掛かり彼本来の感情が表に出ている様にも見える。

「決まってんだろ、バディファイトが楽しいからだ!」

 闘真は胸を張って言う。実に彼らしい理由だ。

「なら、一生バディファイトが出来ない体にしてやる……! メテオフォールンでファイターにアタック!」

「これも受ける! ぐおっ!?」闘真のライフ:4→2

 メテオフォールンの攻撃をドラゴエンペラーの力で受け止めるが、やはりパワーが凄まじい。しかし、今度はどうにか踏ん張る事が出来た為、吹き飛ばされる事はなかった。

「なあ、何でお前はそんなに楽しそうじゃないんだよ? せっかく、こんな楽しいファイトをしているってのに何でそんなに苦しそうなんだ?」

 先程、答えが返ってこなかった問いをもう一度口にする。闘真は青年の些細な表情や挙動の変化、そして今まで受けた攻撃に込められた思いを感じ取り、青年が何か苦しそうだと感じていた。

 青年は闘真の言葉に今まで以上の動揺を見せる。心の底にある感情や思いを隠していたのだが、闘真に勘付かれてしまったからだ。

「……別に苦しくなんかない」

 青年はそう答える。だが、闘真は納得していない。

「嘘だろ。お前がどんな事で折れたかは知らないが、それが大切だったんだろ? なのに、それだけが大切だと思い込んじまっている……違うか?」

 闘真は真っ直ぐと青年に目線を合わせて言う。彼の事など完全に理解した訳ではない。しかし、苦しんでいる原因が青年にとって大切なものだと感じていた。

 闘真がバディファイトが大切な様に青年にも大切なものがあった。しかし、青年はそれしか見えなくなり、いつしか周りが見えなくなっていた。

「……何を知った風な口を叩きやがって、オレの事なんて何も知らないくせによ!!」

 青年本来の感情が爆発する。その感情の昂ぶりに呼応する様にダークマターの刀身が更に負のオーラに包まれ禍々しくなる。

「へへっ、ようやくお前の心が聞けたぜ」

 青年の様子に闘真は満面な笑みを浮かべる。彼の言う通り、ようやく心の声が聞けたから満足しているのだ。

「何がそんなに笑えるんだよ……この野郎、すぐに終わらせてやる!!」

 青年は怒り任せにその手に握っている光剣を振るう。負のオーラを纏った刀身は先程より妖しく輝いていた。この攻撃が決まればファイトは終わる。

「へへっ、まだまだ終わらねえぞ! キャスト、『ドラゴ根性!』! 俺に1ダメージを与える代わりに俺のライフを+3だ!! うおおおおおおおっ!!」

 闘真の手札:3→2/ライフ:2→1→4→2

 

 闘真の気迫に応じてドラゴエンペラーの輝きが増し、ダークマターの刃を受け止めては弾き返した。

「宣言通り、全部受けやがったな」

 今まで黙っていたザンバソードが口を開く。そう、闘真は一度も攻撃を無効化にせずダメージも0に減らさずに受け止めたのだ。正直、かなり危うかったが。

「へっ! 根性がありゃどうにかなるもんだぜ」

 闘真は自信を持って言う。ザンバソードは呆れた様な安堵した様なため息を吐いた。こいつは結局こんな奴だったなと思いながら。

「何でそんな強いんだよ……何で立っていられんだよ」

 青年は全ての攻撃が通ったのにも関わらず耐えられてしまった事にショックを受ける。いや、自分にない強さを目の当たりにして目を向けられないと言う方が正しいか。

「そんなの簡単だぜ。まだファイトは終わっちゃいないからだ」

 闘真は青年にもう一度顔を合わせる。とても真剣な目で語りかける。

「だから、諦めるのにはまだ早いぜ?」

 そう言うと先程の真剣な表情は消え失せ、いつもの楽しそうな顔になる。

 青年はそこから何かを感じ取ったのか、とても穏やかな口調で言う。

「……そうか。ターンエンド」

 青年の手札:1/ゲージ:1/ライフ:0/青年:ダークマター/センター:スペクトルス“Dark Side”/ライト:メテオフォールン

 

「へへっ、じゃあ行くぜ! 俺のターン! ドロー、チャージ&ドロー!」

 闘真の手札:2→3/ゲージ:3→4

 

「もう一度、ライトにブーメラン・ドラゴンをコールだぜ!」

 闘真の手札:3→2/闘真:ドラゴエンペラー/レフト:ザンバソード/ライト:ブーメラン・ドラゴン/設置:D・R・システム

 

「闘真、分かってんだろうな。これで決めないと負けるぞ」

 ザンバソードは落ち着いた声音で言った。D・R・システムのもう一つの能力があるとしても決め切れなかった場合、状況によりけりだが負ける確率がグンと上がる。

「分かっているぜ。だが、そればっかりは相手次第ってのもあるぜ」

 その事を理解していない闘真でもない。それでも笑顔を絶やさないのは彼が純粋にこのファイトを楽しんでいるから。ただ、それだけだ。

「そうだな、じゃあ俺の攻撃が無効化されたら腹を括ってくれ」

「当然だぜ。アタックフェイズ! ザンバソードでセンターのスペクトルス“Dark Side”にアタックだ!!」

「っし! 今度こそ叩き潰させてもらうぜー!!」

 言葉を言い終えると同時にザンバソードは己の得物を振り下ろした。刃は分厚いものの潰れてしまっている為、本来の切れ味はなくただその重みを相手にぶつけるのみ。

「ここに来てカードが……! 仕方がない、ソウルガー」

「ソウルガード? 悪いな、俺だけで攻撃した時、俺とバトルしている相手モンスターの能力を全て無効化にするんだぜ!!」

「何だと!? ぐわぁぁぁぁ!!」

 ザンバソードの大剣がスペクトルス“Dark Side”をソウルごと叩き潰し、その衝撃波で青年にもダメージを与えた。

 

 青年のライフ:8→5/センター:スペクトルス“Dark Side” 撃破!

 

「流石は相棒だぜ! ここ一番で決めてくれるとはな!」

「当たり前だ。むしろ、ここで決めなきゃ格好が付かないだろ?」

 攻撃が当たったお陰かザンバソードの表情が明るくなる。先程は無効化されたのもあり少しフラストレーションが溜まっていたのか、かなり陽気だ。

「へへっ、そうだな。次はブーメラン・ドラゴンでファイターにアタックだ!」

「さあ、飛んで行け!!」

「合点承知! もう一回ぶった切ってやるぜぇ~!」

 再びザンバソードに尻尾を掴まれ投げ飛ばされていく。ザンバソードが投げただけあってかなりの勢いで回転し、青年へと向かって行った。

「これも受ける。っ!」青年のライフ:5→4

 ブーメラン・ドラゴンの攻撃をダークマターで受け止める。安全なファイトパワーで行なっている為か、闘真の様に吹き飛ばされる事はなかった。しかし、その攻撃は手が少し痺れるぐらいには重い。

 一方、ブーメラン・ドラゴンは青年に一撃を与えるとそのままの勢いで闘真の手札へと戻って行った。

「ブーメラン・ドラゴンが手札に戻ってきたから、D・R・システムの効果で俺のゲージを+1だ!」

 闘真の手札:2→3/ゲージ:4→5/ライト:ブーメラン・ドラゴン→なし

 

「へへっ、最後は俺だぜ。ドラゴエンペラーでファイターにアタック!!」

 宣言と同時に闘真は青年に斬りかかる。しかし、目の前に現れたバリアが剣撃を阻んだ。

「まだ終わっちゃいないと言ったな……! キャスト、『アースバリア』! その攻撃を無効化にして、オレのライフを+1!」

 青年の手札:1→0/ライフ:4→5

 

「これでこのターン中にお前が勝つ事が出来なくなったな」

 青年は闘真の手札に必殺技があると睨みながらも、自分のライフを見て恐らく条件は脱したと思っていた。

「へへっ、そいつはどうかな?」

 闘真は不敵な笑みで言う。だが、5以上のダメージを与える必殺技はそうそうにない。

 もしかしたら、相手にダメージを与えつつ自分のライフも回復する必殺技を持っているかもしれないが、次の相手のターンに左右されるところもある。やはり、このターンで決めないと厳しいだろう。

「だがよ、ガルガンチュア・パニッシャーでも圏外だ。オレの手札がないとは言え、お前に確実に決められる必殺技なんざないだろ?」

「そうだな、確かにそんな大技そうそうにねえかもな。ファイナルフェイズ!」

 闘真の宣言に青年は身構える。5ダメージも与える大技がないと予想しているとはいえ、他にも必殺技はある。自分の引きの問題もあり、それによっては自分も勝ち切れない可能性もあるのだ。

 しかし、彼は一つ忘れていた事があった。ガルガンチュア・パニッシャーの上を行く、カードの存在を――。

「相手のライフが5以下で互いのセンターが空いているなら、このカードが使えるよな? キャスト、『轟斬!!ガルガンチュア・パニッシャー!』! ゲージ5払って、無効化も軽減も出来ない5ダメージをお前に与えるぜ!」

 闘真の背後に突如現れた火山の火口に巨大な竜の手が突っ込み、これまた巨大な片刃の剣を引き上げる。その片刃の大剣はかなりの熱を帯びており、触ったら火傷では済まされない程の熱さを宿している。

「……確かに諦めるのには、まだ早かったな」

 青年はその様子を見て自分の敗北を悟り、穏やかな表情で見つめる。そして、片刃の大剣が青年に向かって振り下ろされた。直撃した瞬間、辺り一面は炎に飲み込まれ空高く炎の竜が昇って行った。

 

 青年のライフ:5→0

 

「へへっ、良いファイトだったぜ!」

 闘真は青年の方をじっと見つめて、いつもの調子で言った。

 

WINNER:相楽闘真

 

 

 ファイトが終わり周りが静かになった時、先程まで立っていた青年は倒れていた。その傍らには禍々しいオーラを纏ったデッキケースが落ちていた。

「何がどうなっていやがるんだ?」

 いくら『轟斬!ガルガンチュア・パニッシャー!!』のパワーが凄くともファイターを気絶させる程のパワーは出ていない。しかし、青年は気を失って倒れている。不可解だ。

「分からないな……」

 ザンバソードも何が起きてたのか理解出来ない。これまでファイターがファイト後に体調を崩すという場面には何回か立ち会ってきたが、気を失うまでのレベルまではなかった。

 やはり彼の持つデッキケースが何かしらの原因に思える。

「とりあえず、近付くか」

 楽観的に闘真はそう言い、そのまま青年の方へ足を進める。しかし、闘真が近付こうとした瞬間、彼のデッキケースから強大な負のエネルギーが溢れ出してきた。

「離れろ、闘真!」

 先程よりも危険だと状況と判断したザンバソードは闘真の前に立ち、己の得物を構える。

 溢れ出た負のエネルギーが1枚のカードに集中し具現化。スペクトルス“Dark Side”だ。

「どうやら本気でやるしかないみたいだな……!」

 ザンバソードは腹を括る。状況はいまいち理解出来ていないが、分かる事が一つ。ここで奴を止めなければ、相棒が危ない事だ

 スペクトルス“Dark Side”が禍々しいエネルギーを右拳に集中させ、特大のエネルギー弾を放出させた。

「とりゃぁぁぁぁぁあ!!」

 エネルギー弾を大剣で受け止め、野球のバッティングの様に打ち返した。そのままエネルギー弾はスペクトルス“Dark Side”に向かって一直線に飛んで行く。

 スペクトルス“Dark Side”は先程の一撃を放つのに全ての力を使い果たしたのか、微動だにせずエネルギー弾に直撃する。その瞬間、轟音と共に辺りが強い光に包まれた。

「……何とかなったか?」

 光が収まるとザンバソードは辺りを確認する。スペクトルス“Dark Side”の姿はないが、自分の足元から地面が抉れ近くにあった遊具がいくつか歪んでいる。その事から先程のエネルギー弾がどれ程の威力だったのかを示すのには十分だ。

「何だよ、今の……」

 闘真は困惑気味に口を開く。これまでに出会った事のない出来事にただ呆然とするだけだ。

「俺もよく分かっていない。だが、さっきのはヤバかった。それだけは言える」

 ザンバソードは冷静に自分の中で物事を整理していく。しかし、やはり不可解な点が多く上手く整理が付かない。

 そんな時、先程の轟音を聞きつけたのかバンダナを巻いた青年が子供を脇に抱えてやって来た。

 

 その後、青年――『竜騎士 アウラ』というモンスターとそのバディの日向空から闘真達は事情を聞き、ある程度の事実を知った。

 闘真からすれば彼らがバディファイターである事以外は興味がなく、とにかくファイトを持ちかけては実際に対戦をした。結果は闘真の勝利。それでも僅差だったが……。

 轟音を聞きつけた警察やバディポリス、果てはカード管理庁の人間まで来て軽い事情聴取。今回の一件に深く関与している闘真達はカード管理庁の瀬戸翔吾に強制連行され、バディポリス東京本部の方へと足を運ぶ事になった。

 

「今回は訳あってこの場所になった。本来ならカード管理庁の方で事情聴取したかったんけど……」

 通された部屋は小会議室にあたる部屋でそこまで広くはないが、二人で話すのには十分な広さだ。

「まあ、ちょっと詳しく話を聞かせてもらおうか。そこら辺の椅子に座ってくれ」

 瀬戸に促されるまま闘真は適当に席に着いた。瀬戸も机を挟んで闘真と対面する席に座る。

「長話は俺も得意じゃないから、手短に一つ一つ確認するよ。まず君達はあの青年とファイトしたんだよね?」

「ああ、そうだぜ。何度言わせんだよ」

 闘真はファイト時とは全く違い、いい加減な話し方で答える。基本的にファイト以外はやる気を出さない為、真面目に答えない。

「そうか。なら、彼に変わったところはなかったかい?」

 瀬戸は闘真のいい加減な態度に眉一つ動かさず次の質問を言う。これより酷い人間を見てきたから、あまり動じる事はない。

「変わったところ……? あるとしたら、アイツが大切な事で悩んでいた事以外は特に」

 ファイトの事を思い出す。そして真面目に答えた。

「彼の大切な事というのは知っているのかい?」

「いや、知らねえよ。分かる前にファイトが終わっちまったし」

 結局、彼の悩みの根本までは聞く事が出来なかった。しかし、闘真はそこまで気にしていない。また今度ファイトすれば分かると思っているからだ。

「なるほど……じゃあ、話を変えよう。あれだけの被害が出た原因は?」

「それは俺だな」

 ザンバソードが口を開く。そして何が起こったのかを説明した。

「やっぱりあのデッキケースが原因か……繋がっているな……」

「あ? 何が繋がってんだよ? それよりファイトしようぜ!」

 闘真はとにかくファイトしたくてたまらない様子だ。ザンバソードは止める気はない。

 瀬戸は自分が持っている情報をある程度整理すると思考の海から脱する。そして闘真の要求に対してこう答える。

「分かった、卓上で一戦だけなら良いよ」

「っしゃ! なら、準備するぜ!」

 と言って、自分のデッキを取り出してシャッフルをする。相棒もこのファイトには興味があるみたいだ。

「……アイツがいればな……押し付けられたんだけど……」

 瀬戸の呟きは闘真やザンバソードの耳に届く事なく消えていった。

 

 卓上で行われたファイトは瀬戸が勝った。瀬戸が上手く守り切り、逆に闘真の陣営を壊滅させたのだ。

 そしてファイトが終わると闘真達は瀬戸に見送られながら本部を後にした。

 随分あっさりと終わったのは瀬戸があまり深く質問をしなかったからだ。彼らが深く事情を知っている様子ではないと判断し、以前起きた事件の情報と何か共通点がないか探るだけに留めた。

 それに闘真が長時間真面目に話せるとは思っていないというのもあって短めに切り上げたのだ。

 そんな事情なんて知る由もなく闘真達は地元へ帰る為に駅へと歩いて行く。

「やっぱりあの兄ちゃん強かったな!」

「ああ、そうだな」

 卓上であるが望み通りファイトが出来たから、闘真はえらくご機嫌だ。その様子に相棒は苦笑い。

「それにしても、ここどこだ?」

「俺にも分からんな」

「だよな。まっ適当に歩いていけば、その内駅に着くか」

「着けると良いな」

 

 

 日も暮れ、辺りがオレンジ色に変わろうとしている。

 その中を闘真達は地元に帰る為に駅を目指して歩いていた。……そもそも駅がどこにあるのか分からず、現在どこを歩いているのかも分からずに、である。

「全然駅が見えてこねえ……」

 流石の闘真も長時間歩いても目的地が見えてこない為、辟易していいた。

 それもそのはず、彼らが歩いている方向と駅がある方向は正反対にあるのだから、見えてこないのは当たり前である。

「なら、最終手段を使うか?」

 ザンバソードはこのままだと帰れないと思い、闘真に一つ提案する。ちなみに彼が言った最終手段とは闘真の幼馴染を呼ぶ事だ。これで大抵は帰れる。

「それは嫌だ」

 短いがハッキリと拒否する。その返答にザンバソードは無理強いせず、それ以上は何も言わなかった。

 

 それから、しばらく歩くとたくさんの人影が見えた。どう見ても通路を塞いでいる様に広がって立ち止まっている。

 その様子に闘真は舌打ちし、そのまま歩を進めた。ザンバソードは相棒がこれからどの様な行動を取るのか読めた為、それを制止する様に彼に声をかける。

 しかし、闘真はその制止を耳に入れず歩み続け――立ち止まっていた集団の一人を思いっきり蹴り飛ばした。

「痛ぇ!」

 蹴られた人間は当然ながらに痛がっていた。それを見ていた仲間達は闘真に視線を集中させる。

 その視線を闘真は無視し、そのまま通り過ぎようとした。しかし、集団のリーダーらしき人物が立ちはだかる様に彼の前に立って声をかける。

「おい! お前、今何をしたか分かってんのか!?」

「分からねえな、目の前にあったでけえ小石を蹴っ飛ばしただけだろ?」

 闘真は目の前に立っている人物に目を合わせて悪びれずに言う。

「はぁ!? さっき、オレの友達を蹴り飛ばしただろ!」

 目の前にいる人物は少し大人びてはいるが闘真より年下に見える。周りの子供達も小学生ぐらい顔立ちと体格だ。

 その小学生ぐらいの子を蹴り飛ばした闘真は興味ない様子でリーダー格の少年を見つめる。

「知るかよ。てめえら、俺の邪魔すんならまとめて蹴り飛ばすぞ?」

 迷子の上に足止めまでされて、気が短い闘真は我慢の限界だ。鋭い目つきは更に鋭さを増し、話し方も威圧するかの様な話し方になっている。

「闘真、これ以上は暴れるな」

 ザンバソードがとても冷静で穏やかな口調で釘を刺しながらも周りを観察する。

 周りはリーダー格の少年と蹴られてた少年を含めて数人の小学生男子とその男子達と同年代ぐらいの少女が一人が集まっている。そして、まるで少女取り囲むかの様に男子達が立っていた。少女の顔や腕には多人数から暴力を受けていた様な痣が見受けられる。

 この事からザンバソードは悟った。こいつらは少女に対していじめを行っていた最中だったという事を。

「蹴り飛ばされたくなかったら、さっさとそこをどけ! 今俺は機嫌が悪ぃんだよ!!」

 闘真は相棒の忠告を聞き流し、更に小学生達を脅す様に話しかける。……その殆どが自分が原因である事は彼の頭には無い様だ。

「……はんっ! お前なんか全然怖くねえし、蹴り飛ばせるなら蹴り飛ばしてみせろよ!」

 見た目が怖い闘真の脅しに本当に怖くない訳がなく、ビビッて声が震えて裏返っている。

「悪い事は言わないからとりあえずそこをどいてくれ。ただでさえ、通行人の邪魔になっているんだからよ……」

 ザンバソードが正論を言いながら事を穏便に済ませようとした。しかし、その願いは空しくも潰える事になる。

「うるさい! お前なんかギタギタにしてやる!!」

 そう言うとリーダー格の少年は周りにいる他の少年達に闘真を殴るように命令する。闘真は大人しく一発二発は殴られた。

 だが、全く効いていない。むしろ蹴り飛ばす理由を作ってしまった事に少年達は気付いていない様子だ。

 そして闘真は殴ってきた少年に膝蹴りを一発入れる。勢いがありかつ良い角度で入った為、少年はその場に蹲ってしまった。

 蹲った少年を気にかけず闘真は殴ってきたもう一人の少年に一撃。少年は少し飛ばされると膝蹴りを入れられた少年と同じくその場に蹲る。

 この様子にザンバソードはため息を吐き、呆れていた。殴ってきた少年達も悪いが事の発端は闘真にあるし、容赦なく蹴り返す彼に今はどんな言葉を言っても聞こえないだろう。

「おい、さっさとどけよ……! じゃねえと今度はもっと蹴り飛ばすぞ!」

 群がる少年達をかなり鬱陶しいと感じ、更に闘真のフラストレーションは溜まる。脅しを通り越して宣言だ。

 リーダー格の少年は流石にこれ以上はマズイと感じたのか、仲間達に引き上げる様に言うと蹴られた少年達を抱えて逃げる様にその場を走り去って行った。

「ったく、最初からそうすりゃ良いだろ……」

 闘真は走り去って行く少年達の背を見送りながら毒気づく。何度も言うが、事の発端を開いたのは闘真の方だ。しかし、少年達にも非があるとはある為、一概に彼が原因とは言えないが……。

「お前もお前だ、闘真。いくらなんでも、あそこまで蹴り返す必要はなかっただろう?」

 ザンバソードの声音には幾分か怒りの色が感じられる。だが、事情は把握していたから、あまり責める様な物言いにはならなかった。

「正当防衛だ」

「お前の場合は過剰防衛だがな」

 ザンバソードの言う事は最もである。しかし、闘真は特に悪びれもせず、それが当たり前だという様な態度を崩さない。

「んな事より、さっさと駅の方へ行こうぜ。向こうに着く頃には日が沈んちまうかもしれねえし」

「はぁ……それもそうだな」

 相棒はこれ以上の口論は時間を浪費させるだけと判断して諦めた。そして、闘真達が歩き出そうとした瞬間、その場に残っていた最後の一人が口を開いた。

「あの、待ってください!」

 その声に反応し、闘真は声がした方に顔を向ける。その視線の先には、少女がいた。先程、少年達に取り囲まれる様に集団の中心にいた少女だ。

「何だよ? 何か用か?」

 闘真はえらくぶっきらぼうな話し方で返す。少女は闘真の態度に少したじろぐが、それでも芯がぶれずに話し続ける。

「その……助けてくれてありがとうございます」

「あ?」

 闘真は予想外の言葉にただ口悪く返すだけになってしまった。

「悪いがコイツはお前を助ける為に蹴り飛ばした訳じゃないぞ?」

 事情を察していたザンバソードは冷静ながらも穏やかな口調で言う。

 彼の言う通り、闘真は少女の事を視野に入れていないし、邪魔だったから少年達を蹴り飛ばしたに過ぎなかったのだ。礼を言われる事ではないだろう。

「でも、助けてくれた事には変わりないのでお礼はちゃんと言いたいんです」

「そうか。だってよ、闘真」

「俺に振るなよ。てめえなんかどうでも良いんだけど」

 正直な意見が発せられるとザンバソードは今日何度目かのため息を吐いた。

「つか、お前いつからいたんだ?」

 闘真は少女が最初からいた事に気付いていなかった。この質問に少女は苦笑いを浮かべながら答える。

「最初からいましたよ。後、いきなり暴力は振るうのはいけないと思います」

「あ? でけえ小石を蹴り飛ばしただけで何でそう言われなきゃいけねえんだよ?」

「でかい小石って、それ矛盾していますよ」

「知るか。これ以上、てめえも何か言うんなら蹴り飛ばすぞ?」

 女の子相手でもこの態度。どんな相手にでも我を通す闘真にザンバソードは呆れていたが、目の前の少女はどこか憧憬の様なものを抱いていた。

「闘真、流石に女の子を蹴り飛ばす様な事はするなよ?」

 釘は刺すがこの制止を一度たりとも聞いてもらえていないのが、ザンバソードの頭を悩ませる種の一つ。

「うるせぇ、もう用はねえし帰るぞ」

 と再び歩き出すが、少女に呼び止められる。

「そっち、駅の方角じゃないですよ」

 親切に教えてくれる少女。しかし、闘真はもう一度足を止められた事に腹が立ち、少女の方に振り返り距離を縮める。

「おい、闘真止せ!!」

 ザンバソードの制止も振り切り、闘真は容赦なく少女を蹴り飛ばした。周りに人がいなかった為、騒ぎにはならないがこれは人として褒められない。完全なる理不尽な暴力だ。

「痛ぁ……」

 少女は尻餅をつき、蹴られた箇所をさする。余程、痛かったのかその目には薄っすらと涙が浮かんでいた。

「闘真! お前、流石に今のは見過ごせんぞ!!」

 流石のザンバソードも堪忍袋の緒が切れ、烈火の如く激しい怒りをぶつける。

「あ!? 何でてめえにまで文句言われなきゃいけねぇんだよ!?」

 闘真はザンバソードの態度に反抗し、苛立ちをそのまま口にする。

 両者が激しい口論がしている最中、少女は闘真の腰にあるデッキケースと彼のバディであるザンバソードを見て、ようやく闘真がバディファイターである事に気付いた。

 このまま両者が喧嘩を続けていたら、周りの人に迷惑がかかるかもしれないと思った彼女は二人の間に強引に割って入る。

「ちょっと待ってください! とりあえず、二人とも落ち着いて!!」

「ああ!? 何でてめえが入ってくんだよ?」

「あのバディファイターですよね? 道を教えますから私にバディファイトを教えてください!」

「あ!?」

 これまた予想外な少女の言葉に闘真は驚く。ザンバソードもその意見に驚き、次言おうとした言葉を飲み込んでしまった。

「お前、バディファイターじゃねえのか?」

 闘真は先程とは打って変わって穏やかな声音で訊ねる。少女は首を縦に振った。

「……そうか。まぁ、ファイターが増えてくれた方が俺も楽しみが増えるからな」

 と言って、闘真は少女の要求を快諾した。

 その時、少し暗かった少女の表情は一気に明るくなる。恐らく、それが彼女本来の性格で感情だろう。闘真はさほど気にしなかったが。

「そういえば、お前の名前は?」

 ザンバソードが少女の名前を聞く。少女は明るく元気の良い笑顔で答えた。

「私、鳥田汐って言います! よろしくお願いします!」

 

「……っで、何で俺がアイス奢らされてんだ?」

「汐を蹴り飛ばした罰だ。それぐらいは当然だろ?」

 相棒にそう言われると闘真は周りにも聞こえるぐらいの大きさでため息を吐く。その隣で汐は買ってもらったアイスを美味しく味わっていた。

 道を教えてもらう代わりにバディファイトの事を教える事になったのは良いが、途中でまさかアイスを買わされるとは思ってもなかった。

 その経緯はザンバソードが汐を蹴り飛ばした一件を無かった事にしたくなかった為、どうにか闘真を謝罪させその賠償としてアイスを奢る事になったのだ。アイス一つ分で済むなら安いものである。しかし、万年金欠な闘真にとってはかなり痛い出費だった。

「これで新しいパック買うのまた我慢しなくちゃいけねぇな……」

 誰に向けた言葉ではない独り言。アイスを食べ終わった汐がその独り言を聞いたのか、本題を持ち出す。

「あ、そうだ。バディファイトの事……」

「んあ? そうだったな……」

 と言って、闘真は何から話そうかと悩む。デッキを組む時以外には見ない姿であるから、ザンバソードは少し新鮮に思えた。

「お前はどこまでバディファイトを知っている?」

「えっと、ルールは分からないけどモンスターの世界が私達の世界と繋がっている事とか、色んな世界のモンスターと一緒に戦うカードゲームなのは分かります」

 汐は自分が分かる範囲でバディファイトの事について話す。バディファイトは世間的に広く知れ渡っているTCGな為、この辺りは常識的な範囲内だ。

「おう、そうか。なら、あんま細かい話をしなくても良いな」

 バディファイトがどういうカードゲームかという事を説明しなくて済む事を確認すると少し安堵する。あまりこの手の話の説明は苦手であるからより一層に。

「つか、敬語で話さなくて良い。めんどくせぇ」

「……え? でも、少なくとも私より年上に見えるから敬語で話した方が……」

「めんどくせぇ」

「あ、はい」

 そう返事はしたものの闘真の事を知らない汐はどう話して良いのか分からない。すかさず、ザンバソードのフォローが入る。

「変に気を遣わなくて良いって事さ。多分、年はそんなに離れていないと思うしな。念の為に聞くが汐はいくつだ?」

「十一です。今年で十二になります……あ」

 思わず敬語で話してしまった。その様子にザンバソードは苦笑いをする。

「大丈夫だ、怒りはしないって。それに闘真も十三だから年も離れていないし、無理して話す事はないぞ」

「てめえが何で俺の年を知ってんだよ?」

「バディだからな、それぐらいは覚えているさ」

「あっそ」

 至極興味がない様子だ。汐は闘真という人間がとても分かりやすい反応をする人間だという事を改めて知る。バディファイトだと真剣になるのに……。

「じゃあ、闘真君って呼んで良いの?」

「好きにしろ」

「わーい!」

 汐は両手を上げ喜びを全身で表す。まとも名前を呼べる知り合いが出来て、とても嬉しいのだ。

 闘真は興味なさ気に彼女を見つめる。彼女の喜ぶ理由が思い当たらない。

「お前って奴はよく分かんねぇな」

「それって酷くない!?」

 喜んだかと思ったら今度は怒り出す。闘真はそれを適当に聞き流しながら、バディファイトについてどんな事を話そうか内容をまとめていた。

 しかし、まともにバディファイトについて語る暇もなく目的地に着いてしまった。

「あ……」

 その事に気付いてしまった汐は少し落ち込んでしまった。彼女の気持ちを知ってか知らずか闘真は口を開く。

「おい、今度また東京に来るからその時に話してやるよ」

 彼の一言で汐の表情は明るくなる。闘真自身も満更ではない様子で少し笑った。

「じゃあ、また会えるんだね!」

「それは分からねぇけどな。でも、今一つ教えてやる」

「何?」

「バディファイトは対話だ。色んな奴らと繋がれる最高のカードゲームって事さ」

 そう言うと闘真達は駅構内へと足を踏み出す。

「ねえ、最後に一つ良いかな?」

「何だよ?」

 ここに来て少し眉を顰める。バディファイト以外では本当に短気だ。

「今度会ったら、バディファイトの事を教えてくれる?」

「当然だ。一人でもバディファイトを楽しんでくれる奴が増えるなら嬉しいからな」

「うん、ありがとう!」

 汐は満面な笑みで礼を言う。闘真もつられる様に口の端を少し上げる。

 そして彼らが駅構内へ入って姿が見えなくなるまで汐はその背中を見送った。ようやく出来た一つの約束を胸に――。




 如何でしょうか? 実はお試し連載という事もあり、本編と書き方を変えてみました。沼津編もまたこれとは違う書き方にします。
 私自身、TCG系の小説は初めてなので試行錯誤しながら書いています。まあ、文章力の皆無さやファイトのしょぼさは相変わらずかと思いますが……。
 後、空達との詳しいファイト内容は本編の最新話(これより1つ前の話)をお読みください。(姑息な宣伝)

 皆さんもお気付きかと思いますが、俊介様の作品『ラブライブ!サンシャイン!!×バディファイト~みんなで掴む輝き』にて活躍中の「鳥田汐」をこの作品に登場させています。
 この作品はどの作品の(特にラブライブ!サンシャイン!!関連なら)過去にあてる事が出来る設定(作中の年代がラブライブ!サンシャイン!!本編の4年前)故に、他の作者様のところへ提案したキャラクターが登場した場合はそのキャラクターの過去を描いている事になります。
 そこで一つお願いがあります。それはこの作品で起きた事や他の作者様へ提案したキャラクターの言動などは“この作品はこの作品、あちらの作品はあちらの作品”とある程度割り切って読んでくださると嬉しいです。
 細かい点が違っていたり、もしかしたら別人の様な感じになっていたりするからです。その点もご留意していただけると本当に幸いです。

 話を切り替えてアンケートの方も設けてみました。新しく追加された機能でちょっと使ってみたくなりましたので……アンケートの内容もそんなに堅苦しいものではないはずなので気軽に答えていただけたら嬉しい限りです。

 後、主人公の紹介です。初っ端から問題を起こしていましたが……。

 相楽 闘真(さがら とうま)/男性/中1/13歳
使用ワールド:ドラゴンワールド/使用デッキ:武装騎竜/バディ:超武装騎竜 ザンバソード・ドラゴン
容姿:少し暗めのオレンジ色のボサボサしたショートヘアーに少し暗めの青色の瞳で三白眼。首に2枚のタグが付いたネックレスを身に付けており、1枚目のタグにはドラゴンのイラストが、2枚目のタグには自分の個人情報が彫刻されている。私服は左肩にドラゴンのイラストが描かれているワッペンが付いている半袖のポロシャツ、青色のジーンズに赤いラインが入ったスニーカーでまとめている。ポロシャツの襟は立てるタイプ。中肉で身長は158cm。
性格:口がかなり悪く、かなり短気で暴力的。己に正直で周りを考えない行動が多い。ファイトは相手との対話を意味していると考えており、常に強い“ファイター”とのファイトを望んでいる。そして常にファイターとして正しい選択をしようと心がけている。自分の興味ない事は気にせず無視する。一人称は「俺」。
概要:神奈川の横浜に住んでおり(尚、本人は横須賀って言った方がいい地域だと言っている)、横浜の中学校に通う中学生。普段の横暴な態度が目立つ所為であまり周りに分かってもらえていないが、バディファイトが大好きでありファイトを通じて相手の内面を知る事が出来ると考えている。彼の判断基準はファイターとしては良くても人間としてはあまり良くない。その為、多くの人達からは白い目で見られている。

 最後に一つ改めて紹介させてください。
 今回登場した「鳥田汐」も活躍している俊介様の作品『ラブライブ!サンシャイン!!×バディファイト~みんなで掴む輝き~』をぜひ読んでみては如何でしょうか?

 では、ここら辺で筆を休めます。次の更新でまたお会いしましょう。また感想や活動報告のコメントもお待ちしています。
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